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お買い物と秩序のギルド
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この街のことを私はほとんど知りません。
煉瓦で作られた街並みは、中世の世界のようですが、中世の世界と違うものが、いくつかあります。
一つは、様々な種族の人々がいること。やはり、人間が圧倒的に多いですが、獣人、一纏めに呼んでしまいましたが、猫や狼、兎を思わせる姿をした人。長い耳を持った綺麗なエルフ、小柄で髭を蓄えたドワーフ、鬼を思わせる角の生えた人、明らかにトカゲの姿をした者までいるのですから、この世界の種族は、かなりの数、存在しているのでしょう。
異世界ならではの光景です。そして、さらにこの世界にしかないもの、魔道具の存在でしょう。
等間隔に設置された電灯や調理に使われている器具、この世界の道具のほとんどが、魔道具を使用しています。
魔道具の良いところは、全てが内臓された魔石によって事象を起こすので、配線を外部から引く必要がりません。
その辺に水やりをしているホースも取手と発射口が存在するだけの非常にコンパクトなデザインですし、水やりに水道設備が必ずしも必要ではないのが、この技術の特異な部分でしょう。
私は、物珍しげに周囲を歩き、立ち止まりました。
「それで、どこに行けば、調理器具は購入できるのですか?」
「あんた、目的地も知らないで歩いてたのかよ」
「この街は、初めてなので、どこに何があるか知りません」
ただ、買い物で街を見回る機会がなかったので、ついでに歩いてただけですからね。
「よくもまあ、それで、自信満々に先頭を歩いてたな」
「褒めても何も出ませんよ?」
「褒めてねぇよ」
「それで調理器具はどこに?」
「まあ、工房に行けば色々手に入るんじゃないか?」
「工房? なんの工房ですか?」
「そりゃあ、魔道具のだろ。まあ、武具なんかも取り扱ってる場所もあるが、それは別の場所だな。魔道具の店が多いのはこっちだ」
やはり、この町に住んでいるだけあって、詳しいですね。
ガルダさんに案内されていく場所は、少し先ほどに比べて、高級感のある建物が増えてきました。数階建てのレンガ造りの建物ですが、豪華な装飾が施された建物には、巨大なガラスがはめ込まれており、内装がしっかりと見えるようになっています。
ウィンドウショッピングの出来る場所として、存在している感じでしょうか。魔道具だけではなくて、服なども飾られている所を見ると本当に様々な品が取り揃えられている場所なのでしょう。
そんな雰囲気のい場所のせいか、客層が少し変化してきます。
先ほどに比べて、住人の服装の質が良くなっています。布も艶のあるものが多く、高級感を感じられる服装を着ている人も大勢見られるようになりました。
もしかして、この地域は、富裕層の方が多いんでしょうか。
「随分と人の雰囲気が変わりましたね」
「まあ、魔道具は高いものも多いからな。金持ちがよく利用してる」
「もしかして、調理用の魔道具って高額だったりしますか?」
「いや、素材にこだわらなければ、銅貨8枚ぐらいで変えると思うが」
それは良かった。私も多少は懐が温かいとはいえ、高額すぎるものを買えるほどではないですからね。
ガルダさんに案内された先は、1つの小さな工房でした。煌びやかな印象の道を通り抜け、裏手にある小さな建物です。
ガルダさんは、躊躇なく扉を開くと「じゃまするぞ」と店内に入っていきます。
もしかして、なじみの店なんでしょうか?
