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3章
Part 141 『ひ弱な王子の小さな意地』
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「すっかり、寝ちゃいましたね。」
俺の膝に頭を乗せてスヤスヤと寝息を立てるサクヤを真冬さんは微笑ましそうに眺めていた。
サクヤは、あの後も酔っ払って別の人を俺だと勘違いして抱きつこうとしたり、脈絡なく抱っこしてほしいとか、散々色々な要求をした後、電池が切れたように両手で俺の左手を握りしめながら俺の膝の上で寝ている。
宴会もお開きになったようで先ほどまでいた鬼達の半数ほどは帰っていた。
「あんなにお酒が弱いとは思ってませんでした。でも、実際、お酒を飲むのは初めてだと思うので本人も知らなかったんでしょうけど。」
「良いじゃないですか。きっと、甘えたかったんですよ。」
「俺もこうやって積極的に愛情表現されるの初めてなので嬉しかったですけどね。」
「ふふふ、でも、だからって、毎回お酒飲ませちゃダメですよ。」
「いや、流石にこういうのは、たまにで良いです。」
じゃないと流石に身がもたない。今日だって鼓膜が箸で貫かれそうになっていたし、一歩間違えれば、かなりバイオレンスだ。
「さて、それじゃあ、風邪を引いてしまうかもしれないので寝室に案内しますね。サクヤさんは抱えられますか?」
そう言って真冬さんは立ち上がってそう言った。俺もサクヤが頭を打たないように手で頭を浮かせて膝をずらしてゆっくりとサクヤの頭を床に置いた。
そして、サクヤを抱き上げる。その様子を見て相変わらずの笑顔を真冬さんは浮かべる。
「お姫様だっこだなんて、ロマンチックですね。」
「あ、あの・・・・・・出来れば、早めに案内お願いして良いですか・・・」
情けない話なのだが、想像以上に腕がプルプルと震えている。あれ、こんなに筋力いるのものなのかと戦慄する。
サクヤは、普通の女性に比べれば軽いのは抱えてみれば分かるのだが、それでも俺の筋力が足りない。
「本人の前で言っちゃダメですよ?」
「流石にそんなことは言いませんよ・・・・・・」
「筋トレしないといけませんね。」
「一応、最近はしてるんですけどね。まあ、まだ、効果が出るほどはやってないんですけど・・・・・・」
そう、ツララとの一件以来、ちょっとずつではあるが筋トレをしている。自分はどうやったってリドやリューとは一緒に戦う事は出来ないけれど、少しは戦えるぐらいは筋肉が欲しいと思うようになったのだ。
必要性を感じると続かなかった事も続くもので今のところめげずに続けている。
「ちゃんと男の子してるんですね。」
「まあ、微力ですけどね。」
「継続することが大事なんですよ。それに頑張る男の子ってかっこいいじゃないですか。さ、それじゃあ、頑張って抱っこしてあげてくださいね。」
真冬さんは、そう言って、案内にゆっくりついていく。
落とさないようにしなければと思いながらも、ゆっくりと腕が沈んでいく。おんぶとかにすればよかったかもしれないと若干の後悔があるがもう後には引けなかった。
「ほらほら、頑張ってください。もう少しですよ。」
真冬さんは、明らかに面白がっている様子でそんな声をかけてくる。
「頑張りまっ・・・・・・す」
もう、ここまでくるとなんだか意地になってきて、腕に力を込めて足を進める。
サクヤを部屋に寝かせる頃には腕は、震えていて、「ああ、これは、明日は、筋肉痛だ・・・・・・」と思うのだった。
俺の膝に頭を乗せてスヤスヤと寝息を立てるサクヤを真冬さんは微笑ましそうに眺めていた。
サクヤは、あの後も酔っ払って別の人を俺だと勘違いして抱きつこうとしたり、脈絡なく抱っこしてほしいとか、散々色々な要求をした後、電池が切れたように両手で俺の左手を握りしめながら俺の膝の上で寝ている。
宴会もお開きになったようで先ほどまでいた鬼達の半数ほどは帰っていた。
「あんなにお酒が弱いとは思ってませんでした。でも、実際、お酒を飲むのは初めてだと思うので本人も知らなかったんでしょうけど。」
「良いじゃないですか。きっと、甘えたかったんですよ。」
「俺もこうやって積極的に愛情表現されるの初めてなので嬉しかったですけどね。」
「ふふふ、でも、だからって、毎回お酒飲ませちゃダメですよ。」
「いや、流石にこういうのは、たまにで良いです。」
じゃないと流石に身がもたない。今日だって鼓膜が箸で貫かれそうになっていたし、一歩間違えれば、かなりバイオレンスだ。
「さて、それじゃあ、風邪を引いてしまうかもしれないので寝室に案内しますね。サクヤさんは抱えられますか?」
そう言って真冬さんは立ち上がってそう言った。俺もサクヤが頭を打たないように手で頭を浮かせて膝をずらしてゆっくりとサクヤの頭を床に置いた。
そして、サクヤを抱き上げる。その様子を見て相変わらずの笑顔を真冬さんは浮かべる。
「お姫様だっこだなんて、ロマンチックですね。」
「あ、あの・・・・・・出来れば、早めに案内お願いして良いですか・・・」
情けない話なのだが、想像以上に腕がプルプルと震えている。あれ、こんなに筋力いるのものなのかと戦慄する。
サクヤは、普通の女性に比べれば軽いのは抱えてみれば分かるのだが、それでも俺の筋力が足りない。
「本人の前で言っちゃダメですよ?」
「流石にそんなことは言いませんよ・・・・・・」
「筋トレしないといけませんね。」
「一応、最近はしてるんですけどね。まあ、まだ、効果が出るほどはやってないんですけど・・・・・・」
そう、ツララとの一件以来、ちょっとずつではあるが筋トレをしている。自分はどうやったってリドやリューとは一緒に戦う事は出来ないけれど、少しは戦えるぐらいは筋肉が欲しいと思うようになったのだ。
必要性を感じると続かなかった事も続くもので今のところめげずに続けている。
「ちゃんと男の子してるんですね。」
「まあ、微力ですけどね。」
「継続することが大事なんですよ。それに頑張る男の子ってかっこいいじゃないですか。さ、それじゃあ、頑張って抱っこしてあげてくださいね。」
真冬さんは、そう言って、案内にゆっくりついていく。
落とさないようにしなければと思いながらも、ゆっくりと腕が沈んでいく。おんぶとかにすればよかったかもしれないと若干の後悔があるがもう後には引けなかった。
「ほらほら、頑張ってください。もう少しですよ。」
真冬さんは、明らかに面白がっている様子でそんな声をかけてくる。
「頑張りまっ・・・・・・す」
もう、ここまでくるとなんだか意地になってきて、腕に力を込めて足を進める。
サクヤを部屋に寝かせる頃には腕は、震えていて、「ああ、これは、明日は、筋肉痛だ・・・・・・」と思うのだった。
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