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第二章【能力者狩り編】
スイーツの王様
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■■■■
七月最終週。某日学校にて。
大学は今日から長い長い夏休みに入っていて、まるまる八月と九月が休みなのだ。地元の高校では八月後半から学校が始まったものだから、その長さには驚いた。
そして、俺は何故夏休みにも関わらず学校に来ているのかというと──、
「あーあ、夏休みなのに初日から補習だなんて、ツイてないよねー」
俺の隣で講義を受けているのはユキちゃんだ。茶色の髪を窓からそよぐ風に靡かせ不満を口にする。成績優秀なユキちゃんだが、例の事件の後少し学校を休んでいたため、補習に参加していたのだ。
因みに俺の理由は、レポート事件の弊害だ。
「でもユキちゃんと一緒だから少し嬉しいよ、俺一人だったら耐えられそうに無いからな」
この先生は、九十分間永遠としゃべり続けるだけのスタイルで授業をする。それが退屈で退屈で仕方が無かった。
それにしてもユキちゃんは相変わらず可愛い。夏の暑さも相まって、服装は薄着だ。これがまたたまらない。白のキャミソールに赤のチェック柄のスカート……ん?
「え?」
上から舐め下ろすように服装を見ていたが、スカートの所で目が止まる。何かスカートにくっついているのだ。黒い鎧に身を包み、兜にはどんな敵をもなぎ倒す立派な角が生えている。
そう我等が『カブトムシ』さんです。
「きゃっ、恭君取って取って!!」
ユキちゃんが慌てて言ってくる。その姿はサタコのそれとは大違いだ。
しかし、取ってと言われたその部分はミニスカートの真ん中、丁度股間の辺りに付いているのだ。
いいんですか!? こんな場所に手を伸ばしてもいいんですか!?
それでも尚、早く取ってと言ってくるユキちゃん。俺は仕方なく、カブトムシさんの角を持ちグイッと引っ張る。
「えいっ」
すると、カブトムシさんと一緒にミニスカートがフワリと持ち上がり、ユキちゃんの禁断の三角州が顕になった。
ピンクだった。
「きゃーーーっ!」
そしてユキちゃんの悲鳴が、静かな教室に響きわたった。
「五月蝿いぞそこーーっ!!」
先生に一喝され、俺達は静かにカブトムシさんと格闘する事を余儀なくされた。
今回のカブトムシさんは中々に手強い。スカートがめくれない様に何とか引き剥がそうとするも上手くいかず、俺はユキちゃんの股間の前で手を動かし続けた。
尚も抵抗するカブトムシさんは、その自慢の羽を広げ飛び立つも、後ろ足が引っかかり豪快にスカートを捲りあげた。
ナイスカブトムシ先輩ぃぃ!!
ようやく足がスカートから外れると、役目は終えたとばかりに、そのまま飛び去っていってしまった。
はぁ、ツイてないなぁ。ラッキーだったとは言え、総合的に見たら不運だろう。ユキちゃん怒ってるだろうな。
ユキちゃんを横目でチラリと見る。流石に気まず過ぎる……ユキちゃんは顔を赤らめ、視線を斜め下に落とし目を合わせてくれない。ここは男らしく勇気を出して謝るか。
「あ……あのユキちゃん、その、ごめん!」
「ううん、いいの。恭君はいつも私を助けてくれるもん。こちらこそありがとう!」
ユキちゃんは怒るどころか、笑顔でありがとうとまで言ってくれた。この表情にホッとする。
