5 / 11
5.従者の誓い
しおりを挟む
「……なあ。こうして振り返っても、俺ばっか頑張ってないか?」
一連の騒動を思い返したアインがうんざりしたようにぼやく。元を辿ればすべてお前のせいなのだが……。
「仕方あるまい。フィオナ様の婚約者は、あくまでも貴様だ。私が付きまとえば余計な憶測を招く。……それに貴様にとっては喜ばしいことではないか? なんだかんだ言って魔王様に尻尾を振っていたではないか」
「そりゃまあ、死にかけてた俺を拾ってくれたのは魔王様だし。そう言うお前だって、率先して媚び売ってたじゃんか」
「媚びを売るとは失礼な! あれだけの強大な力の持ち主なのだぞ。敬意を払って当然であろう」
――そう。あれは、勇者が現れるよりも、人間との戦端が開かれるよりも、ずっと昔のこと。先代魔王の跡継ぎたちによる血みどろの継承戦があった。
その末に次代の魔王の座に就いたのが魔王様――フィオランテ=ナ=エクリプス様だ。
だが我が一族は、身の程知らずにも魔王様へ反旗を翻した。
その決定に納得がいかなかった私は一族と袂を分かち、ただひとり魔王様に忠誠を誓ったのだ。
ちなみに結果は語るまでもないが、一族は一夜にして消滅した。見ているこちらが引くほどの蹂躙っぷりだった。
浅はかな策謀も、誇りと呼ぶにはあまりに脆い矜持も、絶対的な暴力の前では塵に等しいのだと思い知らされた。
だからこそ、対極にある今のフィオナ様を見ているとなんとも言えない気持ちになるのだが……。
悶々と考え込んでいると、アインがじぃっと恨みがましい目を向けてきた。視線だけでも煩い奴だ。
「……なんだその目は。くだらないことを考えている暇があれば、フィオナ様の魔王化阻止計画を少しでも練れ」
「いや、それはもちろん考えてるけど……。お前さ、フィオナのこと、好きなんだろ?」
――は?
思ってもみなかったことを言われ、肩の力が抜ける。
「……色ボケも大概にしろ。この世界の安寧を思えば、そんな下らぬことを考えている場合ではないと分かるだろう」
「いや、その……このまま俺と結婚しちゃっていいのかなって。フィオナのことは嫌いじゃないし、魔王様のことはもちろん尊敬してるけど……魔王様と結婚したかったわけじゃないんだよ、俺は」
「貴様……! 魔王様が相手では不足だと抜かすのか!」
なんと不敬な奴だ。魔王様に懸想するだけでも烏滸がましいというのに、結婚したかったわけではない、だと??
まだまだ躾が足りんのかと睨みつけると、アインは慌てて両手をぶんぶんと振り回した。
「ま、まさか! 違うって! その、ええと……そう! 恐れ多いって言ってるんだよ! 俺なんかには勿体ない御方だろ?」
「……ふん、分かってるではないか。とはいえ、貴様とフィオナ様の婚姻は政治的にも必要なこと。迷う余地などあるまい」
「そうなんだけどさ。お前はいいのかなぁって……」
この二人が結ばれることは、昔から決まっていた。私ごときが口を挟める問題ではないし、本来なら思いを抱くことすら許されない。
私の気持ちなどどうでもいい。
あの御方が平穏に、幸せに、新たな世で心安らかに過ごしてくださるのならば、それが一番に決まっている。
「いや、お前がいいならいいんだけどさ。……そうなると今度は魔王様に悪いんだよなぁ……」
「何をさっきからウダウダと。……まあいい。最近の学園の動きは誰かが裏で手を引いているとしか思えんからな。私はそちらを探る。貴様はこれまで通り、フィオナ様の御心を乱さぬよう細心の注意を払え」
「だから俺ばっか負担がでかいんだってば! ……いやいやいや、こんな生活を一生続けるとか絶対無理だろ……。こうなったら、俺の安寧のためにも……」
アインは真面目な顔で何やらぶつぶつ考え込み始めた。窓の外を見れば、日はすでに暮れ始めている。本日の定例会議もお開きの時間だろう。
適当に声をかけ、扉を開けた――その瞬間。
目の前には、俯いたまま静かに立つフィオナ様の姿があった。
危うく息も心臓も止まりかける。
「フィ、フィオナ様? こんなところでどうされたのですか。殿下に御用でしたか?」
「いえ……ツヴァイは最近、アイン様と一緒にいることが多いんですね。いつの間にそんなに仲良くなったのかしら」
じとりと、どこか恨みがましげな瞳で見上げてくる。
……まさか、アインを独り占めしているとでも思われたのか? なんとも可愛らしい嫉妬心であるが、これは由々しき事態……!
