それでも私は恋したい!

さくら

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練習で大波乱

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明日香は、イヤーマフを付けてリレーの場所に行く。
「よーい…ドン!」
銃が鳴り、走り出す。

「明日香、早いね…。」
「一応、リレー選手なので…。」
クラスの女子と、そんな会話をしていると、
「晴輝が走るぞ!」
「えっ」
あわてて明日香はその方向を見た。

晴輝は、耳に何も付けずに待っていた。
「よーい…ドン!」
銃の音に若干顔を歪めたものの、一瞬で走り切った。
「すごーい…。」

「晴輝くん、さっきカッコよかったよ。」
「まじで?うれしい。明日香も早かったじゃん。」
「一応、リレー選手なので…。」
「晴輝ー!」
自称彼女が走ってくる。
「逃げよ。」
「ちょ、待てよ!ふざけんな!」
「…っちだよ。」
「明日香?」
明日香は止まって言う。
「ふざけてるのはそっちだよ!」
自称彼女は、固まっている。
「明日香、教室に戻ろう。クールダウンしないと。」
「…。」

クールダウンスペースで、横になる明日香。
「ありがとうね。明日香さん、怒りが頂点になるといつも突然怒ってしまうから。」
「いえ、自分も逃げようとしたのが多分引き金だったので。」
「ああいうのは逃げたが身のため。気にしなくていいわ。」
「はい。」

(明日香は、あいつに何で怒ったんだ?滅多に怒らない明日香が何で?)
「分からないって顔してる。」
振り返ると、通級仲間の一人が立っていた。
「今日、花田さんパニックになりかけたって?」
「うん…おれに原因あるのかなって…。」
「いや、原因あいつだろ。それに…ほら。ヤキモチ焼いてたのかもしれないし。」
「そんなの…。」
否定しようとして考え直す。
明日香も、一人の女の人だ。嫉妬くらいするだろう。
「…あるかも。」
「多分これが、常にってわけじゃないと思うけど…考えた方がいいよ。はっきり言うと、障害がある人同士の恋愛ってまじで難しいよ。」
「…だな。その辺は考えてる。」

帰り。
「明日香、大丈夫だった?」
「え、大丈夫だよ。びっくりさせてごめんね。」
(こんな明日香も、あんな明日香も、全部明日香なのであって、付き合って行けるかを考えないといけないんだな…。)
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