86 / 133
エピソード3
サターン1/13
しおりを挟む
【――次のニュースです。
最新鋭の宇宙戦艦、ジアース級サターンの竣工式を今週末に控え、一部のファンや関係者の間で静かな熱狂に包まれています。
様々な問題を抱えた最後の戦艦サターンの完成、これでジアース級戦艦のそろい踏みですね。
宇宙を守る象徴的な宇宙戦艦を見届ける為、気の早いファンたちは竣工式を前に早めの現地入りをし、まるでお祭りムードのようですね。
ジアース級戦艦は全長20キロメートルの歴史上最大規模の艦船として注目されています。
かつてX01-ボイドとの死闘から提唱された新たな装備、スーパータキオン砲を搭載した最強の宇宙戦艦です。
サターンの完成をもってジアース級は一番艦から数え。
ジアース、マーキュリー 、ヴィーナス、マーズ、ジュピター 、サターン 、ウラヌス 、ネプチューンの八隻が完成したことになりますね。
……さて、ここで現場から中継が繋がりました。
現場のハレタツさん?
はい、レポーターのハレタツです。
現場は今、宇宙戦艦サターンの熱烈なファンが衛星軌道上にあるサターンを写真撮影をしている様子です。
レポーター「竣工式は週末ですよね? いつから来られたのですか?」
ミリオタ風の男性A「はい昨日、有給をつかって地球から帰ってきました。いやー、長かったですからねー、サターンは延期に告ぐ延期。土星系出身の俺としては感無量っす!」
レポーター「すごい盛り上がりですね、忙しいですか?」
会場関係者の女性「ええ、ほんと。まるでお祭り騒ぎですよ。ショッピングモールにも急きょフードコートを増設したんですよ」
レポーター「……週末の竣工式を控え、ますます現場は盛り上がっていってるようです。
運航ダイヤに乱れが予想されますので、来場予定の方はくれぐれも計画には余裕をもって前倒しでの行動をとってください。以上、現場からでした」
はい。ハレタツさんありがとうございました。
では次のニュースです。
アーススリーのカニ漁問題について政府は改善の兆しがあると発表しました――】
俺は普段テレビは見ないけどニュースチャンネルだけは真面目に見ることにしている。
以前の俺はネットのいい加減なニュースを信じて陰謀論に染まってしまった恥ずかしい経験があるからだ。
ほんと恥ずかしいなぁ、ネットこそ真実! マスゴミは嘘ばかりってか。
いやいや。百歩譲ってマスコミは嘘も言うけど、有象無象のネット評論家の方が嘘つきの割合が多いと当時の俺は思わなかったな。
まあ、今は3024年。
俺は知ってしまったのだ、あのときブイブイ言わせてたネット論客達の悲惨な末路を……。
結局は金だったのだ。もちろん全てがそうではないけどね。大多数がそうだったって話。
それに比べれば、テレビのが全然マシなんだよな。まあこれもさらに未来では変わるのかもしれないけど……。
「ところでアイちゃん。ジアース級戦艦ってさ、アイちゃんの後輩だよね。先輩のツテで見学とか出来ない? すっげーお祭りみたいだし」
『マスター……それはさすがに無理ですよ。
私はもう軍籍ではありませんし。コネもありません。
それこそ、マスターなら何とかなるんじゃないですか? スズキの名前を使えば割と融通が利きますよ?』
「いやぁ、さすがにそこまではしたくないけど。
ああ、でも一度は見てみたいかなぁ。サターンのAI。きっと黒髪セミロングの……何ていうのかな。儚くも健気なセーラー服の美少女戦士」
『……セーラー服の戦士ですか? はて、海軍の女性兵士でしょうか……。
マスターの弟さんはミリオタと存じておりますが、マスターもミリオタでしたでしょうか?
ちなみにサターンのAIアバターは一般公募で決まっていますのでいつでも閲覧できますよ?』
セーラー服の戦士というワードで、海軍が出てくるのはさすがに元戦艦のAIなだけはある。
だが、まだまだ俺についての理解が足りないな。ふっ……平成生まれの日本人への理解というべきか……。
「いやいや、そう言う事じゃないさ。俺がアイドルオタクになる前のわずかな期間にね。
思い出のアニメがあってだな。 どれどれ、早速検索しよう。『サターン』、『宇宙戦艦』、『AIアバター』っと……」
カタカタ、ターン! と、俺は勢いよくキーボードを入力する。
【やあ皆! 僕は宇宙戦艦ジ・アース級六番艦のサターンだよ! ハハッ!
いろいろ建造までにトラブルがあって、七番艦ウラヌスと八番艦ネプチューンよりも少し遅れちゃったけど。
遂に完成したんだ。今週末には竣工式があるから皆も会いに来てね! とっておきの秘密も満載! 最新鋭の装備も紹介しちゃうよ! キュルルンサターン! ハハッ!】
……俺は画面をそっと閉じる。
「ちがーう! なんだよ! ただのゆるキャラじゃないか! サターンは俺の初恋の二次元だったのに……」
そう、サターンのアバターはふざけていた。
丸っこいデザインに、やる気なさそうないい加減な紐のような手足が付いていて。土星の輪をイメージした浮き輪をつけている。
『……マスター。小学生のデザインにそういう言い方は失礼というか、大人げないですよ?』
小学生っ!……。
……く、たしかに、少し言い過ぎた。
ベクトルは違えどこれはこれで可愛いと思う。
ほんとごめんね……まじでごめん。
最新鋭の宇宙戦艦、ジアース級サターンの竣工式を今週末に控え、一部のファンや関係者の間で静かな熱狂に包まれています。
様々な問題を抱えた最後の戦艦サターンの完成、これでジアース級戦艦のそろい踏みですね。
宇宙を守る象徴的な宇宙戦艦を見届ける為、気の早いファンたちは竣工式を前に早めの現地入りをし、まるでお祭りムードのようですね。
ジアース級戦艦は全長20キロメートルの歴史上最大規模の艦船として注目されています。
かつてX01-ボイドとの死闘から提唱された新たな装備、スーパータキオン砲を搭載した最強の宇宙戦艦です。
サターンの完成をもってジアース級は一番艦から数え。
ジアース、マーキュリー 、ヴィーナス、マーズ、ジュピター 、サターン 、ウラヌス 、ネプチューンの八隻が完成したことになりますね。
……さて、ここで現場から中継が繋がりました。
現場のハレタツさん?
