なぜなに異界転生譚

長串望

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こちらのエピソードから新規エピソードとなります。
よしなにお願い申し上げます。

2022.01.05追記
浪漫狂たちに関する質問に対する回答にて、HALへの言及が抜けておりました。
その点を追記しております。





 おはようございます。会えなかったときのためにこんにちは、こんばんは、おやすみなさいも。
 長串望でございます。
 前回のなぜなにゴスリリはお役に立ちましたでしょうか。
 今回も皆さんから寄せられた質問にお答えしていきたいと思いますが、はい。

 今回は、前回の件で突っ込みを頂きましたので、訂正をさせていただきます。

 というのも、前回「ウルウはガ〇ダムや全身鎧に勝てるのでしょうか」というご質問を頂いた際に、鎧の隙間をうまいこと探さないと《死出の一針》を刺せませんねー、みたいなことを申し上げちゃったんですね。
 ところが、みなさんちゃんと覚えてくださっていた様で、実は異界転生譚ゴースト・アンド・リリィ第二章第二話「亡霊と鍛冶屋」において、鍛冶屋カサドコがうっかり鉄床かなどこのうえに《針》を落としたところ、抵抗なくすとんと刺さってしまったという描写があったんですね。

 本編で滅多に使わなかった武器なので作者の人も忘れていたのですけれど、そうです、《死出の一針》は自重だけで鉄の塊を貫通するほど鋭いようなのです。

 ということで、前回申し上げた「全身鎧だと刺さらないから効かない」は一部訂正させていただいて、鎧の上からであっても急所まで届くようであれば《針》で殺せる、ということですね。
 つまりひきつづきガの字には無力な《針》のようです。

 はい、では本日のご質問です。

「ゲーム時代のロマンサー達の互いの認識とかってどんなもんだったんでしょうか
シルマジの方ではウルウにたいして紙月は悪くないが未来は苦手な感じだったみたいですが
宜しければ未だ詳細不明なギルマスも込みで教えていただけたら嬉しいです」

 ということでnabeさんからのご質問でした。

 浪漫狂たちはそれなりの人数がいたのですけれど、実際のところそんなに仲がいいわけでもなかったようです。
 別に仲が悪いということではないんですけれどね。
 毎週集まってみんなで活動しようぜ、というような活発なギルドではなく、一応誘われたんでギルドに入ってます、なんかあったら声かけるかもです、くらいのもので、ゆるいフレンドみたいな感じだったようです。
 なので、タイミングが合わなかったりするとギルドチャットでのあいさつが流れちゃって、新人さんに気づかなかったってこともあるみたいですね。

 現在本編で触れている面子でざっくり説明していきます。

 閠は基本的に他の面子とあまり絡むことがありませんでした。不定時に仕事終わって夜にインしてソロで活動して、という感じなので、パーティ狩りとかにもむいてませんしね。あと性格的にも。
 ただ、ゲームの目的がフレーバーテキストの収集やイベントの閲覧だったので、そう言う情報は積極的に求めていたようで、アイテム交換や売買などの交渉はしばしばあったようです。紙月はこの関係でしばしば交流があり、未来は深く知らないままでした。
 本編に名前だけ登場しているオデットはウルウをギルドに誘ったメンバーであり、しばしば交流がありました。というかウルウが声フェチなので、滅茶苦茶いい声してるオデットにチャット持ち掛けられると、時間さえ許せばお喋りとか愚痴とかに適当な相槌を打つサンドバッグになってました。
 このあたりは短編「オデットとエイシス」で語られた感じですね。

 紙月と未来はコンビを組んでいただけあって仲がよかったわけですが、他のギルメンと主に交流していたのは紙月でした。未来はタイプ速度が遅いのとあまり夜遅くまでプレイできなかったためにそこまで交流に熱心ではなく、紙月はそんな未来のサポートなどもあって結構ギルメンとおしゃべりしていたようです。
 紙月は「なんでもできるけどなんにもできない」キャラクリエイトなので、他のギルメンに臨時パーティとして助っ人に入ることも多かったので、割と広く浅く交流があったみたいですね。

