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小さな旅
路地裏日光浴
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私の飼い主は、私を愛してくれているのだろうか。最近彼女は、誰かと他の用事があるようだ。私も飼い主と違う誰かとお昼寝でもすれば、彼女は寂しくなるのだろか。
「ああっ、コイオスと逸れてしまいました」
青いポンチョを羽織った少女が、住宅街の一角で、頭を抱え嘆いている。彼女の名はクリオス。神である。天真爛漫、自由奔放、神出鬼没。そんな彼女にもコンプレックスがある。それは、方向音痴である。クリオスは、基本的にコイオスと2人で1つである。まさしく、一心同体。普段は、しっかりとした性格のコイオスについて行けばいいが、ときにこうして逸れてしまうことがある。クリオスが目を離したすきに、コイオスが先に行ってしまい。彼女は、先導を失うとたちまち方向がわからなくなるのだった。
「うう、あっちでしょうか。それともこっちでしょうか」
あたふたと、Y字路に分岐した道で左右を交互に何度も見ているが、一向に正しい方を選び出すことはできなかった。
「はあーあ。このクリオス不覚にも路頭に迷いました」
クリオスは、ただ嘆く。ー翼を広げて空を飛べばいいのにー。
「これが、神の試練というやつか。あっ私が神でした」
この調子では、日が暮れるのも納得できる。しかし、クリオスの神出鬼没性は、この方向音痴に由来するものであることもまた、然りだ。
すると傍に立つ電柱から、1匹の猫の鳴き声がした。クリオスは電柱の陰を覗き込むとそこには、産まれて間もない子猫が、粗末なダンボールに入っていた。
「猫さん、こんにちは。こんなところで何をしているのです」
「ミャー」
「へぇ~そうなんですか。それはいいですね」
「ミャーミャー」
「はい。私も頑張ってコイオスを探しますよ」
「ミャ」
「なんと、お手伝いしてくれるのですか。それはありがたいです。ではいきましょう。日向ぼっこにおつきあいすると約束します」
「ミャー」
私には、わからないが彼女と子猫間で何かが取り決められたのだろう。クリオスが、子猫を抱き上げると彼女はそのまま自分の頭に子猫を乗せて歩き出した。
クリオスは、鼻歌を歌いながら、直感だけで進んでいく。だが、彼女は、コイオスから着実に遠のいていた。そのことなど露知らず、「次はあっちですね」と、勘だけを頼りに歩いて行く。
「ミャー」
「はい?」
「ミャー、ミャー」
「猫さん、お腹が空いたのですか。しょうがないですねぇ」
クリオスは、ポケットから小銭を取り出した。そして、クリオスは不敵な笑みをこぼして言う。
「ふ、ふ、ふ、若様をつついて手に入れた小銭なのです。ちょろいものですねぇ」
しかし、クリオスは気づいていなかった。若田 敏彦という男は、甘くないということを。敏彦がクリオスに与えたのは、たったの200円ほどで、クリオスは通貨の価値を知らないため。適当に与えたに過ぎなかったのだ。だが、クリオスは、嬉しそうに200円を猫に見せつける。
「何がいいですかね。クッキーですね決まりです」
「ミャー」
猫は、力無く声を返す。さしずめ「強引な」と言いたげである。
クリオスは、その後猫にクッキーを与えてやり、コイオスと合流すべく歩き出した。すると、猫はクリオスの頭から飛び出し、路地裏へと駆け出した。慌ててクリオスもそれに続く。
「どこへ行くのです」
「・・・・・」
彼女の問いかけに猫の反応はない。しかし、確実にどこか目的のある場所へ行こうとしていると、クリオスは直感で感じ取った。民家の塀を通り、屋根を越え行き着いたのは学校の校門前。
「確か、姉様の通いなさっている。学校ですね」
学校の校門は硬く閉ざされている。中へ入ることは、できない。だが、飛べば入れそう。とクリオスは思った。猫は、スススーと、門の下を潜って敷地内へ入ってしまった。
「あっ、ダメですよー」