はい、レポーターのハレタツです。
現場は今、宇宙戦艦サターンの熱烈なファンが衛星軌道上にあるサターンを写真撮影をしている様子です。
レポーター「竣工式は週末ですよね? いつから来られたのですか?」
ミリオタ風の男性A「はい昨日、有給をつかって地球から帰ってきました。いやー、長かったですからねー、サターンは延期に告ぐ延期。土星系出身の俺としては感無量っす!」
レポーター「すごい盛り上がりですね、忙しいですか?」
会場関係者の女性「ええ、ほんと。まるでお祭り騒ぎですよ。ショッピングモールにも急きょフードコートを増設したんですよ」
レポーター「……週末の竣工式を控え、ますます現場は盛り上がっていってるようです。
運航ダイヤに乱れが予想されますので、来場予定の方はくれぐれも計画には余裕をもって前倒しでの行動をとってください。以上、現場からでした」
はい。ハレタツさんありがとうございました。
では次のニュースです。
アーススリーのカニ漁問題について政府は改善の兆しがあると発表しました――】
俺は普段テレビは見ないけどニュースチャンネルだけは真面目に見ることにしている。
以前の俺はネットのいい加減なニュースを信じて陰謀論に染まってしまった恥ずかしい経験があるからだ。
ほんと恥ずかしいなぁ、ネットこそ真実! マスゴミは嘘ばかりってか。
いやいや。百歩譲ってマスコミは嘘も言うけど、有象無象のネット評論家の方が嘘つきの割合が多いと当時の俺は思わなかったな。
まあ、今は3024年。
俺は知ってしまったのだ、あのときブイブイ言わせてたネット論客達の悲惨な末路を……。
結局は金だったのだ。もちろん全てがそうではないけどね。大多数がそうだったって話。
それに比べれば、テレビのが全然マシなんだよな。まあこれもさらに未来では変わるのかもしれないけど……。
「ところでアイちゃん。ジアース級戦艦ってさ、アイちゃんの後輩だよね。先輩のツテで見学とか出来ない? すっげーお祭りみたいだし」
『マスター……それはさすがに無理ですよ。
私はもう軍籍ではありませんし。コネもありません。
それこそ、マスターなら何とかなるんじゃないですか? スズキの名前を使えば割と融通が利きますよ?』
「いやぁ、さすがにそこまではしたくないけど。
ああ、でも一度は見てみたいかなぁ。サターンのAI。きっと黒髪セミロングの……何ていうのかな。儚くも健気なセーラー服の美少女戦士」
『……セーラー服の戦士ですか? はて、海軍の女性兵士でしょうか……。
マスターの弟さんはミリオタと存じておりますが、マスターもミリオタでしたでしょうか?
ちなみにサターンのAIアバターは一般公募で決まっていますのでいつでも閲覧できますよ?』
セーラー服の戦士というワードで、海軍が出てくるのはさすがに元戦艦のAIなだけはある。
だが、まだまだ俺についての理解が足りないな。ふっ……平成生まれの日本人への理解というべきか……。
「いやいや、そう言う事じゃないさ。俺がアイドルオタクになる前のわずかな期間にね。
思い出のアニメがあってだな。 どれどれ、早速検索しよう。『サターン』、『宇宙戦艦』、『AIアバター』っと……」
カタカタ、ターン! と、俺は勢いよくキーボードを入力する。
【やあ皆! 僕は宇宙戦艦ジ・アース級六番艦のサターンだよ! ハハッ!
いろいろ建造までにトラブルがあって、七番艦ウラヌスと八番艦ネプチューンよりも少し遅れちゃったけど。
遂に完成したんだ。今週末には竣工式があるから皆も会いに来てね! とっておきの秘密も満載! 最新鋭の装備も紹介しちゃうよ! キュルルンサターン! ハハッ!】
……俺は画面をそっと閉じる。
「ちがーう! なんだよ! ただのゆるキャラじゃないか! サターンは俺の初恋の二次元だったのに……」
そう、サターンのアバターはふざけていた。
丸っこいデザインに、やる気なさそうないい加減な紐のような手足が付いていて。土星の輪をイメージした浮き輪をつけている。
『……マスター。小学生のデザインにそういう言い方は失礼というか、大人げないですよ?』
小学生っ!……。
……く、たしかに、少し言い過ぎた。
ベクトルは違えどこれはこれで可愛いと思う。
ほんとごめんね……まじでごめん。
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は賑やかになった。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。
wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。
それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。
初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。
そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。
また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。
そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。
そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。
そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる