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第一話 はじまり
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「ちょっと!あなた、聞こえますか?起きてください!」
尋常でなく切迫した声に、朝に弱い俺でも思わず飛び起きた。
目を開けると、18歳の俺と同い年か少し下くらいの白髪の女が覗き込んで来た。
「だ、だれ…って!ここはどこだ!」
「説明は後です!あいつから逃げてください!」
「あいつって…う、うわああああああああ!!!ド、ドド、ドラゴン!?」
俺たちの前方20m程に、一軒家ほどの大きさもあろう真紅の竜がこちらを見つめていた。
「な、なんだよ…あれ。これ…ゆ…めか…?」
腰を抜かして震えていると、竜が大きく息を吸い込むのが見えた。
…直後
「あぶない!!!」
女が、俺の体を突き飛ばした。
竜の口からは衝撃波のようなものが発せられる。
一瞬で木々を薙ぎ倒し、さっきまで俺がいた場所…今そこにいる女がモロに衝撃波を喰らった。
女の体は吹き飛び、木にぶつかって止まった。
気絶…もしくは死んでいるのか、女はピクリとも動かない。
縋るように女の方に這っていこうとすると、後ろから竜の咆哮が聞こえた。
もう1度あれが来る。
俺は我武者羅に手を竜の方に突き出すと、
『クライオブロー』
脳内に声が響き、竜の元へ凍てつく風が吹いた。
(何だこれ!?いや、何でもいい、とにかく竜は逃げたみたいだ。それよりあの女!)
飛ばされた女の方へ駆け寄って行く。
「おい!大丈夫か?」
口元に耳を近づけると、微かに息をしていることは分かった。
ただ傷は深く、至る所から出血をしている。
(どうにか、俺になにか出来ないか?)
俺は先程の出来事を思い出し、真似るように腕を前に突き出した。すると、
『リグジスト』
女の体が緑の光に包まれ、傷口が塞がれている。
(これは、俺の力なのか?)
「ん…んん…」
女の目が開き、ゆっくりと起き上がった。
「良かった!目覚めてくれたか…」
「あなたは…はっ!火竜は!?」
「あの竜のことなら逃げていった。安心してくれ」
「あの竜を!?うっ…!」
「急に起き上がっちゃダメだ。まだ完治した訳じゃない」
「完治って…治癒魔法もあなたが?」
「魔法なのか…よく分からないが。とにかく安静にしていてくれ」
「火竜を追い払って傷を治すほどの…信じられない…」
「聞きたいことは色々あるが…まず、俺の名前は爛(らん)だ。君は?」
「シュアリー・ヴァーリミオンです」
予想はしていたが恐ろしく異国じみた名前だ。ここが日本でないことは明らかになった。
「とりあえず…俺はどうしてこんなところにいるんだ?」
聞くと、女…シュアリーはバツの悪そうな顔をした。
「ええと…あの、私は…召喚士でして…」
「いや、召喚士といってもアレですよ!?まだ全然ひよっこっていうか…だから全然凄いって程ではないんですけど」
「この世界で召喚士がどんだけ凄いか分からんからなあ」
「あ、そうですよね。ごめんなさい私ったら。ええと、召喚術っていうのはこの世ならざる場所からモンスターを召喚する魔術なんです。だから何となく気づいてるかもしれないですけど…ここはラン君がいたところとは違う世界です」
「異世界ってやつか」
「ずいぶん飲み込みが早いですね」
「俺らの世界じゃそういう話はゴロにあるからな」
「そうなんですか!?じゃあ私の伝記なんかもあったりしてえへへ」
「ない。話を続けてくれ」
「しょぼん…それで私あの火竜に出くわしたから、モンスターを召喚して闘おうとしたんです。」
「それで出てきたのが俺だったと?」
「そうです…私たまーに、本当にたまーにですよ!?失敗しちゃうんです…頑張って召喚したらスヤスヤ眠りこけた異国のヒョロガキが出てくるもんだから…」
「異国のヒョロガキで悪かったな。で、俺が元の世界に帰る方法はあるのか?」
「ありません…」
「…」
「そんな目で見ないでください!それに感謝して欲しいくらいですよ」
「あぁん?感謝ぁ?」
「ヒッ…召喚したモンスターは普通、すぐ消しちゃうんですよ。だからラン君を維持するために今も魔力を使い続けてるんですよ」
「そりゃありがてぇこって」
「召喚士はモンスターを同時に2匹以上従えられないんですよ!つまりあなたがいる間、召喚士としての私は死んだも同然…」
