3 / 21
晴輝、大暴れ。
しおりを挟む
明日香が登校すると、何やら騒がしい。
「先生、どうしたの?」
「通級に通ってる子がパニック起こしたらしいわ。しばらくうるさいと思うからイヤーマフしといてね。」
「通級で…パニック…まさか!!」
「明日香さん?!」
明日香の足は、勝手に動いていた。
「やっぱり…晴輝くんだったんだ。」
そこには、大泣きしている晴輝がいた。
「どうしたの?」
晴輝にそっと近寄る。
「…明日香さん?」
「そうだよ。何かあったの?」
「…。」
「からかわれて、それが嫌でパニック起こしたみたいでした。」
「色んな人が居るからね。でも、明日香さんのお陰で落ち着いたみたいよ。」
「良かったです。」
帰り、泣き腫らした目の晴輝を見かけた。
「晴輝くん。」
「明日香さんか。さっきはありがと。」
「いいのいいの。お互い様だし。これでかりは返せたし。」
「おれさ、嫌な事言われたんだよね。」
「うん。」
「それで、パニクっちゃって…。」
「晴輝くんは悪くないよ。悪いのはからかった人だよ。」
晴輝が、安心したように息を吐く。
「…今日ので、好きな人バレたかもなぁ。」
「そうなの?」
「うん。何かされなければいいけど…。」
次の日。
明日香が靴箱に行くと女子が待っていた。
「花田さん、ちょっといい?」
「?うん。」
教室に入るなり、鍵を閉められる。
「えっ…?」
「あんた、生意気だったよね。」
「生意気?って何?」
「調子乗ってるよね。」
「調子になんか乗ってないよ。」
「じゃあ、何で東がパニック起こしたか知ってる?」
「え、からかわれたからだよね?」
「…これ、確定だわ。」
女子は、コソコソと話している。
「よくわかんないけど、に、逃げないと…!!」
内側から掛けられた鍵を外し、明日香は走った。
(何でだろう?何が起こってんの?)
後ろを女子が追いかけてくる。
「ふざけんなよ!!」
(怖い。助けて…!!)
「何してんの?お前ら。」
目の前に、晴輝が立つ。
「東!?これには訳があって…!」
「明日香は訳を作るようなことはしない。」
平然と言い切る晴輝。
「あんた!ふざけんなよ!晴輝の何なのよ!」
「晴輝くんの…?」
「先生、どうしたの?」
「通級に通ってる子がパニック起こしたらしいわ。しばらくうるさいと思うからイヤーマフしといてね。」
「通級で…パニック…まさか!!」
「明日香さん?!」
明日香の足は、勝手に動いていた。
「やっぱり…晴輝くんだったんだ。」
そこには、大泣きしている晴輝がいた。
「どうしたの?」
晴輝にそっと近寄る。
「…明日香さん?」
「そうだよ。何かあったの?」
「…。」
「からかわれて、それが嫌でパニック起こしたみたいでした。」
「色んな人が居るからね。でも、明日香さんのお陰で落ち着いたみたいよ。」
「良かったです。」
帰り、泣き腫らした目の晴輝を見かけた。
「晴輝くん。」
「明日香さんか。さっきはありがと。」
「いいのいいの。お互い様だし。これでかりは返せたし。」
「おれさ、嫌な事言われたんだよね。」
「うん。」
「それで、パニクっちゃって…。」
「晴輝くんは悪くないよ。悪いのはからかった人だよ。」
晴輝が、安心したように息を吐く。
「…今日ので、好きな人バレたかもなぁ。」
「そうなの?」
「うん。何かされなければいいけど…。」
次の日。
明日香が靴箱に行くと女子が待っていた。
「花田さん、ちょっといい?」
「?うん。」
教室に入るなり、鍵を閉められる。
「えっ…?」
「あんた、生意気だったよね。」
「生意気?って何?」
「調子乗ってるよね。」
「調子になんか乗ってないよ。」
「じゃあ、何で東がパニック起こしたか知ってる?」
「え、からかわれたからだよね?」
「…これ、確定だわ。」
女子は、コソコソと話している。
「よくわかんないけど、に、逃げないと…!!」
内側から掛けられた鍵を外し、明日香は走った。
(何でだろう?何が起こってんの?)
後ろを女子が追いかけてくる。
「ふざけんなよ!!」
(怖い。助けて…!!)
「何してんの?お前ら。」
目の前に、晴輝が立つ。
「東!?これには訳があって…!」
「明日香は訳を作るようなことはしない。」
平然と言い切る晴輝。
「あんた!ふざけんなよ!晴輝の何なのよ!」
「晴輝くんの…?」
0
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
記憶を無くした、悪役令嬢マリーの奇跡の愛
三色団子
恋愛
豪奢な天蓋付きベッドの中だった。薬品の匂いと、微かに薔薇の香りが混ざり合う、慣れない空間。
「……ここは?」
か細く漏れた声は、まるで他人のもののようだった。喉が渇いてたまらない。
顔を上げようとすると、ずきりとした痛みが後頭部を襲い、思わず呻く。その拍子に、自分の指先に視線が落ちた。驚くほどきめ細やかで、手入れの行き届いた指。まるで象牙細工のように完璧だが、酷く見覚えがない。
私は一体、誰なのだろう?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる