占領地領主調教記

あまゆら

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手紙

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ついに、この時がきた。

俺はシルビア呼び出し、私の執務室に彼女が現れる。

「こんな、昼間から来させるなんて初めてね、今度は何をするつもりなの?」

「急な呼び出しの割に整えてきたじゃないか、俺との逢瀬が楽しみになってきたのか?」

「そ、そんなわけないじゃない!」

シルビアは顔を赤くして否定する。

「冗談だ。本国からの書状が届いたんだ。喜べ、ほとんどそっちら側の要求通りだ」

合意内容は大方こうだ

賠償金の支払い
占領地の放棄
国境線の確定

拍子抜けだった。こちらとしてはありがたいが。本国の強硬派が占領地を強引に編入すると俺は睨んでいた。そうなれば俺はシルビアをしばらく好きにできるが、代わりにここは最前線となる。非協力的な街を拠点に戦うなど現場としてはたまったものではない。

賠償金で話がつくなら、これにこしたことは事はない。俺もそう進言していた。だが、現実はそうそう上手くはいかない。正直、長期戦を覚悟していた。

だが、ふたを開けてみればこの通り。あっさりした決着だった。

となればシルビアとの逢瀬もここまでだ。短い夢だった。

俺は簡単に説明し書状もシルビアに見せる。しばらくはシルビアは書状を眺め、考え事をしているようだった。

「そう、これで終わりなのね」

「ああ、しばらくしたら、そっちの軍が来るだろう。戦闘をしないで撤退できるのは、軍を率いる立場としてはありがたい限りだ」

うん?シルビアの反応が妙だった。さすがに小躍りして喜ぶとは思ってないが、それなりな態度が出るはずだが、えらく困惑しているようすだった。

「どうした?何か気になることでもあるのか?」

「っ、いや、なんでもない、なんでもない!わかった、皆に説明しておくわ。この書状は持って行って構わないわね?」

カッと顔を赤くすると、慌ててそう言い放つ。

「ああ、構わないが・・・」

「なら、これで失礼するわ」

きびすを返し、そそくさと執務室から出ていく。俺はシルビアを引き留めるか一瞬、迷ったが何も言わずに見送った。



撤収は滞りなく進み、いよいよ明日、ここを立つ。最後の夜に俺は手紙を受け取っていた。

手紙には場所が書かれており、それを受け取り、俺に渡してくれた小柄メイドは終始不機嫌だった。

そして、俺は指定された場所、いつもの天幕の前に立っていた。

「来たのね」

暗がりから透き通った声がかかる。シルビアだ。

「ああ、とりあえず入ろうか」

中に入り、俺はランプに火を灯す。少し前まではいろいろ置いてあったが、撤収により、今は閑散としている。

「隙だらけね、私に刺されるとか考えなかったの?」

「シルビアの事はいつも考えてるよ。シルビアなら衝動的に行動するとは思ってない。やるなら遅効性の毒でも仕込んで犯人が誰かわからないようにするだろうな。だから俺が警戒するのは茶でも出されて一服盛られないかってことだな」

「ふーん」

?どうも様子がおかしい、何が目的だ?今後のキャリアに傷が付かないよう誓約書でも書かされるとでも思っていたが、急転直下、愛の告白という雰囲気でもない。

しゅる、っとシルビアは服を脱ぎ始める。来た時、軽装だと思ったが、なんと紐で結んであるだけの服だった。まるで娼婦の服ではないか。

「おいおい、夜這いか?悪いが毒を盛られてはかなわん、今日はその気はないぞ」

口ではそう言うが、俺はシルビアの裸体に釘付けだった。やはり恥ずかしいのかほんのり赤くなり、それがまたエロかった。

すっと、シルビアは両手を前に差し出す。

「暗殺が怖いなら、いつものように私を縛ればいいでしょ?」

「いや・・・」

いつも主導権を持つ俺だが、困惑していた。冷静な俺は危険だと警鐘を鳴らしている。しかし、体の一部はそそり立ち、シルビアを求めていた。そんな目で見られて拒める男がいるか。いや、だがしかし。

そんな俺を見てシルビアがため息をつき

「まあ、ガルドの立場なら、そうなるわよね。なら、私個人の言葉で言うわ。それでどうするかは、立場ではなく、あなたが決めて」

そう言って目を反らし、唇をきゅッと閉め、そして少し潤んだ目をこちらに向け、はにかんだ顔で



「私の性癖を歪めた責任、取ってよね」

俺の中の冷静な俺は沈黙し、俺は本能に身を委ねる。

占領地での最後の夜が始まる。
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