「も、もう間もなく卒業でしょう。フィオナ様は卒業と共に王家に嫁がれるわけですから……その調整と申しますか、申し送りと申しますか」
「それはそうですけれど……でも、ツヴァイも来てくれるのだから、そんなに急ぐ必要もないのではありませんか?」
「いえいえ、私もいつまでもお傍にいられるわけではありませんから。引継ぎは早い方が良いでしょう」
「え? ど、どうしてですか? ツヴァイはわたくしの従者ですよね?」
小首をかしげる愛らしい御姿に頬が綻びそうになる。だが誰が見ているかもわからない。適切な距離を保つため、あえて事務的に言葉を選んだ。
「それはあくまでもランスター家内でのお話です。王家に嫁がれればそうもいきません。それに私はランスターに残り、旦那様にご恩をお返ししなければ」
そう。私が彼女を見守れるのは、在学中のみ。
王城の中に、一介の従者の居場所などあるはずもないのだ。
もっとも、正式に王子妃となられれば雑音に煩わされることなく穏やかに暮らせるはず。事情を知るアインもいる。恐らくは何とかなるだろう。
何とかならなかった時は仕方がない。その時は腹をくくってこの世界を魔王様に捧げるだけである。
「そんな……ツヴァイは、ずっとわたくしの傍にいてくださるとばかり……!」
「もちろん、それが叶うならこの上もありません。ですが私のような立場の曖昧な者が傍にあれば、いらぬ噂を招いてフィオナ様の評判を損ねかねません。……ご安心ください。王宮にはもっと優秀な侍従や侍女が揃っておりますから」
我ながら完璧なフォローだと内心で自画自賛したのだが、どうしたことかフィオナ様はひどく狼狽えている。幼いころから常に共にあるのが当たり前だったから、不安に思われたのかもしれない。
とはいえ、どうしたものか。
アインに私を取り立てるよう頼み込む手もある。仮にも王子だ、なんとでもなるだろう。
だが、何の功績も持たない私が引き立てられればそれだけで余計な詮索を呼ぶ。――フィオナ様の評判にほんの少しでも傷がつくようなこと、決してあってはならないのだ。
「わかり、ました……。そうですよね。仕方のないことですよね……」
「こればかりは、今の私の力だけでは何とも……。さあ、もう遅い時間です。戻りましょう。寮の前までお供いたします」
ずっと一緒にいることは叶わない。
けれど、せめて卒業までは。
彼女と離れるその日までは、支え続けることを誓おう。
――そのためにも、障害は取り除かねばならない。
一連の騒動を思い返したアインがうんざりしたようにぼやく。元を辿ればすべてお前のせいなのだが……。
「仕方あるまい。フィオナ様の婚約者は、あくまでも貴様だ。私が付きまとえば余計な憶測を招く。……それに貴様にとっては喜ばしいことではないか? なんだかんだ言って魔王様に尻尾を振っていたではないか」
「そりゃまあ、死にかけてた俺を拾ってくれたのは魔王様だし。そう言うお前だって、率先して媚び売ってたじゃんか」
「媚びを売るとは失礼な! あれだけの強大な力の持ち主なのだぞ。敬意を払って当然であろう」
――そう。あれは、勇者が現れるよりも、人間との戦端が開かれるよりも、ずっと昔のこと。先代魔王の跡継ぎたちによる血みどろの継承戦があった。
その末に次代の魔王の座に就いたのが魔王様――フィオランテ=ナ=エクリプス様だ。
だが我が一族は、身の程知らずにも魔王様へ反旗を翻した。
その決定に納得がいかなかった私は一族と袂を分かち、ただひとり魔王様に忠誠を誓ったのだ。
ちなみに結果は語るまでもないが、一族は一夜にして消滅した。見ているこちらが引くほどの蹂躙っぷりだった。
浅はかな策謀も、誇りと呼ぶにはあまりに脆い矜持も、絶対的な暴力の前では塵に等しいのだと思い知らされた。
だからこそ、対極にある今のフィオナ様を見ているとなんとも言えない気持ちになるのだが……。
悶々と考え込んでいると、アインがじぃっと恨みがましい目を向けてきた。視線だけでも煩い奴だ。
「……なんだその目は。くだらないことを考えている暇があれば、フィオナ様の魔王化阻止計画を少しでも練れ」
「いや、それはもちろん考えてるけど……。お前さ、フィオナのこと、好きなんだろ?」
――は?
