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第22話 アラクネさんと僕③(終)
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「ちょっと、あなたさっきからパンパンうるさいわよ」
ロボさんは蜘蛛の胴体にまたがりながら。手に持った猟銃に弾を2発入れながら言った。
「我慢してください。効率的な狩りをするならこれがいいのです」
最初は、蜘蛛さんが獲物を追い立てて、待ち伏せしながら罠で捕獲していたが、時間がかかるのだ。
そこでロボさんは以前、狩猟用にかつてマスターから猟銃をもらっていたのを思い出したのだった。
「さあ、あなたもボケっとしてないで次の獲物を探してください」
ちなみに倒した獲物はロボさんの異次元ポッケに収納している。
「今日はこれくらいでいいでしょうか、ポケットの容量もそろそろ限界ですし。さあ最後の獲物をこちらによこしてください」
そういうと、蜘蛛さんは大きめの動物を器用に2つの前脚で挟むと、そのまま上で跨っているロボさんの前まで持ち上げる。
ロボさんはそれを手で支えながら異次元ポッケに収納した。見事な連携作業だった。
「し、近くに人間がいるようね。どうする? 始末した方がいいかしら」
「私は人を殺すことを許されていませんので放っておきましょう。
それに下手に襲って逃げられたら、ここに大量に人を呼び込んでしまいますよ。追われたくないのでしょう?」
「それもそうね。ところでいつまで私に跨るつもりよ」
「もちろん家に帰るまでが狩猟というものですよ」
――人間視点
俺達は歴戦の冒険者だ。いままでもいろんな魔物を見てきたがあいつはなんだ?
「お、おい見間違えじゃないよな、俺は頭がおかしくなったのか?」
「静かに、まだ近くにいるかもしれないじゃないか」
そう、彼らは見たのだ、上半身が人間で下半身が蜘蛛の魔物を。しかも自分の身体とほぼ同じ大きさの猛獣をいともたやすく葬り。
あろうことか丸飲みしたのだ。しかも人間の上半身の口とは別のお腹にある大きな口で。
知らない人から見たら化け物そのものであった。
「おい、あれは何だ! 何か知ってるなら教えてくれ」
「俺も詳しくないが、あれが伝説に登場する神獣アラクネかもしれない。すぐに王都に戻ってギルドに報告しないと」
――――――
「あら、あなた人間の間ではアラクネって言う伝説の種族らしいのね?」
ロボさんは人間たちが去ったのを確認すると蜘蛛さんに話した。ロボさんは耳がとてもよいのである。
「え? 聞いたこともないわ、でも伝説の種族ってのは悪い気はしないわね。あなたも、これからは私をアラクネと呼ぶといいわ」
「はあ、それで良いならそうしますが……」
――ロボさんたちは無事に帰宅した。
帰るなり蜘蛛さんは上機嫌でアラクネと呼んでちょうだいといっていた。
じつは蜘蛛さんの種族は伝説のアラクネだったようなのだ。
こうして、子供たちが生まれるまでの間に、十分な食料を蓄えることができた。
いよいよ孵化が始まった。やはり生まれた子は本能のままにお互いを捕食しようとしたため。
直ちに隔離した。僕は事前に個室を作っていたため無事全て隔離することが出来た。
ほとんどの個体は無事に殻をやぶり元気にでてきたが。殻を破ることが出来ない弱弱しい個体もあった。
そういう個体はロボさんが殻を破るのを手伝い、彼女がつきっきりで育てた。
生まれた子供たちはものすごい勢いで成長していった。
ロボさんは人間に襲われないように生存のための教育を施していた。外の世界で生きていくためにとても大事なことなのである。
子供たちの食欲は凄かった。食料が底をつきかけては補充を繰り返しなんとか賄っていたが結構ギリギリだった。
やがて彼らは成長しついに巣立つ時が来た。無事、知性を獲得した彼らなら外でも充分生きていけるだろう。
「あなたたちのおかげで子供たちは全員無事に巣立つことが出来た。おそらくは一族の中で私が初めてのことじゃないかしら」
アラクネさんはとても満足げに僕たちに言った。
「さすがは伝説のアラクネといったところでしょうか」
「アラクネさんは、これからどうするつもりですか?」
「そうね。一族としての義務を果たしたから正直もうやることはないの。
でもそうね、どうせなら残りの人生はあなたたちと過ごしたいわ、いいわよね?」
「もちろんですよ」
そうしてアラクネさんと僕たちはその後は平穏にすごしたのでした。
あとロボさんがいつもメイド服なのを不憫に思ったのか、恩返しとして大量の糸を残した。
「この糸でなにか服でも作れるといいのだけど、残念ながら私にはそれはできないわ」
「そんなことないですよ。こんな素敵な糸ですからいつかきっと役に立つ時が来ますよ」
◆◆◆◆
「さて、つきましたよ」
二人はアラクネさんの子孫の方がいるという森に到着した。
「これはこれは大おばあ様、よくおいで下さいました」
「……その言い方はやめてください」
「なにをおっしゃいます。私たちは大おばあ様が居なければこの世に存在していないのですから……」
実はこの蜘蛛はロボさんが直接世話した未熟だった子供の子孫だった。
彼らの一族は育ての親であるロボさんを特に慕っており、エルフさんの森が出来た後に、わざわざ訪ねてきたそうだ。
「さてと、ほら、あなたはそこで固まってないで挨拶しなさい。今回はあなたの為に来たというのに失礼ですよ」
硬直するワンドさんを横目に見ながら彼女は昔話に花を咲かせたのでした。
ロボさんは蜘蛛の胴体にまたがりながら。手に持った猟銃に弾を2発入れながら言った。
「我慢してください。効率的な狩りをするならこれがいいのです」
最初は、蜘蛛さんが獲物を追い立てて、待ち伏せしながら罠で捕獲していたが、時間がかかるのだ。
そこでロボさんは以前、狩猟用にかつてマスターから猟銃をもらっていたのを思い出したのだった。
「さあ、あなたもボケっとしてないで次の獲物を探してください」
ちなみに倒した獲物はロボさんの異次元ポッケに収納している。
「今日はこれくらいでいいでしょうか、ポケットの容量もそろそろ限界ですし。さあ最後の獲物をこちらによこしてください」
そういうと、蜘蛛さんは大きめの動物を器用に2つの前脚で挟むと、そのまま上で跨っているロボさんの前まで持ち上げる。
ロボさんはそれを手で支えながら異次元ポッケに収納した。見事な連携作業だった。
「し、近くに人間がいるようね。どうする? 始末した方がいいかしら」
「私は人を殺すことを許されていませんので放っておきましょう。
それに下手に襲って逃げられたら、ここに大量に人を呼び込んでしまいますよ。追われたくないのでしょう?」
「それもそうね。ところでいつまで私に跨るつもりよ」
「もちろん家に帰るまでが狩猟というものですよ」
――人間視点
俺達は歴戦の冒険者だ。いままでもいろんな魔物を見てきたがあいつはなんだ?
「お、おい見間違えじゃないよな、俺は頭がおかしくなったのか?」
「静かに、まだ近くにいるかもしれないじゃないか」
そう、彼らは見たのだ、上半身が人間で下半身が蜘蛛の魔物を。しかも自分の身体とほぼ同じ大きさの猛獣をいともたやすく葬り。
あろうことか丸飲みしたのだ。しかも人間の上半身の口とは別のお腹にある大きな口で。
知らない人から見たら化け物そのものであった。
「おい、あれは何だ! 何か知ってるなら教えてくれ」
「俺も詳しくないが、あれが伝説に登場する神獣アラクネかもしれない。すぐに王都に戻ってギルドに報告しないと」
――――――
「あら、あなた人間の間ではアラクネって言う伝説の種族らしいのね?」
ロボさんは人間たちが去ったのを確認すると蜘蛛さんに話した。ロボさんは耳がとてもよいのである。
「え? 聞いたこともないわ、でも伝説の種族ってのは悪い気はしないわね。あなたも、これからは私をアラクネと呼ぶといいわ」
「はあ、それで良いならそうしますが……」
――ロボさんたちは無事に帰宅した。
帰るなり蜘蛛さんは上機嫌でアラクネと呼んでちょうだいといっていた。
じつは蜘蛛さんの種族は伝説のアラクネだったようなのだ。
こうして、子供たちが生まれるまでの間に、十分な食料を蓄えることができた。
いよいよ孵化が始まった。やはり生まれた子は本能のままにお互いを捕食しようとしたため。
直ちに隔離した。僕は事前に個室を作っていたため無事全て隔離することが出来た。
ほとんどの個体は無事に殻をやぶり元気にでてきたが。殻を破ることが出来ない弱弱しい個体もあった。
そういう個体はロボさんが殻を破るのを手伝い、彼女がつきっきりで育てた。
生まれた子供たちはものすごい勢いで成長していった。
ロボさんは人間に襲われないように生存のための教育を施していた。外の世界で生きていくためにとても大事なことなのである。
子供たちの食欲は凄かった。食料が底をつきかけては補充を繰り返しなんとか賄っていたが結構ギリギリだった。
やがて彼らは成長しついに巣立つ時が来た。無事、知性を獲得した彼らなら外でも充分生きていけるだろう。
「あなたたちのおかげで子供たちは全員無事に巣立つことが出来た。おそらくは一族の中で私が初めてのことじゃないかしら」
アラクネさんはとても満足げに僕たちに言った。
「さすがは伝説のアラクネといったところでしょうか」
「アラクネさんは、これからどうするつもりですか?」
「そうね。一族としての義務を果たしたから正直もうやることはないの。
でもそうね、どうせなら残りの人生はあなたたちと過ごしたいわ、いいわよね?」
「もちろんですよ」
そうしてアラクネさんと僕たちはその後は平穏にすごしたのでした。
あとロボさんがいつもメイド服なのを不憫に思ったのか、恩返しとして大量の糸を残した。
「この糸でなにか服でも作れるといいのだけど、残念ながら私にはそれはできないわ」
「そんなことないですよ。こんな素敵な糸ですからいつかきっと役に立つ時が来ますよ」
◆◆◆◆
「さて、つきましたよ」
二人はアラクネさんの子孫の方がいるという森に到着した。
「これはこれは大おばあ様、よくおいで下さいました」
「……その言い方はやめてください」
「なにをおっしゃいます。私たちは大おばあ様が居なければこの世に存在していないのですから……」
実はこの蜘蛛はロボさんが直接世話した未熟だった子供の子孫だった。
彼らの一族は育ての親であるロボさんを特に慕っており、エルフさんの森が出来た後に、わざわざ訪ねてきたそうだ。
「さてと、ほら、あなたはそこで固まってないで挨拶しなさい。今回はあなたの為に来たというのに失礼ですよ」
硬直するワンドさんを横目に見ながら彼女は昔話に花を咲かせたのでした。
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