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第2章 妖精さんとハーレム宣言
ウルトラハイテンションな妖精さん
エミーとの熱い夜を過ごし、俺は自室へ戻って就寝した。
流石に公爵令嬢の部屋にお泊まりするわけにはいかないからな。
幸せいっぱいの気持ちで眠りについた俺だったが、深夜も深夜……エミーとの熱い夜が夢の中で反芻し始めた頃……。
突如として頭の中にけたたましくて甲高い声が鳴り響き、俺は慌てて飛び起きた。
『パンパカパーーーンッ♪ 腰パンパーンッ!!!』
「どわっ」
ドズンッ
「いってぇえええっ! な、なんだ今のは……?」
凄まじい音が鼓膜を突き刺し、ベッドから転げ落ちてしまう。
転げ落ちて強打した腰が非常に痛い。
こういう所ではステータスは効いてくれないのかな?
『おめでとうございますっ■■■さんっ! ついにエロ同人に覚醒されましたね~~』
「い、一体なんだ? なんの声だっ⁉」
ドンドンドンッ
『シビルッ、今の声は何ッ⁉』
俺の叫び声に驚いたのか、扉の外から兄の声が聞こえてくる。
扉を開けると三人兄弟のうちの二番目の兄が心配そうにやってきてくれた。
俺と違って綺麗な顔立ちの彼は、親兄弟にすら蔑まされている俺を心配してくれる唯一の肉親だ。
彼はこのサウザンドブライン領の領事館で働いており、俺は兄さんの計らいで領事館の生活スペースに部屋を与えられていた。
以前は学生寮に入っていたのだが、俺があまりにも陰惨なイジメを受けるので、こちらに呼んでくれたのだ。
おかげで学園からは少し遠くなったが、エミーの住んでいる領主のお屋敷が比較的近い場所にあるし、家にいる間は気楽だしでいい事尽くめだった。
「ごめんライハル兄さん。ちょっと寝ぼけただけだよ」
「そうか。何か悩みがあるなら相談してくれよ」
「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。お休み」
「お休みシビル」
うちには長男のサーブル。次男のライハル。三男の俺。
そして姉が2人いる。
長男は実家で父上と共に小さな領地を納める領主の仕事を手伝っており、姉2人はここから少し離れたフェアリール王国の王都の貴族に嫁いでいる。
そして次男のライハル兄さんが領事館での仕事をして実家の家計を助けているのだ。
どいつもこいつもブタゴブリンと呼ばれた俺を蔑み、一家の恥として爪弾きにしていた。
その中で二番目の兄であるライハル兄さんだけは、幼い頃から俺を庇って色々と骨を折ってくれた人だ。
彼がいなければ俺はとっくに家出をするか、自殺するかのどっちかだっただろう。
「っと、それはともかく、さっきの声は一体なんだ? 夢にしてはとんでもない音量だったぞ?」
『おーい、こっちですよこっち』
俺以外誰もいない筈の部屋で女の声がしてギョッとする。
思わずまた叫びそうになったが、一つの答えに思い当たってギリギリで口元を押さえた。
異世界に来てまで心霊体験とか勘弁してほしかったが、そういう訳でもないらしい。
「こっちって、どこだ……って、ええっ⁉」
再びの大声。慌てて口を噤み、しばらく扉に注意を払う。
どうやらライハル兄さんが心配して再びやってくることは無さそうだった。
改めて見やると、ベッドの枕元にぼんやりと光る小さな人間が手を振っているではないか。
「ぅぉ……ま、まさか、妖精族?」
妖精、という種族がいる。但し、ゲームの中じゃ遙か昔に絶滅してしまい、幻の種族と言われていた。
小さな羽根にファンシーな姿。
スリングショットと呼ばれるエロいデザイン水着みたいな紐を着用した小さな妖精は、背中に生えている羽根をパタパタさせながらゆっくりと浮かび上がった。
『はいはーいっ! お察しの通りの妖精族さんでーす♪ 初めまして■■■さんっ! 私、妖精族のミルメットって言いまーす。これからよろしくでーす☆ きゃぴ♡』
なんだかあまりにも奇妙奇天烈なハイテンションを目の当たりにし、すっかり頭の中がピンクのお花畑でいっぱいになってしまう。
ようするに情報処理が追いつかなくて言葉を失ってしまったのである。
二の句が継げない、あるいは絶句というのはこういう状態のことをいうのだろう。
『おやおやぁ~? このミルメットちゃんのあまりのキュートでビューティな艶姿に言葉も出ませんかぁ? 仕方ないですよねぇ、私めっちゃ可愛いんで☆』
「アホかっ。呆れてんだよっ。っとと。……(あんた何者だ?)」
俺はまた大声で怒鳴りそうになって慌てて小声になる。
確かに自画自賛をするだけあって、この妖精の容姿はかなりのものだった。
明るいグリーン色のロングヘアはサイドテールに結ばれ、顔立ちもよく見れば非常に整っていて可愛らしい。
