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第24話 弟子ができてしまった
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「これでその付与がかかったのか」
シサムは俺が『人工剣聖知能』を付与した剣を手にすると、そう呟く。
「さて、この性能、どう試してくれよう」
そんなシサムの呟きを聞いて……ふと俺は、一つのことに思い至った。
冷静に考えて、このままじゃこの男が力試しをすることができないのではないだろうか。
そうでなくとも剣豪などと呼ばれる男だ。
ここの訓練場に、自身の剣術と『人工剣聖知能』の差が分かる動きを引き出せるような実力者がいるかは少し怪しい。
これは……相手をしてくれる人の剣にも、『人工剣聖知能』を付与した方が良い気がする。
しかし、問題は誰の剣にするかだ。
あまりに実力が足りない者に『人工剣聖知能』がかかった剣を扱わせると、最悪の場合一生治らぬ故障を抱えることになりかねないからな。
どうするかと思っていたその時……俺たちの前に、見覚えのある男が通りかかった。
俺のBランク昇格試験の時に相手をしてくれた試験官、ナジヤスだ。
彼なら『人工剣聖知能』がかかった剣をある程度の時間扱っても、そう酷い故障はしないだろう。
「あの……ナジヤスさん。今お時間よろしいでしょうか?」
俺はそう言って、ナジヤスを引き止めた。
「おお、ロイルか。どうした?」
「ちょっとこの方の相手をしていただきたく。……この方と、この剣で戦ってくださると幸いです」
そして、いくつかの術式を一時解除して『人工剣聖知能』を付与しなおしたクラウソラスをナジヤスに渡す。
「……って、この方は八極剣の始祖、シサム殿ではないか!」
ナジヤスは剣を受け取ったあと、シサムに気づくと……驚いた表情でそう言った。
……知ってたのか。
そりゃそうか。そもそも俺がこの男に絡まれているのも、全てはこの試験官が俺の剣の腕から変な勘違いをしたせいだもんな。
「シサム殿と手合わせできるなら、俺としても光栄だ。しかし……この剣でなければならないのか?」
「お願いします。この剣でなければ、上手く測定できないものがありますので」
「言ってることがよく分からないが……まあいい。この剣、俺の手持ちのなんかよりずっと良いからな。シサム殿と手合わせするのに使うなら、最適と言えよう」
ナジヤスはそう言うと、シサムの方に歩いていった。
「付与の効果、この人相手なら見れるんだな?」
するとシサムは、俺にそう聞いてくる。
「そのはずですよ。同じ付与を施しましたから。剣の持ち主の実力に関係なく、結果は互角となるはずです」
「……ふん。そんなことがあるものか」
などと会話している間にも、シサムとナジヤスは開始の間合いに立った。
そして……。
「始め」
俺がそう合図すると、二人が動き始めた。
当然のことながら……二人の動きは全くの互角で、両者一歩も譲らない。
あまりの剣術に、訓練場にいた無関係の冒険者たちも、二人の戦いに注目し始めた。
そしてそのまま、2分が経過する。
……シサムはともかく、これ以上はナジヤスの負担がでかくなり過ぎるな。
「終了!」
俺はそう言うと、特殊な遠隔付与術で二人の剣の『人工剣聖知能』を同時に一時停止した。
それと同時に、シサムはナジヤスの喉元に剣先を突き付け、勝敗が決まる。
だが……勝った方であるはずのシサムは、完全に呆気に取られて目を見開いていた。
「こ……ここここここんなことが……!」
そして全身を震わせ、そのまま膝をつく。
「……申し訳ございませんでしたぁ!」
かと思うと、シサムは勢い良く俺の方に土下座した。
「あんな動き、ゾーンに入った時の自分ですらしたことがありません。貴方の付与は……本物でした」
どうやら分かってくれたようだ。
「俺を弟子にしてください!」
かと思うと……極端なことに、シサムは今度はそんなことを口走り出す。
……いや。
付与術師ならともかく、剣士を弟子にしてもどうにもならないのだが。
「剣士を弟子にしても、教えることなんて……」
「ではせめて、俺の今後の稼ぎ全ての半分を、貴方に贈らせてください! それくらいしないと面目が立たねぇ」
……誤解が解けたなら、何もそこまでしてくれなくていいのだがな。
しかしシサムがどうしても譲らなかったので、結局俺はその契約で合意することにしてしまった。
ーーーーーーーー
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シサムは俺が『人工剣聖知能』を付与した剣を手にすると、そう呟く。
「さて、この性能、どう試してくれよう」
そんなシサムの呟きを聞いて……ふと俺は、一つのことに思い至った。
冷静に考えて、このままじゃこの男が力試しをすることができないのではないだろうか。
そうでなくとも剣豪などと呼ばれる男だ。
ここの訓練場に、自身の剣術と『人工剣聖知能』の差が分かる動きを引き出せるような実力者がいるかは少し怪しい。
これは……相手をしてくれる人の剣にも、『人工剣聖知能』を付与した方が良い気がする。
しかし、問題は誰の剣にするかだ。
あまりに実力が足りない者に『人工剣聖知能』がかかった剣を扱わせると、最悪の場合一生治らぬ故障を抱えることになりかねないからな。
どうするかと思っていたその時……俺たちの前に、見覚えのある男が通りかかった。
俺のBランク昇格試験の時に相手をしてくれた試験官、ナジヤスだ。
彼なら『人工剣聖知能』がかかった剣をある程度の時間扱っても、そう酷い故障はしないだろう。
「あの……ナジヤスさん。今お時間よろしいでしょうか?」
俺はそう言って、ナジヤスを引き止めた。
「おお、ロイルか。どうした?」
「ちょっとこの方の相手をしていただきたく。……この方と、この剣で戦ってくださると幸いです」
そして、いくつかの術式を一時解除して『人工剣聖知能』を付与しなおしたクラウソラスをナジヤスに渡す。
「……って、この方は八極剣の始祖、シサム殿ではないか!」
ナジヤスは剣を受け取ったあと、シサムに気づくと……驚いた表情でそう言った。
……知ってたのか。
そりゃそうか。そもそも俺がこの男に絡まれているのも、全てはこの試験官が俺の剣の腕から変な勘違いをしたせいだもんな。
「シサム殿と手合わせできるなら、俺としても光栄だ。しかし……この剣でなければならないのか?」
「お願いします。この剣でなければ、上手く測定できないものがありますので」
「言ってることがよく分からないが……まあいい。この剣、俺の手持ちのなんかよりずっと良いからな。シサム殿と手合わせするのに使うなら、最適と言えよう」
ナジヤスはそう言うと、シサムの方に歩いていった。
「付与の効果、この人相手なら見れるんだな?」
するとシサムは、俺にそう聞いてくる。
「そのはずですよ。同じ付与を施しましたから。剣の持ち主の実力に関係なく、結果は互角となるはずです」
「……ふん。そんなことがあるものか」
などと会話している間にも、シサムとナジヤスは開始の間合いに立った。
そして……。
「始め」
俺がそう合図すると、二人が動き始めた。
当然のことながら……二人の動きは全くの互角で、両者一歩も譲らない。
あまりの剣術に、訓練場にいた無関係の冒険者たちも、二人の戦いに注目し始めた。
そしてそのまま、2分が経過する。
……シサムはともかく、これ以上はナジヤスの負担がでかくなり過ぎるな。
「終了!」
俺はそう言うと、特殊な遠隔付与術で二人の剣の『人工剣聖知能』を同時に一時停止した。
それと同時に、シサムはナジヤスの喉元に剣先を突き付け、勝敗が決まる。
だが……勝った方であるはずのシサムは、完全に呆気に取られて目を見開いていた。
「こ……ここここここんなことが……!」
そして全身を震わせ、そのまま膝をつく。
「……申し訳ございませんでしたぁ!」
かと思うと、シサムは勢い良く俺の方に土下座した。
「あんな動き、ゾーンに入った時の自分ですらしたことがありません。貴方の付与は……本物でした」
どうやら分かってくれたようだ。
「俺を弟子にしてください!」
かと思うと……極端なことに、シサムは今度はそんなことを口走り出す。
……いや。
付与術師ならともかく、剣士を弟子にしてもどうにもならないのだが。
「剣士を弟子にしても、教えることなんて……」
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