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4.野心家な女
「久子お嬢様、お帰りでしたか」
「間宮さん。会社のこととか、遺書を公表とか今話す事ですか? 母は疲弊しています」
私は間宮さんを思わず睨みつけた。
主婦バイトを副社長に抜擢したとしてメディアにも取り上げられた間宮鈴音。
同じように家族を持つ人間なら、パートナーを突然失った気持ちがわからないのだろうか。
「久子お嬢様。私は昨日付けで篠山洋菓子店を退社しています。それでもお世話になった古巣が心配で、こうして足を運んできてるんです」
「はぁ? 退職。ど、どうしてですか?」
「それは個人的な都合なのでお嬢様にお話をする義理はないかと思います」
淡々と話す間宮さんに嫌な気分になった。
会社に大打撃を与えるようなニュースが出る直前のタイミングでの退職。
きな臭く感じるけれど、今は母のサポートが重要だ。
「そうですか、では、今日のところはお帰りください」
私が冷たく言い放つと、間宮鈴音は舌打ちをしてドスドスと部屋を出ていった。
「こちらは警察や救急の対応までしたんですよ。客間に葬儀屋を通してありますので、後は久子お嬢様が対応してくださいね」
(何? あの態度⋯⋯警察って何?)
「お母さん。一体何があったの?」
「久子、お父さんは裏切られたのよ。あんなに会社や従業員を思ってやってきたのに⋯⋯」
震える声で伝えてくる母の言葉に私は今までの父との思い出が脳裏に蘇る。
父はいつだって家族よりも会社を優先してきた。
何千人の従業員の生活を支えている立場だから、家庭より会社を優先するというのが父の考えだった。
「遺書があったの?」
「『全て私の責任だから、償いをする』って⋯⋯。お父さん、賞味期限の偽装は社長からの指示だったって出鱈目を吹聴されたのが苦しかったのかもしれないわね」
「苦しい」から自分が罪を被って死んだ?
父という人間を知っているが、自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先する人だ。
父は従業員を家族のように思っていて、母の事も大切にしていた。
自分に依存気味の母が、自分がいなくなって苦しむ未来を父が想像できないとは思えなかった。
嗚咽する母をソファーに何とか横たわらせるように促す。
「お母さん、葬儀の準備は私がするから今は休んで」
私も母と一緒に崩れ落ちて泣きたいが、そういう訳にはいかない。
目に力を込め涙を止めて、これからの段取りを頭の中で整理した。
父の遺体と対面していないから、まだ正気でいられたのかもしれない。
母は目に涙を溜めながら私を見つめると、自分を奮い立たせるようにふらつきながら立ち上がる。
「そうはいかないわ。マスコミ対応をしないと、お父さんが守った篠山洋菓子店を私が守らないと」
(守った? 守れてないよね⋯⋯)
本来なら、賞味期限問題についての聞き取りをしっかりした上で、責任の在りどころをはっきりさせるべきだ。
社長が引責辞任することは避けられないだろうが、「死んで詫びます」は一番の悪手だ。
ケーキというお祝いものに縁起の悪いイメージもつく。
残った従業員も大切な妻も苦しめる行動。
私は父が自殺したとは到底信じられなかった。
葬儀は私が取り仕切った。
裕福なはずの実家は借金をしていたが、葬儀は父を送る大切な場。
私は自分の一千万円程貯めた貯金を使って、父に相応しい葬式をあげた。
父の遺体と向き合うとこれが現実なんだか夢なんだか分からなくなり気分が悪くなった。
父は家族行事より会社を優先してきたが、参列する篠山洋菓子店の従業員を見ていると誰も悲しんでないように見えて辛い。
「これから会社どうなるのかな。奥さん社長やるっていうけれど、如何にも仕事した事なさそうな方だよね」
「私はもう転職活動しております。流石に沈む船に乗ってられませんよ」
ヒソヒソと聞こえる声はどれも私の心臓を冷たい矢のように突き刺した。
もっと、従業員から愛され皆が泣いて故人を憂うような式を想像していた。
実際は、外で参列者がマスコミのインタビューに颯爽と答えたりしていて、私と母以外は父の死を悼んでいないように思えてくる。
(気分が悪い)
私は母に断りをいれ、外の空気を吸いに出た。
吐き気が耐えられなくなり、人目のない場所を探す。
うずくまり吐こうとしたところで、背中を撫でる温かな手が心地良い。
ふと顔を上げて見上げると彫刻のように美しい男がいた。
「先日、電車の中で会いましたか?」
私が必死に紡いだ言葉に男がゆっくりと笑顔を作る。
目は潤んでいて、私はそれを彼が父の死を悼んでくれているのだと感じた。
「久子さん。覚えていてくれたんですか?」
「私の名前を知って?」
「知ってます。貴方は覚えてないかもしれないけれど、久子さんは僕の初恋の人です。何か困ったことがあったら僕を頼ってください」
柔らかに微笑んだ彼がそっと名刺を渡してくる。
「は、初恋? 何言ってるんですか? 誰かと勘違いしてますよ、冨永スバルさん。整形美容外科のお医者さんなんですか?」
私はメイク技術で可愛らしい雰囲気を作っているが、決して美人ではない。
誰かの初恋になれるようなルックスではないと自分が一番分かっていた。
(咲也も私に求めてたのはときめきじゃなくて安心⋯⋯結局捨てられたけど)
冨永整形美容外科医院長とある肩書。
とても若く見えるのに、彼は既に開業医として成功していると言うことだろうか。
親のコネで就職した私とは大違いだ。
「はい。そうです。表参道で整形美容外科を経営しています」
文句のつけどころもないような美形な男。
彼も整形だったりするのだろうか。
自分で自分を整形する訳ないのに、整形美容外科の医師というだけで整形を疑う自分に苦笑した。
「やっと笑顔が見れた。あの、こんな場所でこんな事を言うのは不謹慎なんですが、僕に久子さんを支えさせて頂けませんか?」
私を愛おしそうに見つめる彼にときめかないのは、私の心が父の死と共に天に昇ってしまったからかもしれない。
「はぁ、それはどういう⋯⋯」
「結婚を前提に久子さんと一緒にいたいと言う意味です」
正直、男とか心底どうでも良い。
今はこの最悪な状況を打開する一手が欲しい。
「出会ったばかりなのに、そんな事言ってくるなんてどうかしてます。私と結婚するメリットなんてありませんよ。篠山洋菓子店は崖っぷちです」
私はいつからこんなに悲しい人間になったのだろう。
自分で自分の価値が実家の後ろ盾しかないように思えてきている。
今までの私はそれなりに自信があったが、十年付き合った男から捨てられ、連日家業が非難され絶望的な気持ちになっていた。
「メリットならありますよ。僕は初恋の人を全力で幸せにしたい。久子さんの為なら何でもします。経済的な苦労も絶対にさせません」
「ふっ、お気持ちだけ頂いておきます」
彼の愛の告白は不謹慎過ぎるが、荒んだ心が温かいもので満たされていくのを感じた。
私があまりにどん底の表情をしていたので、笑わせにきてるのかもしれない。
「すみません。私、中に戻りますね。今日はお越し頂きましてありがとうございます」
唯一父の死を悼んでいるように見えた彼に私は気が付けばお礼を言っていた。
忌引きの間は実家で母と父の思い出を話しながらゆっくりと過ごした。
「お母さん、私、今日から仕事だけど大丈夫?」
「大丈夫よ。お父さんの代わりに私が社長として、しっかりと頑張らなきゃ」
「あまり無理はしないでね」
母は働いた経験などないお嬢様。
特技はピアノと料理。
趣味は音楽鑑賞という、非常に内向きで晒された経験のない人だ。
今、篠山洋菓子店が批判の的になっている中、母が追い詰められる未来を私は想像できていない訳ではなかった。
それでも、「父の代わりに頑張る」という母を止めることは私にはできない。
ただ家で連日続く篠山洋菓子店への口撃をメディアで見ていても、母は追い詰められる。
私には無気力になった母が「父の代わりに頑張る」という気持ちだけで生きているように見えた。
「うちの会社が、こんなに自転車操業だったなんて、知らなかったよ」
私が苦笑気味に母に言うと、母は肩をすくめた。
「でも、大丈夫よ。この家を売ったりしてお金を作れば会社は守れるわ」
「⋯⋯!?」
この時の母の言動には不安を覚えた。
ノブレス・オブリージュの精神を持った苦労知らずのお嬢様だった母。
昨今の小狡い経営者なら、会社を畳んで資産はがっちり持って海外逃亡したりする。
しかし、母は自分を犠牲にしても会社を守ると言う覚悟を持っていた。
どれだけ尽くしても、社員は感謝するどころか文句しか言わないだろう。
少しでも社会に出れば、要領の良い小狡い人間ばかりが成功し純粋で真面目な人間は損をすると知る。
時代錯誤、世間知らずな母に物申したいが、今の彼女がギリギリで生きている気がして何も言えなかった。
会社に出社すると、周りの私を見る目が変わっていた。
事務職にコネ入社した私は今、スポーツ推薦で入学したのに大怪我を負ったような立場だ。
「なんで辞めないの?」と言う皆の心の声が聞こえてくるようだった。
私はデスクに着いて、パソコンを開き本日の予定を確認する。
「篠山さん、ちょっと会議室まで来てくれる?」
西園寺奈々に声を掛けられ、私は重い腰をあげ彼女に着いていった。
「間宮さん。会社のこととか、遺書を公表とか今話す事ですか? 母は疲弊しています」
私は間宮さんを思わず睨みつけた。
主婦バイトを副社長に抜擢したとしてメディアにも取り上げられた間宮鈴音。
同じように家族を持つ人間なら、パートナーを突然失った気持ちがわからないのだろうか。
「久子お嬢様。私は昨日付けで篠山洋菓子店を退社しています。それでもお世話になった古巣が心配で、こうして足を運んできてるんです」
「はぁ? 退職。ど、どうしてですか?」
「それは個人的な都合なのでお嬢様にお話をする義理はないかと思います」
淡々と話す間宮さんに嫌な気分になった。
会社に大打撃を与えるようなニュースが出る直前のタイミングでの退職。
きな臭く感じるけれど、今は母のサポートが重要だ。
「そうですか、では、今日のところはお帰りください」
私が冷たく言い放つと、間宮鈴音は舌打ちをしてドスドスと部屋を出ていった。
「こちらは警察や救急の対応までしたんですよ。客間に葬儀屋を通してありますので、後は久子お嬢様が対応してくださいね」
(何? あの態度⋯⋯警察って何?)
「お母さん。一体何があったの?」
「久子、お父さんは裏切られたのよ。あんなに会社や従業員を思ってやってきたのに⋯⋯」
震える声で伝えてくる母の言葉に私は今までの父との思い出が脳裏に蘇る。
父はいつだって家族よりも会社を優先してきた。
何千人の従業員の生活を支えている立場だから、家庭より会社を優先するというのが父の考えだった。
「遺書があったの?」
「『全て私の責任だから、償いをする』って⋯⋯。お父さん、賞味期限の偽装は社長からの指示だったって出鱈目を吹聴されたのが苦しかったのかもしれないわね」
「苦しい」から自分が罪を被って死んだ?
父という人間を知っているが、自分の気持ちよりも他人の気持ちを優先する人だ。
父は従業員を家族のように思っていて、母の事も大切にしていた。
自分に依存気味の母が、自分がいなくなって苦しむ未来を父が想像できないとは思えなかった。
嗚咽する母をソファーに何とか横たわらせるように促す。
「お母さん、葬儀の準備は私がするから今は休んで」
私も母と一緒に崩れ落ちて泣きたいが、そういう訳にはいかない。
目に力を込め涙を止めて、これからの段取りを頭の中で整理した。
父の遺体と対面していないから、まだ正気でいられたのかもしれない。
母は目に涙を溜めながら私を見つめると、自分を奮い立たせるようにふらつきながら立ち上がる。
「そうはいかないわ。マスコミ対応をしないと、お父さんが守った篠山洋菓子店を私が守らないと」
(守った? 守れてないよね⋯⋯)
本来なら、賞味期限問題についての聞き取りをしっかりした上で、責任の在りどころをはっきりさせるべきだ。
社長が引責辞任することは避けられないだろうが、「死んで詫びます」は一番の悪手だ。
ケーキというお祝いものに縁起の悪いイメージもつく。
残った従業員も大切な妻も苦しめる行動。
私は父が自殺したとは到底信じられなかった。
葬儀は私が取り仕切った。
裕福なはずの実家は借金をしていたが、葬儀は父を送る大切な場。
私は自分の一千万円程貯めた貯金を使って、父に相応しい葬式をあげた。
父の遺体と向き合うとこれが現実なんだか夢なんだか分からなくなり気分が悪くなった。
父は家族行事より会社を優先してきたが、参列する篠山洋菓子店の従業員を見ていると誰も悲しんでないように見えて辛い。
「これから会社どうなるのかな。奥さん社長やるっていうけれど、如何にも仕事した事なさそうな方だよね」
「私はもう転職活動しております。流石に沈む船に乗ってられませんよ」
ヒソヒソと聞こえる声はどれも私の心臓を冷たい矢のように突き刺した。
もっと、従業員から愛され皆が泣いて故人を憂うような式を想像していた。
実際は、外で参列者がマスコミのインタビューに颯爽と答えたりしていて、私と母以外は父の死を悼んでいないように思えてくる。
(気分が悪い)
私は母に断りをいれ、外の空気を吸いに出た。
吐き気が耐えられなくなり、人目のない場所を探す。
うずくまり吐こうとしたところで、背中を撫でる温かな手が心地良い。
ふと顔を上げて見上げると彫刻のように美しい男がいた。
「先日、電車の中で会いましたか?」
私が必死に紡いだ言葉に男がゆっくりと笑顔を作る。
目は潤んでいて、私はそれを彼が父の死を悼んでくれているのだと感じた。
「久子さん。覚えていてくれたんですか?」
「私の名前を知って?」
「知ってます。貴方は覚えてないかもしれないけれど、久子さんは僕の初恋の人です。何か困ったことがあったら僕を頼ってください」
柔らかに微笑んだ彼がそっと名刺を渡してくる。
「は、初恋? 何言ってるんですか? 誰かと勘違いしてますよ、冨永スバルさん。整形美容外科のお医者さんなんですか?」
私はメイク技術で可愛らしい雰囲気を作っているが、決して美人ではない。
誰かの初恋になれるようなルックスではないと自分が一番分かっていた。
(咲也も私に求めてたのはときめきじゃなくて安心⋯⋯結局捨てられたけど)
冨永整形美容外科医院長とある肩書。
とても若く見えるのに、彼は既に開業医として成功していると言うことだろうか。
親のコネで就職した私とは大違いだ。
「はい。そうです。表参道で整形美容外科を経営しています」
文句のつけどころもないような美形な男。
彼も整形だったりするのだろうか。
自分で自分を整形する訳ないのに、整形美容外科の医師というだけで整形を疑う自分に苦笑した。
「やっと笑顔が見れた。あの、こんな場所でこんな事を言うのは不謹慎なんですが、僕に久子さんを支えさせて頂けませんか?」
私を愛おしそうに見つめる彼にときめかないのは、私の心が父の死と共に天に昇ってしまったからかもしれない。
「はぁ、それはどういう⋯⋯」
「結婚を前提に久子さんと一緒にいたいと言う意味です」
正直、男とか心底どうでも良い。
今はこの最悪な状況を打開する一手が欲しい。
「出会ったばかりなのに、そんな事言ってくるなんてどうかしてます。私と結婚するメリットなんてありませんよ。篠山洋菓子店は崖っぷちです」
私はいつからこんなに悲しい人間になったのだろう。
自分で自分の価値が実家の後ろ盾しかないように思えてきている。
今までの私はそれなりに自信があったが、十年付き合った男から捨てられ、連日家業が非難され絶望的な気持ちになっていた。
「メリットならありますよ。僕は初恋の人を全力で幸せにしたい。久子さんの為なら何でもします。経済的な苦労も絶対にさせません」
「ふっ、お気持ちだけ頂いておきます」
彼の愛の告白は不謹慎過ぎるが、荒んだ心が温かいもので満たされていくのを感じた。
私があまりにどん底の表情をしていたので、笑わせにきてるのかもしれない。
「すみません。私、中に戻りますね。今日はお越し頂きましてありがとうございます」
唯一父の死を悼んでいるように見えた彼に私は気が付けばお礼を言っていた。
忌引きの間は実家で母と父の思い出を話しながらゆっくりと過ごした。
「お母さん、私、今日から仕事だけど大丈夫?」
「大丈夫よ。お父さんの代わりに私が社長として、しっかりと頑張らなきゃ」
「あまり無理はしないでね」
母は働いた経験などないお嬢様。
特技はピアノと料理。
趣味は音楽鑑賞という、非常に内向きで晒された経験のない人だ。
今、篠山洋菓子店が批判の的になっている中、母が追い詰められる未来を私は想像できていない訳ではなかった。
それでも、「父の代わりに頑張る」という母を止めることは私にはできない。
ただ家で連日続く篠山洋菓子店への口撃をメディアで見ていても、母は追い詰められる。
私には無気力になった母が「父の代わりに頑張る」という気持ちだけで生きているように見えた。
「うちの会社が、こんなに自転車操業だったなんて、知らなかったよ」
私が苦笑気味に母に言うと、母は肩をすくめた。
「でも、大丈夫よ。この家を売ったりしてお金を作れば会社は守れるわ」
「⋯⋯!?」
この時の母の言動には不安を覚えた。
ノブレス・オブリージュの精神を持った苦労知らずのお嬢様だった母。
昨今の小狡い経営者なら、会社を畳んで資産はがっちり持って海外逃亡したりする。
しかし、母は自分を犠牲にしても会社を守ると言う覚悟を持っていた。
どれだけ尽くしても、社員は感謝するどころか文句しか言わないだろう。
少しでも社会に出れば、要領の良い小狡い人間ばかりが成功し純粋で真面目な人間は損をすると知る。
時代錯誤、世間知らずな母に物申したいが、今の彼女がギリギリで生きている気がして何も言えなかった。
会社に出社すると、周りの私を見る目が変わっていた。
事務職にコネ入社した私は今、スポーツ推薦で入学したのに大怪我を負ったような立場だ。
「なんで辞めないの?」と言う皆の心の声が聞こえてくるようだった。
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