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第五章 学園編2
第64話 闇の魔法の授業②
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「――ということがあった。俺は、ハヴォックという恐るべき怨霊に身体を乗っ取られたんだ。
だが……俺を助けに来てくれたソフィアとルーシーのおかげでハヴォックの野望は潰えた。そして奴は最後に極大魔法を使ったんだ。
皆知ってるだろ? 極大暗黒魔法。最終戦争、第二章、第二幕『飢餓』だ」
マーガレット先生は予想外の言葉に息を呑む
「殿下、それは……。間違いないのですか? 極大暗黒魔法『飢餓』……たしかなのですね、見間違いではないのですか? それが本当ならソフィアさん。何を持って『飢餓』から殿下を救ったのですか?」
マーガレット先生の質問にソフィアは首を振る。
「……残念ながら、私はそのときは魔力枯渇で気を失ってしまいました。ですので憶えていません。すいません」
「ふむ、ニコラス殿下の話が本当なら万事休すだな。ではルーシー。お前さんは何をしていたのかい?」
どきり、ルーシーは真実を話すべきか。いや、あれは恥ずかしすぎて堪えられない。
暗黒魔法にたまたま強い耐性があったから殿下の呪いを解きましたとでも言うべきか。
いや、それはそれで、どうやったのかを説明しないといけない。
急のことで良い言い訳を考えていたかった為、黙ってうつむいたまま冷や汗をかくルーシーにニコラスは優しく答える。
「ルーシー。すまなかった、思い出させてしまったね。
本当にすまない。何度でもあやまる。操られていたとはいえ、俺の魔法は君を襲った。そこまでは俺もはっきり覚えている。
だが、聞いてほしい。ここから奇跡が起きたのだ。俺、つまりハヴォックの魔法はあと一歩のところでルーシーを殺してしまうところだった。
だが、その瞬間、俺はおそらく何者かによって『千年牢獄』に閉じ込められたのです」
「ふむ、それで殿下は極大呪術『千年牢獄』について知りたかったと……」
「はい、その何者かは、見事『飢餓』を打消し、俺とハヴォックを牢獄に閉じ込めました。そしてその者が牢獄に現れると、自らを地獄の女監獄長と名乗りました。先生はご存じですか?」
マーガレット先生はニコラスの話を真剣に聞く。
「いや、初めて聞いた。……いや、どこかで聞いたこともあるような。昔読んだ本に記述があった気もせんではない。どの道、ただ者ではなさそうだな。
で、その者の外見的特徴を教えてくれるかい?」
ニコラスは地獄の女監獄長の外見を覚えている限り正確に伝える。
その情報からマーガレット先生は分析をする。
「なるほど……。ニコラス殿下の話が本当ならば、その者はおそらくは深淵の住人。
人間ではないかもしれない。幼い外見が引っ掛かるが、長命種だとするならば、魔力は人間以上か。『飢餓』を打ち消すのもたやすいかもしれん。
ふむ、興味深い、幸いにも殿下を救ってくれたのだから悪い奴ではなさそうだが……。殿下の話だけでは何とも言えんか。もっと情報がほしい――」
ルーシーは何も聞こえない、意識を別に向ける。
セシリアさんの淹れたお茶は昨日飲んだのよりも洗練されて美味しいだとか、彼女の髪の毛は黒くてつやつやで綺麗だなとか、今日は何を食べようかなど、全力で現実逃避をする。
ニコラス殿下が話す、地獄の女監獄長は大前提別人だ……。自分は闇の深淵の住人ではない。キラキラと太陽に照らされた輝くビーチで有名なグプタの住人だ。
『飢餓』どころか海産物と果物で有名、毎日お腹いっぱい食べて、少し水着のサイズが気になっていたくらいだ。
「――なるほど、それで殿下を呪っていた怨霊を鞭でもって消滅させたのだな。ふむ。どれも初耳。『千年牢獄』内で武器を所有すること自体聞いたことがない。
精神的な概念武装か……いよいよ分からんな。
……ニコラス殿下。ありがとうございます。これは貴重な情報です。皆も決して口外せぬように。闇の深淵。いずれは我らで突き止めましょう」
ニコラスの話が終わる。
ほっと一息つくルーシー。
こうして、地獄の女監獄長についての話題はいったん打ち切りとなったのだった。
だが……俺を助けに来てくれたソフィアとルーシーのおかげでハヴォックの野望は潰えた。そして奴は最後に極大魔法を使ったんだ。
皆知ってるだろ? 極大暗黒魔法。最終戦争、第二章、第二幕『飢餓』だ」
マーガレット先生は予想外の言葉に息を呑む
「殿下、それは……。間違いないのですか? 極大暗黒魔法『飢餓』……たしかなのですね、見間違いではないのですか? それが本当ならソフィアさん。何を持って『飢餓』から殿下を救ったのですか?」
マーガレット先生の質問にソフィアは首を振る。
「……残念ながら、私はそのときは魔力枯渇で気を失ってしまいました。ですので憶えていません。すいません」
「ふむ、ニコラス殿下の話が本当なら万事休すだな。ではルーシー。お前さんは何をしていたのかい?」
どきり、ルーシーは真実を話すべきか。いや、あれは恥ずかしすぎて堪えられない。
暗黒魔法にたまたま強い耐性があったから殿下の呪いを解きましたとでも言うべきか。
いや、それはそれで、どうやったのかを説明しないといけない。
急のことで良い言い訳を考えていたかった為、黙ってうつむいたまま冷や汗をかくルーシーにニコラスは優しく答える。
「ルーシー。すまなかった、思い出させてしまったね。
本当にすまない。何度でもあやまる。操られていたとはいえ、俺の魔法は君を襲った。そこまでは俺もはっきり覚えている。
だが、聞いてほしい。ここから奇跡が起きたのだ。俺、つまりハヴォックの魔法はあと一歩のところでルーシーを殺してしまうところだった。
だが、その瞬間、俺はおそらく何者かによって『千年牢獄』に閉じ込められたのです」
「ふむ、それで殿下は極大呪術『千年牢獄』について知りたかったと……」
「はい、その何者かは、見事『飢餓』を打消し、俺とハヴォックを牢獄に閉じ込めました。そしてその者が牢獄に現れると、自らを地獄の女監獄長と名乗りました。先生はご存じですか?」
マーガレット先生はニコラスの話を真剣に聞く。
「いや、初めて聞いた。……いや、どこかで聞いたこともあるような。昔読んだ本に記述があった気もせんではない。どの道、ただ者ではなさそうだな。
で、その者の外見的特徴を教えてくれるかい?」
ニコラスは地獄の女監獄長の外見を覚えている限り正確に伝える。
その情報からマーガレット先生は分析をする。
「なるほど……。ニコラス殿下の話が本当ならば、その者はおそらくは深淵の住人。
人間ではないかもしれない。幼い外見が引っ掛かるが、長命種だとするならば、魔力は人間以上か。『飢餓』を打ち消すのもたやすいかもしれん。
ふむ、興味深い、幸いにも殿下を救ってくれたのだから悪い奴ではなさそうだが……。殿下の話だけでは何とも言えんか。もっと情報がほしい――」
ルーシーは何も聞こえない、意識を別に向ける。
セシリアさんの淹れたお茶は昨日飲んだのよりも洗練されて美味しいだとか、彼女の髪の毛は黒くてつやつやで綺麗だなとか、今日は何を食べようかなど、全力で現実逃避をする。
ニコラス殿下が話す、地獄の女監獄長は大前提別人だ……。自分は闇の深淵の住人ではない。キラキラと太陽に照らされた輝くビーチで有名なグプタの住人だ。
『飢餓』どころか海産物と果物で有名、毎日お腹いっぱい食べて、少し水着のサイズが気になっていたくらいだ。
「――なるほど、それで殿下を呪っていた怨霊を鞭でもって消滅させたのだな。ふむ。どれも初耳。『千年牢獄』内で武器を所有すること自体聞いたことがない。
精神的な概念武装か……いよいよ分からんな。
……ニコラス殿下。ありがとうございます。これは貴重な情報です。皆も決して口外せぬように。闇の深淵。いずれは我らで突き止めましょう」
ニコラスの話が終わる。
ほっと一息つくルーシー。
こうして、地獄の女監獄長についての話題はいったん打ち切りとなったのだった。
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