スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~

進んだ先に

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「なんか魔物が頻繁に発生しすぎじゃない?」


 ミドクはそう言った。それには、フウシもワチも同意見だった。何故なら──────目の前に、魔物が溢れ返っているからだ。それも、数十匹……………いや、数百匹にまで及ぶのではないか。これではとてもではないが、先に進めない。これほどの魔物の数…………ダンジョンの暴走だけではないような気がする。


「ここまで溢れ返ってたら……………もうこれ以上の探索は無理だね。今日のところはこれで切り上げよう」


 ミドクは苦笑しながら、その場から引き上げようと提案する。これだけの魔物の量がいれば、全て撃破するのは無理がある。─────と。


「ねえ、レクス、あれ見て……………」


 イルミはクイクイッとレクスの袖を引っ張り、魔物達がいる場所の上を指差す。そこには──────


「あ、あれは……………ポータル? しかも、普通のポータルじゃない……………」


 レクスにつられて上を見たワチがそう言った。喋り方が元に戻っている。余裕がなくなってきたのだろうか。


「ああ…………魔物合成強化型ポータルだ。間違いない。あれは、ハイエルフの、それも極々一部のやつしか知らない代物だ…………。なぜ、それがここに…………」


「なんですか? その、魔物合成強化型ポータル? というのは……………」


 レクスは全く聞き覚えのない言葉にそう問う。


「簡単に言えば…………っていうか、その名の通り、自動的に魔物を合成し、強化する代物だ。しかも、あれはダンジョンの魔力を吸い取って動いている。恐らく、なんらかの形でこの砦の外にも同様に設置されてる可能性が高い。そのせいで、ダンジョンが拡大したのかもしれないな…………」


 顎に手を当て、そんなことを考えるフウシ。しかし、そうすると誰が何のために設置したというのか。それが分からない。数年前から何の目的で計画したのかが、不明だ。


「…………どちらにせよ、俺達にはどうしようもない。ここはさっきミドクが言った通り、立ち去った方が賢明だろう」

 
 フウシはそう付け加えた。だが、ここでなんとかしておかなければ、後々大変なことになることは容易に想像がつく。


「………………やっぱり、あの魔物の群れを放置しておくことは出来ない」


 レクスは実はこの状況を打破出来るものが一つだけ思い付いていた。だが、問題は、数百匹の魔物に対して発動するのかどうか、というこの一点に尽きる。……………そこはやって、確かめてみるしかない。


「────────!? レクス!?」


 イルミはレクスが突然曲がり角から飛び出し、魔物の群れと相対したことに驚く。



「─────『発散』!!」


 そう。レクスがクジャ村から旅立ち、王都までの道のりで散々世話になったスキル、『発散』。


「──────やっぱり、全部は無理か…………」


 全魔物の三分の二くらいの魔物が、魔力を抜かれ、パタパタと倒れていく。魔物達は、次々と仲間が倒れていくことに、驚きを隠せない。だが、これだけ数が減ればいけるはずだ。ついでに、あのポータルも壊してしまおう、と考えるレクス。


「『切る』!」


 レクスは、通常使う魔力より少ない魔力で瞬時に、三日月状の刃を形成。天井に張り付いたポータルへ向けて、発射する。そして見事、ポータルを破壊──────


「───────えっ!?」


 出来なかった。ポータルの前で何か障壁のようなものにバリッ! と跳ね返される。魔物達も既にこちらに気づいており、一斉にこちらへ向かってくる。


「ミドクさん、すいません、ポータルまで破壊できませんでした! ──────って、ミドクさん?」


 レクスがそう声をかけたが、ミドク達はポカーンとしたような表情で固まっていたのだった。
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