クリオスは一飛びして、学校の敷地内へ入って猫を追った。入ってすぐの花壇を抜けて、渡り廊下を潜る。角を曲がって、塀に飛び乗るとまた路地裏へ、すると一箇所だけ日光の当たる場所がある。まるでスポットライトのように、「粗大ゴミ」と書かれた紙が、貼り付けられている小綺麗なソファが照らされている。猫はその上で丸まってゴロゴロとする。
「なるほど、ここが猫さんの穴場なのですね」
クリオスもまた、ソファーに横になって、スヤスヤと寝てしまった。どうやら、路地裏ということもあり冬の冷たい風は入り込まず、人通りもない。また日光が当たってソファーは、温かくふかふかときた。これは、誰であろうと横になれば眠ってしまうだろう。
1時間後、クリオスが眼を覚ますと猫が彼女のお腹の上で寝ていた。毛並みも良く、少しつり上がった目がいじらしいとクリオスは思っていた。ただお腹の上にいる丸い生き物は、クリオスが思っていた以上に軽かった。加えて、暖かいとも思ったのだ。
「猫さんあったかですねぇ。でも何でダンボールに入っていたのでしょうか」
ーこんなにも綺麗なのにー。とクリオスは思った。彼女は、まだ知らない。人の世に生きるということは、この猫だけでなく、朝方に囀る雀や屋根裏に住むネズミでさえも、その生活を人間に左右されることなのだ。しかし彼女は、純粋だった。これから彼女は、何を見て何を知るのだろうか。それは神でさえ計り知れないことである。
大分、陽も傾いていた。クリオスは、猫を再び頭に乗せて来た道を戻ることにした。
「行くことができないなら、戻るだけです」
得意げに言うが、猫は大きなあくびをするばかりであった。そして、学校を抜け校門前に来ると、見知った顔の人物が、誰かと話しながらこちらにやって来た。
「そう、じゃあこの辺を探して見ましょう」
「ごめんなさい先輩。こんな遅くまで付き合っていただいて」
「いいのよ。貴女の力になれるのは、嬉しいことよ」
クリオスは、眼を細めてその人物を見ると、
「あら、あんた何してるのよ。その猫・・・」
「先輩この子です。ああ、良かった。見つかって」
クリオスは、訳が分からず。首をかしげる。
「姉様、姉様。この猫さんをお探しだったのですか」
「そうよ、この子が水季が、猫が家出して三日も帰らないって今朝泣いて来てね、そしたらあんたがここにいたってわけ」
「そうだったんですか。クリオスはてっきり、この猫さんは、ノラさんかと思いましたよ」
クリオスは、水季に抱かれている猫を見て言った。しかしこの猫は、首輪をしていた。クリオスには、首輪がついていようとついていまいと、街を闊歩している猫は、みんなノラなのだとか。
「あははは。街を闊歩しているのがみんなノラではないのよ」
ヒルデは、涙目になって笑いながら話す。
「首輪をつけているのは、ほとんどが飼い猫なのよ。たまに不運な子もいるのだけれどね。首輪の裏には、飼い主の名前と住所が書いてあって・・・」
水季が、猫の首輪を外してクリオスに裏面を見せてやる。「本当ですねぇ。水季というのがこちらの方ですね」などぶつぶつ呟きながらまじまじと首輪を見つめる。
「でも何で、ノラだと思ったのよ」
「それはですね、この子と最初に会った時は、この子がダンボールに入っていたのです。だから捨てられたノラさんなのかと」
「あっ」
水季が何かを思い出したかのように声を上げる。
「この子、ダンボールに入ってご飯をねだる癖があって、」
「確かにお腹が空いていたようなのでクッキーを差し上げましたよ」
「何でクッキーなんか持ってたのよ」
「ええ、えっと・・・・それはですねぇ」
「また若のお金をくすねたのね」
「いえいえ、くすねたとは失敬な。つついたら出て来たのです。神が盗みを図るわけがありましょうか、いえ、ありません」
「はあー」
クリオスもクリオスだが、つつかれて出してしまう若も若だ。とヒルデは思うのだった。
だがしかし、クリオスは約束をしっかり果たしていた。路地裏にて猫の日光浴に付き合うという約束を、クリオスは気づいていないが、確かに神として、猫の願いを叶えたのだ。そして猫もまた思う。こんなにも悲しそうな主人の顔を見るのは初めてだった。気まぐれで何かを願うのも良くないなと思うと、さらに主人が愛おしくなった。
