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ライブチャット02
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「あぁ、もう、しょうがないなぁ。ちょっと早いけど、例のヤツ行きま~す」
ヘッドセットがズレないように片手で押さえつつ、ソファから身を乗り出して近くのテーブルに置いてあるノートパソコンを操作し、今まで極小で流していたBGMの音量を上げる。
「どう? 音おっきくない、大丈夫?」
音量が適切なレベルまで上がったことを確かめて、BGMを「例のヤツ」へと切り替えた。すぐに曲のイントロが始まる。ちょっと前に流行ったアイドルアニメのテーマソング……と間違えるほどよく似た感じのするポップでリズミカルなインストゥルメンタル。
//おおおお//神曲キタァーーッ//ナイスさくら!//コイツわかってんな//
うちの「なでしこネット」には、優秀なスタッフと言うかソノ界隈の強者がいて、その人たちが作った「権利関係に引っかからないように作られた流行曲っぽいBGM集」という、そうした曲自体がSNSで話題になるような「謎クォリティを誇るシロモノ」が存在する。キャストなら自由に使えて、視聴者からの注目も集めやすいので、うちらと常連さんの間では最大限のリスペクトを込めて「例のヤツ」というスラングで呼ばれていた。
「それじゃ、みんな、こっち見ててね」
曲のサビが始まるタイミングで、再びソファから立ち上がる。からだの位置を調節して、首から下、胸から腰、太ももの辺りまでのラインが画面ちょうどに収まるようにした。
「えっと…こう…かな?」
カメラに向かって半歩近づき、前の方へからだを倒すと、シャツのボタンを開けたところが大きく映る。立てた襟のすぐ下を持って両横へ広げ、胸の谷間がしっかり見えるようにした。
上から順番に、カップのつなぎ目以外のところがシャツの布地で隠れるようにして、ゆっくりとボタンを外していく。
//おっとっと//なになになに?//どうするん?//いきなり脱いじゃう?//
あえてチャットに反応しないで、ボタンを外す動作をひとつひとつ、横目でモニターを見ながら確認する。こういうところを雑にやってしまうと、観ている人たちが興味を削がれて離脱することにもなりかねない。
イチバン下のボタンを外し切ったところで手を止めた。前かがみになっていた姿勢を元へ戻して、まだ下着が見えてしまわないようにシャツの裾を押さえ、少し間をとる。
//見え…てない//寸止め//焦らしテク//上手いね、さくらちゃん//
「チラッ」
みんなの視線が手元へ集まったのを意識しながら、片方の裾を捲って、素早く元へ戻す。
//ライトグリーン //ちょい透けてる//そういうの好き//エッチなヤツ//
「次はこっち」
今度は、反対側の裾を捲って、また素早く元へ戻す。
//そのままキープ//恥ずかしがらんでエエんやで//ひらひらカワイイ//
お気に入りのフリルを褒めてもらったのが嬉しくて、つい、フザケたくなってしまう。ループで流しっぱなしのBGMも、ちょうどダンサブルな間奏部分へ差し掛かったところで、シャツの裾を代わる代わる捲ってチラ見せを繰り返しながら、腰を左右に揺らしてリズムをとった。
//いいねいいね//ノリノリやん//ギャはははは//何それオモロイやん//
からだを動かしているうちに楽しくなってきて、シャツの裾を持ったまま、カメラの前でクルッと一回転を決める。バランスをとるために両腕を開いた瞬間、パンツが丸見えになった。
//見え~//いただきました//今日イチ露出//シコシコシコシコシコシコ//
すっかり調子に乗って、その場で何度もターンを繰り返す。すでに下着を隠す必要もないので、シャツの裾から手を離し、腕を曲げたり伸ばしたりしながら、ノリのいいBGMに合わせて拙いダンスを披露した。
//ヒュ~ッ//破廉恥ダンス//踊り子さんに、手を触れないでください!!//