思ってもみなかったことを言われ、肩の力が抜ける。
「……色ボケも大概にしろ。この世界の安寧を思えば、そんな下らぬことを考えている場合ではないと分かるだろう」
「いや、その……このまま俺と結婚しちゃっていいのかなって。フィオナのことは嫌いじゃないし、魔王様のことはもちろん尊敬してるけど……魔王様と結婚したかったわけじゃないんだよ、俺は」
「貴様……! 魔王様が相手では不足だと抜かすのか!」
なんと不敬な奴だ。魔王様に懸想するだけでも烏滸がましいというのに、結婚したかったわけではない、だと??
まだまだ躾が足りんのかと睨みつけると、アインは慌てて両手をぶんぶんと振り回した。
「ま、まさか! 違うって! その、ええと……そう! 恐れ多いって言ってるんだよ! 俺なんかには勿体ない御方だろ?」
「……ふん、分かってるではないか。とはいえ、貴様とフィオナ様の婚姻は政治的にも必要なこと。迷う余地などあるまい」
「そうなんだけどさ。お前はいいのかなぁって……」
この二人が結ばれることは、昔から決まっていた。私ごときが口を挟める問題ではないし、本来なら思いを抱くことすら許されない。
私の気持ちなどどうでもいい。
あの御方が平穏に、幸せに、新たな世で心安らかに過ごしてくださるのならば、それが一番に決まっている。
「いや、お前がいいならいいんだけどさ。……そうなると今度は魔王様に悪いんだよなぁ……」
「何をさっきからウダウダと。……まあいい。最近の学園の動きは誰かが裏で手を引いているとしか思えんからな。私はそちらを探る。貴様はこれまで通り、フィオナ様の御心を乱さぬよう細心の注意を払え」
「だから俺ばっか負担がでかいんだってば! ……いやいやいや、こんな生活を一生続けるとか絶対無理だろ……。こうなったら、俺の安寧のためにも……」
アインは真面目な顔で何やらぶつぶつ考え込み始めた。窓の外を見れば、日はすでに暮れ始めている。本日の定例会議もお開きの時間だろう。
適当に声をかけ、扉を開けた――その瞬間。
目の前には、俯いたまま静かに立つフィオナ様の姿があった。
危うく息も心臓も止まりかける。
「フィ、フィオナ様? こんなところでどうされたのですか。殿下に御用でしたか?」
「いえ……ツヴァイは最近、アイン様と一緒にいることが多いんですね。いつの間にそんなに仲良くなったのかしら」
じとりと、どこか恨みがましげな瞳で見上げてくる。
……まさか、アインを独り占めしているとでも思われたのか? なんとも可愛らしい嫉妬心であるが、これは由々しき事態……!
