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第五章 迷宮都市タラス
第69話 ルカとセバスティアーナの出会い①
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ルカ・レスレクシオンの屋敷にて。
「ルカ様……なぜ、ゴミ焼却の魔法機械があるのに処分しないのですか。ご自身が開発した魔法機械なのでしょうに」
「うむ、だってめんどくさいじゃろう。魔法機械を動かさねばならぬではないか。テストで飽きるほど動かしたからのう」
「まったく、どこまでめんどくさがりなのですか……」
ゴミ屋敷でひたすら掃除をする二人。
…………。
「うーむ、これは燃えるゴミかのう……」
「……はい、燃やそうと思えば燃えます。ルカ様はそのような事は考えずに、必要か必要でないかの判断のみをお願いします。いちいち聞かれては時間が余計に掛かってしまいます」
「ふむ、合理的だ。さすがはセバスちゃんだ。久しぶりに会ったというのに吾輩たちは息ぴったりじゃな」
「……そうですね、久しぶりなのか。昔を思い出してしまいました。私がルカ様に初めて会ったのは……」
「おう、吾輩も憶えておるぞ、それはそれは美少女のメイドさんが来てくれて吾輩は有頂天じゃった」
◆
時は遡る。
エフタル王国。ルカ・レスレクシオン辺境伯の邸宅。
ルカ・レスレクシオンには家族や配下はいない。
家事は数人のメイドで賄っていたが、今日の彼女は一人だった。
「うーむ、またメイドが辞めてしまった」
吾輩のどこが気に入らんというのだ。けっこう自由にやらせているのに……これではまた缶詰生活ではないか。
吾輩に化粧やおしゃれの類は必要ないというのに……まあ。たまにはメイドの言うことを聞いてやるべきじゃったか。
掃除、洗濯、料理だけでは余程ストレスが溜まったという事かな。
しかし、何も言わずに出ていくことはなかろうて、まあ、好きにしてよいとしか言わんかった吾輩の自業自得でもあるがのう。
まったく、新しく募集せねばならんとは面倒くさいのう。
――場所は変わり。バシュミル大森林のとある場所にて。
バシュミル大森林には、ひっそりと存在する集落がある。
それは『モガミの里』という。
ここは魔物が徘徊する人の生活には不向きな場所であり、魔物に襲われることは日常茶飯事である。
それでも彼らは生活している。なぜなら彼らは並の魔物よりも強い、ニンジャーとよばれる戦闘民族の集落であるからだ。
モガミの里の中央にある大きな屋敷。
首領が住み、普段は集落の有力者が集まり会議を行う場所。
そこに、一人の老人と年端もいかぬ少女が一人。
「機械文明は悪い文明じゃ。駆逐せねばならぬ。我らモガミの偉大な始祖ユーギ・モガミ様はそうおっしゃっておった……。
セバスティアーナよ。お主に使命を与える。一族の埃にかけてルカ・レスレクシオンを暗殺せよ」
「はっ。命令承りました。……しかし首領、なぜ私の様な未熟な小娘に?」
「うむ、それだがの、奴の屋敷には完璧な魔法防壁がある。我らモガミの者でも進入できぬほどのな。
懐に入るにはやつのメイドになるしかない。ちょうど裏工作によって奴にはメイドが一人もいない。
そこでだ。お主が奴のメイドとなって隙あらば命を取れ。だが、あなどるな、奴は貴族でもマスター級の魔法使いじゃ」
「なるほど、それならばなおの事。里には私よりも優れた姉さまたちがいるではないですか?」
「……それだがな、ほれ、奴の出した募集要項じゃ」
首領は一枚の紙をセバスティアーナに渡す。
――メイド募集。初心者歓迎。むしろベテランはうるさいから嫌だ。20歳以下で、独身であり、恋人や婚約者はいないこと。どんくさく無ければ誰でもよい。
化粧とか着付けの類のおしゃれスキルはいらないので、家事全般がとりあえずできればよいぞ。和気あいあいとしたフレンドリーな職場じゃ。まあ吾輩一人しかおらんがの。以上――
「この条件に当てはまるクノイチはお主だけじゃ。それに案ずるな、お主の才能は里一番だと皆が認めておる。若いがそれ以外の問題点はない。期待しておるぞ?」
「はっ、このセバスティアーナ、見事一族のご期待に応えて見せます」
――再び、ルカ・レスレクシオンの邸宅にて。
「募集の張り紙を見ました。私、セバスティアーナと申します。12歳独身。彼氏も婚約者も居ません。家事はそれなりにできます。以上」
下からなめるように、セバスティアーナの全身を眺めるルカ。
そして顎に手をあてるながら答える。
「……いい! クールビューティーの黒髪美少女メイドか、夢ではないだろうな。うん、いいぞ。君いいねー。オッケー、採用じゃ!」
面接のつもりであったが、いきなり採用されたのでセバスティアーナは面食らってしまった。
「ルカ様……なぜ、ゴミ焼却の魔法機械があるのに処分しないのですか。ご自身が開発した魔法機械なのでしょうに」
「うむ、だってめんどくさいじゃろう。魔法機械を動かさねばならぬではないか。テストで飽きるほど動かしたからのう」
「まったく、どこまでめんどくさがりなのですか……」
ゴミ屋敷でひたすら掃除をする二人。
…………。
「うーむ、これは燃えるゴミかのう……」
「……はい、燃やそうと思えば燃えます。ルカ様はそのような事は考えずに、必要か必要でないかの判断のみをお願いします。いちいち聞かれては時間が余計に掛かってしまいます」
「ふむ、合理的だ。さすがはセバスちゃんだ。久しぶりに会ったというのに吾輩たちは息ぴったりじゃな」
「……そうですね、久しぶりなのか。昔を思い出してしまいました。私がルカ様に初めて会ったのは……」
「おう、吾輩も憶えておるぞ、それはそれは美少女のメイドさんが来てくれて吾輩は有頂天じゃった」
◆
時は遡る。
エフタル王国。ルカ・レスレクシオン辺境伯の邸宅。
ルカ・レスレクシオンには家族や配下はいない。
家事は数人のメイドで賄っていたが、今日の彼女は一人だった。
「うーむ、またメイドが辞めてしまった」
吾輩のどこが気に入らんというのだ。けっこう自由にやらせているのに……これではまた缶詰生活ではないか。
吾輩に化粧やおしゃれの類は必要ないというのに……まあ。たまにはメイドの言うことを聞いてやるべきじゃったか。
掃除、洗濯、料理だけでは余程ストレスが溜まったという事かな。
しかし、何も言わずに出ていくことはなかろうて、まあ、好きにしてよいとしか言わんかった吾輩の自業自得でもあるがのう。
まったく、新しく募集せねばならんとは面倒くさいのう。
――場所は変わり。バシュミル大森林のとある場所にて。
バシュミル大森林には、ひっそりと存在する集落がある。
それは『モガミの里』という。
ここは魔物が徘徊する人の生活には不向きな場所であり、魔物に襲われることは日常茶飯事である。
それでも彼らは生活している。なぜなら彼らは並の魔物よりも強い、ニンジャーとよばれる戦闘民族の集落であるからだ。
モガミの里の中央にある大きな屋敷。
首領が住み、普段は集落の有力者が集まり会議を行う場所。
そこに、一人の老人と年端もいかぬ少女が一人。
「機械文明は悪い文明じゃ。駆逐せねばならぬ。我らモガミの偉大な始祖ユーギ・モガミ様はそうおっしゃっておった……。
セバスティアーナよ。お主に使命を与える。一族の埃にかけてルカ・レスレクシオンを暗殺せよ」
「はっ。命令承りました。……しかし首領、なぜ私の様な未熟な小娘に?」
「うむ、それだがの、奴の屋敷には完璧な魔法防壁がある。我らモガミの者でも進入できぬほどのな。
懐に入るにはやつのメイドになるしかない。ちょうど裏工作によって奴にはメイドが一人もいない。
そこでだ。お主が奴のメイドとなって隙あらば命を取れ。だが、あなどるな、奴は貴族でもマスター級の魔法使いじゃ」
「なるほど、それならばなおの事。里には私よりも優れた姉さまたちがいるではないですか?」
「……それだがな、ほれ、奴の出した募集要項じゃ」
首領は一枚の紙をセバスティアーナに渡す。
――メイド募集。初心者歓迎。むしろベテランはうるさいから嫌だ。20歳以下で、独身であり、恋人や婚約者はいないこと。どんくさく無ければ誰でもよい。
化粧とか着付けの類のおしゃれスキルはいらないので、家事全般がとりあえずできればよいぞ。和気あいあいとしたフレンドリーな職場じゃ。まあ吾輩一人しかおらんがの。以上――
「この条件に当てはまるクノイチはお主だけじゃ。それに案ずるな、お主の才能は里一番だと皆が認めておる。若いがそれ以外の問題点はない。期待しておるぞ?」
「はっ、このセバスティアーナ、見事一族のご期待に応えて見せます」
――再び、ルカ・レスレクシオンの邸宅にて。
「募集の張り紙を見ました。私、セバスティアーナと申します。12歳独身。彼氏も婚約者も居ません。家事はそれなりにできます。以上」
下からなめるように、セバスティアーナの全身を眺めるルカ。
そして顎に手をあてるながら答える。
「……いい! クールビューティーの黒髪美少女メイドか、夢ではないだろうな。うん、いいぞ。君いいねー。オッケー、採用じゃ!」
面接のつもりであったが、いきなり採用されたのでセバスティアーナは面食らってしまった。
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