神様が消えた世界〜勇者の日記〜

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♬月〇日

濃霧の森の攻略を始めて半年が経過した。
そして今日とうとう俺たちは濃霧の森の奥地に辿りついた。

漸く辿り着いたその先には光り輝く剣が台に突き刺さっていた。
そこだけ霧が晴れていて上からは太陽の輝きが降り注いでいる。
幻想的な光景に俺たちは目を奪われた。

暫くその光景を目に焼き付けたあと、俺たちは聖剣に近付いた。

しかしある一定の距離から仲間達が結界に阻まれるようにそこから先に足を踏み入れる事が出来なくなった。

俺一人だけしか入れず仕方なく仲間達をその場で待機させて俺は聖剣の前に立った。

そして、光り輝く柄を握り俺は聖剣を引き抜いた。
その瞬間俺自身の力が益々上がった。
その異常な上がり具合に目が回り思わず膝をつき俺は呻き声を出した。

そして、自分の力を奮って暴れ回りたいという衝動に駆られた。
剣に呑まれそうに、力に呑まれそうになった俺は必死でそれを抑え込み耐えた。

どれくらい時間が経っただろうか…漸く俺は落ち着いてきて仲間達を見た。

どうやら聖剣を引き抜いた事で結界も解除されていたようだ。
俺が正気を取り戻した瞬間に仲間達が駆け寄って来た。

心配を掛けてしまったことを詫びて、俺達は帰路に着いた。
道中何故かあんなに苦しめられた濃い霧が晴れていて、さらに魔物や魔獣が出てこなかった。
帰りは案外楽に帰れて俺達は安心した。

聖剣を手に入れたことで俺達は2日ほど休んだ後に魔王討伐の旅を再開することにして、今日の1日を終えた。