なぜなに魔法学校~先日教師になりまして~

華月堂

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第一章

第八話 昼食

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キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
「あっお昼の時間だ!」
「そういえば昼ってどうするんだ?」
「各自お弁当を持ってくるか、食堂で学食を頼むかですね。まぁ私が学食選んじゃうと職員さんが大変何で私はほとんどお弁当ですね。」
「へぇ…」
「学食の場合はお金も払わなきゃなんで。」
「…」
「先生はどうするんですか?」
「金も弁当もないからそこらへんの雑草で済ませる。」
「ダメですよ!そんなの!うーん…じゃあ私の少し分けましょうか?」
「!いいのか!?」
「はい!今日は少し多めになっちゃったので!」
「じゃあお言葉に甘えて。」
「じゃあ中庭に行きましょうか。」



_______________________________________________________
「よいしょっと。」
ブルーシートを広げ、その上に弁当を置く。
「フラワー?」
「?なんでしょうか?」
「弁当…でかすぎじゃないか?」
「そうですか?うーん普通だと思うけどなぁ?」
絶対普通じゃない。
だって普通の数十倍ある重箱が七段重ねになってるんだよ?
これ普通だって言うなら俺ら少食過ぎんだろ。
「確かに二、三人分ぐらい多く作っちゃったけど…」
「お、おう…」
ガチでいっつもどんだけ食べてんだよ。
「まぁそんなことは気にしないで食べましょ!時間なくなっちゃいますよ!」
確かにそうだと思い、手を合わせた時だった。
「いただきm
「うぇぇぇぇぇぇい!」
ゴンッ
親方ぁ…空から女の子が降ってきて俺の頭にクリーンヒットしましたぁ…
「こらぁ!アス!勝手に行っちゃダメでしょ!」
「ごめんなさぁい。」
めちゃくちゃ頭が痛い。
「大丈夫ですか先生!」
フラワーが手当てしてくれた。
成績ちょっとあげてやろう。
「もう!アス、降りてくる時はちゃんと周り確認してからにしなさいって言ったでしょ?」
「はぁい…」
「すまないフー。私がちゃんと見てなかったせいだ。」
「ムーのせいじゃないよ。大丈夫。」
なんか話が進んでるが聞きたいことが。
「どちら様…?」
「!すいません。この子達は私の三つ子の妹達です。」
「ムーン・プリズム・スター。二番目だ。いつもフーが世話になってる。それとあんたにぶつかったこの子が」
「アスカ・スバル・スターです!末っ子だよ!あ、さっきはごめんなさい!フーお姉ちゃんに会うの久しぶりだから嬉しくなっちゃって…」
「あぁ、いや大丈夫だ。」
確かⅠ組の生徒名簿に名前があったか?
それにしても三人とも(容姿は)そっくりだな。
性格はバラバラだが。
でも仲は良さそうだな。
「あっそうだ!二人もお弁当食べる?」
「いいのか!?」
「いいの!?」
元気のいい声が同時に響く。
「二人とも凄い食い付くな…」
「当たり前だよ!お姉ちゃんの料理すっっっっごく美味しいんだから!」
そんなにか?
「ほら。時間なくなるぞ?」
「じゃあみんな手を合わせて、」
「「「「いただきます。」」」」
一つ取って食べる。
「…!」
美味い。
ススキとは比べ物にならない。
いや比べちゃいけんなこれ。
「もう一個…ってあれ?」
ない。
なくなってる。
「美味しかった~。ご馳走様~」
「ご馳走さん。やっぱりすごいな。フーは。」
「ありがと。お粗末様でした。」
食べんの早すぎんだろ。
なんか…職員が苦労する理由がわかった気がした。


なぜなに魔法学校、腹が減っては魔力は増えぬ。
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