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2.好き嫌いの激しい夫
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「子供もバナナもいらない! 何回言えば分かるんだ!」
突然、スバルが大きな声を出して私は目を見開いた。
彼から抑えきれないような怒りを感じる。
「ごめん、バナナも苦手だったんだね。もう、無理に食べなくて良いよ」
私は咄嗟にケーキがのった彼の皿を下げようとした。
心臓の音が煩い。
結婚一年目の記念日なのに何だか悲しい。
私が背を向けて皿を片付けようとキッチンに戻ろうとした時、後ろから抱きしめられる。
その温もりにホッとして振り向こうとすると、眼前に可愛らしい黄色の花を差し出された。
彼は毎日のように私に愛を囁きながら様々な花をプレゼントした。
ロマンチックだけれども、毎日のように生花をプレゼントされるのは負担だった。
生花は世話に手間が掛かるし虫もつく。
でも、スバルがプレゼントしてくれるものを喜ばない選択肢なんて私にはない。
柔らかな黄色の花に私は少し意外な気持ちになった。
今日は結婚記念日だから、結婚初夜の時のように赤い薔薇をプレゼントされるかと思っていた。
「可愛い花ね。カーネーション?」
私の言葉にスバルは沈黙しながら、じっと目を見つめてくる。
カーネションをプレゼントする意図は何だろう。
彼は私を母親のように思っているという事だろうか。
何か意を決したかのような彼の鋭い視線に、私の心臓の鼓動が小動物のように早くなった。
彼はゆっくりとカウンターに花束を置くと、私を反転させ頬を大きな手で包み込んでくる。
間接照明だけの薄暗い部屋にはうっすらと銀色の月明かりだけが希望の光のように差し込んでいた。
シチュエーション的にはキスをするタイミングなのに、私は恐怖を感じていた。
頬を撫でる彼の手が冷たいからだろうか。
まるで私の形を確かめるように彼の手が私の首筋まで降りてくる。
「ねぇ、何か言って、今日は私たちの大切な日なのよ」
私の声は驚く程震えていた。彼が自分を見つめる瞳はいつものように愛情溢れるものではない。
むしろ殺意を帯びているように見えたのだ。
「もう、片想いの苦しみに俺はもう耐えられそうにない」
「片想い? スバルは私の事をずっと好きでいてくれたのよね。私も貴方が好きよ。貴方の私に対する積年の想いが叶ったじゃない。それとも、他に好きな人ができたの?」
私はスバルの初恋の相手らしい。
女慣れした男の定番の口説き文句だと受け流していたが、彼の重過ぎる程の愛情を受け取り続けてその言葉を信じるようになっていた。
私にいつ惚れたのかはなかなか照れて教えてくれなかったが、それが小学生の時だと聞いたのはつい最近だ。
私は彼のことを全く覚えていなかったが、彼は私に親切にされたのが忘れられなかったと話してくれた。
スバルが私の首を静かに締め上げる。私はそのまま意識を失った。
♢♢♢
私の人生が狂い始めたのは、二十八歳の秋に結婚を考えていた男から振られた時からだった。
「シンガポールに駐在?」
「うん、三年か、五年くらいは戻って来られなくなると思う」
大学時代から付き合って十年。
恵比寿のマンションで一人暮らしを始めた私の部屋でいつものように夕食を共にする。
恋人の町田咲也と私は同じ大学の出身。
十八歳の時から私たちは付き合っていて、親公認の仲だった。
彼が三池商事に内定が決まった時は、私も父におねだりし知り合いの役員のコネを使って三池商事に事務職として勤めることにした。
『男はみんな浮気する』という主張はモテない男の意見だ。
