天才作家

Akira@ショートショーター

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天才作家

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私は天才作家だ
物語を書くのが大好きだ
物語の中では何でも許される
殺人、強盗、レイプ、詐欺…
何でもござれだ
特に私はバッドエンドを好む
登場人物が全員死んだりしたら、もう最高だ
そして今日も私は物語を書き始める
しかしすぐに胸が苦しくなった
「おお、 心筋梗塞か
まさか私のことを誰かがノートに書いたとでも言うのか
そういえば私も物語の登場人物だった
この場合作者がめんどくさくなったから、早く殺してしまおうと思ったといったところか
私はこんな酷いことをしてきたのだな」
男は息も絶え絶えに言う
「しかし物語の人物の本当の死は作品を途中で投げ出されることだ
そう考えれば私は天寿を全うしたと言える」
想起から完成まで5分、はかない命だった
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