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5章
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凪は”天”の部屋で目覚めた。救護室ではない、就寝用に与えられた部屋だ。寝ぼけ眼で部屋を見渡し、ガバッと勢いよく起き上がった。
(生き…てる?)
信じられないと目を見開き自分の手を見、握ってみる。確かな感触があった。左腕の2つの金のブレスレットは部屋の明かりを反射して光り輝いている。
(じゃあアレはやっぱり夢だったのか。アイツに会えるワケねェし、アジトで倒れたままどうやって帰ってくんだって話だし)
フーと息を吐いた凪はのどこにも痛みを感じず、疲労もなくなっていることに気づいた。
どれぐらい寝たのかは分からないが、こんなにも簡単に復活するものだろうか。それとも露の治療がよかったのか。
(…左腕!)
寝間着代わりに着させられたらしい着流しの前を開けて左腕をのぞくと、零に負わされた傷はなかった。相当深手だったはずだ。出血量が覚えている限り今までで1番ひどかった。
まっさらになった肌は傷という言葉さえ知らなさそうな滑らかさ。
(こんなことあるか…?)
もし短時間でこうなったのなら、できるのは麓しかいない。
おかしい。何が夢で現実だったのか。
ムシャクシャした凪はベッドから下り、海竜剣を召喚させて腰に差した。下界では銃刀法違反だなんちゃらと言われるがここは”天”。どんな格好をしようが何を持っていても構う者はいない。
「さて、と。迎えに行くか…いつの日かみたく」
凪は着流しを替えて打掛を羽織り、一瞬不敵に笑んで部屋を出た。
アジトへ1人きりで来るのは初めてだった。
”天”を移動してる間に天神地祇のメンバーに会うことはなかった。それでよかったと思う。ケガは治っているかもしれないが、「自分も行く」と言われたら置いていきたい。零には個人的な怨恨がある。一対一で決着をつけたい。
白黒の色使いのアジトの壁。もう何回ここに訪れたのだろう。できることなら今日を最後にしたい。
零の部下に遭遇することはなかった。零の指示なのか動ける者は誰もいないのか。あの時に手あたり次第1人で蹴り散らした。
ただ戦いを続けても、愚かなことを目論む者の元にいても罪を重ねるだけ。やがて自らを滅ぼすことになる。
凪だって愚かなことをして大切な人を失った。まだまだ若いであろう彼らにはできれば同じ思いをしてほしくない。凪は歩きながら自嘲した。
敵なのにそんな心配をするとは。我ながら歳下には結局甘いのだと呆れた。厳しく接しても心の底ではかわいいものだ。
零と対峙した場所に近づくと、楽しそうに話す声が聞こえた。
誰だと心臓が跳ね上がったが、よく耳を澄ませば聞き覚えのある声だった。1つは憎たらしい艶やかな男の声、もう1つはひどく懐かしく感じる少女の声。
笑えば花が綻んだようで、泣けば春の雨のようで、怒れば固くつぼみを閉じた花のようで。
声だけではダメだ、姿が見たい。
凪は玉座の間に飛び込み────目を見開いて口をわななかせた。
「おめー…なんで!?」
麓だ。彼女が零に連れ去られたことは聞いている。それでもこんな姿を見せられたら驚きを隠せない。
彼女は零の膝の上で横向きに座り、彼の首に腕を回していた。顔を寄せ合って話していたらしい。甘えているように見える。こんな彼女の姿は見たことがないし、彼女の性格からしてこんなことは絶対にしない。彼女は震える凪の姿など知らずに零にぴったりと寄り添っている。
正直、動揺以上に落胆で動けなくなりそうだ。
…それはいいとして。凪は彼女の髪色を見てホッとした。
(髪色…変わっていなかったか)
彼女が銀髪になったのは夢だけだったらしい。ひとまずは安心した。
小さく息をついた凪に零が気づき、不敵に笑んだ。麓も振り向いた。しかし表情がよく見えない。
「凪殿ではないか。…ふーん、そなたも和服を愛する者なのだな」
「そんなんじゃねェ。これの方が楽だからだ」
「ほう、実用性重視か。野蛮な貴様らしい考え方だ」
「ほっとけ────で、なんでテメーがそいつといやがる。天神地祇の姫君を迎えに来た。返してもらおうか」
「残念だったな。麓殿は今日から天災地変の姫君だ。私のつがいになるのだ」
「は?」
凪は素でポカーンとした。目の前のヤツは今…「天災地変の姫君」とか何とか言いよった。
「何言ってやがんだ。寝ぼけてんじゃねェぞ」
「寝言は寝て言うさ。これは麓殿自身が望んでいるのだ。強い男についていきたいと」
零は勝ち誇ったような笑みで凪を見下ろし、これ見よがしに麓の頬をなでる。
凪は舌打ちをしたり顔をしかめたりするでもなく、鼻でせせら笑った。
「てめーなァ…そいつがそんなことを言うタマだと思ってんのかコノヤロー。甘い、甘すぎる。そいつはそんなこと言えるキャラじゃねェ! てめーがそうさせてるだけだろうがよォ!」
凪は零に向かって駆け出し、海竜剣を抜刀した。
零の反射神経は侮ってはいけない。彼は麓を玉座に座らせ、自身は凪に向かいながら氷の剣を召喚する。
お互いがぶつかるところで刀と剣を交錯させては飛び退りるのを繰り返し、何度も金属音を響かせる。
凪は最初の一撃だけで気づいた。体の調子が俄然違う。ここに来て初めて戦った時よりも動きやすい。体が軽くなったというよりは芯が強くなり、どっしりと構えることができる。心なしか海竜剣の威力も上がったような気がする。一突き、一振りの速さが格段に違う。まるで海竜剣が生きていて修行を積んだような。
零は時々苦しそうな声を上げる。前回と逆転し、凪が形勢有利になっているらしい。
余裕があるからと玉座におとなしく座る麓に視線を向けた。相変わらず表情が分からない。もしかしてあえて無表情を取り繕っているのだろうか。彼女が零の言霊で操られているとは信じたくない。
「貴様…なぜ彼女の意思を尊重しない? 見送ってやるのが上の者のやるべきことだろう」
零は後ろに跳び、長い黒髪を払った。凪は再び鼻を鳴らして海竜剣を肩に担ぐ。
「ぜってー引かねェ。ここで女1人強引にでも奪っていかねェと男が廃る。つーことで姫を返せ」
「フン、変わったな。かつて好きな女に男ができた時には不貞腐れていたらしいが」
「…はぁ!? てめっ、どこでそれを!」
凪の肌が赤くなる。過去を持ち出されて顔から火が吹き出そうになる。特に麓の前でとは…。零を二度殺さないと気が済まなくなりそうだ。零は意地悪く笑って口元を袖で隠す。
「”天”にいる精霊ならほとんど知っている。有名な笑い話だ」
「人の失恋話を愚弄すんなタコ!」
凪は怒鳴り、荒く息を吐き出して無理矢理顔をしかめる。攻撃を止めておしゃべりしている場合ではないだろう。
零は氷の剣を下ろし、麓のことを見つめて口を開いた。
「今ここで私が麓殿を奪い去ったら…貴様はどうする」
「心臓を一突きだ」
「だが彰殿は生きているではないか」
「アイツか…確かに腹立つ生意気な後輩だし何度も殺ろうと思った。でも雷はアイツとじゃなきゃ幸せになれねェ。彰だって雷といる時は楽しそうだしな。あの2人はくっつくべきだ。俺が彰を殺したら雷が戻ってきた時に浮かばれねェだろ────ただ、テメーは違う」
凪は刀を切っ先を零に向けた。銀色の刃が鈍く光る。零は目を細めた。
「ロクでなしの男にくっつかせる女なんていねェ。特に────麓は、てめーだけにはくれてやらねェ。っつーか俺意外とはくっつかせねェ!」
堅い意志をこめた叫び。それにはさっきまでの恥ずかしさはもうない。目の奥が海竜剣と同じように光り、彼が動く度に線を描く。
その時だけ全てがスローモーションになった。
────氷の剣を打ち砕き、ヤツを串刺しにしてやる。今ならやれる。
凪は雄々しく叫び、海竜剣を振り下ろした。
氷の剣とぶつかり合った時、それは砕けて辺りに飛び散った。
驚いた零の顔。彼は呆気に取られて動けなくなったらしい。肩の力が抜けたのか、なで肩になっていく。
────今度こそ!
凪は目をカッと見開き、歯を食いしばって零の脇腹を狙った。
今回の戦闘史上最大の渾身の峰打ちをくらわせると零は向こうの壁まで吹っ飛んだ。彼は壁伝いに滑り、当たった場所にはヒビが入っている。
彼は咳き込み、その場でうずくまった。動けないし言葉も発せないらしい。これなら言霊で突然復活したり凪を突然床に伏せることはないだろう。
凪は海竜剣を鞘に納めると、零の首に手刀をくらわせた。彼はわずかなうめき声を上げて倒れこんだ。
(生き…てる?)
信じられないと目を見開き自分の手を見、握ってみる。確かな感触があった。左腕の2つの金のブレスレットは部屋の明かりを反射して光り輝いている。
(じゃあアレはやっぱり夢だったのか。アイツに会えるワケねェし、アジトで倒れたままどうやって帰ってくんだって話だし)
フーと息を吐いた凪はのどこにも痛みを感じず、疲労もなくなっていることに気づいた。
どれぐらい寝たのかは分からないが、こんなにも簡単に復活するものだろうか。それとも露の治療がよかったのか。
(…左腕!)
寝間着代わりに着させられたらしい着流しの前を開けて左腕をのぞくと、零に負わされた傷はなかった。相当深手だったはずだ。出血量が覚えている限り今までで1番ひどかった。
まっさらになった肌は傷という言葉さえ知らなさそうな滑らかさ。
(こんなことあるか…?)
もし短時間でこうなったのなら、できるのは麓しかいない。
おかしい。何が夢で現実だったのか。
ムシャクシャした凪はベッドから下り、海竜剣を召喚させて腰に差した。下界では銃刀法違反だなんちゃらと言われるがここは”天”。どんな格好をしようが何を持っていても構う者はいない。
「さて、と。迎えに行くか…いつの日かみたく」
凪は着流しを替えて打掛を羽織り、一瞬不敵に笑んで部屋を出た。
アジトへ1人きりで来るのは初めてだった。
”天”を移動してる間に天神地祇のメンバーに会うことはなかった。それでよかったと思う。ケガは治っているかもしれないが、「自分も行く」と言われたら置いていきたい。零には個人的な怨恨がある。一対一で決着をつけたい。
白黒の色使いのアジトの壁。もう何回ここに訪れたのだろう。できることなら今日を最後にしたい。
零の部下に遭遇することはなかった。零の指示なのか動ける者は誰もいないのか。あの時に手あたり次第1人で蹴り散らした。
ただ戦いを続けても、愚かなことを目論む者の元にいても罪を重ねるだけ。やがて自らを滅ぼすことになる。
凪だって愚かなことをして大切な人を失った。まだまだ若いであろう彼らにはできれば同じ思いをしてほしくない。凪は歩きながら自嘲した。
敵なのにそんな心配をするとは。我ながら歳下には結局甘いのだと呆れた。厳しく接しても心の底ではかわいいものだ。
零と対峙した場所に近づくと、楽しそうに話す声が聞こえた。
誰だと心臓が跳ね上がったが、よく耳を澄ませば聞き覚えのある声だった。1つは憎たらしい艶やかな男の声、もう1つはひどく懐かしく感じる少女の声。
笑えば花が綻んだようで、泣けば春の雨のようで、怒れば固くつぼみを閉じた花のようで。
声だけではダメだ、姿が見たい。
凪は玉座の間に飛び込み────目を見開いて口をわななかせた。
「おめー…なんで!?」
麓だ。彼女が零に連れ去られたことは聞いている。それでもこんな姿を見せられたら驚きを隠せない。
彼女は零の膝の上で横向きに座り、彼の首に腕を回していた。顔を寄せ合って話していたらしい。甘えているように見える。こんな彼女の姿は見たことがないし、彼女の性格からしてこんなことは絶対にしない。彼女は震える凪の姿など知らずに零にぴったりと寄り添っている。
正直、動揺以上に落胆で動けなくなりそうだ。
…それはいいとして。凪は彼女の髪色を見てホッとした。
(髪色…変わっていなかったか)
彼女が銀髪になったのは夢だけだったらしい。ひとまずは安心した。
小さく息をついた凪に零が気づき、不敵に笑んだ。麓も振り向いた。しかし表情がよく見えない。
「凪殿ではないか。…ふーん、そなたも和服を愛する者なのだな」
「そんなんじゃねェ。これの方が楽だからだ」
「ほう、実用性重視か。野蛮な貴様らしい考え方だ」
「ほっとけ────で、なんでテメーがそいつといやがる。天神地祇の姫君を迎えに来た。返してもらおうか」
「残念だったな。麓殿は今日から天災地変の姫君だ。私のつがいになるのだ」
「は?」
凪は素でポカーンとした。目の前のヤツは今…「天災地変の姫君」とか何とか言いよった。
「何言ってやがんだ。寝ぼけてんじゃねェぞ」
「寝言は寝て言うさ。これは麓殿自身が望んでいるのだ。強い男についていきたいと」
零は勝ち誇ったような笑みで凪を見下ろし、これ見よがしに麓の頬をなでる。
凪は舌打ちをしたり顔をしかめたりするでもなく、鼻でせせら笑った。
「てめーなァ…そいつがそんなことを言うタマだと思ってんのかコノヤロー。甘い、甘すぎる。そいつはそんなこと言えるキャラじゃねェ! てめーがそうさせてるだけだろうがよォ!」
凪は零に向かって駆け出し、海竜剣を抜刀した。
零の反射神経は侮ってはいけない。彼は麓を玉座に座らせ、自身は凪に向かいながら氷の剣を召喚する。
お互いがぶつかるところで刀と剣を交錯させては飛び退りるのを繰り返し、何度も金属音を響かせる。
凪は最初の一撃だけで気づいた。体の調子が俄然違う。ここに来て初めて戦った時よりも動きやすい。体が軽くなったというよりは芯が強くなり、どっしりと構えることができる。心なしか海竜剣の威力も上がったような気がする。一突き、一振りの速さが格段に違う。まるで海竜剣が生きていて修行を積んだような。
零は時々苦しそうな声を上げる。前回と逆転し、凪が形勢有利になっているらしい。
余裕があるからと玉座におとなしく座る麓に視線を向けた。相変わらず表情が分からない。もしかしてあえて無表情を取り繕っているのだろうか。彼女が零の言霊で操られているとは信じたくない。
「貴様…なぜ彼女の意思を尊重しない? 見送ってやるのが上の者のやるべきことだろう」
零は後ろに跳び、長い黒髪を払った。凪は再び鼻を鳴らして海竜剣を肩に担ぐ。
「ぜってー引かねェ。ここで女1人強引にでも奪っていかねェと男が廃る。つーことで姫を返せ」
「フン、変わったな。かつて好きな女に男ができた時には不貞腐れていたらしいが」
「…はぁ!? てめっ、どこでそれを!」
凪の肌が赤くなる。過去を持ち出されて顔から火が吹き出そうになる。特に麓の前でとは…。零を二度殺さないと気が済まなくなりそうだ。零は意地悪く笑って口元を袖で隠す。
「”天”にいる精霊ならほとんど知っている。有名な笑い話だ」
「人の失恋話を愚弄すんなタコ!」
凪は怒鳴り、荒く息を吐き出して無理矢理顔をしかめる。攻撃を止めておしゃべりしている場合ではないだろう。
零は氷の剣を下ろし、麓のことを見つめて口を開いた。
「今ここで私が麓殿を奪い去ったら…貴様はどうする」
「心臓を一突きだ」
「だが彰殿は生きているではないか」
「アイツか…確かに腹立つ生意気な後輩だし何度も殺ろうと思った。でも雷はアイツとじゃなきゃ幸せになれねェ。彰だって雷といる時は楽しそうだしな。あの2人はくっつくべきだ。俺が彰を殺したら雷が戻ってきた時に浮かばれねェだろ────ただ、テメーは違う」
凪は刀を切っ先を零に向けた。銀色の刃が鈍く光る。零は目を細めた。
「ロクでなしの男にくっつかせる女なんていねェ。特に────麓は、てめーだけにはくれてやらねェ。っつーか俺意外とはくっつかせねェ!」
堅い意志をこめた叫び。それにはさっきまでの恥ずかしさはもうない。目の奥が海竜剣と同じように光り、彼が動く度に線を描く。
その時だけ全てがスローモーションになった。
────氷の剣を打ち砕き、ヤツを串刺しにしてやる。今ならやれる。
凪は雄々しく叫び、海竜剣を振り下ろした。
氷の剣とぶつかり合った時、それは砕けて辺りに飛び散った。
驚いた零の顔。彼は呆気に取られて動けなくなったらしい。肩の力が抜けたのか、なで肩になっていく。
────今度こそ!
凪は目をカッと見開き、歯を食いしばって零の脇腹を狙った。
今回の戦闘史上最大の渾身の峰打ちをくらわせると零は向こうの壁まで吹っ飛んだ。彼は壁伝いに滑り、当たった場所にはヒビが入っている。
彼は咳き込み、その場でうずくまった。動けないし言葉も発せないらしい。これなら言霊で突然復活したり凪を突然床に伏せることはないだろう。
凪は海竜剣を鞘に納めると、零の首に手刀をくらわせた。彼はわずかなうめき声を上げて倒れこんだ。
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