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第4章 おっさん、祭りに参加する
第52話 新たな逸材
俺たち1年A組は魔技祭優勝に向けてまずは個々の能力診断から始まった。
そして俺が順番にグループごと能力を拝見し、頭の中で模索をしていた。
「さて、次のグループは……」
次のグループはフィオナたち三人がいるグループだった。
「あいつらか」
フィオナ、ガルシア、リーフの三人は間違いなく我がクラスの主力戦力となることだろう。
なぜかと言えば単純で彼らには魔術の才能があるからだ。
1年A組は基本的に優秀揃いだ。
アロナードの試験は相当難関だと言う。受かるだけでも大変な魔術学校のトップレベルを張っている奴らだ。
能力がないわけがない。
その中でも能力が突出しているのがフィオナたち三人衆というわけなのだ。
「さて、どういう適正を持っているか……」
正直フィオナたちならどの種目もこなせることだろう。
だが、これはチーム戦。
しかも同一生徒の出場は二回までという制限がある。
その上、全員参加必須だ。
能力のある者一人に頼るという方法はできないのだ。
あまり彼女たちの近くへは行かず、遠くから観察する。
理由は俺を意識して能力を発揮できない可能性があるからだ。
誰でも人に見られながら事をこなす状況に立たされたら意識してしまうものだ。
それが自分より身分が上だったり目上の人間なら尚更だ。
そうなると色々と面倒なのでこのような対処をとっている。
「最初はリーフか」
リーフは順当に試験をこなしていく。
見た所、彼女はガンガン攻めるようなタイプではないようだった。少し魔術が能力的に上回り、その他は無難と言った感じだ。
無難とは言っても高水準に考えた結果だ。そこらの学園生と比べたらどの分野も一歩抜き出ている。
まぁいわゆるオールラウンダーという奴だ。
彼女の性格と似た素直な魔術と立ち回り、そして最も俺が目を引いたのはとにかく冷静であることだった。
思わぬことが起きても慌てている様子はなく、至って冷静だった。
魔術師において冷静な対応ができることは非常に重要な事だ。
魔術は精神作用が強い術だ。冷静さを欠くような行動を取れば力を発揮できない。
精神的不安定に陥らないのは彼女の大きな強みと言えるだろう。
だがしかしだ。彼女の動きを見ているといいことばかりではなかった。
その一つの理由としては一つ一つの動きが素直過ぎるのだ。
これは彼女の真面目な性格がモノを言わせているようだが、素直すぎるのもよくない。
素直すぎるということは知識を有する相手からすれば見切りやすいということになる。
「タイマンで起用するのは厳しいか……」
能力は高いのだが唯一勿体ない部分だった。
適正的にどちらかと言えば団体戦向きだ。
一通り終わり、次に前に出たのはガルシアだった。
「出たな問題児」
ガルシアは好戦的でいつも俺を困らせている問題児なわけだが、魔術の才能に関してはピカイチだった。
潜在能力で言えば恐らくクラスで最も高い物を持っていると言っても過言ではない。
最初はやる気のないように見受けられたが、気分が乗ってきたのか段々と動きに機敏さが出てきた。
見る限り、彼の強みは何と言っても抜群の破壊力だった。
好戦的な性格が大きく反映されている彼の動きは相手からすれば驚異的なものだ。
しかもそれでいて隙が無い。リーフとは違って、タイマンでは破格の強さを誇るだろう。
だが逆に言ってしまえば彼はまだ精神的不安定な場面が目立つ。
上手くいかない場合、激情してしまう可能性が高いのだ。
そうなってしまうと力が発揮できなくなり、能力は今の半分以下になるだろう。
「ガルシアは使い時を考えないといけないな」
とは言っても能力的には申し分ない。
精神面を解決することができれば彼は間違いなく最強の魔術師へと一歩進む事ができることだろう。
「あれ? レイナード先生?」
「ん?」
呼ばれた方向を振り向くと、立っていたのはヒラヒラと可愛い制服に身を包んだオルカの姿だった。
