僕と私の腐的日常

おみそ*

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僕と彼女の

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朝。
それはそれは、気持ちの良い朝だった。
「んー…。」
僕、津築 真琴は眠たげな声をあげて、思い切り伸びをした。
僕は高校2年生、絶賛青春中…と、言いたいのは山々だが、僕の学校での生活が青春と言えるのかどうかは定かでは無い。
と、何かと自己紹介めいた説明は置いといて、身支度を済ませる。
「…あ、一昨日栞愛に借りた本、持っていかないといけないな…。」
因みに僕が朝食べた物はパン。日本人かなんだか知らないが朝はパンが至高。異論は認める。なにこれ超どうでもいい。
とかなんだかくだらない事を考えていたら、そろそろ学校へ行かなければいけない時間だ。
「いってきまーす。」
授業めんどいなーとか急に台風きて学校休みにならないかなーとかくだらないことを考えていたら、奴に声をかけられた。
「よっす~♪」
こいつは三上 孝介。僕の親友(…なのか?)ということに一応なっているらしい。
「おはよー。お前は今日も朝から元気だな…。」
「ん?真琴は元気ねぇの?恋のお悩みですか~?」
「なにお前ほんとうざい」
「ひでぇ!!」
本当にくだらない会話。これが僕達の登校の様子だ。その後も色々な雑談をしながら、学校に着いた。
「真琴、それじゃーな!」
「おー、またなー」
孝介とは別クラス。最初は本気でがっかりしたが、今となっては別で良かったと思っている。
「あーっ、真琴おはよー!」
まもなく教室に入ると、ある一人の背が小さな女子が僕に声を掛けてきた。
「ねぇねぇ、昨日あの神絵師様が新しいの描いてたよね!ほんと祐季×奏達は最高ですわぁぐへへ」
「汚ぇから涎はやめろ…。でも、あの絵師様描いてたのか…。これは今すぐ見なくては」
「萌えすぎて悶えるからな!覚悟しろぉぃ!」
と、僕はすかさずその絵師様のTwitterをチェックする。
僕が学校生活を青春と言えるかどうかが定かでは無いのは…
そう、腐っているからだ。
腐ってる男子、通称『腐男子』とは、BLが好きで主食にしている男子の事だ。因みにBLとはボーイズラブ、つまり男同士の恋愛と言う事。
男がBL好き?と気持ち悪がられるのが普通。だから、僕は中学時代からの生粋の腐男子だということは固く閉ざしていた。
だが、あることがきっかけで、この背の小さな女子、江口 留美に同士と認定されてしまったのだ。
「ていうかお前、声デカ過ぎ。もう少し静かにしろ」
「あ、さーせんww でも、ほんとに最高だから!早く早く!」
彼女に言われるがまま、その神絵師様のツイートをチェッk……
「…………んんんんんんん」
「だろ?やばいだろ?」
何なんですかこの天使のような絵は。神ですかそうですか。うわほんと眩しい。直視出来ない。
「流石や…もう手が勝手に保存してるよぉ…」
「ふはははは!そうであろう!」
「なんでお前が得意そうなんだよ…」
「あるでしょ?自分の趣味が認められたときとか急に自慢したくなるあの感じ」
「すっごいわかるから否定出来ないのが辛い」
…てなわけで、毎日僕らはこんな酷い会話をしている。いやほんと天使だわ…。今日1日頑張れるわ…。
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