 レンゾーはギルドの倉庫番として、ギルド拠点と大規模な倉庫を管理していたため、ほぼほぼすべてのギルメンがお世話になっていました。手持ちし切れないアイテムを預けていたんですね。
 また本人も高レベルの《黒曜鍛冶オブシディアンスミス》として武器防具を手掛けることができたため、装備を必要とするギルメンに頼られていました。
 本人は傘下企業のゲームを遊びながらチェックするのが主目的だったため、メインストーリーそっちのけで盛大に金かけて遊びまくってくれたので、お世話になった人も多いようです。

 名前だけのオデットは広報役みたいなところがあって、ギルメンの結構な数を彼女がスカウトしたようです。ただ、彼女の方はゲームとしての《エンズビル・オンライン》にはそこまで真面目ではなく、ゲームのエフェクトなどを活用してゲーム内でライブを開き、その動画を公開することで収益を得ていたようです。
 彼女のファンだとか、一方的に彼女を知っているメンバーは多かったものの、オデットの方で個人的に付き合いがあるメンバーはそんなに多くなかったようです。

 さて、最後にギルマスですが、こちらは設定がそんなに詳細には決まっていません。
 一応《死霊術師ネクロマンサー》系統であり、本人もアンデッド系の種族のようです。
 本編中で《軍団ひとり》などのあだ名が見られるように、アンデッドを大量に使役するプレイスタイルであったと見られます。
 彼はギルド《《選りすぐりの浪漫狂ニューロマンサー》》の創設者であり、かなりの大金をかけてこのギルドを維持運営していたようですが、その割に本人はあまり介入しなかったようです。
 メンバーのスカウトなども広報役のオデットに頼りきりで、こちらは金銭報酬による依頼だったという話もあります。
 普段は一日中(!?)ひたすらソロでレベリングやアイテム集めを行っており、ギルメンからの相談などにも事務的ながら対応していました。しかし時々思い立ったようにギルド戦などで人員を募集し、特に会話もなく一通り大暴れした後さっさと落ちるなどの奇行が見られたようです。
 そんなに詳細には決めていないのでそんなにはっきりとは申し上げられませんが、この人も転生してる可能性はあります。

※2022.01.05追記
 HALについてうっかり忘れていたので、追記します。
 彼女は他のプレイヤーと仲良くプレイするタイプではありませんでした。
 というのは、ひとりで複数アカウント同時に操作していたので、チャットまでするのは困難だったからです。
 また一人でプレイに没頭したいタイプでもあったようですね。
 ただゲームには真剣であり、アイテムや攻略情報のの売買や交換などはあったようです。
 彼女が愛用していた自動人形オートマータという種族は、他の種族と使用アイテムや装備などに互換性がないことが多くありました。他のプレイヤーにとっては換金アイテムでしかないものでも有用であり、一方で汎用的な回復アイテムなどは使うこともできないため、常に需要と供給が発生していました。
 また、彼女は一人でパーティを運用できるため、臨時パーティを組むにあたってタンクが足りない、ヒーラーがいないといった「足りない」がないため、たまに傭兵として冒険に誘われていました。
 もっとも、自動人形オートマータは癖が強く、他種族と連携をするにはある程度の知識が必要でしたので、玄人向けではありましたが。しかもそれが四人分全部ですので。
 ゲームにのめりこむだけに、かなりの時間ログインしており、またギルド戦などはほぼほぼ皆勤賞で、交流の少なさの割に知名度はそこそこあったようです。
 四体全部火力特化の装備で組んだ「ゴリラ・スタイル」など、遊びに走ったプレイもしばしばあったようです。

 こんな感じでしょうか。

 さて次のご質問は窮敏さんからです。

「毎回用語解説で語ってくださるような設定をどうやって考えていますか?」

 とのことです。
 異世界の言語にエスペラント語を用いるアイデアや、毎回の細かい解説やら設定やらはどうやって考えているのかというような感じですね。
 こちらはハーメルンの方で質問頂きまして、そちらでの回答をこちらでも流用させていただきたいと思います。