そろそろ場もあったまって来たようなので、ダンスを止めて、カメラに背中を向けて立つと、シャツの袖から片腕ずつゆっくりと引き抜いていった。袖だけ脱いで、肩の上へ羽織るようにシャツを引っ掛ける。
「みなさん…お待たせしました~」
というオドけたセリフとともにシャツを掴んで肩から持ち上げ、横に張ったまま、少しずつズリ下ろしていく。ブラのホックとバックベルトが見えるところまで来たところでいったん動きを止めて、モニターのチャット欄を見ながら、みんなの反応を伺った。
//パンツとお揃//背中キレイ//ホック外してエエ?//後ろから責めたい//
「んじゃ…いきま~す」
掴んでいた手をパッと離すと、シャツが足下へストンと落ちて、布に隠れていた後ろ姿が露わになる。ここまで勿体ぶった分、あっさりし過ぎるくらいのスピード展開で、みんなのボルテージが一気に上がった。
//うおおおお//キターーーッ//やっと見れた//さくらカワイイよさくら//
//やっぱエエなぁ//肩甲骨エロい//クビレがえちえち//お尻お尻お尻//
ゆっくり正面に向き直し、カメラへ向かって両手を振る。
//さくらちゃ~ん//ブラもカワイイ//けっこう胸ある//全身見せて~//
ソファのすぐ前まで下がって横向きに立ち、後ろ手に腕を組んで少し胸を張った。軽くお尻を突き出すと「Sライン」が強調されてキレイに見える。続いて正面を向き、片手を腰に当てながら、もう片方の腕を頭の後ろへ回してワキ見せし、両脚を広めに開いてポーズをとった。
//エロカッコイイ//モデル立ちを決める//見惚れる//ペロペロぺろぺろ//
「みんな、ありがと~」
リクエストに応えてひと盛り上がりした後、脱いだシャツを拾ってベッドの上へ放り投げた。手を振ってみんなにお礼を言いながらソファへかけ直す。
モニターを見ると、現時点での視聴者数は、開始した直後の倍くらいまで増えてきていた。順調な伸び方を示していると言っていいだろう。
ここまでの配信は、とても上手くいってると思う。みんなの雰囲気も良くて、盛り上がりも申し分ない。ちょうどいい頃合いか?
「今夜は今までとは違うバリエーションで攻めてみよう」という私の「ささやかな目論見」を実行に移す絶好なタイミングを迎えているような気がした。
ヘッドセットがズレないように片手で押さえつつ、ソファから身を乗り出して近くのテーブルに置いてあるノートパソコンを操作し、今まで極小で流していたBGMの音量を上げる。
「どう? 音おっきくない、大丈夫?」
音量が適切なレベルまで上がったことを確かめて、BGMを「例のヤツ」へと切り替えた。すぐに曲のイントロが始まる。ちょっと前に流行ったアイドルアニメのテーマソング……と間違えるほどよく似た感じのするポップでリズミカルなインストゥルメンタル。
//おおおお//神曲キタァーーッ//ナイスさくら!//コイツわかってんな//
うちの「なでしこネット」には、優秀なスタッフと言うかソノ界隈の強者がいて、その人たちが作った「権利関係に引っかからないように作られた流行曲っぽいBGM集」という、そうした曲自体がSNSで話題になるような「謎クォリティを誇るシロモノ」が存在する。キャストなら自由に使えて、視聴者からの注目も集めやすいので、うちらと常連さんの間では最大限のリスペクトを込めて「例のヤツ」というスラングで呼ばれていた。
「それじゃ、みんな、こっち見ててね」
曲のサビが始まるタイミングで、再びソファから立ち上がる。からだの位置を調節して、首から下、胸から腰、太ももの辺りまでのラインが画面ちょうどに収まるようにした。
「えっと…こう…かな?」
カメラに向かって半歩近づき、前の方へからだを倒すと、シャツのボタンを開けたところが大きく映る。立てた襟のすぐ下を持って両横へ広げ、胸の谷間がしっかり見えるようにした。
上から順番に、カップのつなぎ目以外のところがシャツの布地で隠れるようにして、ゆっくりとボタンを外していく。
//おっとっと//なになになに?//どうするん?//いきなり脱いじゃう?//
あえてチャットに反応しないで、ボタンを外す動作をひとつひとつ、横目でモニターを見ながら確認する。こういうところを雑にやってしまうと、観ている人たちが興味を削がれて離脱することにもなりかねない。
イチバン下のボタンを外し切ったところで手を止めた。前かがみになっていた姿勢を元へ戻して、まだ下着が見えてしまわないようにシャツの裾を押さえ、少し間をとる。
//見え…てない//寸止め//焦らしテク//上手いね、さくらちゃん//
「チラッ」
みんなの視線が手元へ集まったのを意識しながら、片方の裾を捲って、素早く元へ戻す。
//ライトグリーン //ちょい透けてる//そういうの好き//エッチなヤツ//
「次はこっち」
今度は、反対側の裾を捲って、また素早く元へ戻す。
//そのままキープ//恥ずかしがらんでエエんやで//ひらひらカワイイ//
お気に入りのフリルを褒めてもらったのが嬉しくて、つい、フザケたくなってしまう。ループで流しっぱなしのBGMも、ちょうどダンサブルな間奏部分へ差し掛かったところで、シャツの裾を代わる代わる捲ってチラ見せを繰り返しながら、腰を左右に揺らしてリズムをとった。
//いいねいいね//ノリノリやん//ギャはははは//何それオモロイやん//
からだを動かしているうちに楽しくなってきて、シャツの裾を持ったまま、カメラの前でクルッと一回転を決める。バランスをとるために両腕を開いた瞬間、パンツが丸見えになった。
//見え~//いただきました//今日イチ露出//シコシコシコシコシコシコ//
すっかり調子に乗って、その場で何度もターンを繰り返す。すでに下着を隠す必要もないので、シャツの裾から手を離し、腕を曲げたり伸ばしたりしながら、ノリのいいBGMに合わせて拙いダンスを披露した。
//ヒュ~ッ//破廉恥ダンス//踊り子さんに、手を触れないでください!!//
そろそろ場もあったまって来たようなので、ダンスを止めて、カメラに背中を向けて立つと、シャツの袖から片腕ずつゆっくりと引き抜いていった。袖だけ脱いで、肩の上へ羽織るようにシャツを引っ掛ける。
「みなさん…お待たせしました~」
というオドけたセリフとともにシャツを掴んで肩から持ち上げ、横に張ったまま、少しずつズリ下ろしていく。ブラのホックとバックベルトが見えるところまで来たところでいったん動きを止めて、モニターのチャット欄を見ながら、みんなの反応を伺った。
//パンツとお揃//背中キレイ//ホック外してエエ?//後ろから責めたい//
「んじゃ…いきま~す」
掴んでいた手をパッと離すと、シャツが足下へストンと落ちて、布に隠れていた後ろ姿が露わになる。ここまで勿体ぶった分、あっさりし過ぎるくらいのスピード展開で、みんなのボルテージが一気に上がった。
//うおおおお//キターーーッ//やっと見れた//さくらカワイイよさくら//
//やっぱエエなぁ//肩甲骨エロい//クビレがえちえち//お尻お尻お尻//
ゆっくり正面に向き直し、カメラへ向かって両手を振る。
//さくらちゃ~ん//ブラもカワイイ//けっこう胸ある//全身見せて~//
ソファのすぐ前まで下がって横向きに立ち、後ろ手に腕を組んで少し胸を張った。軽くお尻を突き出すと「Sライン」が強調されてキレイに見える。続いて正面を向き、片手を腰に当てながら、もう片方の腕を頭の後ろへ回してワキ見せし、両脚を広めに開いてポーズをとった。
//エロカッコイイ//モデル立ちを決める//見惚れる//ペロペロぺろぺろ//
「みんな、ありがと~」
リクエストに応えてひと盛り上がりした後、脱いだシャツを拾ってベッドの上へ放り投げた。手を振ってみんなにお礼を言いながらソファへかけ直す。
モニターを見ると、現時点での視聴者数は、開始した直後の倍くらいまで増えてきていた。順調な伸び方を示していると言っていいだろう。
ここまでの配信は、とても上手くいってると思う。みんなの雰囲気も良くて、盛り上がりも申し分ない。ちょうどいい頃合いか?
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