私もガルダさんに続いていて、店内に入っていくと、長いひげをたくわえた老人が座っていました。
かなり小柄な老人ですが、その体に弱弱しさはなく、どちらかというと筋肉質な印象を感じます。
ドワーフの老人ですね。いえ、もしかすると老人に見えるだけで、老人ではないのかもしれません。
「おお、ガルダ。久しいな。買い物にでも来たのか?」
「ああ、今日は、客を連れてきたんだ」
「どうも。初めまして」
ガルダさんが、私の方を見るので、一礼して挨拶をします。ドワーフの老人は少し驚いた表情を浮かべますが、ニヤリと笑いました。
「こりゃあ、かなりの美人を連れてきたな。お前の良い相手か?」
「いいえ、微塵もそのような可能性はない関係です」
さすがに私の好みの相手ではないので、そう思われるのは癪です。
私、どちらかというと女性が好みなので。ガルダさんの顔、ちょっと野性味が強すぎるので、タイプでもないですし。
私がそういうと、ドワーフのおじさんは、ガハハと豪快に笑いました。ちょっと、この人山賊っぽい感じしますね。
「随分と脈のない相手を連れてきたもんだな。ガルダよ」
「うるせぇよ。さっさと仕事しろ」
「ああ、悪い悪い。んで、お嬢ちゃんは、何が欲しんだ?」
「コンロですね。それから、調理器具がある程度、見繕えれば良いでしょうか。価格は、銀貨5枚までで」
「なるほど。それなら、シンプルだが良い物があるぜ」
そう言って、老人は奥の方から、箱を取り出しました。
箱の中から取り出したのは、鉄板です。この鉄板が魔道具なんですか?
「小型コンロだ。特殊な魔法を組み込んでるから、上に鍋やフライパンなんかを置けば、温められる」
「IHですね」
「IH?」
「ああ、いえ、こっちの話です」
そうですか、この世界にはない単語ですか。でも、機能的な部分では、IHクッキングヒーターです。
「価格は、銀貨3枚だ。問題点としては、火力が、強と弱の2つしか幅がないことだ。その分、細かな術式はないし軽くてコンパクトに使える」
「良いですね。買います」
「気前が良い嬢ちゃんだ。良いね。銀貨2枚で収まるように他も準備するから、ちょっと待ってな」
「よろしくお願いします」
正直、調理器具の良し悪しは、私には分かりませんから、勝手に準備してくれるなら、それにこしたことはありません。
切れない包丁とか渡されたら流石に困りますけど。
「俺らに教えるためだけにそんな高価な代物買っていいのかよ」
まあ、確かに安くはない金額です。
料理を教えたら、この道具類は彼らにあげるつもりですし。
道具がなければ、今後、料理をすることも出来ませんしね。
見ず知らずの犯罪者にこれだけ支援をしているのか、自分でもよく分かりませんけど、誘拐されたことの恨みよりも同情心の方が勝ってしまっているのです。
「私が、困ってる人を助けたくなる聖人だからでしょうか」
「お前、それ本気で言ってる?」
「いえ、まったく。正直、同情がないとは言い切れません。もしかしたら、ガルダさんの場所に私がいたかもしれませんから」
「物好きだな」
「あれ? 同情なんかいらねぇ! って突き返すのかと思いましたが」
「同情だろうとなんだろうと、得られるもんがあるなら、なんだっていいよ」
「そういうストイックなところは少し好感が持てます」
プライドでは、飯は食えません。同情されたからって、それで人の価値は下がりませんからね。
「なら、頑張って今日中に私から学べるところは学んでくださいな」
「用意出来たぞ」
私とガルダさんが話していると大きな袋を持った店主が出てきました。
軽く中身を確認してみますが、それほど、見慣れない調理器具は見当たりません。包丁、おたま、ヘラ、まな板。うん。見慣れた品々です。
「さて、戻りますか」
店主に軽くお礼を言ってから、ガルダさんの家に戻りました。
そこで、私達は、家のそばで立ち止まりました。人通りの少ない路地裏にあるガルダさんの家に来客が数名いました。青い制服に身を包んだ男達です。
私が近づくと男達はこちらに気づき、駆け寄ってきます。
「ご無事でしたか。あなたが拉致されたと連絡があり、救助に来ました」
一人の男が私の前に声をかけてきます。少し神経質そうな印象の男の人ですが、私に対して微笑みかけると私を庇うように引き寄せました。
「・・・・・・はい?」
「男は確保しろ」
「了解いたしました」
突如、男の言葉と共に背後にいた男達が、ガルダさんに近づき襲い掛かりました。ガルダさんは、少し抵抗しようとしますが、抵抗も虚しくあっという間に地面に倒され、押さえつけられます。
「お前を女性拉致の罪で捉える」
どういうことですか!?
煉瓦で作られた街並みは、中世の世界のようですが、中世の世界と違うものが、いくつかあります。
一つは、様々な種族の人々がいること。やはり、人間が圧倒的に多いですが、獣人、一纏めに呼んでしまいましたが、猫や狼、兎を思わせる姿をした人。長い耳を持った綺麗なエルフ、小柄で髭を蓄えたドワーフ、鬼を思わせる角の生えた人、明らかにトカゲの姿をした者までいるのですから、この世界の種族は、かなりの数、存在しているのでしょう。
異世界ならではの光景です。そして、さらにこの世界にしかないもの、魔道具の存在でしょう。
等間隔に設置された電灯や調理に使われている器具、この世界の道具のほとんどが、魔道具を使用しています。
魔道具の良いところは、全てが内臓された魔石によって事象を起こすので、配線を外部から引く必要がりません。
その辺に水やりをしているホースも取手と発射口が存在するだけの非常にコンパクトなデザインですし、水やりに水道設備が必ずしも必要ではないのが、この技術の特異な部分でしょう。
私は、物珍しげに周囲を歩き、立ち止まりました。
「それで、どこに行けば、調理器具は購入できるのですか?」
「あんた、目的地も知らないで歩いてたのかよ」
「この街は、初めてなので、どこに何があるか知りません」
ただ、買い物で街を見回る機会がなかったので、ついでに歩いてただけですからね。
「よくもまあ、それで、自信満々に先頭を歩いてたな」
「褒めても何も出ませんよ?」
「褒めてねぇよ」
「それで調理器具はどこに?」
「まあ、工房に行けば色々手に入るんじゃないか?」
「工房? なんの工房ですか?」
「そりゃあ、魔道具のだろ。まあ、武具なんかも取り扱ってる場所もあるが、それは別の場所だな。魔道具の店が多いのはこっちだ」
やはり、この町に住んでいるだけあって、詳しいですね。
ガルダさんに案内されていく場所は、少し先ほどに比べて、高級感のある建物が増えてきました。数階建てのレンガ造りの建物ですが、豪華な装飾が施された建物には、巨大なガラスがはめ込まれており、内装がしっかりと見えるようになっています。
ウィンドウショッピングの出来る場所として、存在している感じでしょうか。魔道具だけではなくて、服なども飾られている所を見ると本当に様々な品が取り揃えられている場所なのでしょう。
そんな雰囲気のい場所のせいか、客層が少し変化してきます。
先ほどに比べて、住人の服装の質が良くなっています。布も艶のあるものが多く、高級感を感じられる服装を着ている人も大勢見られるようになりました。
もしかして、この地域は、富裕層の方が多いんでしょうか。
「随分と人の雰囲気が変わりましたね」
「まあ、魔道具は高いものも多いからな。金持ちがよく利用してる」
「もしかして、調理用の魔道具って高額だったりしますか?」
「いや、素材にこだわらなければ、銅貨8枚ぐらいで変えると思うが」
それは良かった。私も多少は懐が温かいとはいえ、高額すぎるものを買えるほどではないですからね。
ガルダさんに案内された先は、1つの小さな工房でした。煌びやかな印象の道を通り抜け、裏手にある小さな建物です。
ガルダさんは、躊躇なく扉を開くと「じゃまするぞ」と店内に入っていきます。
もしかして、なじみの店なんでしょうか?
私もガルダさんに続いていて、店内に入っていくと、長いひげをたくわえた老人が座っていました。
かなり小柄な老人ですが、その体に弱弱しさはなく、どちらかというと筋肉質な印象を感じます。
ドワーフの老人ですね。いえ、もしかすると老人に見えるだけで、老人ではないのかもしれません。
「おお、ガルダ。久しいな。買い物にでも来たのか?」
「ああ、今日は、客を連れてきたんだ」
「どうも。初めまして」
ガルダさんが、私の方を見るので、一礼して挨拶をします。ドワーフの老人は少し驚いた表情を浮かべますが、ニヤリと笑いました。
「こりゃあ、かなりの美人を連れてきたな。お前の良い相手か?」
「いいえ、微塵もそのような可能性はない関係です」
さすがに私の好みの相手ではないので、そう思われるのは癪です。
私、どちらかというと女性が好みなので。ガルダさんの顔、ちょっと野性味が強すぎるので、タイプでもないですし。
私がそういうと、ドワーフのおじさんは、ガハハと豪快に笑いました。ちょっと、この人山賊っぽい感じしますね。
「随分と脈のない相手を連れてきたもんだな。ガルダよ」
「うるせぇよ。さっさと仕事しろ」
「ああ、悪い悪い。んで、お嬢ちゃんは、何が欲しんだ?」
「コンロですね。それから、調理器具がある程度、見繕えれば良いでしょうか。価格は、銀貨5枚までで」
「なるほど。それなら、シンプルだが良い物があるぜ」
そう言って、老人は奥の方から、箱を取り出しました。
箱の中から取り出したのは、鉄板です。この鉄板が魔道具なんですか?
「小型コンロだ。特殊な魔法を組み込んでるから、上に鍋やフライパンなんかを置けば、温められる」
「IHですね」
「IH?」
「ああ、いえ、こっちの話です」
そうですか、この世界にはない単語ですか。でも、機能的な部分では、IHクッキングヒーターです。
「価格は、銀貨3枚だ。問題点としては、火力が、強と弱の2つしか幅がないことだ。その分、細かな術式はないし軽くてコンパクトに使える」
「良いですね。買います」
「気前が良い嬢ちゃんだ。良いね。銀貨2枚で収まるように他も準備するから、ちょっと待ってな」
「よろしくお願いします」
正直、調理器具の良し悪しは、私には分かりませんから、勝手に準備してくれるなら、それにこしたことはありません。
切れない包丁とか渡されたら流石に困りますけど。
「俺らに教えるためだけにそんな高価な代物買っていいのかよ」
まあ、確かに安くはない金額です。
料理を教えたら、この道具類は彼らにあげるつもりですし。
道具がなければ、今後、料理をすることも出来ませんしね。
見ず知らずの犯罪者にこれだけ支援をしているのか、自分でもよく分かりませんけど、誘拐されたことの恨みよりも同情心の方が勝ってしまっているのです。
「私が、困ってる人を助けたくなる聖人だからでしょうか」
「お前、それ本気で言ってる?」
「いえ、まったく。正直、同情がないとは言い切れません。もしかしたら、ガルダさんの場所に私がいたかもしれませんから」
「物好きだな」
「あれ? 同情なんかいらねぇ! って突き返すのかと思いましたが」
「同情だろうとなんだろうと、得られるもんがあるなら、なんだっていいよ」
「そういうストイックなところは少し好感が持てます」
プライドでは、飯は食えません。同情されたからって、それで人の価値は下がりませんからね。
「なら、頑張って今日中に私から学べるところは学んでくださいな」
「用意出来たぞ」
私とガルダさんが話していると大きな袋を持った店主が出てきました。
軽く中身を確認してみますが、それほど、見慣れない調理器具は見当たりません。包丁、おたま、ヘラ、まな板。うん。見慣れた品々です。
「さて、戻りますか」
店主に軽くお礼を言ってから、ガルダさんの家に戻りました。
そこで、私達は、家のそばで立ち止まりました。人通りの少ない路地裏にあるガルダさんの家に来客が数名いました。青い制服に身を包んだ男達です。
私が近づくと男達はこちらに気づき、駆け寄ってきます。
「ご無事でしたか。あなたが拉致されたと連絡があり、救助に来ました」
一人の男が私の前に声をかけてきます。少し神経質そうな印象の男の人ですが、私に対して微笑みかけると私を庇うように引き寄せました。
「・・・・・・はい?」
「男は確保しろ」
「了解いたしました」
突如、男の言葉と共に背後にいた男達が、ガルダさんに近づき襲い掛かりました。ガルダさんは、少し抵抗しようとしますが、抵抗も虚しくあっという間に地面に倒され、押さえつけられます。
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