「まず設定についてですが、色々なパターンがありますね。
 ゲームアイテムやスキルの解説であれば、まずプロット段階でアイテム・スキルを登場させるシチュエーション、どんな効果のアイテム・スキルが欲しいかが決まります。
 「回復する」「即死させる」「何かを防ぐ」「隠れる」などなど。
 その効果を持つものはどんなものかを考えます。
 既存のゲームのアイテムやスキルを参考にしたり、そこからひねったり。
 漫画や小説の特殊能力や、小道具なども参考になります。
 たとえばスキル「薄氷渡り」の「うすらひ」と言う読み方は「東京喰種」と言う漫画で知りました。
 その効果であり設定である「一時的に体重をなくす」のは小説「刀語」より「真庭 蝶々」という登場人物の用いる「忍法足軽」を参考にしました。
 動植物など現地生物の設定に関しては、多くの場合ではまず登場する地域の気候や地方のモデルとなる土地の動植物を調べ、登場させたい場面に合わせたチョイスをして組み合わせます。その特性や味などももっぱらこの調査の時に調べておき、組み合わせて用います。
 ぶっちゃけた話、物量作戦みたいなもので、一つの項目につき1時間以上はかかってます。多分。
 種族の設定などに関しても同様で、土蜘蛛であれば蜘蛛の仲間をたくさん調べ、天狗であれば鳥類を調べ、という感じです。
 ゲームアイテムなどのフレーバーテキストはマジック・ザ・ギャザリングなどのフレーバーテキストの雰囲気を参考にしていますし、とにかく元ネタを幅広く、たくさん持っていると便利ですね。
 多用する資料はWikipediaですね。信頼性はあまり高くありませんが、幅広い分野にわたってお手軽に情報収集できるので、とっかかりとしては便利です。」

 という感じですね。
 また、この時に書き忘れていたのですが、大まかな設定以外の、例えば実際に用語解説に書いている内容などですね、そう言った細かなところに関しましては、事前に決めていることよりも、その時考えることが多いです。

 たとえばある動物が登場するとプロットには書いてあります。プロット時点でその地方の動植物の傾向とかある程度調べてますが、この時点でほぼ名前だけです。
 その話を書くにあたって、実際にモデルとなる動物を調べて組み合わせていき、話に登場させ動かしてみます。食べるのであればその味や調理法も。またその動物の情報がプロットとうまくかみ合わないときはそこでまた調整します。
 その話が書きあがったら今度は用語解説を用意しますが、ここでまたもう少し調べて、小ネタを引き出して付け加えておきます。用語解説をまとめていて本編に違和感があったらまた手を加えます。
 例えばこの動物の体重がこれくらいなら、一頭じゃお腹膨れないし複数出そうかなとか。

 《技能スキル》とかの解説も同様で、フレーバーテキストはいつも書き終えた後にうんうん唸りながら付け加えています。

 という感じでした。

 今回頂いた質問は以上です。
 ほかに質問がある方、もしもすでに質問しているんだけど回答されていない方、記事内での答え方がいまいちに感じた方、以前も質問したけどもっと詳しく知りたい方など、いつでもお待ちしております。
 こちらの感想欄や、活動報告のコメント欄、またTwitterアカウントなど、アクセス可能なところでご質問ください。

 それではまた次回がいつになるかはわかりませんが、そのときまで。





※お詫び
読者の方からのご指摘で気付きましたが、短編「オデットとエイシス」は現在ぷらいべったーでのみ公開しているもので、本編には投稿しておりませんでした。
ただいま第十九章の公開中ですので、そちらが一区切りつき次第、本編にも投稿させていただきます。
取り急ぎお読みになりたい方は、作者ぷらいべったーまでどうぞ。

また浪漫狂の項でHALについて忘れていました。2022.01.05に追記しました。
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