死刑

死刑

世界は死刑反対の流れ
我が国は頭を悩ませていた
しかも我が国には死刑囚を養っていくお金はない
「どうしたものか」
刑務官たちは悩む
「それなら俺に妙案が」
数年後は国の死刑は変わった
美食、ゲーム、漫画、ドラッグ、酒、タバコ…
ありとあらゆる嗜好品を死刑囚に差し入れてやり、生活習慣病にして殺すのだ
これなら死にゆく様をドキュメンタリー番組として放送できるので、これらの商品に一切お金はかかっていない
「我ながら妙案だな」
男はそう言いながらベッドに横になり、ゲームに興じる
実はこの男、死刑囚なのだ
ふがいない刑務官の代わりに案を出してやったのだ
「ハハハ、こんなにもうまくいくとは
これでここも天国だ
後は死ぬまで遊んで暮らせばいい
どのみちこの狭い部屋で運動などできないのだから」
そうあまりにも死刑囚の待遇が良すぎて、死刑囚が急増
我が国の治安は地に落ちた
そんなことだからここに安全を求めてくる奴もいる
「いい気味だ
まさかこんなふうに社会への復讐ができるとは思ってもいなかった」