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the 28th day 責任の所在
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「サーヤ、ここは小さな村だから飲食店も選択肢が少ないはず。お店を見つけたら入るわよ。身体が辛そうだから、少し休んだ方がいいわ」
レナが振り返ってサーヤに声を掛けると、
「大丈夫です」
とサーヤは首を振って頑なに断った。
「何言ってるの、一旦様子を見た方がいいわよ。遠慮をしたくなる気持ちは分かるけれど」
サラがサーヤの様子を隣で見ながらなだめると、
「その結果、休む場所がないところで困るようなことが起きないと言えるか?」
とカイが冷たく言い放った。
「あなたは言い方がキツイわ」
レナがカイに注意したので、サーヤはますます惨めな気持ちになった。
「その時は……私を置いて行ってください……」
サーヤの言葉にカイが何かを言おうとしたので、レナは慌てて遮った。
「カイは、少し黙っていて。言い方に棘があるわ」
カイは渋々言いたいことを抑え、レナに任せることにする。
「サーヤ、慣れない移動方法で身体に負担がかかったことは、あなたの責任じゃないのよ。でもね、無理をして今回の工程に不都合が生じるようなことがあれば、それはあなたの責任になる。そして、それは私の監督責任よ」
レナがそう言ったのをサーヤはじっと聞くと、
「レナ様の責任、ですか」
と呟いて俯き、
「じゃあ、レナ様の責任下に置いて、私をお役御免にすることもできますね?」
と小さく笑った。
「そうね。だけど、それをしたくないから言っているの。ちょっとカイ、サーヤを背負って歩いてくれる?」
レナがそう言うと、サーヤは目を見開いた。
「なんで俺なんだ」
カイは不本意そうに眉間に皺を寄せたが、
「力と体力の余裕なあなたなら、大した負担にならないからでしょ」
と、レナが当然のように言ったので、カイはしぶしぶクロノスの手綱をレナに渡し、腰を落としてサーヤの前にしゃがむ。
サーヤは突然の事態にオロオロとするばかりだったが、
「遠慮するな、どうせこの村の中だけだ」
とカイに言われ、震える手をカイの肩に載せて身体をカイの背に預けた。
カイはサーヤの体重が自分に掛かったのを確かめると、立ち上がってサーヤの膝を抱えて歩き出す。サーヤはカイの背にいることに、すぐ側にカイの頭があることに、これは現実なのだろうかと焦り、戸惑った。
「サーヤさん、もう少しお姫様の配慮に感謝したほうがいいわ。あたしたち色んな国で雇われの仕事をしているけど、こんな優しくて強いお姫様ってあんまり知らないわよ」
サラがそう言うと、サーヤは無言で頷いた。
「サラ、ありがとう。でも、サーヤはそれに見合う働きをしてくれているの。私、サーヤのお陰で身なりや格好の面で恥をかいたことは無いんだから」
サーヤは、カイの背にしがみつきながら何も言えなくなっている。カイは堂々とサーヤを褒めるレナを見て、ふっと頬を緩めた。
レナが振り返ってサーヤに声を掛けると、
「大丈夫です」
とサーヤは首を振って頑なに断った。
「何言ってるの、一旦様子を見た方がいいわよ。遠慮をしたくなる気持ちは分かるけれど」
サラがサーヤの様子を隣で見ながらなだめると、
「その結果、休む場所がないところで困るようなことが起きないと言えるか?」
とカイが冷たく言い放った。
「あなたは言い方がキツイわ」
レナがカイに注意したので、サーヤはますます惨めな気持ちになった。
「その時は……私を置いて行ってください……」
サーヤの言葉にカイが何かを言おうとしたので、レナは慌てて遮った。
「カイは、少し黙っていて。言い方に棘があるわ」
カイは渋々言いたいことを抑え、レナに任せることにする。
「サーヤ、慣れない移動方法で身体に負担がかかったことは、あなたの責任じゃないのよ。でもね、無理をして今回の工程に不都合が生じるようなことがあれば、それはあなたの責任になる。そして、それは私の監督責任よ」
レナがそう言ったのをサーヤはじっと聞くと、
「レナ様の責任、ですか」
と呟いて俯き、
「じゃあ、レナ様の責任下に置いて、私をお役御免にすることもできますね?」
と小さく笑った。
「そうね。だけど、それをしたくないから言っているの。ちょっとカイ、サーヤを背負って歩いてくれる?」
レナがそう言うと、サーヤは目を見開いた。
「なんで俺なんだ」
カイは不本意そうに眉間に皺を寄せたが、
「力と体力の余裕なあなたなら、大した負担にならないからでしょ」
と、レナが当然のように言ったので、カイはしぶしぶクロノスの手綱をレナに渡し、腰を落としてサーヤの前にしゃがむ。
サーヤは突然の事態にオロオロとするばかりだったが、
「遠慮するな、どうせこの村の中だけだ」
とカイに言われ、震える手をカイの肩に載せて身体をカイの背に預けた。
カイはサーヤの体重が自分に掛かったのを確かめると、立ち上がってサーヤの膝を抱えて歩き出す。サーヤはカイの背にいることに、すぐ側にカイの頭があることに、これは現実なのだろうかと焦り、戸惑った。
「サーヤさん、もう少しお姫様の配慮に感謝したほうがいいわ。あたしたち色んな国で雇われの仕事をしているけど、こんな優しくて強いお姫様ってあんまり知らないわよ」
サラがそう言うと、サーヤは無言で頷いた。
「サラ、ありがとう。でも、サーヤはそれに見合う働きをしてくれているの。私、サーヤのお陰で身なりや格好の面で恥をかいたことは無いんだから」
サーヤは、カイの背にしがみつきながら何も言えなくなっている。カイは堂々とサーヤを褒めるレナを見て、ふっと頬を緩めた。
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