町田咲也は昔からモテてきて、女性の執着の怖さを知っている。
彼と付き合っていて気がついたのは、『本当にモテる男は浮気しない』という事だ。
そんなイケメンで社交的なモテ男と私が付き合えたのは、ひとえに私が執着心の薄い怖くない女だったからだろう。
彼が側に置くのに選んだのは、私が刺激をくれる女ではなく安らぎを与える女だったからだ。
私が彼と同じ就職先を選んだのは、彼の女避けになる為だ。
私にとって彼が特別であるように、彼にとっても私が特別だと信じていた。
「三年か五年後に戻ってくるって⋯⋯その時、私は三十一歳? 三十三歳?」
「まあ、俺も三十路は過ぎてるわな」
咲也は軽い感じで笑っている。
彼の部署で駐在先がシンガポールというのは出世ルートだからだろうか。
彼の未来に私がいないかもしれないと思うと不安になる。
私は彼から「結婚しよう。シンガポールについてきて欲しい」の一言が出るのを待っていた。
十年も付き合ってきて、彼も私との結婚を考えているはずだ。
「えっと、奥さんがいた方が良いよね。駐在って奥様ネットワークも必要だし」
何で彼はここまで私に言わせるのだろう。
駐在をタイミングに結婚するのが商社マンの定番だ。
単身で行って皆が夫婦同伴の席で一人ぼっちなのを寂しいと思わないのだろうか。
「はあ、めんどくさそうな繋がりだよな。自分たちが仕事してる訳でもないのに夫の役職でマウントとってさ」
ため息をついて呆れた顔をしている十年付き合った彼氏。
そんな面倒な人付き合いも私になら任せられると思っていて欲しい。
「私とさ⋯⋯このタイミングで結婚するとか、ないの?」
言いづらい言葉を必死で紡ぐ。
十年付き合って彼と以外の結婚を想像した事はない。
マンネリになっているとは思っていても、劇的なプロポーズを期待していた。
こんな風に私が諭して導くプロポーズではない。
「ないな。だって、俺、一人でやれる自信あるし」
「えっ?」
私は咲也の瞳をじっと見る。
美人は三日で飽きると言うけれど、彼の精悍な顔つきも十年見ると全くときめかない。
それでも、彼と私は離れられない関係だと信じていた。
「別れる。今、結婚しないなら流石に別れるよ。だって、咲也が帰国した時に私三十歳過ぎてるでしょ。私、三十歳までには結婚したいの」
商社に働いていると、女は若さだとつくづく思い知らされる。
美人で仕事ができる女でさえ三十路を過ぎると廃材扱い。
仕事ができなくてクネクネしているような若い子が持て囃される。
私は三十路までには寿退社したい。実際、商社の事務職はお嫁さん要因だ。
定年まで勤め上げることを推定して採用されてはいない。
商社の事務職は約三分の一がコネ入社だったりする。
コネと言えば仕事ができないと言うのは固定観念。
語学堪能で礼節もわきまえ、喫煙者ゼロのお嬢様たちは立派に仕事ができる。
私はコネ入社だが、トリリンガルで仕事もできる。
お嫁さんとしても、実家も太いし、SNS中毒でもなくて優良物件だと思う。
結婚相手のスペックとしては申し分ないはずだ。
そして、小学校受験に失敗したことで、公立小学校に通った経験がある。
そのお陰で堅実な経済感覚は持っているつもりだ。
だから、サラリーマン家庭に育った町田咲也とも上手く付き合って来られた。
「駐在があるから奥さんが必要だとか、そんな外的要因で結婚を決めたくないんだ。それより、今日のデザートは?」
咲也が微笑みながら、あっさりと決別を告げてくる。
私は得意料理のビーフストロガノフがのっていた皿をキッチンに片付けようと持ち上げる。
瞬間、自分の手が驚くほど震えているのに気が付きお皿を落としてしまった。
ガチャン!
