なぜなに魔法学校~先日教師になりまして~

華月堂

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第一章

第十八話 神

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そのことに気づいた俺は、慌てて続きを読み始めた。
___________________
この三柱の神はそれぞれ自らの下僕しもべと同じ羽を持ち、自在に天空を飛び回っていました。
その中でも、『創造神シルク』は特に崇められていました。
この世の全てをつくる『創造神シルク』はまさに光でありました。
しかし、光が光であるためには、闇となる存在が必要でした。
救いを求める声は『創造神シルク』に降り積もり、その光は闇に覆われそうになりました。
皆を照らす光を守るため、もう一つ器がつくられました。
創造神シルク』と対となるその器を、皆は『対称神ブラック』と呼びました。
そしてその者だけは、なにも従えてはおりませんでした。
___________________
その時頭の中を巡っていたのは、羽の生えた奴なんて見たことないだの、あっちの世界でも神と同じ名の奴はいるだのという否定の言葉だった。
そう、出来れば否定したかったのだ。
スター一家あいつらが神である可能性を。
何故なら次の文章にはこう書かれていたからだ。
___________________
神々はそれぞれ己の象徴となるものを持っていました。
創造神シルク』ならリボン。
判断神プリズム』ならピアス。
破壊神スバル』ならブレスレット。
神々はそれを肌見離さず持っていましたが、稀に他の種族の者に渡すことがありました。
神に選ばれしその者は、神の加護を受け、同時にいつか必ず神のためにその命を捧げる贄となることを誓うのです。
___________________
嫌な予感がした。
もし俺が幼いころから持っているこのリボンが象徴だったら?
俺がこの世界に来るときに掴んだあの光が神の加護だったら?
もし、そうだったなら…
「俺は、殺されるのか?神の、ために…」
異常なくらいの寒気がして、図書室を飛び出した。
その勢いのまま、家に向かって一目散に駆け出した。
早く家に帰って眠ってしまいたかった。
忘れてしまいたかった。
走っている間じゅう、誰かに見られている様な感覚が、消えてくれなかった。

その夜、不思議な夢を見た。
幼い自分と…
少女の夢を。
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