スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)

文字の大きさ
352 / 454
8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~

策とは

しおりを挟む
「──────逃げられたね…………」


 ミドクの表情は芳しくない。事が大きくならないうちにリミル達を捕らえられればよかったのだが……………それは叶わなかった。恐らく、何かしらの対策を講じて再びここに来るだろう。あの最後に立ち去る時の目。あれは、諦めている奴のものではなかった。言うなればあれは──────しつこく執着してくる者の目だった。


「………………ヴァンナさんも結局連れていかれたままだしね…………」


 何一つ目的を果たせなかった。その悔しさは大きい。


「次来た時はとっちめてやるのだ!!」


 ティーナは場の雰囲気にそぐわないような声でそう言った。そのおかげかは分からないが、とがっていた場の雰囲気が少し柔らかくなった。しかし、こちらもただ待つだけでは駄目だ。策を立てる必要がある。───────と。


「ねえ、ちょっといい? 今、いい策を思い付いたんだけど」


 レクスがみんなにそう言った。この後に続くレクスの言葉にみんなはここぞとばかりに食い入るように聞くのだった──────



◇◆◇◆◇


 それから、数日後───────


「祭りが開催される? 二週間後にか?」


「うん、そうだよ~まあ風の噂程度に過ぎないんだけどね~」


 リミルはそう言った。リミル達は現在、小さい小屋を拠点アジトにしていた。リミルが速攻で作り上げた小屋なので作りは質素そのものだ。


「そういえばさ、オルクー。領地の経営の方は大丈夫なの? 長らく領地の方空けてるよね?」


「それなら大丈夫だ。長期出張ってことにして、代理も立ててあるからな。長期出張の内容を捻り出すのに苦労したくらいだよ」


 オルクリムはそう言って苦笑した。



「そっか~」


「リミル、所で例のやつ、完成しそうか?」


「うん、順調だよ~。あと一週間もあれば、ばっちりって感じだよ~」


 リミルはそう言った。リミルがそう言うのであれば、特に問題はないだろう。


「所で──────その、祭りの日なんだが……………仕掛けるのか?」


 オルクリムはそう聞く。祭りの日を狙えば、人も集まりやすいし、色々と利用しやすい。リミル達にとっては好都合。だが………………



「う~ん…………どうだろ? 今の所はまだ決めかねてるって感じかな~?」


 リミルはそう言った。これが罠だという可能性もゼロではない。もう少し様子を見てからでも遅くはないだろう。


「………………そうか」


 オルクリムもリミルに考えがあるのだろうと感じ取り、特に突っ込まなかった。


「それよりも、オルク~。飯にしようよ~、お腹も空いてきたし。あ、あと、皇女様の分も用意してあげないとね~。今頃お腹空かせてるだろうし~?」


「そうだな」


 幸い、小屋にも簡単な調理セットぐらいは揃えてある。簡単なものなら作れるはずだ。


「はぁ…………………」


 オルクリムは小さくため息をつくのだった。



◇◆◇◆◇


「フィアさん、準備の方はどう?」


「結構順調に進んでるよ。レクスも書類整理お疲れ。ジュース入れてこよっか?」


 フィアはレクスを気遣うようにそう言った。しかし、レクスは大丈夫、と首を横に振った。


「………………レクス、頑張るのもいいけど、ちゃんと休みなよ? 大事な時に力が発揮できなくなったら、元も子もないんだから」


 フィアは心配そうな声音でそう言った。レクスの目の下には隈が出来ており、疲れているのは目に見えていた。本人はそれを表に出していなかったつもりだが、フィアには見破られてしまった。やっぱり、フィアにはかなわない。


「……………うん、そうだね。最近ちょっと根を詰めすぎてたかもしれない」


 レクスは苦笑しながら、そう言うのだった。
しおりを挟む
感想 490

あなたにおすすめの小説

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

精霊に愛された錬金術師、チートすぎてもはや無敵!?

あーもんど
ファンタジー
精霊の愛し子で、帝国唯一の錬金術師である公爵令嬢プリシラ。 彼女は今日もマイペースに、精霊達と楽しくモノ作りに励む。 ときどき、悪人を断罪したり人々を救ったりしながら。 ◆小説家になろう様にて、先行公開中◆ ◆三人称視点で本格的に書くのは初めてなので、温かい目で見守っていただけますと幸いです◆

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。