すこし未来の、ほかの地球で。

noriko

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約束と運命の鎖

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『どうだ調子は、朝倉は無事か』
「はい……無事南西部に到着しました。連絡もしましたよ」
『そうか、ありがとう』
民人との電話を終えて、大助はすぐにまた電話をかける。
つながったと思うとすぐに千菜の声が飛び込んできた。
「……俺じゃなかったらどうするんですか、民人君の話いきなりするなんて……」
『こっちはそれくらい把握できるさ。お前の家が贈ってきた最新式の電話機だろうが』
「はいはい、そりゃ失礼しました」
そういえば圭介がそんなことを言っていた。

「それにしても民人君使わなきゃいけないなんて、あんたもまだまだ不自由ですね」
『まあな、でもそれだけであいつを使った訳じゃない。それならお前と二人で行かせたさ、正直今の朝倉ひとりじゃ心許ない』
まったく、この男は……。
自分は頼りにされているのに、大助は何故か腹が立った。
ついムキになってしまう。
「じゃあ、なんで一人で行かせたんですか」
『最初に杏奈を迎えに行くといったのは、あいつだ』
「……?」
わけがわからない。
最初に迎えに行けと言ったのは千菜のほうなはずだ。
こればかりは頭の切れる大助にも理解できなかった。
『……しかしなんだ、朝倉は。保護者どころかお前に懐いてるみたいじゃないか』
話を紛らわすように笑う千菜。
まあ……考えていたって仕方ない。過去に何かあったんだろう。
「ごもっともです。まったく……あいつがあんなにヒトを頼るなんて」
4年前まではまったく思いもしなかった。
そんなことを思われているなんて、民人はまったく知らないだろう。
そもそも、自分がどんな人間であったかも。
『まんざらでもないんだけどな』
そう言う千菜の声は、どこか嬉しそうだった。
「俺もですよ。最近はそれが当たり前だからなんとも思いませんが……最初は気持ち悪いくらいでした」
大助も千菜も、以前は彼の背中を追いかけていたのだ。
彼が記憶をなくしたことで、その立場が逆転する……
奇妙だった。
最高の笑い話かもしれんな、という言葉と共に受話器から聞こえる笑い声が、突然ピタリと止まった。
『そうだ、大助……ついでになるが、圭介に連絡を頼めないか?』
どうやら随分と深刻な話のようだった。
「はい……何ですか?」
『瀬戸の研究員の件だ……丁度朝倉もいなくてよかった。三日後にお願いしたい、と』
「……わかりました。ではまた、情報が入り次第」
受話器を静かに下ろす。
大助は思った。
民人を南西部に向かわせたのは、彼を中央から遠ざけたかったから、というのもあるだろう……と。
「それなら、俺にも協力できるさ」
一度置いた受話器を、もう一度取る。
そして慣れた手つきで番号を押す。
『もしもし……どうした、兄さんから電話なんて』
少しの電子音の後に、聞き慣れた声が飛び込んできた。
「圭介か? 千菜様から伝言だ――…」
 
 
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