シュアリーはしばらく俯いた後、何か思いついたかのようにニヤリと笑った。
「そういえばラン君…あなた火竜を追い払い、致命傷の私を癒すほどには魔力に長けているようですねえ」
「どうやらそのようだな」
「ならばラン!私の召喚獣となって戦いなさい!」
「嫌だ」
「今すぐにあなたを消してやることもできるんですよ~」
(うざい…でも他に道がない)
「…分かったよ」
「やったー!これから私はラン君の主人よ!よろしくね」
差し出された右手に、握手を、全力の力で握手を返した。
「痛い痛い痛い痛い痛い!!!」
「末長くよろしくな。へっぽこ召喚士さん」
涙目になってきたところで離してやった。
「はー…はー…私は命の恩人だよ!?」
「お互い様だろ」
「それもそうね。あ、そうそう、あなたのステータスを見せてくれないかしら」
「別にいいぞ」
「それじゃ失礼して…ってでりゃあああああああ!?」
「どうした急に!?乙女らしからぬ声を…」
「何よこのステータス!炎魔法Lv.221…氷魔法Lv.263…治癒魔法Lv.185…召喚魔法Lv.1091…!?あわわわわわわ」
「凄いのか?」
「参考までに…私の召喚魔法はLv.25よ」
「…お前が低いだけな気がするけど」
「違わい!…そりゃ他の召喚士と比べればちびっと低いけど…でも普通3桁4桁なんて行かないの!」
「てことは俺は一流召喚士ってことか」
「一流も何も…全てのステータスが世界一なくらいよ」
「じゃあ何とかすれば元の世界に帰れるくらいの力はあるんじゃないか」
「それは…いや、もしかしたらラン君なら出来るかもしれない」
「本当か?」
「ええ、それじゃ偉大なる大召喚士のシュアリー様があなたの師となりましょう!」
「ああ、よろしくな。Lv.25さん」
「人をレベルで呼ぶな!…まあ宜しい。私が教えられることは召喚術のみです。でもラン君が元の世界に帰るのには召喚術が必要不可欠でしょう。ホッホッホ」
「手っ取り早く教えてくれ」
「ずばり!召喚術でいちばん大切なものはイメージよ」
「イメージ?」
「召喚する別世界からのモンスターの姿、それを強くイメージすること。それが形にして呼び出すのが召喚術よ。早速やってみなさい!」
「いきなりだな。イメージか…」
(いきなり別世界のモンスターって言われてもな…なるべく凶暴なやつがいい。最近会った凶暴なモンスターと言えばあの竜と、あとは…)
『インスタントサモン』
地面に紫色の魔法陣が現れる。その直後、シュアリーの足元にも同じ魔法陣が浮かび上がった。
「へ?」
ゆっくりとシュアリーが足元に沈んでいく
「ちょっとちょっと!!!どういうことよこれ!!!」
(あ、やべ…召喚の直前にこいつのことを思い浮かべちまった)
「あーれー!お助けえええ!!!」
頭まで完全に沈みきったと思ったら、もうひとつの魔法から声が聞こえた。そしてゆっくりと浮かび上がってくる。
「どういうこと!どうなってるの!」
「すまん。お前を召喚しちまったみたいだ」
「わ、私を!?そっか…あなたにとって私は異世界のモンスターだから…って、誰がモンスターよ!」
「失敗だな、もう1回やってみるか…」
「待って!」
「え?」
「言ったでしょう…?召喚士はモンスターを同時に2匹以上従えられない。もう1度召喚しようとしたら私は消えちゃう…と思う」
「1つ質問していいか?」
「な、なによ」
「もし召喚士が死ん…消えたら、召喚しているモンスターはどうなるんだ?」
「消えるわね」
「ちっ」
「何で舌打ち…ってまさか!?あなた私を消そうとしたわね!?」
「お前が消えるとお前に召喚された俺も消える。そして俺が消えると…」
「あなたに召喚された私が消えるって…何なのよこの状況は!」
「こっちのセリフだ!家で寝てたら急に異世界に召喚されて。あまつさえへっぽこ召喚士と一蓮托生にされるんだぞ!」
「誰がへっぽこ…いや、喧嘩は止めましょう。私たちはこれから否が応でも一緒にいることになるの」
そういって再び右手が差し出される。
「(不本意だけど)よろしくね!ラン君!」
差し出された右手に本日2度目の、全力の握手を返した。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛あああい!!!!!」
森の中でシュアリーの悲鳴がこだましている。
(やれやれ、これから俺はどうなっちまうんだ…)