「あ、やっぱりレイナード先生だ!」
「オルカか。どうしたんだ? 高等部の校舎まで来て」
「先生に機材を持ってくるよう頼まれて……私だけやる事が全て終わっていたものですから」
「そうか。学園の生活にはもう慣れたか?」
「あ、はい! まだ少し不安な所はありますが、おかげさまで毎日が楽しいです!」
「なら良かった」
オルカも学園に馴染んできたようだ。
出会った時よりも表情が生き生きとしていた。
それとほんの数日前に知ったことなのだが、オルカはあまりの優秀さから生徒、教師ともに注目されているようで一部の人の間では神の使徒なのではと言われているほどだった。
能力で言えば中等部、いや高等部の生徒にも匹敵するレベルだそうだ。
自分が連れてきてあれだが、今後が楽しみな生徒の一人だ。
「聞いてください先生! この前、中等部の先輩方と模擬戦をした時に私が優勝したんですよ!」
「おお、そうかそうか。頑張ったな」
「はい!」
満面の笑みで彼女は嬉しそうに返事をする。
「こんな経験をできるなんて夢見たいです……これも全て先生のおかげです。ありがとうございます!」
彼女は深々と頭を下げる。
俺はオルカの頭を撫でながら、
「そうかしこまるな。伸び伸びと生きろ」
「せ、先生……」
少し顔を赤らめ、恥ずかしくなったのか目をそらす。
「それといいのか? こんな所で時間を使っていて。先生の頼まれたんじゃないのか?」
「あ、そうでした! すみません、先生もお仕事中なのに」
「ああ、でもオルカの姿を見て安心したよ。これからも頑張れよ」
「はい、頑張ります! それでは失礼します!」
彼女は元気よく挨拶を交わし、ハイスピードで去っていった。
「新たな逸材……か」
学生時代、同じようなことを言われていたのを思い出す。
年齢も丁度オルカぐらいの時だ。
なんだろうな、少し気分が良い。
仕事を頑張ろうと思えてくる。
そして俺の視線の先にはフィオナの姿があった。
「さて、仕事の続きをしますかね」
いつも重かった自分の身体が少しだけ軽くなった、そんな気がした。
そして俺が順番にグループごと能力を拝見し、頭の中で模索をしていた。
「さて、次のグループは……」
次のグループはフィオナたち三人がいるグループだった。
「あいつらか」
フィオナ、ガルシア、リーフの三人は間違いなく我がクラスの主力戦力となることだろう。
なぜかと言えば単純で彼らには魔術の才能があるからだ。
1年A組は基本的に優秀揃いだ。
アロナードの試験は相当難関だと言う。受かるだけでも大変な魔術学校のトップレベルを張っている奴らだ。
能力がないわけがない。
その中でも能力が突出しているのがフィオナたち三人衆というわけなのだ。
「さて、どういう適正を持っているか……」
正直フィオナたちならどの種目もこなせることだろう。
だが、これはチーム戦。
しかも同一生徒の出場は二回までという制限がある。
その上、全員参加必須だ。
能力のある者一人に頼るという方法はできないのだ。
あまり彼女たちの近くへは行かず、遠くから観察する。
理由は俺を意識して能力を発揮できない可能性があるからだ。
誰でも人に見られながら事をこなす状況に立たされたら意識してしまうものだ。
それが自分より身分が上だったり目上の人間なら尚更だ。
そうなると色々と面倒なのでこのような対処をとっている。
「最初はリーフか」
リーフは順当に試験をこなしていく。
見た所、彼女はガンガン攻めるようなタイプではないようだった。少し魔術が能力的に上回り、その他は無難と言った感じだ。
無難とは言っても高水準に考えた結果だ。そこらの学園生と比べたらどの分野も一歩抜き出ている。
まぁいわゆるオールラウンダーという奴だ。
彼女の性格と似た素直な魔術と立ち回り、そして最も俺が目を引いたのはとにかく冷静であることだった。
思わぬことが起きても慌てている様子はなく、至って冷静だった。
魔術師において冷静な対応ができることは非常に重要な事だ。
魔術は精神作用が強い術だ。冷静さを欠くような行動を取れば力を発揮できない。
精神的不安定に陥らないのは彼女の大きな強みと言えるだろう。
だがしかしだ。彼女の動きを見ているといいことばかりではなかった。
その一つの理由としては一つ一つの動きが素直過ぎるのだ。
これは彼女の真面目な性格がモノを言わせているようだが、素直すぎるのもよくない。
素直すぎるということは知識を有する相手からすれば見切りやすいということになる。
「タイマンで起用するのは厳しいか……」
能力は高いのだが唯一勿体ない部分だった。
適正的にどちらかと言えば団体戦向きだ。
一通り終わり、次に前に出たのはガルシアだった。
「出たな問題児」
ガルシアは好戦的でいつも俺を困らせている問題児なわけだが、魔術の才能に関してはピカイチだった。
潜在能力で言えば恐らくクラスで最も高い物を持っていると言っても過言ではない。
最初はやる気のないように見受けられたが、気分が乗ってきたのか段々と動きに機敏さが出てきた。
見る限り、彼の強みは何と言っても抜群の破壊力だった。
好戦的な性格が大きく反映されている彼の動きは相手からすれば驚異的なものだ。
しかもそれでいて隙が無い。リーフとは違って、タイマンでは破格の強さを誇るだろう。
だが逆に言ってしまえば彼はまだ精神的不安定な場面が目立つ。
上手くいかない場合、激情してしまう可能性が高いのだ。
そうなってしまうと力が発揮できなくなり、能力は今の半分以下になるだろう。
「ガルシアは使い時を考えないといけないな」
とは言っても能力的には申し分ない。
精神面を解決することができれば彼は間違いなく最強の魔術師へと一歩進む事ができることだろう。
「あれ? レイナード先生?」
「ん?」
呼ばれた方向を振り向くと、立っていたのはヒラヒラと可愛い制服に身を包んだオルカの姿だった。
「あ、やっぱりレイナード先生だ!」
「オルカか。どうしたんだ? 高等部の校舎まで来て」
「先生に機材を持ってくるよう頼まれて……私だけやる事が全て終わっていたものですから」
「そうか。学園の生活にはもう慣れたか?」
「あ、はい! まだ少し不安な所はありますが、おかげさまで毎日が楽しいです!」
「なら良かった」
オルカも学園に馴染んできたようだ。
出会った時よりも表情が生き生きとしていた。
それとほんの数日前に知ったことなのだが、オルカはあまりの優秀さから生徒、教師ともに注目されているようで一部の人の間では神の使徒なのではと言われているほどだった。
能力で言えば中等部、いや高等部の生徒にも匹敵するレベルだそうだ。
自分が連れてきてあれだが、今後が楽しみな生徒の一人だ。
「聞いてください先生! この前、中等部の先輩方と模擬戦をした時に私が優勝したんですよ!」
「おお、そうかそうか。頑張ったな」
「はい!」
満面の笑みで彼女は嬉しそうに返事をする。
「こんな経験をできるなんて夢見たいです……これも全て先生のおかげです。ありがとうございます!」
彼女は深々と頭を下げる。
俺はオルカの頭を撫でながら、
「そうかしこまるな。伸び伸びと生きろ」
「せ、先生……」
少し顔を赤らめ、恥ずかしくなったのか目をそらす。
「それといいのか? こんな所で時間を使っていて。先生の頼まれたんじゃないのか?」
「あ、そうでした! すみません、先生もお仕事中なのに」
「ああ、でもオルカの姿を見て安心したよ。これからも頑張れよ」
「はい、頑張ります! それでは失礼します!」
彼女は元気よく挨拶を交わし、ハイスピードで去っていった。
「新たな逸材……か」
学生時代、同じようなことを言われていたのを思い出す。
年齢も丁度オルカぐらいの時だ。
なんだろうな、少し気分が良い。
仕事を頑張ろうと思えてくる。
そして俺の視線の先にはフィオナの姿があった。
「さて、仕事の続きをしますかね」
いつも重かった自分の身体が少しだけ軽くなった、そんな気がした。
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