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エピソード3
フェイタルフェイト20/31
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ゴンッ!
後頭部に衝撃が走る。
大木の幹にぶつかったのだろう。
俺は突然の爆発に吹き飛ばされたが、大木おかげでそれほどの距離は飛ばされていないようだ。
「痛たた……。しかしユニクロが無ければ俺は確実に死んでたな……いや、俺はもしかしたら死んでるんだろうか?」
俺の頭は妙に冷静だった。おそらくはユニクロ内にリラックス効果のある薬剤が循環したんだろう。
『マスター! ご無事ですか! 返事をしてください!』
ふふ、AIであるアイちゃんの方が取り乱してるみたいだ。
だが、さすがにあの爆発だ。果たして俺は無事なのだろうか……。
あまりの出来事に俺の頭はグルグル回る。
恐る恐る自分の身体をみる。
……五体満足だ。
さすがはユニクロだよ……。
思えば俺はこの宇宙服に何度も助けられたっけ。
「アイちゃん無事だよ。ちなみに今の爆発って?」
『ふぅ、マスター、とりあえずは良かったです。
……おそらくは遠距離からの砲撃でしょうね。
着弾から想定される砲弾の威力から、敵は大型船の可能性があります……。
マスターは最優先でシースパイダーに合流。そして速やかにアマテラスに帰還してください。合流ポイントはここから約20キロメートル先の塩湖に――』
…………。
アイちゃんの声が途絶える。
「アイちゃん? どうした?」
『おいおい! アースイレブンで霊子通信は条約違反だろうが!』
何か別人の声がノイズ交じりに聞こえた。
ズゥゥゥン!
続いて、遠くから聞こえる轟音はまるで雷のように思えた。
上空に見えるアマテラスは突然爆発炎上。
その直後、バイザーに見える映像は切り替わり本来の常緑の木々に変わった。
霊子通信による上空の視界が閉ざされたのだ。
「アイちゃん! 霊子通信がオフになってるぞ! どうしたんだ?」
『ははは! 察しが悪いな、さてはお前は素人だな?
説明してやるよ、俺様はエンターテナーだからな!
よく聞けよ? 俺様の名はキングアーサー級、惑星強襲揚陸艦モードレッド! 察しの悪いお前等に説明するとだな。
この大気圏下の霊子通信は俺様が乗っ取ってやったぜ!
アマテラスが遥か上空にいる限りは通信は不可能ってこった。
さてと、俺様からプレゼントだ! お前等に特別に見せてやる。
俺様の最強装備クラレント・46センチハイパーレールガンの威力をな!』
再びアマテラスの映像が映る。
ジャミングされているのだろう、おそらくはユニバーサルクロークのバイザー越しに見える映像はモードレッドから流されている。
無数の砲撃がアマテラスを襲う。そして瞬く間に爆炎に包まれる。
だが、アマテラスの船体は無事のようだ。
『はは! さすがに大戦艦アマテラス様だぜ! 大気圏内でも装甲は健在のようだ。
だが、どうだ? 11次元効果バリアは大気圏内だと1パーセントの出力も出せないんだろ?
さっさと宇宙に逃げるのが得策だぜ?』
突如現れた、惑星強襲揚陸艦モードレッド。
船体の大きさはアマテラスの半分以下だが、状況は最悪だ。
一方的にアマテラスへ砲撃を繰り返している。
「おい! モードレッドとやら、何やってんだよ! これは全部お前の仕業か?」
『おう、さすがは宇宙戦艦アマテラスの艦長様だ、なかなかに肝が据わっている、気に入ったぜ。そんなお前には特別に質問に答えてやる。
だが、残念だったな。俺様だって計画の一部なんだよ。
特別に教えてやるとな……そう、これは戦いだ! 俺様とお前等で戦争するんだよ! 俺様としては今こそ戦艦アマテラスを討ち取って勝ち星をあげたいところだ。
戦闘艦として産まれた俺様にとってはこれ以上の名誉は無いだろ?』
「お前は……いったい何を言ってるんだ! ……アイちゃん! 聞こえてるか!」
『……マスター…………。とにかく逃げて……。マ……ック様達は……います……』
『おっと、霊子通信は無しだぜ? 俺様の仕事はお前等とアマテラスの分断だからな、せいぜい頑張れよ。俺様もこれから大戦艦様とのバトルで忙しいからな!』
モードレッドから再び砲撃が始まる。
アマテラスは成層圏から更に上空へ移動しているようだ。
だがモードレッドの砲撃を喰らい、また爆炎をあげる。
大気圏内ではバリアーが完全でないのか、あるいはモードレッドの主砲、クラレント・46センチハイパーレールガンとやらが余程強力だったのか、アマテラスの船体には明らかなダメージがあった。
装甲か、船内の設備なのか。ボロボロとアマテラスの船体から何かが落下しているが確認できた。
その中にはコンテナなどの補給物資も含まれる。
格納庫がやられたのだろうか。
――――ッ!
俺は見てしまった。
コンテナに捕まったまま落下する青いボディーの八本脚のロボットを……。
その胴体は炎に包まれながらも見覚えのあるコンテナを守るように落下していく。
……ああ、俺が居なくなったら爆破してと言ったっけ……。
サンバ君は俺の言ったことを実行しようとして倉庫にいたのか……。
俺が余計なことを言ったがために……。
お掃除ロボットのサンバは軍用ではない、当然ボディーに装甲は無い。
モードレッドの砲撃の影響か、あるいは炎によるダメージか。
彼が日ごろから自慢していた八本脚が次々と折れてちぎれ、空中に四散していく。
くそっ! サンバ君が!
いや、落ち着け、サンバ君は量産型ロボットだ。
バックアップだってある。
後でコジマ重工に新しい機体を発注すれば良い…………くそっ!
俺は初めてマードックさんの気持ちが理解できた。
バックアップだからといって。はい元通りにはならない……。いや、この気持ちは俺だけなのだろうか……。
……いや、今は冷静になれ。この中では俺が最弱なんだから、自分の事を最優先に考えないと。
それにアマテラスは元宇宙戦艦。その程度のダメージは想定された設計になっているはずだ。
……なら俺のやることは一つ、アイちゃんの言うとおり、逃げることだろう。
後頭部に衝撃が走る。
大木の幹にぶつかったのだろう。
俺は突然の爆発に吹き飛ばされたが、大木おかげでそれほどの距離は飛ばされていないようだ。
「痛たた……。しかしユニクロが無ければ俺は確実に死んでたな……いや、俺はもしかしたら死んでるんだろうか?」
俺の頭は妙に冷静だった。おそらくはユニクロ内にリラックス効果のある薬剤が循環したんだろう。
『マスター! ご無事ですか! 返事をしてください!』
ふふ、AIであるアイちゃんの方が取り乱してるみたいだ。
だが、さすがにあの爆発だ。果たして俺は無事なのだろうか……。
あまりの出来事に俺の頭はグルグル回る。
恐る恐る自分の身体をみる。
……五体満足だ。
さすがはユニクロだよ……。
思えば俺はこの宇宙服に何度も助けられたっけ。
「アイちゃん無事だよ。ちなみに今の爆発って?」
『ふぅ、マスター、とりあえずは良かったです。
……おそらくは遠距離からの砲撃でしょうね。
着弾から想定される砲弾の威力から、敵は大型船の可能性があります……。
マスターは最優先でシースパイダーに合流。そして速やかにアマテラスに帰還してください。合流ポイントはここから約20キロメートル先の塩湖に――』
…………。
アイちゃんの声が途絶える。
「アイちゃん? どうした?」
『おいおい! アースイレブンで霊子通信は条約違反だろうが!』
何か別人の声がノイズ交じりに聞こえた。
ズゥゥゥン!
続いて、遠くから聞こえる轟音はまるで雷のように思えた。
上空に見えるアマテラスは突然爆発炎上。
その直後、バイザーに見える映像は切り替わり本来の常緑の木々に変わった。
霊子通信による上空の視界が閉ざされたのだ。
「アイちゃん! 霊子通信がオフになってるぞ! どうしたんだ?」
『ははは! 察しが悪いな、さてはお前は素人だな?
説明してやるよ、俺様はエンターテナーだからな!
よく聞けよ? 俺様の名はキングアーサー級、惑星強襲揚陸艦モードレッド! 察しの悪いお前等に説明するとだな。
この大気圏下の霊子通信は俺様が乗っ取ってやったぜ!
アマテラスが遥か上空にいる限りは通信は不可能ってこった。
さてと、俺様からプレゼントだ! お前等に特別に見せてやる。
俺様の最強装備クラレント・46センチハイパーレールガンの威力をな!』
再びアマテラスの映像が映る。
ジャミングされているのだろう、おそらくはユニバーサルクロークのバイザー越しに見える映像はモードレッドから流されている。
無数の砲撃がアマテラスを襲う。そして瞬く間に爆炎に包まれる。
だが、アマテラスの船体は無事のようだ。
『はは! さすがに大戦艦アマテラス様だぜ! 大気圏内でも装甲は健在のようだ。
だが、どうだ? 11次元効果バリアは大気圏内だと1パーセントの出力も出せないんだろ?
さっさと宇宙に逃げるのが得策だぜ?』
突如現れた、惑星強襲揚陸艦モードレッド。
船体の大きさはアマテラスの半分以下だが、状況は最悪だ。
一方的にアマテラスへ砲撃を繰り返している。
「おい! モードレッドとやら、何やってんだよ! これは全部お前の仕業か?」
『おう、さすがは宇宙戦艦アマテラスの艦長様だ、なかなかに肝が据わっている、気に入ったぜ。そんなお前には特別に質問に答えてやる。
だが、残念だったな。俺様だって計画の一部なんだよ。
特別に教えてやるとな……そう、これは戦いだ! 俺様とお前等で戦争するんだよ! 俺様としては今こそ戦艦アマテラスを討ち取って勝ち星をあげたいところだ。
戦闘艦として産まれた俺様にとってはこれ以上の名誉は無いだろ?』
「お前は……いったい何を言ってるんだ! ……アイちゃん! 聞こえてるか!」
『……マスター…………。とにかく逃げて……。マ……ック様達は……います……』
『おっと、霊子通信は無しだぜ? 俺様の仕事はお前等とアマテラスの分断だからな、せいぜい頑張れよ。俺様もこれから大戦艦様とのバトルで忙しいからな!』
モードレッドから再び砲撃が始まる。
アマテラスは成層圏から更に上空へ移動しているようだ。
だがモードレッドの砲撃を喰らい、また爆炎をあげる。
大気圏内ではバリアーが完全でないのか、あるいはモードレッドの主砲、クラレント・46センチハイパーレールガンとやらが余程強力だったのか、アマテラスの船体には明らかなダメージがあった。
装甲か、船内の設備なのか。ボロボロとアマテラスの船体から何かが落下しているが確認できた。
その中にはコンテナなどの補給物資も含まれる。
格納庫がやられたのだろうか。
――――ッ!
俺は見てしまった。
コンテナに捕まったまま落下する青いボディーの八本脚のロボットを……。
その胴体は炎に包まれながらも見覚えのあるコンテナを守るように落下していく。
……ああ、俺が居なくなったら爆破してと言ったっけ……。
サンバ君は俺の言ったことを実行しようとして倉庫にいたのか……。
俺が余計なことを言ったがために……。
お掃除ロボットのサンバは軍用ではない、当然ボディーに装甲は無い。
モードレッドの砲撃の影響か、あるいは炎によるダメージか。
彼が日ごろから自慢していた八本脚が次々と折れてちぎれ、空中に四散していく。
くそっ! サンバ君が!
いや、落ち着け、サンバ君は量産型ロボットだ。
バックアップだってある。
後でコジマ重工に新しい機体を発注すれば良い…………くそっ!
俺は初めてマードックさんの気持ちが理解できた。
バックアップだからといって。はい元通りにはならない……。いや、この気持ちは俺だけなのだろうか……。
……いや、今は冷静になれ。この中では俺が最弱なんだから、自分の事を最優先に考えないと。
それにアマテラスは元宇宙戦艦。その程度のダメージは想定された設計になっているはずだ。
……なら俺のやることは一つ、アイちゃんの言うとおり、逃げることだろう。
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