等身大の人間換算ならマド花ヒロインにも匹敵する美少女だった。そして格好がエロい。
『申し上げた通り、妖精族のミルメットちゃんですってばぁ。ひょっとして頭悪いんですか?』
「テメェが変なテンションでいきなり大声出すからだろうが。っていうか、もう少し静かにしゃべれよ。兄さんや使用人が気が付いたらどうするんだ?」
うちの父上にでも見つかったら国王への献上品として取っ捕まえられるに違いない。
今はいないが、たまに王都での仕事の帰りついでにやってくる時はこの屋敷で過ごすのだ。
こいつが何者か分からないが、俺の転生に関わっている人物(妖物?)であることは間違いないので、彼女の存在は秘匿したかった。
『あ、ご心配なく。私の声は■■■さんにしか聞こえませんので』
「なんだ? ノイズがかかったみたいに妙な雑音で聞き取れないぞ」
『ありゃ? そっか。すみません。あなたの前世でのお名前を呼んだのですが、転生した際に向こうの世界とのリンクが切れたので発音できないみたいです。シビルさんとお呼びしましょう』
恐らく俺の名前を呼んだと思われる部分にノイズがかかって上手く聞き取れない。
前世の名前を思い出すチャンスだったが、重要じゃないのでスルーした。
「なるほど。よく分からないが、あんたが俺を転生させ、なおかつエロ同人とかいう妙ちくりんなギフトスキルを授けた張本人ってところか?」
とにかく彼女の声が外に漏れることはないらしいと知り、小声でミルメットと話をすることにした。
『理解がマッハで助かります~。ただ、正確に言うと私は、あなたを転生させた存在の遣いとしてやってきた者なんです』
「本人じゃないってことか」
『はいです。私の役目は覚醒したばかりで混乱されているであろうシビルさんのサポートをするように仰せつかりまして。こうしてシビルさんの魂の中に身を潜めていたんです』
「なるほど。魂の中ってのがちょっと怖いが、あれか? スキルが覚醒したから君も目を覚ましたとか、そういう感じ?」
『いやぁ凄いですねぇ。シビルさんの理解力ッパネェっす☆』
なんだか喋り方がトンチキでいちいち思考が停止してしまいそうになる。
こいつのペースに飲まれてはダメだ。
「そんじゃあ色々聞きたいことがある。答えてもらっていいか?」
『お任せくだせぇ旦那☆ 何から答えましょうか? スリーサイズはもっと親密度を上げてから――』
「いや興味ないからいい」
『ミルメットちゃんショーックッ』
話が進まねぇ……。
流石に公爵令嬢の部屋にお泊まりするわけにはいかないからな。
幸せいっぱいの気持ちで眠りについた俺だったが、深夜も深夜……エミーとの熱い夜が夢の中で反芻し始めた頃……。
突如として頭の中にけたたましくて甲高い声が鳴り響き、俺は慌てて飛び起きた。
『パンパカパーーーンッ♪ 腰パンパーンッ!!!』
「どわっ」
ドズンッ
「いってぇえええっ! な、なんだ今のは……?」
凄まじい音が鼓膜を突き刺し、ベッドから転げ落ちてしまう。
転げ落ちて強打した腰が非常に痛い。
こういう所ではステータスは効いてくれないのかな?
『おめでとうございますっ■■■さんっ! ついにエロ同人に覚醒されましたね~~』
「い、一体なんだ? なんの声だっ⁉」
ドンドンドンッ
『シビルッ、今の声は何ッ⁉』
俺の叫び声に驚いたのか、扉の外から兄の声が聞こえてくる。
扉を開けると三人兄弟のうちの二番目の兄が心配そうにやってきてくれた。
俺と違って綺麗な顔立ちの彼は、親兄弟にすら蔑まされている俺を心配してくれる唯一の肉親だ。
彼はこのサウザンドブライン領の領事館で働いており、俺は兄さんの計らいで領事館の生活スペースに部屋を与えられていた。
以前は学生寮に入っていたのだが、俺があまりにも陰惨なイジメを受けるので、こちらに呼んでくれたのだ。
おかげで学園からは少し遠くなったが、エミーの住んでいる領主のお屋敷が比較的近い場所にあるし、家にいる間は気楽だしでいい事尽くめだった。
「ごめんライハル兄さん。ちょっと寝ぼけただけだよ」
「そうか。何か悩みがあるなら相談してくれよ」
「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。お休み」
「お休みシビル」
うちには長男のサーブル。次男のライハル。三男の俺。
そして姉が2人いる。
長男は実家で父上と共に小さな領地を納める領主の仕事を手伝っており、姉2人はここから少し離れたフェアリール王国の王都の貴族に嫁いでいる。
そして次男のライハル兄さんが領事館での仕事をして実家の家計を助けているのだ。
どいつもこいつもブタゴブリンと呼ばれた俺を蔑み、一家の恥として爪弾きにしていた。
その中で二番目の兄であるライハル兄さんだけは、幼い頃から俺を庇って色々と骨を折ってくれた人だ。
彼がいなければ俺はとっくに家出をするか、自殺するかのどっちかだっただろう。
「っと、それはともかく、さっきの声は一体なんだ? 夢にしてはとんでもない音量だったぞ?」
『おーい、こっちですよこっち』
俺以外誰もいない筈の部屋で女の声がしてギョッとする。
思わずまた叫びそうになったが、一つの答えに思い当たってギリギリで口元を押さえた。
異世界に来てまで心霊体験とか勘弁してほしかったが、そういう訳でもないらしい。
「こっちって、どこだ……って、ええっ⁉」
再びの大声。慌てて口を噤み、しばらく扉に注意を払う。
どうやらライハル兄さんが心配して再びやってくることは無さそうだった。
改めて見やると、ベッドの枕元にぼんやりと光る小さな人間が手を振っているではないか。
「ぅぉ……ま、まさか、妖精族?」
妖精、という種族がいる。但し、ゲームの中じゃ遙か昔に絶滅してしまい、幻の種族と言われていた。
小さな羽根にファンシーな姿。
スリングショットと呼ばれるエロいデザイン水着みたいな紐を着用した小さな妖精は、背中に生えている羽根をパタパタさせながらゆっくりと浮かび上がった。
『はいはーいっ! お察しの通りの妖精族さんでーす♪ 初めまして■■■さんっ! 私、妖精族のミルメットって言いまーす。これからよろしくでーす☆ きゃぴ♡』
なんだかあまりにも奇妙奇天烈なハイテンションを目の当たりにし、すっかり頭の中がピンクのお花畑でいっぱいになってしまう。
ようするに情報処理が追いつかなくて言葉を失ってしまったのである。
二の句が継げない、あるいは絶句というのはこういう状態のことをいうのだろう。
『おやおやぁ~? このミルメットちゃんのあまりのキュートでビューティな艶姿に言葉も出ませんかぁ? 仕方ないですよねぇ、私めっちゃ可愛いんで☆』
「アホかっ。呆れてんだよっ。っとと。……(あんた何者だ?)」
俺はまた大声で怒鳴りそうになって慌てて小声になる。
確かに自画自賛をするだけあって、この妖精の容姿はかなりのものだった。
明るいグリーン色のロングヘアはサイドテールに結ばれ、顔立ちもよく見れば非常に整っていて可愛らしい。
等身大の人間換算ならマド花ヒロインにも匹敵する美少女だった。そして格好がエロい。
『申し上げた通り、妖精族のミルメットちゃんですってばぁ。ひょっとして頭悪いんですか?』
「テメェが変なテンションでいきなり大声出すからだろうが。っていうか、もう少し静かにしゃべれよ。兄さんや使用人が気が付いたらどうするんだ?」
うちの父上にでも見つかったら国王への献上品として取っ捕まえられるに違いない。
今はいないが、たまに王都での仕事の帰りついでにやってくる時はこの屋敷で過ごすのだ。
こいつが何者か分からないが、俺の転生に関わっている人物(妖物?)であることは間違いないので、彼女の存在は秘匿したかった。
『あ、ご心配なく。私の声は■■■さんにしか聞こえませんので』
「なんだ? ノイズがかかったみたいに妙な雑音で聞き取れないぞ」
『ありゃ? そっか。すみません。あなたの前世でのお名前を呼んだのですが、転生した際に向こうの世界とのリンクが切れたので発音できないみたいです。シビルさんとお呼びしましょう』
恐らく俺の名前を呼んだと思われる部分にノイズがかかって上手く聞き取れない。
前世の名前を思い出すチャンスだったが、重要じゃないのでスルーした。
「なるほど。よく分からないが、あんたが俺を転生させ、なおかつエロ同人とかいう妙ちくりんなギフトスキルを授けた張本人ってところか?」
とにかく彼女の声が外に漏れることはないらしいと知り、小声でミルメットと話をすることにした。
『理解がマッハで助かります~。ただ、正確に言うと私は、あなたを転生させた存在の遣いとしてやってきた者なんです』
「本人じゃないってことか」
『はいです。私の役目は覚醒したばかりで混乱されているであろうシビルさんのサポートをするように仰せつかりまして。こうしてシビルさんの魂の中に身を潜めていたんです』
「なるほど。魂の中ってのがちょっと怖いが、あれか? スキルが覚醒したから君も目を覚ましたとか、そういう感じ?」
『いやぁ凄いですねぇ。シビルさんの理解力ッパネェっす☆』
なんだか喋り方がトンチキでいちいち思考が停止してしまいそうになる。
こいつのペースに飲まれてはダメだ。
「そんじゃあ色々聞きたいことがある。答えてもらっていいか?」
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