「もういきなりなにっ」
家へと帰る道すがら、水季の顔を舐めた。それをクリオスとヒルデは、上空から見守ると、若田邸へ飛び去っていった。
「ああっ、コイオスと逸れてしまいました」
青いポンチョを羽織った少女が、住宅街の一角で、頭を抱え嘆いている。彼女の名はクリオス。神である。天真爛漫、自由奔放、神出鬼没。そんな彼女にもコンプレックスがある。それは、方向音痴である。クリオスは、基本的にコイオスと2人で1つである。まさしく、一心同体。普段は、しっかりとした性格のコイオスについて行けばいいが、ときにこうして逸れてしまうことがある。クリオスが目を離したすきに、コイオスが先に行ってしまい。彼女は、先導を失うとたちまち方向がわからなくなるのだった。
「うう、あっちでしょうか。それともこっちでしょうか」
あたふたと、Y字路に分岐した道で左右を交互に何度も見ているが、一向に正しい方を選び出すことはできなかった。
「はあーあ。このクリオス不覚にも路頭に迷いました」
クリオスは、ただ嘆く。ー翼を広げて空を飛べばいいのにー。
「これが、神の試練というやつか。あっ私が神でした」
この調子では、日が暮れるのも納得できる。しかし、クリオスの神出鬼没性は、この方向音痴に由来するものであることもまた、然りだ。
すると傍に立つ電柱から、1匹の猫の鳴き声がした。クリオスは電柱の陰を覗き込むとそこには、産まれて間もない子猫が、粗末なダンボールに入っていた。
「猫さん、こんにちは。こんなところで何をしているのです」
「ミャー」
「へぇ~そうなんですか。それはいいですね」
「ミャーミャー」
「はい。私も頑張ってコイオスを探しますよ」
「ミャ」
「なんと、お手伝いしてくれるのですか。それはありがたいです。ではいきましょう。日向ぼっこにおつきあいすると約束します」
「ミャー」
私には、わからないが彼女と子猫間で何かが取り決められたのだろう。クリオスが、子猫を抱き上げると彼女はそのまま自分の頭に子猫を乗せて歩き出した。
クリオスは、鼻歌を歌いながら、直感だけで進んでいく。だが、彼女は、コイオスから着実に遠のいていた。そのことなど露知らず、「次はあっちですね」と、勘だけを頼りに歩いて行く。
「ミャー」
「はい?」
「ミャー、ミャー」
「猫さん、お腹が空いたのですか。しょうがないですねぇ」
クリオスは、ポケットから小銭を取り出した。そして、クリオスは不敵な笑みをこぼして言う。
「ふ、ふ、ふ、若様をつついて手に入れた小銭なのです。ちょろいものですねぇ」
しかし、クリオスは気づいていなかった。若田 敏彦という男は、甘くないということを。敏彦がクリオスに与えたのは、たったの200円ほどで、クリオスは通貨の価値を知らないため。適当に与えたに過ぎなかったのだ。だが、クリオスは、嬉しそうに200円を猫に見せつける。
「何がいいですかね。クッキーですね決まりです」
「ミャー」
猫は、力無く声を返す。さしずめ「強引な」と言いたげである。
クリオスは、その後猫にクッキーを与えてやり、コイオスと合流すべく歩き出した。すると、猫はクリオスの頭から飛び出し、路地裏へと駆け出した。慌ててクリオスもそれに続く。
「どこへ行くのです」
「・・・・・」
彼女の問いかけに猫の反応はない。しかし、確実にどこか目的のある場所へ行こうとしていると、クリオスは直感で感じ取った。民家の塀を通り、屋根を越え行き着いたのは学校の校門前。
「確か、姉様の通いなさっている。学校ですね」
学校の校門は硬く閉ざされている。中へ入ることは、できない。だが、飛べば入れそう。とクリオスは思った。猫は、スススーと、門の下を潜って敷地内へ入ってしまった。
「あっ、ダメですよー」
クリオスは一飛びして、学校の敷地内へ入って猫を追った。入ってすぐの花壇を抜けて、渡り廊下を潜る。角を曲がって、塀に飛び乗るとまた路地裏へ、すると一箇所だけ日光の当たる場所がある。まるでスポットライトのように、「粗大ゴミ」と書かれた紙が、貼り付けられている小綺麗なソファが照らされている。猫はその上で丸まってゴロゴロとする。
