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33 一大事
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フェルの持ちこんだ話により、ミリア達一同はもう一度宿の一階に集まった。
フェルは深刻な顔で手紙を机の上に広げる。
「先程王都の友人から届いた情報だ。この町に寄ることになると思っていたから、なにかあれば連絡をくれと伝えておいたんだ。手紙の内容を要約するとだな……俺の兄が捕らえられた。そして三日後に王都にて処刑される」
「えっ、そんな!」
手で口を押さえたミリアをなだめるように、アルトが肩を支えてくれた。アルトは真剣な顔でフェルに聞き返す。
「お兄さんって、エルトポルダの方? それともサルダ地方の別荘の方?」
「別荘の方のボルドウィン兄上だ。元々王都から逃げてきたこともあって、睨まれていたらしい。最近ボルドウィン兄上とは文のやりとりをしていたせいだろうか、居場所が突き止められて、王立騎士団が兄上を捕らえた。すでに王都に連れ去られた後だ」
フェルは常にない様子で焦りを顔に浮かべ、落ち着かないのか指先で机をトントンと叩いている。
「クッ、油断した……もう少し俺が手紙の出し方に気を配っていれば……」
フェルは険しい顔で手紙を机に押さえつけている。レイも拳を握りしめて憤慨していた。
「許せねえよ、あんな上手いメシを食わせてくれた人を処刑するなんて。今すぐ助けに行こうぜ」
「処刑……リリエルシア、ついに貴族の血まで石にする気?」
ラジェが青ざめた顔でポツリとつぶやいた。その声は怒りからくるものなのか、それとも恐れなのかはわからないが震えている。
「もう一刻の猶予もない。今夜作戦を立てて、明日にでも出立しよう。女王の暴挙をこれ以上指を咥えて見ていてなるものか!」
フェルが聞いたことのない大声で激昂している。アルトが冷静な声でそれを止めた。
「待って。行くとしても綿密に作戦を立ててからだ。正直、俺達が女王を止める道筋は、今の俺には思いつけない……フェルはなにかいい案ある?」
「王立騎士団には女王に不満を抱く者も多い。その者達と一斉に蜂起すれば、城の雑兵くらいは蹴散らせるだろう」
「確かにそうだね。その後は?」
フェルはぐぬぬと唸った。
「正直、お前たち法術師を間近で観察していて、その卑怯なやり口にただの騎士である俺が勝てる見込みは少ないと言っていい」
「卑怯だなんて失礼な。これも戦法の一つだよ」
フェルはアルトの言い分をまるっと無視して話を続けた。
「法術師には法術師をぶつけるのが、一番勝機があると俺は考えるのだが、どうだ?」
「それは正しい考え方だと俺も思うよ。向こうがほぼ無制限に法術を使えるのに、こっちはそうはいかないという前提がなければね」
アルトリオは腕を組んで考えこんでいる。ミリアはあの不気味な赤法石のことを思いだしていた。
「あの赤い法石を、私達も使うわけにはいかないの?」
「駄目。石の使用者も死者の生命力を奪いとったことになり、理を越え理性を無くしてしまう」
ラジェが即座に否定する。だったら、他に打つ手は……ミリアは胸元のペンダントを見下ろした。
ペンダントは変わることなく、温かな黄色い光を発している。なにか特別なことは起こりそうになかった。
「見捨てるわけにはいかない、向かうべきだ、それはわかる……わかるけれど、他になにかできることはない? このままじゃ全滅もあり得る」
アルトの苦悩混じりの声に、みんなで真剣に思案する。そんな張り詰めた空気の中で、一人ミリアは違うことで緊張していた。
アルトの手が、肩に……ずっとあるんだけど、どうしよう、私最近髪を洗えてなかったけど、臭くないよね!?
さっきまで話をしていたからそこまで気にならなかったけど、みんなが黙っちゃうと余計に緊張してきた! あわわわわ……
「ミリア、そんなにうつむいてどうしたの?」
「へっ!? なんでもないよ……! その、私臭くないか気になっちゃって、あっ! たまたまだからね!? 最近忙しかったからたまたま数日洗えてないだけで、いつもはもっとキチンとしてるから!」
テンパりすぎて自らどんどん墓穴を掘っていくミリア。アルトはふと表情を緩めた。
「ミリアからはいつもいい匂いがしているよ」
「うっ!? よかったありがとうでも気になっちゃうというか、とにかくもうちょっと離れて……」
「こんな真面目な話してるときにふざけてんじゃねえよミリア……って、待てよ? 臭いか……使えるんじゃね?」
レイがニヤリとほくそ笑む。
「臭い動物のフンでも投げてやったら、女王サマも怯むんじゃね? 予見して当たらなかったとしても臭えのは変わらねえし、なんか効果あるかも」
「その場合、フンを投げた側にも臭いが漂ってくるよね? 味方の集中力まで乱しそうだなあ」
「却下」
「王城を排泄物で汚そうとするんじゃない。その案は使えんな」
「ちぇ、いい案だと思ったのにな」
レイのおかげで別の話題に移り、さりげなく肩からも手を離してもらえてミリアはホッとした。
その後も特に効果的な案は出てこなかったものの、ミリアの発言で王都や王城は思ったより法術が使えると再確認したり、ラジェが王城の地図を書き起こしてくれたり、フェルの味方が勤めているであろう場所をみんなで把握して情報共有に努めた。
さらに、レイは鍵開けが大の得意だということで、牢に閉じこめられている人々の解放が任せられそうだということもわかった。
「今できることはこのくらいか……あとはぶっつけ本番でやるしかないね」
「女王の行いを正す。必ずだ」
「俺も加勢するぜ」
「うん、行こう」
無言で頷いたラジェの表情からは、強い決意が読みとれた。
作戦はこうだ。まずはこれから夜を明かした後、王都に移動しフェリックスが日中走りまわって味方に根回しをする。
その間に、アルトリオは作りかけの法石を完成させ、ミリアはペンダントの発動条件を調べながら法術の自主練習、ラジェは隠密行動で敵城視察、レイヤードは物資の調達と対人用の罠作りを請負うことになった。
「ラジェとフェルがとても危険な役回りを担うことになる。くれぐれも無理はしないで、危ないと思ったらすぐにその場から離脱することを約束して」
「わかった、無理はしない」
「お前に言われずとも引き際くらい心得ているぞ」
話はまとまった。後はしっかり休んで王都に向かうだけだ。
ミリアは窓の外に視線を向けた。雪はまだチラチラと降っていて、厚い雲が空中を覆ったままだった。
フェルは深刻な顔で手紙を机の上に広げる。
「先程王都の友人から届いた情報だ。この町に寄ることになると思っていたから、なにかあれば連絡をくれと伝えておいたんだ。手紙の内容を要約するとだな……俺の兄が捕らえられた。そして三日後に王都にて処刑される」
「えっ、そんな!」
手で口を押さえたミリアをなだめるように、アルトが肩を支えてくれた。アルトは真剣な顔でフェルに聞き返す。
「お兄さんって、エルトポルダの方? それともサルダ地方の別荘の方?」
「別荘の方のボルドウィン兄上だ。元々王都から逃げてきたこともあって、睨まれていたらしい。最近ボルドウィン兄上とは文のやりとりをしていたせいだろうか、居場所が突き止められて、王立騎士団が兄上を捕らえた。すでに王都に連れ去られた後だ」
フェルは常にない様子で焦りを顔に浮かべ、落ち着かないのか指先で机をトントンと叩いている。
「クッ、油断した……もう少し俺が手紙の出し方に気を配っていれば……」
フェルは険しい顔で手紙を机に押さえつけている。レイも拳を握りしめて憤慨していた。
「許せねえよ、あんな上手いメシを食わせてくれた人を処刑するなんて。今すぐ助けに行こうぜ」
「処刑……リリエルシア、ついに貴族の血まで石にする気?」
ラジェが青ざめた顔でポツリとつぶやいた。その声は怒りからくるものなのか、それとも恐れなのかはわからないが震えている。
「もう一刻の猶予もない。今夜作戦を立てて、明日にでも出立しよう。女王の暴挙をこれ以上指を咥えて見ていてなるものか!」
フェルが聞いたことのない大声で激昂している。アルトが冷静な声でそれを止めた。
「待って。行くとしても綿密に作戦を立ててからだ。正直、俺達が女王を止める道筋は、今の俺には思いつけない……フェルはなにかいい案ある?」
「王立騎士団には女王に不満を抱く者も多い。その者達と一斉に蜂起すれば、城の雑兵くらいは蹴散らせるだろう」
「確かにそうだね。その後は?」
フェルはぐぬぬと唸った。
「正直、お前たち法術師を間近で観察していて、その卑怯なやり口にただの騎士である俺が勝てる見込みは少ないと言っていい」
「卑怯だなんて失礼な。これも戦法の一つだよ」
フェルはアルトの言い分をまるっと無視して話を続けた。
「法術師には法術師をぶつけるのが、一番勝機があると俺は考えるのだが、どうだ?」
「それは正しい考え方だと俺も思うよ。向こうがほぼ無制限に法術を使えるのに、こっちはそうはいかないという前提がなければね」
アルトリオは腕を組んで考えこんでいる。ミリアはあの不気味な赤法石のことを思いだしていた。
「あの赤い法石を、私達も使うわけにはいかないの?」
「駄目。石の使用者も死者の生命力を奪いとったことになり、理を越え理性を無くしてしまう」
ラジェが即座に否定する。だったら、他に打つ手は……ミリアは胸元のペンダントを見下ろした。
ペンダントは変わることなく、温かな黄色い光を発している。なにか特別なことは起こりそうになかった。
「見捨てるわけにはいかない、向かうべきだ、それはわかる……わかるけれど、他になにかできることはない? このままじゃ全滅もあり得る」
アルトの苦悩混じりの声に、みんなで真剣に思案する。そんな張り詰めた空気の中で、一人ミリアは違うことで緊張していた。
アルトの手が、肩に……ずっとあるんだけど、どうしよう、私最近髪を洗えてなかったけど、臭くないよね!?
さっきまで話をしていたからそこまで気にならなかったけど、みんなが黙っちゃうと余計に緊張してきた! あわわわわ……
「ミリア、そんなにうつむいてどうしたの?」
「へっ!? なんでもないよ……! その、私臭くないか気になっちゃって、あっ! たまたまだからね!? 最近忙しかったからたまたま数日洗えてないだけで、いつもはもっとキチンとしてるから!」
テンパりすぎて自らどんどん墓穴を掘っていくミリア。アルトはふと表情を緩めた。
「ミリアからはいつもいい匂いがしているよ」
「うっ!? よかったありがとうでも気になっちゃうというか、とにかくもうちょっと離れて……」
「こんな真面目な話してるときにふざけてんじゃねえよミリア……って、待てよ? 臭いか……使えるんじゃね?」
レイがニヤリとほくそ笑む。
「臭い動物のフンでも投げてやったら、女王サマも怯むんじゃね? 予見して当たらなかったとしても臭えのは変わらねえし、なんか効果あるかも」
「その場合、フンを投げた側にも臭いが漂ってくるよね? 味方の集中力まで乱しそうだなあ」
「却下」
「王城を排泄物で汚そうとするんじゃない。その案は使えんな」
「ちぇ、いい案だと思ったのにな」
レイのおかげで別の話題に移り、さりげなく肩からも手を離してもらえてミリアはホッとした。
その後も特に効果的な案は出てこなかったものの、ミリアの発言で王都や王城は思ったより法術が使えると再確認したり、ラジェが王城の地図を書き起こしてくれたり、フェルの味方が勤めているであろう場所をみんなで把握して情報共有に努めた。
さらに、レイは鍵開けが大の得意だということで、牢に閉じこめられている人々の解放が任せられそうだということもわかった。
「今できることはこのくらいか……あとはぶっつけ本番でやるしかないね」
「女王の行いを正す。必ずだ」
「俺も加勢するぜ」
「うん、行こう」
無言で頷いたラジェの表情からは、強い決意が読みとれた。
作戦はこうだ。まずはこれから夜を明かした後、王都に移動しフェリックスが日中走りまわって味方に根回しをする。
その間に、アルトリオは作りかけの法石を完成させ、ミリアはペンダントの発動条件を調べながら法術の自主練習、ラジェは隠密行動で敵城視察、レイヤードは物資の調達と対人用の罠作りを請負うことになった。
「ラジェとフェルがとても危険な役回りを担うことになる。くれぐれも無理はしないで、危ないと思ったらすぐにその場から離脱することを約束して」
「わかった、無理はしない」
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