「講義が終わったら、気晴らしにパフェでも食べに行かない? 俺がご馳走するよ!」
「えっ、悪いよ。せめて割り勘にしない?」
「いいからいいから!」
そんな流れでファミレスに二人でパフェを食べに行く事になった。経緯はどうあれ、これは完全にデートだ。俺の心は密かにウキウキだった。
■■■■
授業が終わり、俺達はファミレス近くまで来ていた。ここまでは実に順調だ。ここまでは──、
「おーう、恭ぉ!」
ファミレス手前で声をかけられる。なんてタイミングが悪い事にこの声は──、
「ぐ、偶然だな大吉。こんな所で何やってんだよ」
街中でよく会う男、大吉。それはいい。それはいいんだが、問題はその隣にいる奴だ。
「なんで二人が一緒なんだよ。珍しいじゃねぇか」
「猫に襲われていた所を大吉に助けられたのだ」
「かっこ悪いエピソードさらっと言ってんじゃねぇぇ!」
はぁ……折角のデートが……よりによってサタコに出くわすとはな。
「大吉君、サタコちゃんこんにちわ。今からパフェ食べに行くんだけど、一緒に行かない?」
「パフェとは何だ?」
「んー。説明が難しいわね、スイーツの王様って所かな?」
その言葉を聞いたサタコの脳内メーカーが手に取るようにわかる。今サタコの頭の中は『スイーツの王様』で百パーセントを占められている事だろう。もう連れて行かない訳には行かない。
俺達は四人でファミレスに入り、向かい合って席に座った。
席に着くなり、早速メニューに目を通し、それぞれが注文する。
俺「バナナパフェ」
大吉「抹茶パフェ」
ユキ「チョコパフェ」
サタコ「いちごパフェ」
パフェが来るまでの間、サタコは何度もメニューを眺め、「おぉ」とか「きゃぁ」とか妄想を膨らませている。そんなに楽しみにされると何だか嬉しい。
「おまたせしましたー!」
暫くしてウェイトレスさんがパフェを持ってきてくれた。
「バナナパフェ、抹茶パフェ、チョコレートパフェでございまーす」
次々にテーブルに並べられていくパフェ達。その色とりどりの見た目に、一同声が上がる。
「あの、いちごパフェはまだですか?」
「いちごパフェはもう少々お待ちくださーい」
どうやら、サタコのいちごパフェだけ少し遅れるようだ。まぁ注文は通ってる様だったので、このまま待つか。
──五分後──
不機嫌そうなサタコさん。指をトントンさせている。
「アイスが溶けちゃうから先に食べてようぜ」
サタコのはすぐに来るだろう。折角なので俺達は先に食べながら待つ事にした。
──十分後──
涙目のサタコさん。
「サ、サタコちゃん? お姉ちゃんのパフェ少しあげるよ!」
「いらん。私はいちごパフェが食べたいのだ」
頑固な所は決してブレない。
──更に十分後──
ポタポタと遂に涙がこぼれ落ちるサタコさん。
「ご馳走様でしたー」
皆が食べ終わってもまだ来ない。
──更に五分後──
髪が逆立ち、いつしか怒りに変わるサタコさん。
「サタコちゃんの遅いね?」
「きっと特別に美味しく作ってっから遅いんだぜ? もう来るだろ」
「サタコ? 俺がちょっと聞いてきてやるから、怒りを沈めろ? な?」
俺の説得虚しく、サタコの怒りは限界に達した様で、両手を前に出し鎌を錬成しだした。
「お、おま! ちょ、こんな所で!?」
俺の声は届いていないのか、一切の迷いもなく、鎌が円を描くように横に振られた!
その軌道は、俺、大吉、ユキちゃんを完全に捉えていた。
「おい! サタコ!! なんて事を……」
俺がサタコに苦言を呈したその時──、
「お待たせいたしましたー、いちごパフェで御座いまーす。遅くなってしまったお詫びに、五倍のサイズで作らせて頂きましたー」
目の前に、でーんと置かれたジャンボいちごパフェを前にサタコの表情がパッと明るくなる。
サタコは自分の顔よりも大きなパフェに、スプーンを入れては満面の笑みで頬張る。途中のアイスゾーンで頭を抱えていたが、結局一人で全て平らげてしまった。いったいその小さい体のどこに入ったのやら。
「よ、良かったなサタコ!」
「美味しかった? また来ようね!」
「サタコちゃんのパフェデカかったなー」
皆に声をかけられ、御機嫌のサタコさん。ともあれ大惨事にならずに済んで俺はほっとした。
落ち着いたところで、俺達は涼しいファミレスを後にし、茹だるような暑さ中それぞれ家に帰る。
家に着くと、早速お説教だ。
「コラ! サタコ! さっきのはなんだ!? 俺はともかく、大吉やユキちゃんまで切っただろ!?」
「そんなに多くは刈り取っておらん。それに、私のパフェが遅いのがいかんのだ」
ツーンとして全く反省の色が見えない。
コイツ、どうしてくれようか。
頭ごなしに怒っても、全く効果が無いのはもうわかった。俺はサタコを後ろから抱き抱え、横腹をワキワキとくすぐってみた。
「サタコ! つまらない事で一般人に使ったらダメだろぉ!」
「フハ、フハハハハ……や、やめろ恭ぉぉぉぉ!」
変な笑い声だ。なおも続くくすぐり攻撃。
「フヒャ、フャヒャハャハャハャ……わ、わかった! しないっフハッ! なるべくもうしにゃハハハハ!」
体をくねらせ身じろぎするサタコさん。逃げる事叶わず遂にギブアップ。
格闘の末謝らせることが出来たが、二人共つまらない事で汗をかいてしまった。
「サタコ、罰としてお風呂沸かしてきてくれ」
「なぜ私がやらなければならないのだ」
反抗するサタコに向け、手をワキワキする仕草を見せると、サタコはお風呂を沸かすべく、スタタタっとお風呂場に向かう。
「おーい、恭ぉぉぉ?」
「ん? どーしたぁ?」
「お湯が出ん。どうやら壊れたみたいだな」
サタコに呼ばれお風呂を確認するも、どうやら本当に壊れてしまったようだ。ファミレスでのラックドレインの影響がまさかこんな所に出ていようとは。
「はぁ……しかたねぇ。今日は銭湯にでも行くか」
「銭湯? なんだそれは??」
「皆で入るデッカイお風呂みたいなもんかな。確か近くにあったから、行ってみようぜ? この先お世話になる事も多そうだし……」
画して俺達は銭湯に行く事に。
この暑さの中、お風呂に入れないのはちょっとキツイもんな。
七月最終週。某日学校にて。
大学は今日から長い長い夏休みに入っていて、まるまる八月と九月が休みなのだ。地元の高校では八月後半から学校が始まったものだから、その長さには驚いた。
そして、俺は何故夏休みにも関わらず学校に来ているのかというと──、
「あーあ、夏休みなのに初日から補習だなんて、ツイてないよねー」
俺の隣で講義を受けているのはユキちゃんだ。茶色の髪を窓からそよぐ風に靡かせ不満を口にする。成績優秀なユキちゃんだが、例の事件の後少し学校を休んでいたため、補習に参加していたのだ。
因みに俺の理由は、レポート事件の弊害だ。
「でもユキちゃんと一緒だから少し嬉しいよ、俺一人だったら耐えられそうに無いからな」
この先生は、九十分間永遠としゃべり続けるだけのスタイルで授業をする。それが退屈で退屈で仕方が無かった。
それにしてもユキちゃんは相変わらず可愛い。夏の暑さも相まって、服装は薄着だ。これがまたたまらない。白のキャミソールに赤のチェック柄のスカート……ん?
「え?」
上から舐め下ろすように服装を見ていたが、スカートの所で目が止まる。何かスカートにくっついているのだ。黒い鎧に身を包み、兜にはどんな敵をもなぎ倒す立派な角が生えている。
そう我等が『カブトムシ』さんです。
「きゃっ、恭君取って取って!!」
ユキちゃんが慌てて言ってくる。その姿はサタコのそれとは大違いだ。
しかし、取ってと言われたその部分はミニスカートの真ん中、丁度股間の辺りに付いているのだ。
いいんですか!? こんな場所に手を伸ばしてもいいんですか!?
それでも尚、早く取ってと言ってくるユキちゃん。俺は仕方なく、カブトムシさんの角を持ちグイッと引っ張る。
「えいっ」
すると、カブトムシさんと一緒にミニスカートがフワリと持ち上がり、ユキちゃんの禁断の三角州が顕になった。
ピンクだった。
「きゃーーーっ!」
そしてユキちゃんの悲鳴が、静かな教室に響きわたった。
「五月蝿いぞそこーーっ!!」
先生に一喝され、俺達は静かにカブトムシさんと格闘する事を余儀なくされた。
今回のカブトムシさんは中々に手強い。スカートがめくれない様に何とか引き剥がそうとするも上手くいかず、俺はユキちゃんの股間の前で手を動かし続けた。
尚も抵抗するカブトムシさんは、その自慢の羽を広げ飛び立つも、後ろ足が引っかかり豪快にスカートを捲りあげた。
ナイスカブトムシ先輩ぃぃ!!
ようやく足がスカートから外れると、役目は終えたとばかりに、そのまま飛び去っていってしまった。
はぁ、ツイてないなぁ。ラッキーだったとは言え、総合的に見たら不運だろう。ユキちゃん怒ってるだろうな。
ユキちゃんを横目でチラリと見る。流石に気まず過ぎる……ユキちゃんは顔を赤らめ、視線を斜め下に落とし目を合わせてくれない。ここは男らしく勇気を出して謝るか。
「あ……あのユキちゃん、その、ごめん!」
「ううん、いいの。恭君はいつも私を助けてくれるもん。こちらこそありがとう!」
ユキちゃんは怒るどころか、笑顔でありがとうとまで言ってくれた。この表情にホッとする。
「講義が終わったら、気晴らしにパフェでも食べに行かない? 俺がご馳走するよ!」
「えっ、悪いよ。せめて割り勘にしない?」
「いいからいいから!」
そんな流れでファミレスに二人でパフェを食べに行く事になった。経緯はどうあれ、これは完全にデートだ。俺の心は密かにウキウキだった。
■■■■
授業が終わり、俺達はファミレス近くまで来ていた。ここまでは実に順調だ。ここまでは──、
「おーう、恭ぉ!」
ファミレス手前で声をかけられる。なんてタイミングが悪い事にこの声は──、
「ぐ、偶然だな大吉。こんな所で何やってんだよ」
街中でよく会う男、大吉。それはいい。それはいいんだが、問題はその隣にいる奴だ。
「なんで二人が一緒なんだよ。珍しいじゃねぇか」
「猫に襲われていた所を大吉に助けられたのだ」
「かっこ悪いエピソードさらっと言ってんじゃねぇぇ!」
はぁ……折角のデートが……よりによってサタコに出くわすとはな。
「大吉君、サタコちゃんこんにちわ。今からパフェ食べに行くんだけど、一緒に行かない?」
「パフェとは何だ?」
「んー。説明が難しいわね、スイーツの王様って所かな?」
その言葉を聞いたサタコの脳内メーカーが手に取るようにわかる。今サタコの頭の中は『スイーツの王様』で百パーセントを占められている事だろう。もう連れて行かない訳には行かない。
俺達は四人でファミレスに入り、向かい合って席に座った。
席に着くなり、早速メニューに目を通し、それぞれが注文する。
俺「バナナパフェ」
大吉「抹茶パフェ」
ユキ「チョコパフェ」
サタコ「いちごパフェ」
パフェが来るまでの間、サタコは何度もメニューを眺め、「おぉ」とか「きゃぁ」とか妄想を膨らませている。そんなに楽しみにされると何だか嬉しい。
「おまたせしましたー!」
暫くしてウェイトレスさんがパフェを持ってきてくれた。
「バナナパフェ、抹茶パフェ、チョコレートパフェでございまーす」
次々にテーブルに並べられていくパフェ達。その色とりどりの見た目に、一同声が上がる。
「あの、いちごパフェはまだですか?」
「いちごパフェはもう少々お待ちくださーい」
どうやら、サタコのいちごパフェだけ少し遅れるようだ。まぁ注文は通ってる様だったので、このまま待つか。
──五分後──
不機嫌そうなサタコさん。指をトントンさせている。
「アイスが溶けちゃうから先に食べてようぜ」
サタコのはすぐに来るだろう。折角なので俺達は先に食べながら待つ事にした。
──十分後──
涙目のサタコさん。
「サ、サタコちゃん? お姉ちゃんのパフェ少しあげるよ!」
「いらん。私はいちごパフェが食べたいのだ」
頑固な所は決してブレない。
──更に十分後──
ポタポタと遂に涙がこぼれ落ちるサタコさん。
「ご馳走様でしたー」
皆が食べ終わってもまだ来ない。
──更に五分後──
髪が逆立ち、いつしか怒りに変わるサタコさん。
「サタコちゃんの遅いね?」
「きっと特別に美味しく作ってっから遅いんだぜ? もう来るだろ」
「サタコ? 俺がちょっと聞いてきてやるから、怒りを沈めろ? な?」
俺の説得虚しく、サタコの怒りは限界に達した様で、両手を前に出し鎌を錬成しだした。
「お、おま! ちょ、こんな所で!?」
俺の声は届いていないのか、一切の迷いもなく、鎌が円を描くように横に振られた!
その軌道は、俺、大吉、ユキちゃんを完全に捉えていた。
「おい! サタコ!! なんて事を……」
俺がサタコに苦言を呈したその時──、
「お待たせいたしましたー、いちごパフェで御座いまーす。遅くなってしまったお詫びに、五倍のサイズで作らせて頂きましたー」
目の前に、でーんと置かれたジャンボいちごパフェを前にサタコの表情がパッと明るくなる。
サタコは自分の顔よりも大きなパフェに、スプーンを入れては満面の笑みで頬張る。途中のアイスゾーンで頭を抱えていたが、結局一人で全て平らげてしまった。いったいその小さい体のどこに入ったのやら。
「よ、良かったなサタコ!」
「美味しかった? また来ようね!」
「サタコちゃんのパフェデカかったなー」
皆に声をかけられ、御機嫌のサタコさん。ともあれ大惨事にならずに済んで俺はほっとした。
落ち着いたところで、俺達は涼しいファミレスを後にし、茹だるような暑さ中それぞれ家に帰る。
家に着くと、早速お説教だ。
「コラ! サタコ! さっきのはなんだ!? 俺はともかく、大吉やユキちゃんまで切っただろ!?」
「そんなに多くは刈り取っておらん。それに、私のパフェが遅いのがいかんのだ」
ツーンとして全く反省の色が見えない。
コイツ、どうしてくれようか。
頭ごなしに怒っても、全く効果が無いのはもうわかった。俺はサタコを後ろから抱き抱え、横腹をワキワキとくすぐってみた。
「サタコ! つまらない事で一般人に使ったらダメだろぉ!」
「フハ、フハハハハ……や、やめろ恭ぉぉぉぉ!」
変な笑い声だ。なおも続くくすぐり攻撃。
「フヒャ、フャヒャハャハャハャ……わ、わかった! しないっフハッ! なるべくもうしにゃハハハハ!」
体をくねらせ身じろぎするサタコさん。逃げる事叶わず遂にギブアップ。
格闘の末謝らせることが出来たが、二人共つまらない事で汗をかいてしまった。
「サタコ、罰としてお風呂沸かしてきてくれ」
「なぜ私がやらなければならないのだ」
反抗するサタコに向け、手をワキワキする仕草を見せると、サタコはお風呂を沸かすべく、スタタタっとお風呂場に向かう。
「おーい、恭ぉぉぉ?」
「ん? どーしたぁ?」
「お湯が出ん。どうやら壊れたみたいだな」
サタコに呼ばれお風呂を確認するも、どうやら本当に壊れてしまったようだ。ファミレスでのラックドレインの影響がまさかこんな所に出ていようとは。
「はぁ……しかたねぇ。今日は銭湯にでも行くか」
「銭湯? なんだそれは??」
「皆で入るデッカイお風呂みたいなもんかな。確か近くにあったから、行ってみようぜ? この先お世話になる事も多そうだし……」
画して俺達は銭湯に行く事に。
この暑さの中、お風呂に入れないのはちょっとキツイもんな。
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