元英雄でSSSSS級おっさんキャスターは引きこもりニート生活をしたい~生きる道を選んだため学園の魔術講師として駆り出されました~

詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)

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第4章 おっさん、祭りに参加する

第80話 精神特訓1

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「……ここだ」
「なんだよ、この薄気味悪い部屋は」

 俺はガルシアと共にとある場所にいた。学園の地下にひっそりと存在する普段はあまり使われていない多目的ホールだ。
 
 学園の掟上、この部屋は学園長へ直々特別申請をし、許可が下りない限りは使用することは許されない。
 だが俺はそんな面倒なことはご免なので許可など取るはずもない。まぁ無断使用だ。許せフィーネ。

 するとガルシアが、

「ここで何するってんだ」
「お前にはここで少しばかり別メニューをこなしてもらう」
「別メニューだと?」
「そうだ。お前の欠点、精神欠陥を克服するためだ」
「精神欠陥だと?」

 精神欠陥、それは過去のトラウマや憎悪によって作られた心の穴。つまりは欠陥である。ガルシアは過去の出来事によって強くなりたいという気持ちがある。だがその気持ちの強さゆえに精神的不安定を生み出してしまう要因にもなってしまっているのだ。

 魔術師にとって精神的不安定な物ははっきり言えば使い物にならない。魔術と人の精神は密接に繋がっているからだ。

 人は気持ち次第で強くなれる……こんな感じに世のバカ学者共が提唱するのはそのためだ。人は多くの可能性を秘めている。そのリミッターを解除するのは心と精神なのだ。

 だが行き過ぎた想いは逆に破滅を招く。魔力というものは実に繊細だ。

 お湯が沸騰すればやかんから溢れ出すように魔力も蒸発すれば体内から一気に放出される。これは自己の破滅、そして世の破壊を招くのだ。

「だからこそ、お前には克服してもらう必要があるのだ」
「ちっ、俺を知ったような口ぶりしやがって……」

 相変わらず目上の者に対しての態度がなっていない。これも含め、精神的特訓を叩き込む必要があるみたいだ。

「無駄口叩かずそこに座れ。そして目を瞑るのだ。……強くなりたいじゃないのか?」
「ちっ……」

 ガルシアは舌打ちをし、納得のいかない表情を見せるも俺に従う。
 
「いいか? 10だ。10数えたら目を開けろ。そして……その場で起こったことを受け入れるのだ」
「……は? どういうことだ」
「やってみれば分かる。恐らく最初の内は吐き気や気絶、運が悪ければ精神疾患に陥る可能性もある。心してかかるんだ」
「てめぇ、俺に何を……」
「大丈夫だ。もし危険な時はなんとかする。お前は今その瞬間に集中するんだ」
「くっ……!」

 ガルシアは俺を睨み付けつつも、そっと目を閉じ数字を数えだす。
 
(……悪いな、ガルシア。お前の為にも少し辛い目に遭ってもらうぞ)

 3、4とカウントは続く。俺は記憶操作の術式を唱え、ガルシアのいる方へと手を翳す。
 
「記憶を統べし女神ムネーモシュネーよ。理を知り、記憶の全てを知り、そして我を混沌の導きへと支配したまえ。≪デッド・オア・メモリー≫」

「9、10!」

 ガルシアは10と言ったと同時に目を開眼させる。
 すると、
 
「……ここは、どこだ?」

 目を開けるとそこは自分が知らないはずの、そして廃れて廃墟化した街の姿があった。
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