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7.好奇心
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時はそれより一週間前に遡る。
私はライナス皇帝の弟で親戚降下したマヌエル・バルベ公爵閣下を訪ねに来ていた。バルベ帝国では長子相続が基本。それ故、生まれた時から皇族でありながらマヌエル・バルベは自由に育てられた。
ライナス皇帝陛下と歳が十五歳も離れているせいか、兄から皇位を奪う気もなく伸び伸びと育った彼。驚くことに三十九歳の現在でも結婚もせずに浮き名を流している。
高い壁に囲まれ中が見えないバルベ公爵邸はまるで監獄のようだ。
夜な夜な女を連れ込んでいるとか、実は男が好きだとか噂が絶えないマヌエル・バルベ。彼は面倒臭がりなのか公式行事に現れない事も多い。そんなに自由に過ごしてもライナス皇帝が彼に頭が上がらないのには訳がある。
⋯⋯臣籍降下した後、ジェイク・バルベを引き取り養子にしたからだ。
ジェイク・バルベは私とアンドレアより一歳年上で、実は彼の父親はライナス皇帝だ。ライナス皇帝は元リスカム王国の元王女であるグレンダ皇后と子を儲ける前に踊り子に手を出して孕ませてしまった。
その踊り子が産んだ皇室の血筋を持つのがジェイク・バルベ。平民の血を引きながらも、長子であることから十歳になるまでは皇室で帝王学を学んだ彼をグレンダ皇后は許さなかった。
ライナス皇帝とグレンダ皇后の血を引くアンドレアがいるのに、賎民の血を引く男が皇位を継ぐのでは面目丸潰れだ。グレンダ皇后のの出身、リスカム王国は強国で無視できない存在。結局、ライナス皇帝は臣籍降下した弟マヌエルにジェイクを養子に出すことで彼の皇位継承権を奪った。
「お待ちしておりました。エスメ嬢」
入り口で、出迎えていたマヌエル・バルベは黒髪にブルーサファイアの瞳。少し幼く見えるアーモンド型の瞳に何故かアンドレアを思い出した。
(叔父と甥だから似ててもおかしくはないか⋯⋯)
彼の差し伸べた手に私はそっと手を置く。
「随分とお久しぶりですわね、バルベ公爵閣下。このように出迎えてくれると言う事は私の提案を受け入れて下さると言う事ですか?」
「ふっ、それは部屋に入ってから話しましょう。それにしても、アンドレア皇子と婚約破棄してまで二十歳も離れた私に嫁ぎたいなんて変わったお嬢様ですね」
「ふふっ」
「その笑い、何を企んでいるのやら」
応接室に入ると、既にそこにはジェイクがいた。肩まで伸ばした銀髪にブルーサファイアの瞳。右耳だけにしたルビーのイヤリングが揺れていた。
美しさだけでライナス皇帝を籠絡した踊り子の母親に似ていたというだけあって色気と不思議な魅力がある。二十一歳で彼の立場なら皆婚約者がいるのに、彼は演壇を断りまくっている。しかし、浮き名は絶えない男で、来る者拒まず頼めば寝てくれる元皇子として有名だ。
「ご機嫌よう。ジェイク様」
「エスメ嬢、相変わらずいい女だな。最近、巷で見る子供っぽいドレスより、その体のラインの出るドレスの方がいいな。君の力で流行させてくれよ」
流し目で含み笑いをしながら楽しそうにするジェイク。私は公の場ではアンドレアとばかりいたので、彼とは挨拶程度しか話した事がない。彼は軽薄な言葉をわざと私に掛けている。
「言われなくても。もう、短いシエンナの時代は終わりですわ」
私の言葉にジェイクとマヌエルが顔を見合わせて笑っていた。
その仲の良さに私は思わず目を瞬いた。
ロイヤルブルーの革張りのソファーに座ると、メイドが緑色のお茶を淹れてくれた。茶器も普段使うものとは違う形状をしていて、取っ手がない。
「東洋のお茶ですね。渋みがあって美味しいと聞きますわ」
そっとお茶に口を付けると渋いを通り越して苦い。
「お口に合いますか? 抗酸化作用などある健康に良いお茶らしいですよ」
ジェイクがクスクス笑いながら私の様子を伺っている。
「良薬は口に苦し。東洋の諺にあると聞きます。正直、苦手ですが初めての東洋のお茶を口にして胸が高鳴りました」
マヌエルが私を品定めるように上から下まで見つめてくる。
「でっ、次期皇帝の妃との婚約を破棄して私と婚約したいとはどういう要件だ?」
「手紙で書いた通りですわ。私はアンドレアがゆくゆくは皇帝になる事に疑問を感じてます」
アンドレアは真面目で皇帝になる資質を持っている。しかし、一方で純粋過ぎて周りの意見を聞きすぎる難点がある。そして、感情にも流されやすい。近い未来になぜ、彼が婚約者だったエスメ(ノエル)より、シエンナの意見を優先させたかは疑問。冷静さよりも自分の恋情を優先したと周りに取られてしまいかねない。私から見てシエンナが、理性を奪う程に魅力的には見えなかった。(男の人から見れば違うの? 嫌だわ、イライラする⋯⋯)
「私を皇籍に復帰させたいと?」
「ええ、その方が正常な状態とは言えませんか?」
アンドレアが猫の私だけに明かしていた悩み。自分しか選択肢がない中で周りの人間の言っている事は正しいのか否か。アンドレアの言い分は痛い程に理解できた。シエンナに傾倒した時にも周りに変だと言ってくれる人はいない。自分の選択に疑問を感じつつも、猫相手以外誰にも相談できない。猫の私にできるのは彼に寄り添って温もりを分け合う事だけだった。
「まあ、アンドレア皇子は世間知らずなところがあるしな」
「ジェイク、皇室批判はそこまでだ」
マヌエルとジェイクのやり取りは正常。ライナス皇帝は例えアンドレアの選択が違うと思っても諌めなかった。アンドレアの選択がバルベ帝国の選択。なるようにしかならないというな投げやりさが見られて、ライナス皇帝の死後はアンドレアの感情に任せた治世になった。アンドレアは勉強こそ必死にやってきたが、判断力に欠けて人に重要な選択を委ねる節がある。未来にその選択権を得たのがシエンナで、利己的な選択をするから帝国は滅茶苦茶になった。私はアンドレアに自信をつけさせたい親猫心で今ここにいる。
「グレンダ皇后の言いなりになっていて、アンドレアを贔屓してるライナス皇帝がそんな事を許すはずがない」
マヌエルの言葉にに胸が痛くなる。ジェイクは十歳まで次期皇帝になる教育を受けて来たのに、急に梯子を外された。
「その点は私にお任せください」
「エンペラーメーカーか。君は本当に野心家だな。男としての私に興味を湧いて近付いて来てくれたのではないことを寂しく思うよ」
肩を竦め自嘲するマヌエルよりも、私はじっと見つめてくるジェイクが気になった。
「ジェイク様? 私をお継母様と呼ばなくても別に良いですよ」
年齢も二歳しか変わらない女を母と迎える抵抗感に共感したつもりだった。
「ふふっ、お継母様じゃなくてエスメと呼ばせてくれよ。ねえ、義父さんじゃなくて俺と婚約しない?」
射抜くようなブルーサファイアの瞳はアンドレアと似ているようで似ていない。狙いを定め確実に仕留める時の肉食獣のような目をしている。
(ああ、どうしよう。面白そう)
私は胸が高鳴るのを感じた。牙がとれ掛けているマヌエルよりも、ジェイクの方が魅力的に見える。
「エスメ嬢、私の可愛い息子がこう言っているがどうする?」
マヌエルの柔らかな囁きに深い愛情を感じた。目の前の二人は軽快に会話を進めているように見えて、実に真剣だ。生まれて十年次期皇帝のように育てられたのに、皇室から吐き出されたジェイク。そして、二人とも私の力を信用してくれている。
「ジェイク様、婚約しましょう。必ずや貴方を皇帝にして見せますわ」
「皇帝? それよりも、帝国一魅惑的な女を俺のものにできる事が嬉しいよ」
ジェイクが目を輝かせながら、私に手を差し出してくる。私はその手を無意識にギュッと両手で握った。
軽薄な物言いは何一つ思い通りにならなかった自分という存在を守る為の彼の盾。繊細な心が傷つかないように虚勢を張っているように見えてしまう。
「エスメとお呼びくださいジェイク様」
恋や愛など知らないが、繊細な部分を見せられると胸が締め付けられる。
この感情は何なのだろう。
私はライナス皇帝の弟で親戚降下したマヌエル・バルベ公爵閣下を訪ねに来ていた。バルベ帝国では長子相続が基本。それ故、生まれた時から皇族でありながらマヌエル・バルベは自由に育てられた。
ライナス皇帝陛下と歳が十五歳も離れているせいか、兄から皇位を奪う気もなく伸び伸びと育った彼。驚くことに三十九歳の現在でも結婚もせずに浮き名を流している。
高い壁に囲まれ中が見えないバルベ公爵邸はまるで監獄のようだ。
夜な夜な女を連れ込んでいるとか、実は男が好きだとか噂が絶えないマヌエル・バルベ。彼は面倒臭がりなのか公式行事に現れない事も多い。そんなに自由に過ごしてもライナス皇帝が彼に頭が上がらないのには訳がある。
⋯⋯臣籍降下した後、ジェイク・バルベを引き取り養子にしたからだ。
ジェイク・バルベは私とアンドレアより一歳年上で、実は彼の父親はライナス皇帝だ。ライナス皇帝は元リスカム王国の元王女であるグレンダ皇后と子を儲ける前に踊り子に手を出して孕ませてしまった。
その踊り子が産んだ皇室の血筋を持つのがジェイク・バルベ。平民の血を引きながらも、長子であることから十歳になるまでは皇室で帝王学を学んだ彼をグレンダ皇后は許さなかった。
ライナス皇帝とグレンダ皇后の血を引くアンドレアがいるのに、賎民の血を引く男が皇位を継ぐのでは面目丸潰れだ。グレンダ皇后のの出身、リスカム王国は強国で無視できない存在。結局、ライナス皇帝は臣籍降下した弟マヌエルにジェイクを養子に出すことで彼の皇位継承権を奪った。
「お待ちしておりました。エスメ嬢」
入り口で、出迎えていたマヌエル・バルベは黒髪にブルーサファイアの瞳。少し幼く見えるアーモンド型の瞳に何故かアンドレアを思い出した。
(叔父と甥だから似ててもおかしくはないか⋯⋯)
彼の差し伸べた手に私はそっと手を置く。
「随分とお久しぶりですわね、バルベ公爵閣下。このように出迎えてくれると言う事は私の提案を受け入れて下さると言う事ですか?」
「ふっ、それは部屋に入ってから話しましょう。それにしても、アンドレア皇子と婚約破棄してまで二十歳も離れた私に嫁ぎたいなんて変わったお嬢様ですね」
「ふふっ」
「その笑い、何を企んでいるのやら」
応接室に入ると、既にそこにはジェイクがいた。肩まで伸ばした銀髪にブルーサファイアの瞳。右耳だけにしたルビーのイヤリングが揺れていた。
美しさだけでライナス皇帝を籠絡した踊り子の母親に似ていたというだけあって色気と不思議な魅力がある。二十一歳で彼の立場なら皆婚約者がいるのに、彼は演壇を断りまくっている。しかし、浮き名は絶えない男で、来る者拒まず頼めば寝てくれる元皇子として有名だ。
「ご機嫌よう。ジェイク様」
「エスメ嬢、相変わらずいい女だな。最近、巷で見る子供っぽいドレスより、その体のラインの出るドレスの方がいいな。君の力で流行させてくれよ」
流し目で含み笑いをしながら楽しそうにするジェイク。私は公の場ではアンドレアとばかりいたので、彼とは挨拶程度しか話した事がない。彼は軽薄な言葉をわざと私に掛けている。
「言われなくても。もう、短いシエンナの時代は終わりですわ」
私の言葉にジェイクとマヌエルが顔を見合わせて笑っていた。
その仲の良さに私は思わず目を瞬いた。
ロイヤルブルーの革張りのソファーに座ると、メイドが緑色のお茶を淹れてくれた。茶器も普段使うものとは違う形状をしていて、取っ手がない。
「東洋のお茶ですね。渋みがあって美味しいと聞きますわ」
そっとお茶に口を付けると渋いを通り越して苦い。
「お口に合いますか? 抗酸化作用などある健康に良いお茶らしいですよ」
ジェイクがクスクス笑いながら私の様子を伺っている。
「良薬は口に苦し。東洋の諺にあると聞きます。正直、苦手ですが初めての東洋のお茶を口にして胸が高鳴りました」
マヌエルが私を品定めるように上から下まで見つめてくる。
「でっ、次期皇帝の妃との婚約を破棄して私と婚約したいとはどういう要件だ?」
「手紙で書いた通りですわ。私はアンドレアがゆくゆくは皇帝になる事に疑問を感じてます」
アンドレアは真面目で皇帝になる資質を持っている。しかし、一方で純粋過ぎて周りの意見を聞きすぎる難点がある。そして、感情にも流されやすい。近い未来になぜ、彼が婚約者だったエスメ(ノエル)より、シエンナの意見を優先させたかは疑問。冷静さよりも自分の恋情を優先したと周りに取られてしまいかねない。私から見てシエンナが、理性を奪う程に魅力的には見えなかった。(男の人から見れば違うの? 嫌だわ、イライラする⋯⋯)
「私を皇籍に復帰させたいと?」
「ええ、その方が正常な状態とは言えませんか?」
アンドレアが猫の私だけに明かしていた悩み。自分しか選択肢がない中で周りの人間の言っている事は正しいのか否か。アンドレアの言い分は痛い程に理解できた。シエンナに傾倒した時にも周りに変だと言ってくれる人はいない。自分の選択に疑問を感じつつも、猫相手以外誰にも相談できない。猫の私にできるのは彼に寄り添って温もりを分け合う事だけだった。
「まあ、アンドレア皇子は世間知らずなところがあるしな」
「ジェイク、皇室批判はそこまでだ」
マヌエルとジェイクのやり取りは正常。ライナス皇帝は例えアンドレアの選択が違うと思っても諌めなかった。アンドレアの選択がバルベ帝国の選択。なるようにしかならないというな投げやりさが見られて、ライナス皇帝の死後はアンドレアの感情に任せた治世になった。アンドレアは勉強こそ必死にやってきたが、判断力に欠けて人に重要な選択を委ねる節がある。未来にその選択権を得たのがシエンナで、利己的な選択をするから帝国は滅茶苦茶になった。私はアンドレアに自信をつけさせたい親猫心で今ここにいる。
「グレンダ皇后の言いなりになっていて、アンドレアを贔屓してるライナス皇帝がそんな事を許すはずがない」
マヌエルの言葉にに胸が痛くなる。ジェイクは十歳まで次期皇帝になる教育を受けて来たのに、急に梯子を外された。
「その点は私にお任せください」
「エンペラーメーカーか。君は本当に野心家だな。男としての私に興味を湧いて近付いて来てくれたのではないことを寂しく思うよ」
肩を竦め自嘲するマヌエルよりも、私はじっと見つめてくるジェイクが気になった。
「ジェイク様? 私をお継母様と呼ばなくても別に良いですよ」
年齢も二歳しか変わらない女を母と迎える抵抗感に共感したつもりだった。
「ふふっ、お継母様じゃなくてエスメと呼ばせてくれよ。ねえ、義父さんじゃなくて俺と婚約しない?」
射抜くようなブルーサファイアの瞳はアンドレアと似ているようで似ていない。狙いを定め確実に仕留める時の肉食獣のような目をしている。
(ああ、どうしよう。面白そう)
私は胸が高鳴るのを感じた。牙がとれ掛けているマヌエルよりも、ジェイクの方が魅力的に見える。
「エスメ嬢、私の可愛い息子がこう言っているがどうする?」
マヌエルの柔らかな囁きに深い愛情を感じた。目の前の二人は軽快に会話を進めているように見えて、実に真剣だ。生まれて十年次期皇帝のように育てられたのに、皇室から吐き出されたジェイク。そして、二人とも私の力を信用してくれている。
「ジェイク様、婚約しましょう。必ずや貴方を皇帝にして見せますわ」
「皇帝? それよりも、帝国一魅惑的な女を俺のものにできる事が嬉しいよ」
ジェイクが目を輝かせながら、私に手を差し出してくる。私はその手を無意識にギュッと両手で握った。
軽薄な物言いは何一つ思い通りにならなかった自分という存在を守る為の彼の盾。繊細な心が傷つかないように虚勢を張っているように見えてしまう。
「エスメとお呼びくださいジェイク様」
恋や愛など知らないが、繊細な部分を見せられると胸が締め付けられる。
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