元英雄でSSSSS級おっさんキャスターは引きこもりニート生活をしたい~生きる道を選んだため学園の魔術講師として駆り出されました~

詩葉 豊庸(旧名:堅茹でパスタ)

文字の大きさ
125 / 127
第5章 おっさん、優勝を目指す

第123話 呼び出し

 
 お待たせして申し訳ありません!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 時は戻って決勝競技前日。
 フィオナ・ミラーフィールドはある場所へと向かっていた。

 そう、例の屋敷へと出向いた時に交わした約束。
 
 その呼び出しがされたのである。
 場所は王都南西にある小さな酒場。

 そこで前の話の続きをすると、ルーカス・アルモンドより連絡があった。

「……ここね」

 街の最南端にあるその酒場はどちらかというとバーみたいな店構えで細い路地を入った所にあった。
 古びた扉からかなり前からある老舗のバーであることが分かる。
 
 私はそっと扉を開け、店内へ。
 
 すると目の前のカウンター席に座っている人物が一人、私の目に入った。
 その人物は薄茶の液体の入ったグラスを転がしながら、カウンターテーブルに肘をつけていた。

「やぁ、数時間ぶりだね」
 
 ハットを被り、サングラスをかけた男が声をかけてくる。
 聞き覚えのある声だ。

「ルーカス生徒会長……ですか?」

 見栄えだけでは分からなかったので一応確認。
 すると男はハットとサングラスを取ると、コクリと頷いた。

「そうだよ、フィオナさん。すまないね、一応此処に来るのはお忍びってことになっているもんだから」
「それにしても学生らしからぬ格好ですね。しかもこんなところ……未成年者が入れるような場所ではないと思うのですが?」
「ははははっ! 確かにそうだね。でも、ここなら落ち着いて話せるだろう? 貸し切りだから人も来ないし、盗聴される心配もない」
「……私は逆に落ち着かないんですが」

 このレトロで大人の雰囲気が溢れる店内は世間知らずの私にとっては刺激が強かった。
 こんな場所、映画とかでしかみたことなかったし。

 だがそれに反してルーカスは物凄く落ち着いていた。

「不満だったかい? まぁ、確かに真面目なフィオナさんにとっては少々刺激が強すぎたかな?」
「……そんなことより、早く本題に入ってください。これ以上、長引くとクラスのみんなや先生が心配するんで」
「まぁまぁそう焦らないで。時間はまだあるんだから」

 そう言ってルーカスは薄茶色の液体の入ったグラスを口元に持っていくと、グイッと飲み干す。

(うっ、なにこの匂い……アルコール?)

 鼻につくようなこの匂い。
 前に化学の実験の時に嗅いだ匂いと同じ匂いだった。

「……まさか、今飲んでいたのってお酒ですか?」
「ん? ああ、そうだよ。俺は生粋のウイスキー好きでね。これでも結構な種類のウイスキーを飲んできたもんだ。モルト・スコッチ・アイリッシュ・ウェルシュ……一番好きなのはスコッチだね。特にオン・ザ・ロックスで飲むのが一番好きなんだ」
「……別にそんなこと聞いてません。それにお酒は20を越えてからって法律で決まっているのですが?」
「あははは、手厳しいね。ま、キミの言う通りだ。絶対にマネしちゃだめだよ?」
「……」

 というか、それ以前に何を言っているのかさっぱり分からなかった。
 スコッチ? アイリッシュ? 犬の名前みたいな言葉が出てきてたけど……。

「そ、それより早く本題に移ってください。私はお酒のことを聞くためにわざわざこんなところまで来たんじゃないんです」

 話をそらそうとするのですぐに路線を戻す。
 ルーカスは手に持ったグラスをポンと置くと、

「……まぁ、そう怒らないで。約束は守るから。それに、こう言った話をする時はシラフの方がいいだろう?」
「……」
「ま、そろそろ酔いも回ってきたことだし、本題に入るとしますかね」

 ルーカスは少し赤く染めた頬に手を当て、肘をつく。
 そして少し間を開けた後、話を切り出した。

「フィオナさん。聞く前に一つだけ、約束してほしいことがある」
「約束してほしいこと?」

 フィオナの視線はルーカスにガッチリ固定される。
 
「これから言うことは、他言無用でお願いしたいんだ。何故なら――」

 ルーカスは一旦止め、再び続ける。

「この話は国の最重要機密情報。いわゆる……禁忌規定に基づくものだからだ」
感想 29

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。

棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )