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第20話 運命の日
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エミリアは朝から落ち着いていた。体調も問題なし。
今日は店も工房も休み。建物にはエミリアのみ。
普段は手の回らない箇所を掃除し、買い出しも済ませた。
お茶でひと息。
(今日で終わらない、今日も明日も私の人生は続いていく。ここで。殿下もセイン様もトムソンさんも……)
外は快晴。ルノワは光の差し込んでいる床でお昼寝。
(こんなにいいお天気だったのね? あの時は全然気付かなかったわ……)
エミリアは早めに昼食を済ませ、一階店舗で閉じられた窓を少し開き、カーテンの隙間からカルマンストリートを窺う。
昼時が近づき、馬車はカラカラと車輪を軽快に回して行き交い、通りには人が増えてきた。
自然と心臓の鼓動が速まる。
(ドキドキしてきた……)
「――アレかしら?」
献身通り方面から、見覚えのある客車の馬車が時計店に向かってくる。
馬の蹄が道を叩くリズム、客車の車輪が回る音にエミリアは聞き覚えがある! マクシミリアン殿下の馬車!
(いよいよね……)
ダーン! ダダーーンッ!
木槌が、石畳や建物の外壁を叩く音が通りに響く。
(あの時は、馬が暴れてしまって客車も横倒しになったとおじさん達が言っていたわね?)
対向の馬車の馬がいななき、棹立ちになる中、マクシミリアンの馬は何事も無い様に速度を落とし、停止した。
エミリアがよく見ると、馬の耳は帽子のようなイヤーネットで包まれていて、外の音を軽減させている。
「いくぞー!」
「おーっ!」
「おらおらっ! 邪魔だぁ」
「どけどけ~」
暴漢達が怒鳴り声を上げながら、路地や後続の馬車から出てきてマクシミリアンの馬車を取り囲み、辺りは騒然となる。
その時、辺りにピピィー! と笛の音が響き渡った。
それに合わせて客車のドアが勢い良く開くと、中から軽鎧を身に着けた男達が続け様に飛び出てきた。
(あの客車の中に七、八人も入っていたの? 凄いわっ!)
御者席のトムソンも軽快に飛び降りて戦列に加わる。
(トムソンさん! どうかご無事で……。あれ? セイン様と殿下は?)
エミリアはカーテンの隙間から目を凝らすが、二人は見えない。
彼女は居ても立っても居られず、窓を閉めて裏口に回り、路地を抜けてカルマンストリートへ急ぐ。
トムソンを含む馬車から飛び出た男達と、それを取り囲む暴漢達のジリジリとした睨み合いが続いていた。
すると、周囲の建物の内部から、帝都警備隊の制服姿の隊員がぞろぞろと駆けつけてきて、暴漢達の更に外側に包囲網が形成される。
(暴漢達は路地に潜んでいたけど、警備隊の方達は建物の中に潜んでいらしたのね? 周到な準備ね)
「貴様らは既に我らの包囲下にある! 大人しくしろ!」
「チッ! なんだこいつら!」
「話がチゲエぞ」
「くそっ! どっちにしろやらなきゃやられるぞ! 切り抜けるしか道はねぇ。――行くぞ!」
暴漢達は逃走最優先に切り換えて包囲網の突破を図るが、内側のトムソンらに背を討たれて徐々に数を減らしていく。
◆◆◆ベルント
これは? どういうことだ?
襲撃は裏社会の人間どもに任せ、私と元締めはここで――この路地で成功を見届けて終わるつもりが……なんだこれはっ!
マクシミリアン殿下やセイン達が、こいつらを蹴散らしてくれないかという一縷の望みは抱いていたが、なんだこの包囲は? 徹底的に囲い込まれているじゃないか。
「ちっ! マズイな……」
「な、何とかなるのか?」
「ぁあ? するしかねえだろうが!」
思っても無い事態に元締めも気が立っている。
そこに、通りからこちらに人が入って来た。二人。
逆光気味なので、姿かたちははっきりとは分からないが……
このシルエットは!
……やはり。
マクシミリアン殿下とセインか。
段々とはっきりしてきた。
セインは先頭で、鬼のような形相で私を睨んでいる……
ジャリッ!
セインが足を止め、私を睨みつけながら口を開いた。
「俺はよぉ、マックスから話ぃ聞かされた時によぉ……何かの間違いであってくれって思っていたんだけどよぉ」
セインの声は怒りに震えている。震える声で続ける。
「本当にマックスの命、狙ってるじゃねぇかっ! これはよぉ!」
「セイン……」
「おい、ボンボン」
後ろから元締めの声がする。
「テメエ、もしかして俺らを嵌めたのか?」
「い、いや。そんな訳ないだろ?」
「そうか……いずれにしろ、俺らには退路が無え。ここは袋小路だしな」
元締めが私の肩を掴んでグイッとずらして、私の前に出てセイン達の方に向かっていく。
セインも殿下を手で制して後退させて、元締めと向き合う。
「ここは通してもらうぜ? 命が惜しくば道を開けな!」
元締めは、スーツの内側、後ろ腰に隠していた刃渡りの長いナイフを抜いて構えた。
セインも腰の剣を抜いて構える。
「マックス、ここは俺がやる。手は出さねえでくれよ……」
「わかった」
殿下の表情は読み取れないが、初めてしゃべったな……
長身でガッシリした体格同士の二人が向き合い、今にも斬り合いが始まりそうだ。
体格では元締め有利。間合いはセインの間合い。
セインは両手で剣を構え、彼は片手に持ったナイフを前に出してユラユラと揺らしてけん制する。
お互いに一歩踏み込めば、刃が当たる距離。
「死ねっ!」
元締めが鋭い踏み込みで一気に間合いを縮め、セインの懐にナイフを突き出す。
「うおっ! ……速えな。ギリギリだったぜ」
セインは間一髪で横にかわした。
「今度はこっちから行くぜっ!」
セインも素早い踏み込みから、突くように剣を振っていく。
元締めも体格の割に軽い身のこなしで避ける。
でも、手数で息つく間も与えぬセインの猛攻で、セインの剣が彼の腕を斬り落とすと思ったその瞬間。
ガギン!
「何っ!?」
元締めの腕が剣を受け止め、そのまま剣を受け流した!
剣を受けて裂かれた彼のスーツの袖からは、何かが鈍く光っている。あれは……腕を守る『前腕当て』か!
剣を逸らされてバランスが崩れたセインに元締めのナイフが襲いかかり、彼は腕や脇腹に傷を受けていく。
「くっ! 何なんだテメエは?」
「裏社会に身を置く俺が、無防備で出歩くわきゃねえだろうが! 多少は痛えが、腕が無くなるよりはマシだろ?」
傷を負ったセインの動きが鈍るが、彼は歯を食いしばって元締めの攻撃に対応していく。
殿下は、腕を組んだまま黙って見ている。
殿下はそれ程までにセインを信じているのだな……
私にもそうだったのだろうか? 今となっては私は裏切り者……
「ちっ! これだけやっても手数が落ちねえのか?」
元締めが押され始めて、少しずつ私の方に下がってくる。
私が避ければ、彼が剣をかわすスペースが出来て、反撃の機会も増えるだろうが……
避けない!
ドン!
「あっ? ……ボンボン! テメエなんで避けてねえんだ!」
避けると思っていた私にぶつかった元締めが、一瞬私に気を取られた。
その一瞬で充分だった。
グサッ!
セインの剣が元締めの喉元を突き刺した。
◆◆◆
警備隊と暴漢達の戦闘が始まって十数分。
エミリアは人だかりの前方にはいたが、人の頭に遮られてよく見えない。
(もう~、見えない! どうしよう? ――あっ! そうだ……)
前回、ダニーがしたように建物の石の隙間に足をかけて立つと、高さが増して視界が開けた。
(暴漢達は全員斬り伏せられたようね。トムソンさんも無事ね)
警備隊が生存者の連行と死体処理をしていると、前回ベルントが出てきた路地からも何やら出てきた。
破れたスーツ姿の男――元締めが戸板に乗せられて運ばれている。
腕はだらんと垂れ下がって、ピクリとも動かない。
(動かない……。死んだのね)
エミリアは、この先――明日、時計店に押し入られることは無さそうだと安堵した。
そして担架が二台。
一台目にはセインが乗せられている。
(セイン様! あっ、動いた! ――良かったぁ~。心臓が止まるかと思ったわ……)
二台目に乗せられている人間にはシートが掛けられているが、頭部が見えていて、長い黒髪がバラバラと広がっている。
(ベルント様だ! ……動かない? 殿下は生け捕りたいと仰っていたけれど、叶わなかったのね……)
エミリアは、ずっとマクシミリアンの姿を見ていないことに不安を覚える。
(殿下……。でも、セイン様やベルント様があそこにいたという事は、殿下もいらした可能性が!)
彼女は石から飛び降り、人だかりを掻き分けて路地に向かう。
息を切らして路地に辿りついたエミリアは、(どうか殿下がいますように)と祈りつつ路地を覗きこんだ。
(いたっ!)
「で――」
殿下と呼びそうになったエミリアに、マクシミリアンは人差し指を口の前に当てて、「シィー」と口を動かす。
そして手招きをした。
今日は店も工房も休み。建物にはエミリアのみ。
普段は手の回らない箇所を掃除し、買い出しも済ませた。
お茶でひと息。
(今日で終わらない、今日も明日も私の人生は続いていく。ここで。殿下もセイン様もトムソンさんも……)
外は快晴。ルノワは光の差し込んでいる床でお昼寝。
(こんなにいいお天気だったのね? あの時は全然気付かなかったわ……)
エミリアは早めに昼食を済ませ、一階店舗で閉じられた窓を少し開き、カーテンの隙間からカルマンストリートを窺う。
昼時が近づき、馬車はカラカラと車輪を軽快に回して行き交い、通りには人が増えてきた。
自然と心臓の鼓動が速まる。
(ドキドキしてきた……)
「――アレかしら?」
献身通り方面から、見覚えのある客車の馬車が時計店に向かってくる。
馬の蹄が道を叩くリズム、客車の車輪が回る音にエミリアは聞き覚えがある! マクシミリアン殿下の馬車!
(いよいよね……)
ダーン! ダダーーンッ!
木槌が、石畳や建物の外壁を叩く音が通りに響く。
(あの時は、馬が暴れてしまって客車も横倒しになったとおじさん達が言っていたわね?)
対向の馬車の馬がいななき、棹立ちになる中、マクシミリアンの馬は何事も無い様に速度を落とし、停止した。
エミリアがよく見ると、馬の耳は帽子のようなイヤーネットで包まれていて、外の音を軽減させている。
「いくぞー!」
「おーっ!」
「おらおらっ! 邪魔だぁ」
「どけどけ~」
暴漢達が怒鳴り声を上げながら、路地や後続の馬車から出てきてマクシミリアンの馬車を取り囲み、辺りは騒然となる。
その時、辺りにピピィー! と笛の音が響き渡った。
それに合わせて客車のドアが勢い良く開くと、中から軽鎧を身に着けた男達が続け様に飛び出てきた。
(あの客車の中に七、八人も入っていたの? 凄いわっ!)
御者席のトムソンも軽快に飛び降りて戦列に加わる。
(トムソンさん! どうかご無事で……。あれ? セイン様と殿下は?)
エミリアはカーテンの隙間から目を凝らすが、二人は見えない。
彼女は居ても立っても居られず、窓を閉めて裏口に回り、路地を抜けてカルマンストリートへ急ぐ。
トムソンを含む馬車から飛び出た男達と、それを取り囲む暴漢達のジリジリとした睨み合いが続いていた。
すると、周囲の建物の内部から、帝都警備隊の制服姿の隊員がぞろぞろと駆けつけてきて、暴漢達の更に外側に包囲網が形成される。
(暴漢達は路地に潜んでいたけど、警備隊の方達は建物の中に潜んでいらしたのね? 周到な準備ね)
「貴様らは既に我らの包囲下にある! 大人しくしろ!」
「チッ! なんだこいつら!」
「話がチゲエぞ」
「くそっ! どっちにしろやらなきゃやられるぞ! 切り抜けるしか道はねぇ。――行くぞ!」
暴漢達は逃走最優先に切り換えて包囲網の突破を図るが、内側のトムソンらに背を討たれて徐々に数を減らしていく。
◆◆◆ベルント
これは? どういうことだ?
襲撃は裏社会の人間どもに任せ、私と元締めはここで――この路地で成功を見届けて終わるつもりが……なんだこれはっ!
マクシミリアン殿下やセイン達が、こいつらを蹴散らしてくれないかという一縷の望みは抱いていたが、なんだこの包囲は? 徹底的に囲い込まれているじゃないか。
「ちっ! マズイな……」
「な、何とかなるのか?」
「ぁあ? するしかねえだろうが!」
思っても無い事態に元締めも気が立っている。
そこに、通りからこちらに人が入って来た。二人。
逆光気味なので、姿かたちははっきりとは分からないが……
このシルエットは!
……やはり。
マクシミリアン殿下とセインか。
段々とはっきりしてきた。
セインは先頭で、鬼のような形相で私を睨んでいる……
ジャリッ!
セインが足を止め、私を睨みつけながら口を開いた。
「俺はよぉ、マックスから話ぃ聞かされた時によぉ……何かの間違いであってくれって思っていたんだけどよぉ」
セインの声は怒りに震えている。震える声で続ける。
「本当にマックスの命、狙ってるじゃねぇかっ! これはよぉ!」
「セイン……」
「おい、ボンボン」
後ろから元締めの声がする。
「テメエ、もしかして俺らを嵌めたのか?」
「い、いや。そんな訳ないだろ?」
「そうか……いずれにしろ、俺らには退路が無え。ここは袋小路だしな」
元締めが私の肩を掴んでグイッとずらして、私の前に出てセイン達の方に向かっていく。
セインも殿下を手で制して後退させて、元締めと向き合う。
「ここは通してもらうぜ? 命が惜しくば道を開けな!」
元締めは、スーツの内側、後ろ腰に隠していた刃渡りの長いナイフを抜いて構えた。
セインも腰の剣を抜いて構える。
「マックス、ここは俺がやる。手は出さねえでくれよ……」
「わかった」
殿下の表情は読み取れないが、初めてしゃべったな……
長身でガッシリした体格同士の二人が向き合い、今にも斬り合いが始まりそうだ。
体格では元締め有利。間合いはセインの間合い。
セインは両手で剣を構え、彼は片手に持ったナイフを前に出してユラユラと揺らしてけん制する。
お互いに一歩踏み込めば、刃が当たる距離。
「死ねっ!」
元締めが鋭い踏み込みで一気に間合いを縮め、セインの懐にナイフを突き出す。
「うおっ! ……速えな。ギリギリだったぜ」
セインは間一髪で横にかわした。
「今度はこっちから行くぜっ!」
セインも素早い踏み込みから、突くように剣を振っていく。
元締めも体格の割に軽い身のこなしで避ける。
でも、手数で息つく間も与えぬセインの猛攻で、セインの剣が彼の腕を斬り落とすと思ったその瞬間。
ガギン!
「何っ!?」
元締めの腕が剣を受け止め、そのまま剣を受け流した!
剣を受けて裂かれた彼のスーツの袖からは、何かが鈍く光っている。あれは……腕を守る『前腕当て』か!
剣を逸らされてバランスが崩れたセインに元締めのナイフが襲いかかり、彼は腕や脇腹に傷を受けていく。
「くっ! 何なんだテメエは?」
「裏社会に身を置く俺が、無防備で出歩くわきゃねえだろうが! 多少は痛えが、腕が無くなるよりはマシだろ?」
傷を負ったセインの動きが鈍るが、彼は歯を食いしばって元締めの攻撃に対応していく。
殿下は、腕を組んだまま黙って見ている。
殿下はそれ程までにセインを信じているのだな……
私にもそうだったのだろうか? 今となっては私は裏切り者……
「ちっ! これだけやっても手数が落ちねえのか?」
元締めが押され始めて、少しずつ私の方に下がってくる。
私が避ければ、彼が剣をかわすスペースが出来て、反撃の機会も増えるだろうが……
避けない!
ドン!
「あっ? ……ボンボン! テメエなんで避けてねえんだ!」
避けると思っていた私にぶつかった元締めが、一瞬私に気を取られた。
その一瞬で充分だった。
グサッ!
セインの剣が元締めの喉元を突き刺した。
◆◆◆
警備隊と暴漢達の戦闘が始まって十数分。
エミリアは人だかりの前方にはいたが、人の頭に遮られてよく見えない。
(もう~、見えない! どうしよう? ――あっ! そうだ……)
前回、ダニーがしたように建物の石の隙間に足をかけて立つと、高さが増して視界が開けた。
(暴漢達は全員斬り伏せられたようね。トムソンさんも無事ね)
警備隊が生存者の連行と死体処理をしていると、前回ベルントが出てきた路地からも何やら出てきた。
破れたスーツ姿の男――元締めが戸板に乗せられて運ばれている。
腕はだらんと垂れ下がって、ピクリとも動かない。
(動かない……。死んだのね)
エミリアは、この先――明日、時計店に押し入られることは無さそうだと安堵した。
そして担架が二台。
一台目にはセインが乗せられている。
(セイン様! あっ、動いた! ――良かったぁ~。心臓が止まるかと思ったわ……)
二台目に乗せられている人間にはシートが掛けられているが、頭部が見えていて、長い黒髪がバラバラと広がっている。
(ベルント様だ! ……動かない? 殿下は生け捕りたいと仰っていたけれど、叶わなかったのね……)
エミリアは、ずっとマクシミリアンの姿を見ていないことに不安を覚える。
(殿下……。でも、セイン様やベルント様があそこにいたという事は、殿下もいらした可能性が!)
彼女は石から飛び降り、人だかりを掻き分けて路地に向かう。
息を切らして路地に辿りついたエミリアは、(どうか殿下がいますように)と祈りつつ路地を覗きこんだ。
(いたっ!)
「で――」
殿下と呼びそうになったエミリアに、マクシミリアンは人差し指を口の前に当てて、「シィー」と口を動かす。
そして手招きをした。
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