「ちょっと、大丈夫か? 結構、ドジっ子なとこあるよな久子は⋯⋯」
咲也は鞄から湿潤療法の絆創膏を出してくる。
用意周到な彼は確かに一人でもやっていけるだろう。
私は咄嗟に私に触れようとする彼の手を振り払った。
「触らないで。もう、別れたんだから彼氏でも何でもないでしょ。十年間お世話になりました。さよなら」
それだけ言うのが精一杯だった。
町田咲也は年末年始を私の実家で五年も過ごしてきた親公認の彼氏だった。
私の両親も彼と私がそろそろ結婚すると思っている。
ここで別れを告げられるとは思ってもみなかった。
「なんか不機嫌だな。十年も付き合って関係を作ってきたのに、そんなあっさり追い出しモードに入るの?」
腹が立って仕方がない。先に自分の人生から私を追い出したのは咲也の方だ。
「はぁ? もう、出てって! 恋人でもない異性の知り合いを部屋に入れる程、軽い女じゃないから!」
必死に強がって言った言葉を最後まで聞かない内に咲也は部屋を出て行った。
彼は私にとって初めての男で、十年も付き合った結婚を考えた男。
しかしながら、彼にとって私は繋ぎ止めたい相手ではなかったようだ。
虚しさで涙が止まらない。冷蔵庫を開けるとデザートにしようと思っていた咲也の大好物のパンナコッタが二つ残っている。
私は泣きながらパンナコッタを口にかき込んだ。
咲也と別れた事を伝えたら両親が心配する。
眠れない夜を過ごした私に届いたのは信じられない知らせだった。
『店長の指示で、生クリームのフィリングをし直して提供していました。こんな事、続けて良いのかって苦しくて良心の呵責に耐えきれず公表しようと思った次第です』
テレビから聞こえて来る声に一瞬嫌な予感がする。
朝の忙しい時間で、メディアが取り上げるようなケーキ屋。
バイトらしき若い男の子の画像から、川崎駅前に画像が切り替わった。
『うちはお祝い事はいつも篠山洋菓子店なんですよ。でも、賞味期限偽装? こういう話を聞いちゃうと、もう買えませんよね』
『正直、老舗のブランド名だけで、スーパーで買うケーキと味は変わらんと前から思ってました。というか、安全な分、スーパーのケーキが上ですよね』
スマホが着信を告げる。
専用の着信音だけでわかる。昨夜、私が別れた元カレからだった。
突然、スバルが大きな声を出して私は目を見開いた。
彼から抑えきれないような怒りを感じる。
「ごめん、バナナも苦手だったんだね。もう、無理に食べなくて良いよ」
私は咄嗟にケーキがのった彼の皿を下げようとした。
心臓の音が煩い。
結婚一年目の記念日なのに何だか悲しい。
私が背を向けて皿を片付けようとキッチンに戻ろうとした時、後ろから抱きしめられる。
その温もりにホッとして振り向こうとすると、眼前に可愛らしい黄色の花を差し出された。
彼は毎日のように私に愛を囁きながら様々な花をプレゼントした。
ロマンチックだけれども、毎日のように生花をプレゼントされるのは負担だった。
生花は世話に手間が掛かるし虫もつく。
でも、スバルがプレゼントしてくれるものを喜ばない選択肢なんて私にはない。
柔らかな黄色の花に私は少し意外な気持ちになった。
今日は結婚記念日だから、結婚初夜の時のように赤い薔薇をプレゼントされるかと思っていた。
「可愛い花ね。カーネーション?」
私の言葉にスバルは沈黙しながら、じっと目を見つめてくる。
カーネションをプレゼントする意図は何だろう。
彼は私を母親のように思っているという事だろうか。
何か意を決したかのような彼の鋭い視線に、私の心臓の鼓動が小動物のように早くなった。
彼はゆっくりとカウンターに花束を置くと、私を反転させ頬を大きな手で包み込んでくる。
間接照明だけの薄暗い部屋にはうっすらと銀色の月明かりだけが希望の光のように差し込んでいた。
シチュエーション的にはキスをするタイミングなのに、私は恐怖を感じていた。