「も、もう間もなく卒業でしょう。フィオナ様は卒業と共に王家に嫁がれるわけですから……その調整と申しますか、申し送りと申しますか」
「それはそうですけれど……でも、ツヴァイも来てくれるのだから、そんなに急ぐ必要もないのではありませんか?」
「いえいえ、私もいつまでもお傍にいられるわけではありませんから。引継ぎは早い方が良いでしょう」
「え? ど、どうしてですか? ツヴァイはわたくしの従者ですよね?」
小首をかしげる愛らしい御姿に頬が綻びそうになる。だが誰が見ているかもわからない。適切な距離を保つため、あえて事務的に言葉を選んだ。
「それはあくまでもランスター家内でのお話です。王家に嫁がれればそうもいきません。それに私はランスターに残り、旦那様にご恩をお返ししなければ」
そう。私が彼女を見守れるのは、在学中のみ。
王城の中に、一介の従者の居場所などあるはずもないのだ。
もっとも、正式に王子妃となられれば雑音に煩わされることなく穏やかに暮らせるはず。事情を知るアインもいる。恐らくは何とかなるだろう。
何とかならなかった時は仕方がない。その時は腹をくくってこの世界を魔王様に捧げるだけである。
「そんな……ツヴァイは、ずっとわたくしの傍にいてくださるとばかり……!」
「もちろん、それが叶うならこの上もありません。ですが私のような立場の曖昧な者が傍にあれば、いらぬ噂を招いてフィオナ様の評判を損ねかねません。……ご安心ください。王宮にはもっと優秀な侍従や侍女が揃っておりますから」
我ながら完璧なフォローだと内心で自画自賛したのだが、どうしたことかフィオナ様はひどく狼狽えている。幼いころから常に共にあるのが当たり前だったから、不安に思われたのかもしれない。
とはいえ、どうしたものか。
アインに私を取り立てるよう頼み込む手もある。仮にも王子だ、なんとでもなるだろう。
だが、何の功績も持たない私が引き立てられればそれだけで余計な詮索を呼ぶ。――フィオナ様の評判にほんの少しでも傷がつくようなこと、決してあってはならないのだ。
「わかり、ました……。そうですよね。仕方のないことですよね……」
「こればかりは、今の私の力だけでは何とも……。さあ、もう遅い時間です。戻りましょう。寮の前までお供いたします」
ずっと一緒にいることは叶わない。
けれど、せめて卒業までは。
彼女と離れるその日までは、支え続けることを誓おう。
――そのためにも、障害は取り除かねばならない。
46
あなたにおすすめの小説
笑わない妻を娶りました
mios
恋愛
伯爵家嫡男であるスタン・タイロンは、伯爵家を継ぐ際に妻を娶ることにした。
同じ伯爵位で、友人であるオリバー・クレンズの従姉妹で笑わないことから氷の女神とも呼ばれているミスティア・ドゥーラ嬢。
彼女は美しく、スタンは一目惚れをし、トントン拍子に婚約・結婚することになったのだが。
私は愛する婚約者に嘘をつく
白雲八鈴
恋愛
亜麻色の髪の伯爵令嬢。
公爵子息の婚約者という立場。
これは本当の私を示すものではない。
でも私の心だけは私だけのモノ。
婚約者の彼が好き。これだけは真実。
それは本当?
真実と嘘が入り混じり、嘘が真実に置き換わっていく。
*作者の目は節穴ですので、誤字脱字は存在します。
*不快に思われれば、そのまま閉じることをお勧めします。
*小説家になろうでも投稿しています。
私との婚約は、選択ミスだったらしい
柚木ゆず
恋愛
※5月23日、ケヴィン編が完結いたしました。明日よりリナス編(第2のざまぁ)が始まり、そちらが完結後、エマとルシアンのお話を投稿させていただきます。
幼馴染のリナスが誰よりも愛しくなった――。リナスと結婚したいから別れてくれ――。
ランドル侯爵家のケヴィン様と婚約をしてから、僅か1週間後の事。彼が突然やってきてそう言い出し、私は呆れ果てて即婚約を解消した。
この人は私との婚約は『選択ミス』だと言っていたし、真の愛を見つけたと言っているから黙っていたけど――。
貴方の幼馴染のリナスは、ものすごく猫を被ってるの。
だから結婚後にとても苦労することになると思うけど、頑張って。
【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない
櫻野くるみ
恋愛
伯爵家の長女、エミリアは前世の記憶を持つ転生者だった。
手のかからない赤ちゃんとして可愛がられたが、前世の記憶を活かし類稀なる才能を見せ、まわりを驚かせていた。
大人びた子供だと思われていた5歳の時、18歳の騎士ダニエルと出会う。
成り行きで、父の死を悔やんでいる彼を慰めてみたら、うっかり気に入られてしまったようで?
歳の差13歳、未来の騎士団長候補は執着と溺愛が凄かった!
