Akira@ショートショーター

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「うあああああ」
「大丈夫ですか」
「うおおおおお」
「これは重症ですね」
「うあ、うおおお」
「現代の医学ではとても直せない
安らかに死ぬが1番いいでしょう」
そういうと医者は男に注射を刺した
男は消え入りそうな声をあげ、死んだ
医者は満足げに言う
「やはり殺人は楽しいな
頭のおかしな奴を殺すのは特にいい
悪をこの世から消し去ったという感覚もあるし、決して社会から糾弾されない
君もやってみないか」
医者は側にいた看護師に聞く
「はい、やってみたいです」
そう言うと看護師は自分で自分に注射を打った
医者は慌てる
「ばか、何をやっている」
すると看護師は消え入りそうな声で言った
「私は患者がおかしいのか、先生がおかしいのか、分からなくなりました
私はよくわからない病気になってしまったのです
だから私は死ぬのです」
まもなく看護師は死んだ

「うあああああ」
「大丈夫ですか」
大丈夫ではない
うまく声が出せないのだ
「うおおおおお」
「これは重症ですね」
だから病院に来たのだ
何とかしてくれ
「うあ、うおおお」
「現代の医学ではとても直せない
安らかに死ぬのが一番でしょう」
そういう医者は俺に注射を刺した
「うう」
俺は消え入りそうな声しか出なかった
くそ、なんでことになったのだ
あれは2週間前、テレビで治験は稼げると聞いて、この病院にやってきた
しかしどの薬が悪かったのか、叫び声しかあげられなくなってしまったのだ
薄れゆく意識の中、目の端に看護師が映った
心なしか泣いているような気がした
泣きたいのはこっちだ
せっかく暴力団を抜けてカタギになろうとしたのにこれだ
やっぱお天道様は見ているんだな
今まで薬で稼いだぶん、薬に殺されるのだ
まあ悪くないかもしれない
もう限界だ、意識が遠のく
こんなことなら最後にシャブでもキメるんだったな

私は何てところに就職してしまったんだろう
非人道的で、暴力的で、独善的で、とても言葉では言い表せないぐらい残忍な職場だ
人を殺すのが仕事なんてどうかしている
だから今からやることも許されるだろう
ここの病院の地下に爆弾をセットした
数時間後に爆発する
でも許されるだろう
ここは人を殺すところなんだから、医師や看護師が死んでもいいだろう
うん、みんな死ねばいい
私はおかしくなってしまったのか
こんな私はみんなより先に死ぬべきだ
みんなと同じ死に方で許されるはずがない
おかしなやつはおかしなやつとして死ななければならないのだ
あの薬だ、あの薬で死のう
昼休みももうすぐ終わる
早速チャンスをうかがってみよう
急がなくては私は私を殺せなくなる
狂ってしまった私自身を
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