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5.天王寺動物園(公園)
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天王寺動物園からJR天王寺駅にかけて美術館、公園など大阪市の経営する施設が固まっている。
現在は再開発が進み非常に綺麗に整備されておりおしゃれな空間として
家族連れで賑わう場所になっているが、当時は路上生活者が動物園前から天王寺駅地下街まで
多くおり、公園付近では露店とでも言うのかブルーテントが点在しカラオケ居酒屋(通称・青空カラオケ)
が賑わっており、缶ビール片手に歌うおっちゃんと路上生活者で賑わう場所で
観光地とは程遠い雰囲気であった。
僕が酔っ払いのおっちゃんに日本酒を飲まされて噴き出した場所である。
5.6歳の子供に悪乗りで酒を与えるという今では考えられない事だとは思うが、
そのような事は山のようにある。
今思えば色々な人が手を差し伸べてくれた半面、その親切に慣れてなんでも口に入れていたのは
なかなか危険な事をしていたなと思う。
当時お世辞にも治安のいい場所とは言えないこの近辺で、数少ない酔っ払いのいない場所が動物園内だった。
子供であった僕は無料で利用できた天王寺動物園には多く足を運んだ。
実際には未就学児が無料で6歳以上は入場料がかかるのだが
6歳になっても無料で入場していた事はご容赦願いたい。
動物園に行く際は決まってスーパーでパンとサイダーを買い、園内に何か所かあるお気に入りの場所のいずれかで
それを食べていた。
園内には必ずと言っていいほど幼稚園や小学生の遠足の団体がいた。
なんとなくそれとかち合う事を避けていた。
今思えば何かしらの負い目があったのだろうとは思う。
それを避け基本的には人目につかない場所で食べる事が多かったのだが、
職員の方には見えていたのだろうと思う。
ある日僕はめずらしく手ぶらで動物園にいた。
お金がなかったのかどこかで食べてから行ったのか記憶にないが
動物園とはいえ小さい子が1人でよく来場していれば目立っていたのかもしれない。
いつもと違う様子だと気にかけてくれる大人が必ず現れてくれる。
お気に入りの場所でボケっと佇んでいると20代くらいの若い職員のお姉さんが声をかけて来た。
「ボク、これあげるから食べな」
アルミホイルにくるまれたサンドイッチと牛乳をくれた。
手作りだったのでおそらくはお姉さんのお昼ご飯だったのだろう。
その後もお姉さんとは何度も顔を合わせたが何かお話することもなく
僕の姿をみると軽く笑いかけてくれるような感じであった。
それから約2年後、僕は別の地域に引っ越し小学校に通っていた。
学校の行事で写生会を天王寺動物園で行う機会があり僕は再び訪れた。
僕は着くなりお姉さんの姿を探した。
絵を描きながらもキョロキョロと周りを気にしたが見当たらなかった。
どうしてもお姉さんに会いたかった僕はお姉さんがよく座っていた入場受付にこそっと探しに行った。
受付にいたおばちゃんに聞いたりしてお姉さんを探したが見つらなかった。
あきらめて再び絵を描き始めていると、少し離れた場所で先生が誰かとお話している。
あのお姉さんだった。
僕がお姉さんを見つめているとこちらを向いてくれた。
お姉さんは僕に小さく手を振ってくれた。
現在は再開発が進み非常に綺麗に整備されておりおしゃれな空間として
家族連れで賑わう場所になっているが、当時は路上生活者が動物園前から天王寺駅地下街まで
多くおり、公園付近では露店とでも言うのかブルーテントが点在しカラオケ居酒屋(通称・青空カラオケ)
が賑わっており、缶ビール片手に歌うおっちゃんと路上生活者で賑わう場所で
観光地とは程遠い雰囲気であった。
僕が酔っ払いのおっちゃんに日本酒を飲まされて噴き出した場所である。
5.6歳の子供に悪乗りで酒を与えるという今では考えられない事だとは思うが、
そのような事は山のようにある。
今思えば色々な人が手を差し伸べてくれた半面、その親切に慣れてなんでも口に入れていたのは
なかなか危険な事をしていたなと思う。
当時お世辞にも治安のいい場所とは言えないこの近辺で、数少ない酔っ払いのいない場所が動物園内だった。
子供であった僕は無料で利用できた天王寺動物園には多く足を運んだ。
実際には未就学児が無料で6歳以上は入場料がかかるのだが
6歳になっても無料で入場していた事はご容赦願いたい。
動物園に行く際は決まってスーパーでパンとサイダーを買い、園内に何か所かあるお気に入りの場所のいずれかで
それを食べていた。
園内には必ずと言っていいほど幼稚園や小学生の遠足の団体がいた。
なんとなくそれとかち合う事を避けていた。
今思えば何かしらの負い目があったのだろうとは思う。
それを避け基本的には人目につかない場所で食べる事が多かったのだが、
職員の方には見えていたのだろうと思う。
ある日僕はめずらしく手ぶらで動物園にいた。
お金がなかったのかどこかで食べてから行ったのか記憶にないが
動物園とはいえ小さい子が1人でよく来場していれば目立っていたのかもしれない。
いつもと違う様子だと気にかけてくれる大人が必ず現れてくれる。
お気に入りの場所でボケっと佇んでいると20代くらいの若い職員のお姉さんが声をかけて来た。
「ボク、これあげるから食べな」
アルミホイルにくるまれたサンドイッチと牛乳をくれた。
手作りだったのでおそらくはお姉さんのお昼ご飯だったのだろう。
その後もお姉さんとは何度も顔を合わせたが何かお話することもなく
僕の姿をみると軽く笑いかけてくれるような感じであった。
それから約2年後、僕は別の地域に引っ越し小学校に通っていた。
学校の行事で写生会を天王寺動物園で行う機会があり僕は再び訪れた。
僕は着くなりお姉さんの姿を探した。
絵を描きながらもキョロキョロと周りを気にしたが見当たらなかった。
どうしてもお姉さんに会いたかった僕はお姉さんがよく座っていた入場受付にこそっと探しに行った。
受付にいたおばちゃんに聞いたりしてお姉さんを探したが見つらなかった。
あきらめて再び絵を描き始めていると、少し離れた場所で先生が誰かとお話している。
あのお姉さんだった。
僕がお姉さんを見つめているとこちらを向いてくれた。
お姉さんは僕に小さく手を振ってくれた。
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