頬を撫でる彼の手が冷たいからだろうか。
まるで私の形を確かめるように彼の手が私の首筋まで降りてくる。
「ねぇ、何か言って、今日は私たちの大切な日なのよ」
私の声は驚く程震えていた。彼が自分を見つめる瞳はいつものように愛情溢れるものではない。
むしろ殺意を帯びているように見えたのだ。
「もう、片想いの苦しみに俺はもう耐えられそうにない」
「片想い? スバルは私の事をずっと好きでいてくれたのよね。私も貴方が好きよ。貴方の私に対する積年の想いが叶ったじゃない。それとも、他に好きな人ができたの?」
私はスバルの初恋の相手らしい。
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私にいつ惚れたのかはなかなか照れて教えてくれなかったが、それが小学生の時だと聞いたのはつい最近だ。
私は彼のことを全く覚えていなかったが、彼は私に親切にされたのが忘れられなかったと話してくれた。
スバルが私の首を静かに締め上げる。私はそのまま意識を失った。
♢♢♢
私の人生が狂い始めたのは、二十八歳の秋に結婚を考えていた男から振られた時からだった。
「シンガポールに駐在?」
「うん、三年か、五年くらいは戻って来られなくなると思う」
大学時代から付き合って十年。
恵比寿のマンションで一人暮らしを始めた私の部屋でいつものように夕食を共にする。
恋人の町田咲也と私は同じ大学の出身。
十八歳の時から私たちは付き合っていて、親公認の仲だった。
彼が三池商事に内定が決まった時は、私も父におねだりし知り合いの役員のコネを使って三池商事に事務職として勤めることにした。
『男はみんな浮気する』という主張はモテない男の意見だ。
町田咲也は昔からモテてきて、女性の執着の怖さを知っている。
彼と付き合っていて気がついたのは、『本当にモテる男は浮気しない』という事だ。
そんなイケメンで社交的なモテ男と私が付き合えたのは、ひとえに私が執着心の薄い怖くない女だったからだろう。
彼が側に置くのに選んだのは、私が刺激をくれる女ではなく安らぎを与える女だったからだ。
私が彼と同じ就職先を選んだのは、彼の女避けになる為だ。
私にとって彼が特別であるように、彼にとっても私が特別だと信じていた。
「三年か五年後に戻ってくるって⋯⋯その時、私は三十一歳? 三十三歳?」
「まあ、俺も三十路は過ぎてるわな」
咲也は軽い感じで笑っている。
彼の部署で駐在先がシンガポールというのは出世ルートだからだろうか。
彼の未来に私がいないかもしれないと思うと不安になる。
私は彼から「結婚しよう。シンガポールについてきて欲しい」の一言が出るのを待っていた。
十年も付き合ってきて、彼も私との結婚を考えているはずだ。
「えっと、奥さんがいた方が良いよね。駐在って奥様ネットワークも必要だし」
何で彼はここまで私に言わせるのだろう。
駐在をタイミングに結婚するのが商社マンの定番だ。
単身で行って皆が夫婦同伴の席で一人ぼっちなのを寂しいと思わないのだろうか。
「はあ、めんどくさそうな繋がりだよな。自分たちが仕事してる訳でもないのに夫の役職でマウントとってさ」
ため息をついて呆れた顔をしている十年付き合った彼氏。
そんな面倒な人付き合いも私になら任せられると思っていて欲しい。
「私とさ⋯⋯このタイミングで結婚するとか、ないの?」
言いづらい言葉を必死で紡ぐ。
十年付き合って彼と以外の結婚を想像した事はない。
マンネリになっているとは思っていても、劇的なプロポーズを期待していた。
こんな風に私が諭して導くプロポーズではない。
「ないな。だって、俺、一人でやれる自信あるし」
「えっ?」
私は咲也の瞳をじっと見る。
美人は三日で飽きると言うけれど、彼の精悍な顔つきも十年見ると全くときめかない。
それでも、彼と私は離れられない関係だと信じていた。
「別れる。今、結婚しないなら流石に別れるよ。だって、咲也が帰国した時に私三十歳過ぎてるでしょ。私、三十歳までには結婚したいの」
商社に働いていると、女は若さだとつくづく思い知らされる。
美人で仕事ができる女でさえ三十路を過ぎると廃材扱い。
仕事ができなくてクネクネしているような若い子が持て囃される。
私は三十路までには寿退社したい。実際、商社の事務職はお嫁さん要因だ。
定年まで勤め上げることを推定して採用されてはいない。
商社の事務職は約三分の一がコネ入社だったりする。
コネと言えば仕事ができないと言うのは固定観念。
語学堪能で礼節もわきまえ、喫煙者ゼロのお嬢様たちは立派に仕事ができる。
私はコネ入社だが、トリリンガルで仕事もできる。
お嫁さんとしても、実家も太いし、SNS中毒でもなくて優良物件だと思う。
結婚相手のスペックとしては申し分ないはずだ。
そして、小学校受験に失敗したことで、公立小学校に通った経験がある。
そのお陰で堅実な経済感覚は持っているつもりだ。
だから、サラリーマン家庭に育った町田咲也とも上手く付き合って来られた。
「駐在があるから奥さんが必要だとか、そんな外的要因で結婚を決めたくないんだ。それより、今日のデザートは?」
咲也が微笑みながら、あっさりと決別を告げてくる。
私は得意料理のビーフストロガノフがのっていた皿をキッチンに片付けようと持ち上げる。
瞬間、自分の手が驚くほど震えているのに気が付きお皿を落としてしまった。
ガチャン!
「ちょっと、大丈夫か? 結構、ドジっ子なとこあるよな久子は⋯⋯」
咲也は鞄から湿潤療法の絆創膏を出してくる。
用意周到な彼は確かに一人でもやっていけるだろう。
私は咄嗟に私に触れようとする彼の手を振り払った。
「触らないで。もう、別れたんだから彼氏でも何でもないでしょ。十年間お世話になりました。さよなら」
それだけ言うのが精一杯だった。
町田咲也は年末年始を私の実家で五年も過ごしてきた親公認の彼氏だった。
私の両親も彼と私がそろそろ結婚すると思っている。
ここで別れを告げられるとは思ってもみなかった。
「なんか不機嫌だな。十年も付き合って関係を作ってきたのに、そんなあっさり追い出しモードに入るの?」
腹が立って仕方がない。先に自分の人生から私を追い出したのは咲也の方だ。
「はぁ? もう、出てって! 恋人でもない異性の知り合いを部屋に入れる程、軽い女じゃないから!」
必死に強がって言った言葉を最後まで聞かない内に咲也は部屋を出て行った。
彼は私にとって初めての男で、十年も付き合った結婚を考えた男。
しかしながら、彼にとって私は繋ぎ止めたい相手ではなかったようだ。
虚しさで涙が止まらない。冷蔵庫を開けるとデザートにしようと思っていた咲也の大好物のパンナコッタが二つ残っている。
私は泣きながらパンナコッタを口にかき込んだ。
咲也と別れた事を伝えたら両親が心配する。
眠れない夜を過ごした私に届いたのは信じられない知らせだった。
『店長の指示で、生クリームのフィリングをし直して提供していました。こんな事、続けて良いのかって苦しくて良心の呵責に耐えきれず公表しようと思った次第です』
テレビから聞こえて来る声に一瞬嫌な予感がする。
朝の忙しい時間で、メディアが取り上げるようなケーキ屋。
バイトらしき若い男の子の画像から、川崎駅前に画像が切り替わった。
『うちはお祝い事はいつも篠山洋菓子店なんですよ。でも、賞味期限偽装? こういう話を聞いちゃうと、もう買えませんよね』
『正直、老舗のブランド名だけで、スーパーで買うケーキと味は変わらんと前から思ってました。というか、安全な分、スーパーのケーキが上ですよね』
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