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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
不穏な動き
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「──────どうする? マリューシュの奴が派閥に勘づいたようだけど」
「そうですね……………取り敢えず、少し様子を見た方がいいかと思います」
「ふむ…………それもそうか。ああ、そうそう。この事は他言無用だからね? 勿論、あいつにも。もし話したりしたら…………分かっているね?」
「…………ええ、勿論です」
男の言葉に、女はギリッ…………! と歯噛みしながらそう言った。本当はこんな計画など放棄したい、今すぐ逃げ出したい。だけど──────それは出来ない。この男のせいで。
「クックック………………領地を自分の物にするのも一興だけど………それじゃ、つまんないんだよなぁ…………。刺激が、足りない」
男はニヒルな笑みを浮かべながらそう言った。それを聞いた女は、一刻も早く解放されたい、心からそんなことを思ったのだった。
◇◆◇◆◇
「マスター、マスター」
「ん? 何?」
「私にも名前をつけて欲しいです」
レクスの隣にいるレクスの指に載るようなサイズくらいしかない少女が、レクスの胸元から出てきてそう言った。背中から羽を生やしている。
「そういえばそうだね。名前がないと、色々不便だしね」
う~ん…………どうしよう。いい名前、いい名前…………なかなか思い浮かばないね。
この少女は、レクスがダンジョンでレベル上げや鉱石採取をしていたときに、『見る』のスキルが突如具象化したものだ。レベルが135を越えた時に、現れた。
「そんなに悩まなくてもいいんですよ? こうしてマスターと話すことが出来るだけでも、私は嬉しいのですから。名前は何でもいいんです」
少女はレクスの目の前を飛びながらそう言った。
「じゃあ…………ネムなんてどうかな?」
ネムには特に何の意味もないけど…………。
「ありがとうございます、マスター!」
レクスの周りを勢いよく飛び回りながらそう言う少女──────ネム。まあ、本人が喜んでくれてるならいいかな。
「それはそうと、マスター。気づいてますか?」
「うん、僕を取り囲むように七人くらい、僕についてきてるね」
レクスは、魔力で感じ取ったようでそう言った。
「一旦人気の無いところまで誘き寄せて、迎撃した方がいいかな」
「いえ、ここは逃げた方が宜しいかと」
「どうして?」
「…………厄介事に巻き込まれそうなのが、『見えた』ので」
なるほど…………『未来』が見えたってことね。具象化したことで、出来ることが増えたのかな?
「分かったよ。このままここを出よう」
レクス達は、そのまま『コルドバ』を後にした。
◇◆◇◆◇
「ちっ…………どっか行っちまったな」
「ああ」
銃を腰に提げたホルスターにしまった男─────ブーゲはそう言った。ドワーフ王国は勇者達を召喚したのだ。2年くらい前に。上の命令を無視して勝手にだ。しかし、ドワーフの王も軍なくして国を統制するのも難しい状況にある。故に、このような事が起こってしまったのだ。なぜ2年も何もしなかったのかと言えば、ただ単に勇者が弱かったので、特訓する期間が必要だったのだ。
「あの少年に我らを攻撃させて、それを口実に勇者に、あの少年を討ち取るためにセレニア皇国を攻めてもらう…………って算段だったのによ」
メンバーの内の一人が、そんなことをぼやいた。
「あの勇者には、王から優秀な魔術師がはけんされてるからなぁ…………。俺達が自分で傷をつけても、すぐに嘘だってばれちまう」
そうだな…………とその男の言葉に、もう一人の男が頷く。
「まあまあ、そう慌てるこたぁねえよ。手段は何もこれだけって訳じゃねえんだし、じっくりやってけばいいさ。急ぎでもねえし」
「そうですね…………」
ブーゲの言葉に、全員が納得したように頷くと全員その場から去っていった。その腕には、竜が剣で貫かれ、血を出しているような紋章が刻まれていた。
「そうですね……………取り敢えず、少し様子を見た方がいいかと思います」
「ふむ…………それもそうか。ああ、そうそう。この事は他言無用だからね? 勿論、あいつにも。もし話したりしたら…………分かっているね?」
「…………ええ、勿論です」
男の言葉に、女はギリッ…………! と歯噛みしながらそう言った。本当はこんな計画など放棄したい、今すぐ逃げ出したい。だけど──────それは出来ない。この男のせいで。
「クックック………………領地を自分の物にするのも一興だけど………それじゃ、つまんないんだよなぁ…………。刺激が、足りない」
男はニヒルな笑みを浮かべながらそう言った。それを聞いた女は、一刻も早く解放されたい、心からそんなことを思ったのだった。
◇◆◇◆◇
「マスター、マスター」
「ん? 何?」
「私にも名前をつけて欲しいです」
レクスの隣にいるレクスの指に載るようなサイズくらいしかない少女が、レクスの胸元から出てきてそう言った。背中から羽を生やしている。
「そういえばそうだね。名前がないと、色々不便だしね」
う~ん…………どうしよう。いい名前、いい名前…………なかなか思い浮かばないね。
この少女は、レクスがダンジョンでレベル上げや鉱石採取をしていたときに、『見る』のスキルが突如具象化したものだ。レベルが135を越えた時に、現れた。
「そんなに悩まなくてもいいんですよ? こうしてマスターと話すことが出来るだけでも、私は嬉しいのですから。名前は何でもいいんです」
少女はレクスの目の前を飛びながらそう言った。
「じゃあ…………ネムなんてどうかな?」
ネムには特に何の意味もないけど…………。
「ありがとうございます、マスター!」
レクスの周りを勢いよく飛び回りながらそう言う少女──────ネム。まあ、本人が喜んでくれてるならいいかな。
「それはそうと、マスター。気づいてますか?」
「うん、僕を取り囲むように七人くらい、僕についてきてるね」
レクスは、魔力で感じ取ったようでそう言った。
「一旦人気の無いところまで誘き寄せて、迎撃した方がいいかな」
「いえ、ここは逃げた方が宜しいかと」
「どうして?」
「…………厄介事に巻き込まれそうなのが、『見えた』ので」
なるほど…………『未来』が見えたってことね。具象化したことで、出来ることが増えたのかな?
「分かったよ。このままここを出よう」
レクス達は、そのまま『コルドバ』を後にした。
◇◆◇◆◇
「ちっ…………どっか行っちまったな」
「ああ」
銃を腰に提げたホルスターにしまった男─────ブーゲはそう言った。ドワーフ王国は勇者達を召喚したのだ。2年くらい前に。上の命令を無視して勝手にだ。しかし、ドワーフの王も軍なくして国を統制するのも難しい状況にある。故に、このような事が起こってしまったのだ。なぜ2年も何もしなかったのかと言えば、ただ単に勇者が弱かったので、特訓する期間が必要だったのだ。
「あの少年に我らを攻撃させて、それを口実に勇者に、あの少年を討ち取るためにセレニア皇国を攻めてもらう…………って算段だったのによ」
メンバーの内の一人が、そんなことをぼやいた。
「あの勇者には、王から優秀な魔術師がはけんされてるからなぁ…………。俺達が自分で傷をつけても、すぐに嘘だってばれちまう」
そうだな…………とその男の言葉に、もう一人の男が頷く。
「まあまあ、そう慌てるこたぁねえよ。手段は何もこれだけって訳じゃねえんだし、じっくりやってけばいいさ。急ぎでもねえし」
「そうですね…………」
ブーゲの言葉に、全員が納得したように頷くと全員その場から去っていった。その腕には、竜が剣で貫かれ、血を出しているような紋章が刻まれていた。
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