かくして、最強の異世界人とへっぽこ召喚士の、一蓮托生旅物語が始まることとなった…
尋常でなく切迫した声に、朝に弱い俺でも思わず飛び起きた。
目を開けると、18歳の俺と同い年か少し下くらいの白髪の女が覗き込んで来た。
「だ、だれ…って!ここはどこだ!」
「説明は後です!あいつから逃げてください!」
「あいつって…う、うわああああああああ!!!ド、ドド、ドラゴン!?」
俺たちの前方20m程に、一軒家ほどの大きさもあろう真紅の竜がこちらを見つめていた。
「な、なんだよ…あれ。これ…ゆ…めか…?」
腰を抜かして震えていると、竜が大きく息を吸い込むのが見えた。
…直後
「あぶない!!!」
女が、俺の体を突き飛ばした。
竜の口からは衝撃波のようなものが発せられる。
一瞬で木々を薙ぎ倒し、さっきまで俺がいた場所…今そこにいる女がモロに衝撃波を喰らった。
女の体は吹き飛び、木にぶつかって止まった。
気絶…もしくは死んでいるのか、女はピクリとも動かない。
縋るように女の方に這っていこうとすると、後ろから竜の咆哮が聞こえた。
もう1度あれが来る。
俺は我武者羅に手を竜の方に突き出すと、
『クライオブロー』
脳内に声が響き、竜の元へ凍てつく風が吹いた。
(何だこれ!?いや、何でもいい、とにかく竜は逃げたみたいだ。それよりあの女!)
飛ばされた女の方へ駆け寄って行く。
「おい!大丈夫か?」
口元に耳を近づけると、微かに息をしていることは分かった。
ただ傷は深く、至る所から出血をしている。
(どうにか、俺になにか出来ないか?)
俺は先程の出来事を思い出し、真似るように腕を前に突き出した。すると、
『リグジスト』
女の体が緑の光に包まれ、傷口が塞がれている。
(これは、俺の力なのか?)
「ん…んん…」
女の目が開き、ゆっくりと起き上がった。
「良かった!目覚めてくれたか…」
「あなたは…はっ!火竜は!?」
「あの竜のことなら逃げていった。安心してくれ」
「あの竜を!?うっ…!」
「急に起き上がっちゃダメだ。まだ完治した訳じゃない」
「完治って…治癒魔法もあなたが?」
「魔法なのか…よく分からないが。とにかく安静にしていてくれ」
「火竜を追い払って傷を治すほどの…信じられない…」
「聞きたいことは色々あるが…まず、俺の名前は爛(らん)だ。君は?」
「シュアリー・ヴァーリミオンです」
予想はしていたが恐ろしく異国じみた名前だ。ここが日本でないことは明らかになった。
「とりあえず…俺はどうしてこんなところにいるんだ?」
聞くと、女…シュアリーはバツの悪そうな顔をした。
「ええと…あの、私は…召喚士でして…」
「いや、召喚士といってもアレですよ!?まだ全然ひよっこっていうか…だから全然凄いって程ではないんですけど」
「この世界で召喚士がどんだけ凄いか分からんからなあ」
「あ、そうですよね。ごめんなさい私ったら。ええと、召喚術っていうのはこの世ならざる場所からモンスターを召喚する魔術なんです。だから何となく気づいてるかもしれないですけど…ここはラン君がいたところとは違う世界です」
「異世界ってやつか」
「ずいぶん飲み込みが早いですね」
「俺らの世界じゃそういう話はゴロにあるからな」
「そうなんですか!?じゃあ私の伝記なんかもあったりしてえへへ」
「ない。話を続けてくれ」
「しょぼん…それで私あの火竜に出くわしたから、モンスターを召喚して闘おうとしたんです。」
「それで出てきたのが俺だったと?」
「そうです…私たまーに、本当にたまーにですよ!?失敗しちゃうんです…頑張って召喚したらスヤスヤ眠りこけた異国のヒョロガキが出てくるもんだから…」
「異国のヒョロガキで悪かったな。で、俺が元の世界に帰る方法はあるのか?」
「ありません…」
「…」
「そんな目で見ないでください!それに感謝して欲しいくらいですよ」
「あぁん?感謝ぁ?」
「ヒッ…召喚したモンスターは普通、すぐ消しちゃうんですよ。だからラン君を維持するために今も魔力を使い続けてるんですよ」
「そりゃありがてぇこって」
「召喚士はモンスターを同時に2匹以上従えられないんですよ!つまりあなたがいる間、召喚士としての私は死んだも同然…」
シュアリーはしばらく俯いた後、何か思いついたかのようにニヤリと笑った。
「そういえばラン君…あなた火竜を追い払い、致命傷の私を癒すほどには魔力に長けているようですねえ」