出世するたびにアプローチを繰り返す一途なダニエルと、年齢差を理由に断り続けながらも離れられないエミリア。
騎士団副団長になり、団長までもう少しのところで訪れる愛の試練。乗り越えたダニエルは、いよいよエミリアと結ばれる?
5歳で出会ってからエミリアが年頃になり、逃げられないまま騎士団長のお嫁さんになるお話。
ハッピーエンドです。
完結しています。
小説家になろう様にも投稿していて、そちらでは少し修正しています。
あなたが幸せになるために
月山 歩
恋愛
幼い頃から共に育った二人は、互いに想い合いながらも、王子と平民という越えられない身分の壁に阻まれ、結ばれることは叶わない。
やがて王子の婚姻が目前に迫ると、オーレリアは決意する。
自分の存在が、最愛の人を不貞へと追い込む姿だけは、どうしても見たくなかったから。
彼女は最後に、二人きりで静かな食事の時間を過ごし、王子の前から姿を消した。
実在しないのかもしれない
真朱
恋愛
実家の小さい商会を仕切っているロゼリエに、お見合いの話が舞い込んだ。相手は大きな商会を営む伯爵家のご嫡男。が、お見合いの席に相手はいなかった。「極度の人見知りのため、直接顔を見せることが難しい」なんて無茶な理由でいつまでも逃げ回る伯爵家。お見合い相手とやら、もしかして実在しない・・・?
※異世界か不明ですが、中世ヨーロッパ風の架空の国のお話です。
※細かく設定しておりませんので、何でもあり・ご都合主義をご容赦ください。
※内輪でドタバタしてるだけの、高い山も深い谷もない平和なお話です。何かすみません。
「華がない」と婚約破棄された私が、王家主催の舞踏会で人気です。
百谷シカ
恋愛
「君には『華』というものがない。そんな妻は必要ない」
いるんだかいないんだかわからない、存在感のない私。
ニネヴィー伯爵令嬢ローズマリー・ボイスは婚約を破棄された。
「無難な妻を選んだつもりが、こうも無能な娘を生むとは」
父も私を見放し、母は意気消沈。
唯一の望みは、年末に控えた王家主催の舞踏会。
第1王子フランシス殿下と第2王子ピーター殿下の花嫁選びが行われる。
高望みはしない。
でも多くの貴族が集う舞踏会にはチャンスがある……はず。
「これで結果を出せなければお前を修道院に入れて離婚する」
父は無慈悲で母は絶望。
そんな私の推薦人となったのは、ゼント伯爵ジョシュア・ロス卿だった。
「ローズマリー、君は可愛い。君は君であれば完璧なんだ」
メルー侯爵令息でもありピーター殿下の親友でもあるゼント伯爵。
彼は私に勇気をくれた。希望をくれた。
初めて私自身を見て、褒めてくれる人だった。
3ヶ月の準備期間を経て迎える王家主催の舞踏会。
華がないという理由で婚約破棄された私は、私のままだった。
でも最有力候補と噂されたレーテルカルノ伯爵令嬢と共に注目の的。
そして親友が推薦した花嫁候補にピーター殿下はとても好意的だった。
でも、私の心は……
===================
(他「エブリスタ」様に投稿)
【完結】お荷物王女は婚約解消を願う
miniko
恋愛
王家の瞳と呼ばれる色を持たずに生まれて来た王女アンジェリーナは、一部の貴族から『お荷物王女』と蔑まれる存在だった。
それがエスカレートするのを危惧した国王は、アンジェリーナの後ろ楯を強くする為、彼女の従兄弟でもある筆頭公爵家次男との婚約を整える。
アンジェリーナは八歳年上の優しい婚約者が大好きだった。
今は妹扱いでも、自分が大人になれば年の差も気にならなくなり、少しづつ愛情が育つ事もあるだろうと思っていた。
だが、彼女はある日聞いてしまう。
「お役御免になる迄は、しっかりアンジーを守る」と言う彼の宣言を。
───そうか、彼は私を守る為に、一時的に婚約者になってくれただけなのね。
それなら出来るだけ早く、彼を解放してあげなくちゃ・・・・・・。
そして二人は盛大にすれ違って行くのだった。
※設定ユルユルですが、笑って許してくださると嬉しいです。
※感想欄、ネタバレ配慮しておりません。ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる