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清嶺地 エル(セイレイジ エル)
4:平手打ちと疑念
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新入生歓迎会という行事はその名の通り、一年生を迎え入れる行事だ。だけれども、校長の長ったらしい話は必要なのだろうか。だって生徒のほとんどが内容なんて聞いていないでしょ。
数週間前に他クラスの男子を見物したが、まさかそのうちのひとりの真黒くんが生徒代表としてあいさつするなんて思わなかった。クラスメイトらしき女が声援を浴びせていたが不愉快この上ない。ちゃんとTPOくらいわきまえなさいよ。
ハプニングもありつつ前座が終了し、少しの休憩のあと部活動紹介に移る。
ガタガタッ、カチッカチッ
六百を超えるパイプ椅子の持ち上げる音と畳む音が合わせて聞こえる。私は四組だから運ぶ距離が多くて嫌になるわ。
ステージ下の収納へ保護シートと共にどんどん仕舞われていく。収まり切らなかった椅子は隣にある倉庫に入れるらしい。
今度はバスケットボールのコート一面から少し距離をとった状態で、先ほどと同じ配列のまま体育座りするよう担任から指示を受ける。大して仲良くない女子と暇つぶし程度に世間話をしていると開始の号令がかかった。いよいよ『メインイベント開始!』って感じかしら。
運動部や文化部がおもいおもいのパフォーマンスをしていく。退屈というわけではないけれど、帰宅組が確定している私としては場違いのような。プログラムのしおりを見る限り、お目当てのバスケ部は最後なのであくびを噛み締めながら生徒の活動をながめる。
「次はバスケットボール部です。よろしくお願いします」
司会進行の教師からマイク越しに紹介される。半分寝ていた脳みそを無理やり覚醒させた。頭をグルグルと回し首回りの筋肉をほぐすと、気休めながらも視界がクリアになった。
制服を着用した二年と三年がコートの中心で横並びになる。そこには文仁くんの姿はなかった。前日に思わせぶりなことを言っていたから、何かをするのかと思っていたんだけど。
あれよあれよという間にひと通りの説明を終えて、部長らしき男が締めの挨拶をする。とんだ期待はずれだわ。ジュースでも奢らせようかしら。
「これでバスケットボール部の発表を終わりにします。気をつけーーー」
「ちょっと待ったぁああああああ!!!!」
後方から少し上ずった叫び声に一瞬心臓の鼓動が止まった。反射的に振り向くと五組の列から文仁くんと村井くんが仁王立ちしていた。声の主は村井くんのようだ。
一年生から発するアウェイな空気もお構いなしに、彼らはズンズンとバスケ部の方へ向かって人の間を縫うように歩いていく。コートの中央まで来ると立ち止まり『休め』のポーズを取った。
「一年五組、村井康太!」
「同じく一年五組、磯貝文仁! スポーツ推薦で入学しました! 三年間よろしくお願いします!」
彼らは威勢を放ったあと四十五度の角度で腰を折り曲げ同時にお辞儀をした。普段優柔不断なくせにちょっとはやるじゃない。
こうしてなし崩し的にデモンストレーションを開始することになり、全生徒のボルテージは一気に上がった。
参加する文仁くんと村井くん、二年の先輩は制服の上着とネクタイを脱ぎ捨て、ワイシャツを腕まくりするとそれぞれの配置につく。スリーオンスリーならぬツーオンツーだ。
倉庫からバスケットボールを持参した部長がハーフコートの中心へ向かう。
「10ポイントマッチです!」
部長は目配せしたあと首にかけたホイッスルを口に咥え、キレ良く鳴らすとゲームがスタートした。
久しぶりに見る試合中の彼はやはり技能に優れていて、食い入るように見つめてしまう。これが『ギャップ萌え』というやつなのかな。
…
……
あれから数日経過し、明らかに文仁くんの様子がおかしい。というのも、私に対する態度がいつにも増してぞんざいだし、話しかけても上の空だ。バスケのことばかりで、朝と昼休みはそれに関連する雑誌ばかりを読んでいたのに、中間テストに向けて食事中ですらも教科書を広げている。
「明日は雪かしら」
彼に軽く悪態をついてみたが無視された。ムカついたので飲みかけのいちごオレを奪ってやる。間接キスなんていちいち気にしていないもの。向こうがドギマギしてさっさと私を好きになってしまえばいいんだわ。
桜の花びらが散ってすっかり葉桜になったころ、例によって教室の自分の席でスマホを操作していると、飯沼と佐々川の会話が聞こえてくる。無駄に声を張り上げるので、聞き耳を立てなくても自然と耳に入ってきてしまう。
「昨日一組の越方しおんが真黒くんに告ったらしいよ!」
「越方って先月の集会で壇上に呼ばれてたポニーテールの?」
「そうそう! 新歓のときぶっ倒れて真黒にお姫様抱っこされてた!」
思い切り僻んでいる女子の話で、今まで忘れていた記憶が呼び起こされる。結局倒れた原因は貧血か何かだって担任が言っていたけど、本当に人騒がせな女。私みたいに健康に気を遣って栄養取らないからよ。
女子たちは互いの鬱憤を晴らすようにヒートアップしていく。
「あんなガリ勉女がみんなの真黒くんを独り占めするなんてありえないわ!」
「勉強できるのかもしれないけどさ、もっと身の程を弁えた方が良いと思わない!?」
「それなー」
『身の程を弁えろ』って……彼女が努力して得た結果なんだし関係ないと思うけど……
「ん? 告白したってことは~、真黒くんが好きなんだよね? つまり、先月お姫様抱っこされたときからもしかしてお風呂入ってないんじゃない?」
「言えてる~。私だったら制服しばらく洗濯できないもん」
「近くに寄ったら絶対臭いって! 昼休みになったらからかってこない?」
「いいね! ちょっと調子乗ってるからちょうどいいよ!」
その言葉を聞いた瞬間、気づいたときにはふたりの頬を平手打ちしていた。突然のことに、当事者を含めた周りの生徒が目を丸くして驚いている。
飯沼が叩かれた左頬を抑えつつ、怒りを露わにした表情で私を睨んできた。
「何すんのよ!」
「あのさー、悪口もその辺にしたら? 虫唾が走るんだけど」
「は?」
私の予想外な発言に口をあんぐりと間抜けに開け拍子抜けしている。私が品の良いお嬢様だと思っていたのかしら。
彼女が何もアクションを起こさないので話を続けた。
「叩いたことは申し訳ないわ。だけどこうでもしないとずっとあんたたちその調子でしょ? 悪口を聞く第三者ってすごく気分悪いのよね」
私の言葉に何人かの生徒が頷いて賛同する。両親に『嫌なことがあったら本人に直接言え』と厳しく教わったのだ。
ずっと黙っていた佐々川が一歩前私に近づき反抗してくる。
「あんたが越方の何を知ってるっていうのよ。話してるところ全く見たことないんだけど」
「何も知らないわ。もっと言えば先月貧血で倒れてるのを見たのが最初だもの」
「ほ、ほら……何も知らないなら楯突かないでよ! 正義の味方になったつもり!?」
はぁ……バカバカしくて話にならないわ。何人かの女子が担任を呼びにいったようだし早く片付けないと。
「別に? ただ私がムカついただけ。私はいじめが大嫌いなの! 特に人の容姿をネタにしたね!」
「あんたは美人だからいじめられることなんてないじゃない!」
「そうね。だけどそれとこれとは関係ないわ。いじめをしてはいけないことくらい幼稚園児でもわかることよ。とにかくやめてくれないかしら。入学したてなのに波風立てたくないでしょ?」
「……ふんっ」
それを聞いたふたりはそそくさと自分の席に座った。意味深なことを言ってしまったが、決して親に助けを求めようなんて思っていない。でもこう言っておけば彼女たちはもう二度とバカなことを繰り返さないだろう。
その後、事情を聞いた担任に叩いたことを咎められた。それは私も重々承知しているので改めて謝罪した。ふたりとも思うところがあったようで素直に聞き入れてくれて良かった。
その日の放課後。文仁くんに会うため隣の五組を訪れていた。彼に『気が散る』と言われてしまうかもしれないが、今日はひと騒動あったし、モヤモヤした胸の内を聞いてもらいたいんだもの。最悪部活が終わってからでも構わないし。
廊下でチラリと教室を覗くと彼の姿がなかった。もう体育館に向かったのかな?
続いて体育館の方へ足を踏み出すと、一組の教室の前で見知った髪色の少年がいる。
「文仁くん。どうしたの? こんなところで」
軽く声をかけただけなのに彼は大げさに身体をビクッと震わせた。その様子は二年前の本屋でのできごとを彷彿とさせた。
声の主が私だとわかると彼はバツの悪そうな顔でため息をついた。
「ビックリさせないでよ……」
「ゴメンって。で、どうして一組にいるの?」
「い、いや、何でもない。じゃ、部活行くから」
そう言うと彼は駆け足で私の元を走り去った。何なの? 意味わかんない。
文仁くんがいなくなると用もないので私も体育館に向かうことにした。
一組ねぇ……最近妙に関わることが多くなったかも。イケメンふたり組にちょっと病弱な才女。
文仁くんが急に勉強し始めたのも越方さんが倒れたころだったような。こんな偶然って重なるものなのかしら。次の定期テストで彼女の成績に追いつけるようにしているのだとしたら……?
……そんなまさかね。
数週間前に他クラスの男子を見物したが、まさかそのうちのひとりの真黒くんが生徒代表としてあいさつするなんて思わなかった。クラスメイトらしき女が声援を浴びせていたが不愉快この上ない。ちゃんとTPOくらいわきまえなさいよ。
ハプニングもありつつ前座が終了し、少しの休憩のあと部活動紹介に移る。
ガタガタッ、カチッカチッ
六百を超えるパイプ椅子の持ち上げる音と畳む音が合わせて聞こえる。私は四組だから運ぶ距離が多くて嫌になるわ。
ステージ下の収納へ保護シートと共にどんどん仕舞われていく。収まり切らなかった椅子は隣にある倉庫に入れるらしい。
今度はバスケットボールのコート一面から少し距離をとった状態で、先ほどと同じ配列のまま体育座りするよう担任から指示を受ける。大して仲良くない女子と暇つぶし程度に世間話をしていると開始の号令がかかった。いよいよ『メインイベント開始!』って感じかしら。
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「次はバスケットボール部です。よろしくお願いします」
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制服を着用した二年と三年がコートの中心で横並びになる。そこには文仁くんの姿はなかった。前日に思わせぶりなことを言っていたから、何かをするのかと思っていたんだけど。
あれよあれよという間にひと通りの説明を終えて、部長らしき男が締めの挨拶をする。とんだ期待はずれだわ。ジュースでも奢らせようかしら。
「これでバスケットボール部の発表を終わりにします。気をつけーーー」
「ちょっと待ったぁああああああ!!!!」
後方から少し上ずった叫び声に一瞬心臓の鼓動が止まった。反射的に振り向くと五組の列から文仁くんと村井くんが仁王立ちしていた。声の主は村井くんのようだ。
一年生から発するアウェイな空気もお構いなしに、彼らはズンズンとバスケ部の方へ向かって人の間を縫うように歩いていく。コートの中央まで来ると立ち止まり『休め』のポーズを取った。
「一年五組、村井康太!」
「同じく一年五組、磯貝文仁! スポーツ推薦で入学しました! 三年間よろしくお願いします!」
彼らは威勢を放ったあと四十五度の角度で腰を折り曲げ同時にお辞儀をした。普段優柔不断なくせにちょっとはやるじゃない。
こうしてなし崩し的にデモンストレーションを開始することになり、全生徒のボルテージは一気に上がった。
参加する文仁くんと村井くん、二年の先輩は制服の上着とネクタイを脱ぎ捨て、ワイシャツを腕まくりするとそれぞれの配置につく。スリーオンスリーならぬツーオンツーだ。
倉庫からバスケットボールを持参した部長がハーフコートの中心へ向かう。
「10ポイントマッチです!」
部長は目配せしたあと首にかけたホイッスルを口に咥え、キレ良く鳴らすとゲームがスタートした。
久しぶりに見る試合中の彼はやはり技能に優れていて、食い入るように見つめてしまう。これが『ギャップ萌え』というやつなのかな。
…
……
あれから数日経過し、明らかに文仁くんの様子がおかしい。というのも、私に対する態度がいつにも増してぞんざいだし、話しかけても上の空だ。バスケのことばかりで、朝と昼休みはそれに関連する雑誌ばかりを読んでいたのに、中間テストに向けて食事中ですらも教科書を広げている。
「明日は雪かしら」
彼に軽く悪態をついてみたが無視された。ムカついたので飲みかけのいちごオレを奪ってやる。間接キスなんていちいち気にしていないもの。向こうがドギマギしてさっさと私を好きになってしまえばいいんだわ。
桜の花びらが散ってすっかり葉桜になったころ、例によって教室の自分の席でスマホを操作していると、飯沼と佐々川の会話が聞こえてくる。無駄に声を張り上げるので、聞き耳を立てなくても自然と耳に入ってきてしまう。
「昨日一組の越方しおんが真黒くんに告ったらしいよ!」
「越方って先月の集会で壇上に呼ばれてたポニーテールの?」
「そうそう! 新歓のときぶっ倒れて真黒にお姫様抱っこされてた!」
思い切り僻んでいる女子の話で、今まで忘れていた記憶が呼び起こされる。結局倒れた原因は貧血か何かだって担任が言っていたけど、本当に人騒がせな女。私みたいに健康に気を遣って栄養取らないからよ。
女子たちは互いの鬱憤を晴らすようにヒートアップしていく。
「あんなガリ勉女がみんなの真黒くんを独り占めするなんてありえないわ!」
「勉強できるのかもしれないけどさ、もっと身の程を弁えた方が良いと思わない!?」
「それなー」
『身の程を弁えろ』って……彼女が努力して得た結果なんだし関係ないと思うけど……
「ん? 告白したってことは~、真黒くんが好きなんだよね? つまり、先月お姫様抱っこされたときからもしかしてお風呂入ってないんじゃない?」
「言えてる~。私だったら制服しばらく洗濯できないもん」
「近くに寄ったら絶対臭いって! 昼休みになったらからかってこない?」
「いいね! ちょっと調子乗ってるからちょうどいいよ!」
その言葉を聞いた瞬間、気づいたときにはふたりの頬を平手打ちしていた。突然のことに、当事者を含めた周りの生徒が目を丸くして驚いている。
飯沼が叩かれた左頬を抑えつつ、怒りを露わにした表情で私を睨んできた。
「何すんのよ!」
「あのさー、悪口もその辺にしたら? 虫唾が走るんだけど」
「は?」
私の予想外な発言に口をあんぐりと間抜けに開け拍子抜けしている。私が品の良いお嬢様だと思っていたのかしら。
彼女が何もアクションを起こさないので話を続けた。
「叩いたことは申し訳ないわ。だけどこうでもしないとずっとあんたたちその調子でしょ? 悪口を聞く第三者ってすごく気分悪いのよね」
私の言葉に何人かの生徒が頷いて賛同する。両親に『嫌なことがあったら本人に直接言え』と厳しく教わったのだ。
ずっと黙っていた佐々川が一歩前私に近づき反抗してくる。
「あんたが越方の何を知ってるっていうのよ。話してるところ全く見たことないんだけど」
「何も知らないわ。もっと言えば先月貧血で倒れてるのを見たのが最初だもの」
「ほ、ほら……何も知らないなら楯突かないでよ! 正義の味方になったつもり!?」
はぁ……バカバカしくて話にならないわ。何人かの女子が担任を呼びにいったようだし早く片付けないと。
「別に? ただ私がムカついただけ。私はいじめが大嫌いなの! 特に人の容姿をネタにしたね!」
「あんたは美人だからいじめられることなんてないじゃない!」
「そうね。だけどそれとこれとは関係ないわ。いじめをしてはいけないことくらい幼稚園児でもわかることよ。とにかくやめてくれないかしら。入学したてなのに波風立てたくないでしょ?」
「……ふんっ」
それを聞いたふたりはそそくさと自分の席に座った。意味深なことを言ってしまったが、決して親に助けを求めようなんて思っていない。でもこう言っておけば彼女たちはもう二度とバカなことを繰り返さないだろう。
その後、事情を聞いた担任に叩いたことを咎められた。それは私も重々承知しているので改めて謝罪した。ふたりとも思うところがあったようで素直に聞き入れてくれて良かった。
その日の放課後。文仁くんに会うため隣の五組を訪れていた。彼に『気が散る』と言われてしまうかもしれないが、今日はひと騒動あったし、モヤモヤした胸の内を聞いてもらいたいんだもの。最悪部活が終わってからでも構わないし。
廊下でチラリと教室を覗くと彼の姿がなかった。もう体育館に向かったのかな?
続いて体育館の方へ足を踏み出すと、一組の教室の前で見知った髪色の少年がいる。
「文仁くん。どうしたの? こんなところで」
軽く声をかけただけなのに彼は大げさに身体をビクッと震わせた。その様子は二年前の本屋でのできごとを彷彿とさせた。
声の主が私だとわかると彼はバツの悪そうな顔でため息をついた。
「ビックリさせないでよ……」
「ゴメンって。で、どうして一組にいるの?」
「い、いや、何でもない。じゃ、部活行くから」
そう言うと彼は駆け足で私の元を走り去った。何なの? 意味わかんない。
文仁くんがいなくなると用もないので私も体育館に向かうことにした。
一組ねぇ……最近妙に関わることが多くなったかも。イケメンふたり組にちょっと病弱な才女。
文仁くんが急に勉強し始めたのも越方さんが倒れたころだったような。こんな偶然って重なるものなのかしら。次の定期テストで彼女の成績に追いつけるようにしているのだとしたら……?
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