「どうやらそのようだな」
「ならばラン!私の召喚獣となって戦いなさい!」
「嫌だ」
「今すぐにあなたを消してやることもできるんですよ~」
(うざい…でも他に道がない)
「…分かったよ」
「やったー!これから私はラン君の主人よ!よろしくね」
差し出された右手に、握手を、全力の力で握手を返した。
「痛い痛い痛い痛い痛い!!!」
「末長くよろしくな。へっぽこ召喚士さん」
涙目になってきたところで離してやった。
「はー…はー…私は命の恩人だよ!?」
「お互い様だろ」
「それもそうね。あ、そうそう、あなたのステータスを見せてくれないかしら」
「別にいいぞ」
「それじゃ失礼して…ってでりゃあああああああ!?」
「どうした急に!?乙女らしからぬ声を…」
「何よこのステータス!炎魔法Lv.221…氷魔法Lv.263…治癒魔法Lv.185…召喚魔法Lv.1091…!?あわわわわわわ」
「凄いのか?」
「参考までに…私の召喚魔法はLv.25よ」
「…お前が低いだけな気がするけど」
「違わい!…そりゃ他の召喚士と比べればちびっと低いけど…でも普通3桁4桁なんて行かないの!」
「てことは俺は一流召喚士ってことか」
「一流も何も…全てのステータスが世界一なくらいよ」
「じゃあ何とかすれば元の世界に帰れるくらいの力はあるんじゃないか」
「それは…いや、もしかしたらラン君なら出来るかもしれない」
「本当か?」
「ええ、それじゃ偉大なる大召喚士のシュアリー様があなたの師となりましょう!」
「ああ、よろしくな。Lv.25さん」
「人をレベルで呼ぶな!…まあ宜しい。私が教えられることは召喚術のみです。でもラン君が元の世界に帰るのには召喚術が必要不可欠でしょう。ホッホッホ」
「手っ取り早く教えてくれ」
「ずばり!召喚術でいちばん大切なものはイメージよ」
「イメージ?」
「召喚する別世界からのモンスターの姿、それを強くイメージすること。それが形にして呼び出すのが召喚術よ。早速やってみなさい!」
「いきなりだな。イメージか…」
(いきなり別世界のモンスターって言われてもな…なるべく凶暴なやつがいい。最近会った凶暴なモンスターと言えばあの竜と、あとは…)
『インスタントサモン』
地面に紫色の魔法陣が現れる。その直後、シュアリーの足元にも同じ魔法陣が浮かび上がった。
「へ?」
ゆっくりとシュアリーが足元に沈んでいく
「ちょっとちょっと!!!どういうことよこれ!!!」
(あ、やべ…召喚の直前にこいつのことを思い浮かべちまった)
「あーれー!お助けえええ!!!」
頭まで完全に沈みきったと思ったら、もうひとつの魔法から声が聞こえた。そしてゆっくりと浮かび上がってくる。
「どういうこと!どうなってるの!」
「すまん。お前を召喚しちまったみたいだ」
「わ、私を!?そっか…あなたにとって私は異世界のモンスターだから…って、誰がモンスターよ!」
「失敗だな、もう1回やってみるか…」
「待って!」
「え?」
「言ったでしょう…?召喚士はモンスターを同時に2匹以上従えられない。もう1度召喚しようとしたら私は消えちゃう…と思う」
「1つ質問していいか?」
「な、なによ」
「もし召喚士が死ん…消えたら、召喚しているモンスターはどうなるんだ?」
「消えるわね」
「ちっ」
「何で舌打ち…ってまさか!?あなた私を消そうとしたわね!?」
「お前が消えるとお前に召喚された俺も消える。そして俺が消えると…」
「あなたに召喚された私が消えるって…何なのよこの状況は!」
「こっちのセリフだ!家で寝てたら急に異世界に召喚されて。あまつさえへっぽこ召喚士と一蓮托生にされるんだぞ!」
「誰がへっぽこ…いや、喧嘩は止めましょう。私たちはこれから否が応でも一緒にいることになるの」
そういって再び右手が差し出される。
「(不本意だけど)よろしくね!ラン君!」
差し出された右手に本日2度目の、全力の握手を返した。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛あああい!!!!!」
森の中でシュアリーの悲鳴がこだましている。
(やれやれ、これから俺はどうなっちまうんだ…)
かくして、最強の異世界人とへっぽこ召喚士の、一蓮托生旅物語が始まることとなった…
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