刑務官

Akira@ショートショーター

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刑務官

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俺は刑務官になった
その理由は、刑務官はこの国でとても薄汚れた仕事だからだ
この国では刑務官は囚人に何をしても許される
あまりに不憫な被害者の代わりに、国の許可を得た刑務官が復讐するのだ
もちろん、女の囚人にはレイプをしてもいい
実のところそのために希望したのだ
しかし女の囚人は5年勤め上げて、さらに上司の推薦があって初めて許可される
俺はとりあえず男の囚人の担当となった
男の相手は退屈だった
憂さ晴らしに蹴ったりするが、まるで反応がない
俺が華奢だから効いていないのかとすら思える
まるでビクともしない
反応がないので、いじめがいもない
毎日地獄のような日々だ
当然だ、無抵抗の相手をいたぶり続けていると、こっちが悪人のような気分になってくる
そして俺は半年で刑務所から脱走した
俺はその足で国を出た
刑務官が刑務所で脱走など、恥さらしもいいとこだからだ
次は犯罪者は即死刑の国へ行こう

囚人たちは笑う
また刑務官が続かなかったことだ
やはりどんなやつでもまともに 半年は続けられない
バカ真面目なフリをする甲斐もあるというものだ
さて今こそ守りが手薄になっている
脱走するなら今だろう

「署長、男の囚人が脱走しました」
署長は青ざめる
「なんということだ、
これでは私の首が」
しかし次の瞬間ケロリという
「まあいいか
実は署長になって忙しくなり、女囚人をレイプする機会がなくなったのだ
いい機会だ
また最初からやり直すのもありかもしれない…」
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