亡国

Akira@ショートショーター

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亡国

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この国は王が傾城にたぶらかされていた
「どうしたものか」
国の官僚たちが悩む
「私に妙案があります」
若い官僚が声を上げた
普段なら若い官僚の意見など無視するところだが、王のだらしなさに手をこまねいていた官僚たちは渋々意見を聞いた
若い官僚はかしこまって言う
「王と働く者たちを、みな若い美男子にするというのはいかがでしょう」
突拍子もない考えに聞こえたが、もはや打つ手のない官僚たちはやむなく採用することにした
するとどうだろうか、王の働きぶりが以前のそれとは比べ物にならないほどの改善した
若い官僚は一躍スターとなり、大事なポストを一つ任されるほどになった
しかしこの国は半世紀後に亡びる
この謎に一人の学者が挑んだ
古代の文献を読みあさる
なるほど、かつてこの国には傾城がいて、国が崩壊しかけたが、
国王の周りを美男子で囲むことで何のしのいだ
しかし、王の好色は治らず、以前のように女遊びをするだけでなく、
男まであさり始めたという
学者も呆れてため息をつく
「まったく、なんて王だ
まさに形勢逆転というところで何をやっているのだ
しかし、この国の大勢が一度に死んだ時期があるのは気になる
どれだけ文献を見ても、新種の病に侵されたという記述はない
となるとカゼぐらいなものだが、たんなるカゼで国が亡びるだろうか
免疫が弱っていたのか?
しかしこの国が飢饉になった記録もない
栄養失調の線も薄いだろう
いったいこの国はどうして亡んだんだ...」
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