「なるほど、ここが猫さんの穴場なのですね」
クリオスもまた、ソファーに横になって、スヤスヤと寝てしまった。どうやら、路地裏ということもあり冬の冷たい風は入り込まず、人通りもない。また日光が当たってソファーは、温かくふかふかときた。これは、誰であろうと横になれば眠ってしまうだろう。
1時間後、クリオスが眼を覚ますと猫が彼女のお腹の上で寝ていた。毛並みも良く、少しつり上がった目がいじらしいとクリオスは思っていた。ただお腹の上にいる丸い生き物は、クリオスが思っていた以上に軽かった。加えて、暖かいとも思ったのだ。
「猫さんあったかですねぇ。でも何でダンボールに入っていたのでしょうか」
ーこんなにも綺麗なのにー。とクリオスは思った。彼女は、まだ知らない。人の世に生きるということは、この猫だけでなく、朝方に囀る雀や屋根裏に住むネズミでさえも、その生活を人間に左右されることなのだ。しかし彼女は、純粋だった。これから彼女は、何を見て何を知るのだろうか。それは神でさえ計り知れないことである。
大分、陽も傾いていた。クリオスは、猫を再び頭に乗せて来た道を戻ることにした。
「行くことができないなら、戻るだけです」
得意げに言うが、猫は大きなあくびをするばかりであった。そして、学校を抜け校門前に来ると、見知った顔の人物が、誰かと話しながらこちらにやって来た。
「そう、じゃあこの辺を探して見ましょう」
「ごめんなさい先輩。こんな遅くまで付き合っていただいて」
「いいのよ。貴女の力になれるのは、嬉しいことよ」
クリオスは、眼を細めてその人物を見ると、
「あら、あんた何してるのよ。その猫・・・」
「先輩この子です。ああ、良かった。見つかって」
クリオスは、訳が分からず。首をかしげる。
「姉様、姉様。この猫さんをお探しだったのですか」
「そうよ、この子が水季が、猫が家出して三日も帰らないって今朝泣いて来てね、そしたらあんたがここにいたってわけ」
「そうだったんですか。クリオスはてっきり、この猫さんは、ノラさんかと思いましたよ」
クリオスは、水季に抱かれている猫を見て言った。しかしこの猫は、首輪をしていた。クリオスには、首輪がついていようとついていまいと、街を闊歩している猫は、みんなノラなのだとか。
「あははは。街を闊歩しているのがみんなノラではないのよ」
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水季が、猫の首輪を外してクリオスに裏面を見せてやる。「本当ですねぇ。水季というのがこちらの方ですね」などぶつぶつ呟きながらまじまじと首輪を見つめる。
「でも何で、ノラだと思ったのよ」
「それはですね、この子と最初に会った時は、この子がダンボールに入っていたのです。だから捨てられたノラさんなのかと」
「あっ」
水季が何かを思い出したかのように声を上げる。
「この子、ダンボールに入ってご飯をねだる癖があって、」
「確かにお腹が空いていたようなのでクッキーを差し上げましたよ」
「何でクッキーなんか持ってたのよ」
「ええ、えっと・・・・それはですねぇ」
「また若のお金をくすねたのね」
「いえいえ、くすねたとは失敬な。つついたら出て来たのです。神が盗みを図るわけがありましょうか、いえ、ありません」
「はあー」
クリオスもクリオスだが、つつかれて出してしまう若も若だ。とヒルデは思うのだった。
だがしかし、クリオスは約束をしっかり果たしていた。路地裏にて猫の日光浴に付き合うという約束を、クリオスは気づいていないが、確かに神として、猫の願いを叶えたのだ。そして猫もまた思う。こんなにも悲しそうな主人の顔を見るのは初めてだった。気まぐれで何かを願うのも良くないなと思うと、さらに主人が愛おしくなった。
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