潮騒サンセットロード

内野蓉(旧よふ)

文字の大きさ
37 / 87
第三章

06-2

しおりを挟む

 降り注ぐ初夏のような眩しい日差しを遮って、ひとひらの綿雲が太陽を横切った。その影に入った時のわずかな温度差を感じ、手で顔を覆って深く俯いていた順平が、はっ? として急に目線を上げる。
(……何だ、今のは? 風が変わった……?)
 順平がやや緊張した表情で周囲を見回す。ローカルな浜辺の小規模な海水浴場には、ビーチバレーに興じる大学生風のグループと、近隣住民らしき散歩している数人以外に、ほとんど人影はない。  
 波に乗って遊んでいるサーファー達を含め、かすかな異変に気付いた者は、順平の他にはいないようだった。
 さっきまでの、ままならない恋に悩む繊細な若者の顔ではなく、漁師町育ちで陸自工科学校出身の下士官候補生の顔になって、順平が、色とりどりのセイルがゆらゆらとはためいて、細かく白波が立っている遠くの沖合の海面を、鋭い視線で観察した。
 空はどこまでも明るく晴れ渡って、見える範囲では波も穏やかだった。風向きこそ先ほどまでとは変わっているようだが、さほど強いという程でもない。水平線上にはぽこぽこと積乱雲が湧き始めていた。
 一見、平和そのものの眺めだ。しかし、確証は持てないながら、外洋に面した港のある町で育った順平の中にある、海での生存本能に関わるセンサーが、確かに警告を発していた。
(こういう、天気がよかったのに急に風向きが変わる時は、危ないんだ。地元の漁船でも、風が急変したしばらく後で、たまに事故が起きていた……ごく稀にだが、人が死ぬようなことだって……)
 そこまで考えて、順平が驚愕したように目を見開いた。すぐ洋太の位置を確認すると、いつの間にか肩まで波につかるくらいの深さまで海に入っている。緊張で、急に心臓が喉元までせり上がった気がした。
 順平はダッシュで波打ち際まで走ると、口の両側に当てた掌を拡声器がわりにして、周りが驚いて振り返るくらいの大声で叫んだ。
「洋太っ‼ それ以上、沖のほうへ行くな! 早く戻って来い!」
 そう言いながら順平は、即座にもう海へ入って連れ戻しに行くつもりで、黒いランニングウェアを脱ぎ捨てて筋骨隆々とした裸の上半身を晒すと、無造作にかぶっていたキャップ帽も砂の上へ放り投げた。
 声が聞こえたのか洋太が一瞬遅れて振り返り、笑って手を振りながら「今行くー」と、のんびりした声で叫んでいる。
 洋太がこちらを向いて手を振る様子を見て、一瞬、ホッとしかけた順平だったが。次の瞬間、洋太の背後で急に高まった波の陰から、何か灰色っぽい板状のものが突き出すように現れて、洋太の後頭部を、ガンッ! と直撃するのが見えた。
「……っ?!」
 息を呑んだ順平の眼前で、衝撃で海面に顔を打ち付けられた洋太の背中が、ぷかりと力なく波の間に浮かんで漂った。すぐ近くには、流されて来たらしいサーフボードのけばけばしいカラーリングも見える。
 洋太の頭に何かが当たった、と判断したのとほぼ同時に遭難現場に向かって全速力で走り出した順平は、とっさに、少し離れた場所で遊んでいた大学生風のグループに向かって大声を張り上げた。
「おいっ‼ そこの赤い服着てる奴、今すぐスマホで119番通報して救急車を呼べ‼ 海岸に降りる通路に一番近い目印を伝えるのを忘れるな! そっちの青い服の奴は、近くの店に行ってAEDを探して来い! あと大きなタオルとかもあれば借りるんだ! その他は、次の指示を出すまでその場で待機してろ‼」
 若者グループは突然、大声で呼びかけられ、何人かはびっくりしてその場に固まったが、名指し(?)で指示された者は、一瞬の後には弾かれたようにそれぞれの役割に従って動き出した。こういう時に「誰か~」とか曖昧な指示を出すと、結局は誰も動かないということを順平は訓練で知っていた。
 ここまでの指示を波に向かって駆け出しながら行うと、海水に入ってからは、順平はまっすぐ前の洋太だけに意識を集中した。走れるところまでは波を飛び越えるようにして走り、その先は力強いストロークのクロール泳法でぐんぐん進んだ。
 元々、海の近くの中学で水泳部の助っ人を頼まれるほど泳ぎには自信があった順平だが。この時ばかりは、もし短距離でオリンピック種目があれば確実にメダルが取れるのではないか? と周りから思われるような人間離れした速さで、おおよそ二十秒も掛からずに洋太のところまで泳ぎ着いた。
 陸から見ていたよりも、思いのほか潮の流れが速い。順平は素早く洋太の後頭部を確認すると、海面に赤い血の滲む傷口をかばう姿勢を取りつつ、巧みな立ち泳ぎ式の安全泳法で洋太を抱えながら浜辺のほうへ引き返した。
(水路が近いから、思ったより離岸流の影響が強い……だが、時間は掛けられん)
 離岸流とは、海岸の河口付近で陸側から沖のほうに向かう潮流のことで、海水浴客などが知らずにその流れに乗ってしまうと、短時間で驚くほど遠くの海面まで運ばれてしまうことがある。流れの途中で直角に泳げば脱出は可能だが、この時も、順平の強靭な下半身の筋肉から繰り出される泳力がなければ、陸に戻るまでに相当の時間を要したかもしれない。
 足が届く水深まで戻ると、すぐ順平は後ろから洋太を支えるようにして運び、最終的には、ぐったりした体を逞しい両腕に抱きかかえて、頭を揺らさないように注意しながら砂浜を駆け上がった。順平の歩行に従って、滝のように海水が滴り落ちる。
 さっき声を掛けた若者グループと、たまたま近くにいた通行人らが心配そうに輪を作って(救助作業を見物人に邪魔されないよう順平がそう指示した)見守る中、順平は洋太の体を砂の上に慎重に横たえると、誰かが借りて来たタオルを後頭部に当てて傷口を保護した。目視した範囲では、傷は深くないように見えるが、頭蓋骨の内部の損傷までは病院で精密検査をしないとわからない。
 洋太の姿勢を安定させた後、顔を横に向けて海水を吐き出させると、順平はすぐに耳を洋太の口元と胸に近づけて、呼吸と心音を確認した。順平の顔がさっと青ざめ、唇が小刻みに震える。しかし、口から出た言葉は、はっきりとしたものだった。
「要救助者、自発呼吸……脈拍、なし……これより心肺蘇生法に移る!」
 目の前で恋しい人が今まさに生命の危機にあり、順平の内心は恐怖のあまり発狂しそうになっていたが、長年の訓練によって鍛えられた順平の肉体は、そんな心の状態とは関係なしに今、最優先にやるべきことを、機械のような正確さで淡々と、確実に実行していった。
 順平は人命救助の教則通り、右手で相手の鼻翼をつまみ、頭部後屈・あご先挙上法により気道を開いて、横目で胸の状態を確認しながら、呼気吹き込み二回と吐き出しの確認をした。その後、左右の乳頭を結んだ線の胸骨上で、胸骨圧迫三十回を連続して行う。胸骨圧迫は「強く(胸骨が四~五センチ沈む程度までしっかり)」「速く」行うことが重要とされ、ペースは一分間に百回を維持する。
 通常、この人工呼吸二回と胸骨圧迫三十回との組み合わせを五サイクル(二分間)終えたら、疲労により圧迫が弱まるのを避けるために、他の援助者に交代するべきとされている。しかしこの時、圧迫の中断を最小限に抑えるため、順平はたった一人で心肺蘇生法をやり続けたが、最後まで圧迫する力は落ちなかった。
 時々、洋太の脈と呼吸を確認しながら、順平は自らの両手に掛かる「洋太の命」という凄まじいプレッシャーに耐えつつ、外見上はしごく冷静に、内面で孤独な戦いを続けていた。
(まだ脈拍は、自発呼吸は戻らないか……? なら、救急隊が到着するまで、何時間でも、ずっとやり続けるまでだ……)
 そう順平が覚悟した時、道路のほうから大きな声がして
「ありました、AED! 借りてきました‼」
 近くの店にAED(自動体外式除細動器)を探しに行っていた若者が、興奮しながら器械を抱えて戻ってきた。
 順平はすぐさまそれを、タオルで水分を取り除いた洋太の胸に装着し、音声ガイドに従ってスイッチを入れた。電子音の後に電気ショックが流れて、衝撃で洋太の体が地面から大きく跳ね上がる。
(まだか? すぐにCPR(心肺蘇生法)を再開して、五サイクル後にもう一度……)
 そう考えて、順平が再び人工呼吸のための体勢を取ろうとした時。……かはっ、と息を吐き出して、洋太が弱々しくだが呼吸を再開した。周囲の輪の人達から歓声が上がる。順平もやっと息をついて、なおも注意深く洋太の状態を確認していた。
 ちょうどその時、けたたましいサイレン音とともに救急車が海水浴場の上の幹線道路に到着し、数人の救急隊員が慌ただしくストレッチャーと担架を運んで護岸の階段を降りてきた。
 海のほうから、妙に生温かい風が吹いてくる。その時になって、初めて周囲を見る余裕が出来た順平は、あれほど晴れていた空が、いつの間にかどんよりと曇っていることに軽く驚いた。やはり、風向きが変わったのは天候急変のサインだったのか。
 サイレンを聞いて、あちこちから見物の野次馬が集まって来る。救急隊員が洋太の搬送のための応急措置を行っている間、順平は一人の隊員に事故発生状況から、自分が行った心肺蘇生法と、その後の状況について手短に報告した。
 鷹栖くらいの年恰好の、三白眼気味の男性隊員が感心したように言う。
「君、ずいぶん落ち着いてるな。救助法に慣れてるところを見ると、同業者?」
 順平は、ストレッチャーで運ばれて行く洋太のほうを横目で気にしつつ、その場で上半身裸に黒のハーフパンツ一枚の恰好のまま、ビシッと姿勢を正して敬礼した。
「いえ。自分は陸上自衛隊T駐屯地所属、神崎陸士長であります」
「なるほど、陸自の隊員さんか。的確な処置だったよ、ご苦労さん。後は任せろ」
 相手がねぎらうように順平の肩を叩いた。
「それで、君は? ご家族? 友人? 救急車に同乗出来るかい?」
 聞かれた順平は一瞬答えを躊躇った後、真剣な眼差しで深く深く頭を下げた。
「洋太を……あいつを、必ず助けてやって下さい。お願いします」
「もちろん、全力を尽くすよ。幸い、呼吸再開まで君がCPRを継続してくれたし、オレ達も確実に医療機関まで引き継ぐ。後は病院の先生方に頑張ってもらおう」
 救急隊員が洋太を搬送して救急車の中に移動した後、順平は通報で駆けつけてきた警察官にも声を掛けられていた。先に話を聞いた大学生らが「あの人が指示してくれて……」とか言ったらしい。
「疲れているところ悪いけど、こっちにも事情を聞かせてもらえるかな? 君が第一発見者?」
「はい。自分が目撃した事故の状況は――」
 その時、順平の視界にあの忌々しい派手な色のサーフボードが映った。そのボードを抱えているのは見上げるような巨体の外国人で、同じく警官に事情を聴かれている様子だったが、見つめている順平に気が付くと、こちらへゆっくりと歩いて近づいて来た。
 カールした短い金髪に赤ら顔の大柄な白人男性は、搬送された洋太と順平の関係に気づいたようで、ビー玉のような青い目に涙を一杯溜めて「ソーリー……、アイム、ソー、ソーリー……」としきりに何事かを謝っている。
 順平がふと目線を落とすと、相手の足首からちぎれた状のものが垂れ下がっていた。同じものがボード側からも垂れていて、ようやくそれが、”リーシュコード”という、サーファーとサーフボードを繋ぐ用具だと気づいた瞬間、順平の表情が、見る見るこわばって行った。険しい眉の下で見開いた眼が血走っている。
「そうか、お前が……お前のせいで、洋太があんな目に……‼」
 急速に暗くなった曇天から大粒の雨が落ちてきて、季節外れの雷鳴が響くと、順平の、まるで仏教の人を喰うと言われる悪鬼・羅刹らせつのような憤怒の形相を劇的に浮かび上がらせた。
 順平の剣幕に、巨体の外国人男性が一瞬ひるんだような表情を見せると――
「お前かあぁぁ‼」
 次の瞬間、順平が自分よりさらに二十センチは長身の外国人男性に、猛然と襲い掛かった。目の前にいた警察官も止める暇がないほどの勢いだったが、反射的に外国人男性の振るったカウンターが顔面に決まり、逆に順平が吹っ飛ばされる。本人の意図したパンチではなかったようで、相手はおろおろと自分の拳と砂浜に倒れた順平に交互に視線をやっていた。
 むくり……とゾンビのように砂浜から起き上がった順平は、鼻血で顔面を真っ赤に染めながら、両眼をギラつかせ、全くひるむ様子もなく再び獣のような咆哮を上げて襲い掛かった。首を絞めようと掴みかかる順平に、はるかに大柄な外国人男性が、明らかな恐怖の表情を浮かべて必死に防戦する。
「やめろ、お前ら‼ それ以上やると、二人とも逮捕するぞ!」
「よせって言うのに……おい、無線で応援呼べ‼ 早く!」
 叩きつけるような大雨の中、湿った砂まみれになりながら掴み合いをする大柄な男二人を止めようとした警察官だが、結局、五人以上の応援が到着してようやく順平の動きを完全に止めることが出来たのだった。
 薄暗い波打ち際には、順平がさっき投げ捨てた黒いキャップ帽が、叩きつける雨と波にもみくちゃになりながら、パトカーの赤色灯に照らされて転がっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

ヤンキーDKの献身

ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。 ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。 性描写があるものには、タイトルに★をつけています。 行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。

今度こそ、どんな診療が俺を 待っているのか

相馬昴
BL
強靭な肉体を持つ男・相馬昴は、診療台の上で運命に翻弄されていく。 相手は、年下の執着攻め——そして、彼一人では終わらない。 ガチムチ受け×年下×複数攻めという禁断の関係が、徐々に相馬の本能を暴いていく。 雄の香りと快楽に塗れながら、男たちの欲望の的となる彼の身体。 その結末は、甘美な支配か、それとも—— 背徳的な医師×患者、欲と心理が交錯する濃密BL長編! https://ci-en.dlsite.com/creator/30033/article/1422322

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

処理中です...