鈍い

Akira@ショートショーター

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鈍い

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「どこか変わったと思いませんか?」
女は男に詰め寄る
「そういわれても...」
この男、とにかく鈍かった
女が自分に好意を抱いてるか、
痩せたかどうか、
髪の毛を切ったかどうかすら気付かないのだ
ようするに恋愛にまるで向いてないのだ
しかし、この男顔だけはよく、今までそれだけでモテてきた
この女と結婚したのも、女の猛烈なアプローチによるものだった
「痩せた?いいや、髪の毛の切ったのかな?」
女はため息をつく
「目を見てわからないの?
今からあなたを殺そうとしている目よ」
男は別に焦るという風でもなく、女に言った
「そうか、俺は死ぬんだな」
「あら、案外あっさりしているのね
まさか自分の死期にまで鈍くなったのかしら」
女は言い終えると男をナイフで刺した
「ふう、まさかこんなにあっさり死んでくれるとは思わなかったわ」
女は男からナイフを抜く
すると男は傷口を抑えながら、女に感謝の言葉を述べた
女は驚いていう
「あなた本当に鈍いのね
まさかかゆいところがかけてラッキー程度に思っているんじゃないの?
本当におめでたいわね」
男は首を振る
「いや、実は僕は体内に時限爆弾を仕掛けられていたのだ
いつ爆発するかわからない恐怖に、いつもおびえて生きてきた
そして今、スイッチが押された
だから僕はありがとうと...」
言葉の途中で男は爆発した
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