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オッサン、観念する

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54歳独身男性。平日は基本肉体労働の介護士をしている。
職場までは2駅。
我が家は駅から歩いて約15分程の一軒家だ。

少し前まで条件付きではあるが、その一軒家に独りで住んでいた。
が、今は居候がいる。
その居候はちょっと特殊で、見た目は20代前半の高身長で細マッチョな感じ、髪は黒髪でミディアムショートだが内側がシルバーになっているいわゆるインナーカラーというやつで、顔は今人気で流行りの俳優に似ているらしい(名前がわからないが)かなりのイケメン。
名前はレオン。名字はまだ知らない。
彼はインキュバスだ。
言い方を変えると淫魔である。
最初は信じていなかったが、ソレは少し前に私自身で体験し本物だと確信している。
世の中には常識では計り知れない事があるんだと受け入れることにした。
ちなみに、レオン君はココに来る前は住所不定でフリーの仕事をしながら転々としていたそうだ。
インキュバスも仕事しないと生きていけないと言う。
最初の印象は無職でヒモ体質だとばかり思っていたがソコソコ稼いでいるらしい。
仕事内容は聞いていないので知らないが、パソコンとネット環境があればできるんだそうだ。
私みたいな壮年肉体労働者からすると羨ましい。
彼みたいな仕事をしている人の事を、少し前に流行ったミニマム?ノマド?ワーカーというやつらしい。
機会があったら私でもできる仕事かどうか聞いてみようと思う。
住所が無くて困ったことは、台風の時に泊まる場所が極端に少なるのでその時だけは困るそうだ。
が、今は私の家に間借りというか居候として住んでいる。
勿論家賃は貰っているが相場がわからないので適当に値段設定したら、

「それは安過ぎます!もう少し値段上げてください!それが無理なら家の事は僕がしますよ?」

と爽やかにレオン君が言うので家賃より家事をお願いした。
レオン君は家事全般をなんなく熟す!
イケメンは何でも出来るのか?
天は二物も三物も与えるのか?と少し嫉妬したが料理だけは苦手らしくそれは私の役割となった。
苦手な事があるのは良い事だ!
何でも出来たら私の存在意義がなくなるではないか!

それから、掃除洗濯を任せるだけで私の日々の負担はかなり軽くなり時間も心の余裕も出来るようになると何時からか忘れていた趣味の読書の時間も設けられるようになった。
本当に何年振りの趣味は本当に趣味だったのか?と忘れる位だったが、1度本を読み始めると楽しくてしょうがなくなった。

「ありがとう」

ほんの些細なことも礼が言える。
最初の頃は何にもわからない手探り状態の2人だったのが、たった数週間で熟年夫婦の様な生活を………いや、そこは違うな。
まぁ、兎に角平和で仲良く協力仕合ながら生活をしている。
あの条件と約束だけは未だ慣れないが。



それは必ず夕飯も終わり、お風呂も終わった就寝間近の時間。
場所は特に決まっていないが、私の寝室になることが多い。

「あぁっ…いや、んっ……」

起立した陰茎を根元近くまで柔らかく熱い口内で吸い上げながら亀頭の雁の部分を舌で巧みに擦り上げると我慢していた喘ぎが堪えられず漏れる。
私の声が頻繁に漏れ出すと少しずつ刺激を柔らかくし我慢汁をダラダラと垂れ流すようにゆっくりと刺激する。
それは甘い地獄の様な刺激でいきたくてもいけない辛い快楽にどうにかなりそうなる。

「早くっ…んっ………」

早くいきたい。
彼にお願いをしても動きは変わらず私のモノを咥えながら

「まだ………全然足りない…」

と普段の優しい彼とは違う意地悪なレオン君になる。

「はぁあっん!………だめっ……もぅ………キツっイ……からぁんっ!」

息も絶え絶えに快楽に溺れそうになるもこれ以上は明日の朝に響く。
なのに心のどこかではもっと気持ち良くなりたいと思っている私がいる。

「はっ………もぅん!……いきたいっ!いかせてぇっ……」

今まで生きてきた中でこんな快楽に声も抑えられず早くいきたいと懇願しながら腰が勝手に動き、目尻から気持ち良すぎて涙が出る事なんて1度もなかった。

「しょうがないですね………こっちも少しずつ慣らして1日2回はいけるようにしましょう」

彼はそういうと私の後孔から粘膜で滑りやすくした指を入れていく。

「ああぁぁ!!!」

数日前から少しずつ指でも慣らされ指2本までなら奥まで咥えられるようなっていた。

「こっちも気持ち良くなりましょ……」

後ろから指が前立腺と思う場所を優しく刺激しながら私の亀頭からゆっくりと彼の口が咥えていく。
こうなると経験の少ない私は強い刺激に歠まれ何がなんだかわからなくなってしまう。

「だめっ!もぅん………っんん!!あっ」

何処からの刺激なのかもわからない快感が私の脳を蕩けさせていく。

「あぁっ………いっ………」

息が吐けなくなり目の前がチカチカとする。
こうなると駄目だった。
下半身の甘い痺れが爆発するように身体の外へいく感覚が意識と一緒に飛んでいきそうになる。
自分で制御出来ない小さな痙攣と布が擦れるだけでも肌が緩やかに快感に変えていく。
その快感は優しく背中や頭を撫でられると嬉しい様な優しい様な懐かしい感覚に似ている。

こんな日が毎日続き彼とキスをするだけで我慢が出来なくなってくる。
魅了の目は滅多に発動していない。
私の身体は毎日少しずつ彼に解かされていく。
この快感が無いと眠れないんじゃないかと錯覚しそうな程。
そして私はそのまま身体も意識も起こすことなく意識を深く落とし翌朝レオン君の寝顔を見ながら起きるのが習慣となっていった。







いつかこの二人の続き書きたいです
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