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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
策とは
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「──────逃げられたね…………」
ミドクの表情は芳しくない。事が大きくならないうちにリミル達を捕らえられればよかったのだが……………それは叶わなかった。恐らく、何かしらの対策を講じて再びここに来るだろう。あの最後に立ち去る時の目。あれは、諦めている奴のものではなかった。言うなればあれは──────しつこく執着してくる者の目だった。
「………………ヴァンナさんも結局連れていかれたままだしね…………」
何一つ目的を果たせなかった。その悔しさは大きい。
「次来た時はとっちめてやるのだ!!」
ティーナは場の雰囲気にそぐわないような声でそう言った。そのおかげかは分からないが、とがっていた場の雰囲気が少し柔らかくなった。しかし、こちらもただ待つだけでは駄目だ。策を立てる必要がある。───────と。
「ねえ、ちょっといい? 今、いい策を思い付いたんだけど」
レクスがみんなにそう言った。この後に続くレクスの言葉にみんなはここぞとばかりに食い入るように聞くのだった──────
◇◆◇◆◇
それから、数日後───────
「祭りが開催される? 二週間後にか?」
「うん、そうだよ~まあ風の噂程度に過ぎないんだけどね~」
リミルはそう言った。リミル達は現在、小さい小屋を拠点にしていた。リミルが速攻で作り上げた小屋なので作りは質素そのものだ。
「そういえばさ、オルクー。領地の経営の方は大丈夫なの? 長らく領地の方空けてるよね?」
「それなら大丈夫だ。長期出張ってことにして、代理も立ててあるからな。長期出張の内容を捻り出すのに苦労したくらいだよ」
オルクリムはそう言って苦笑した。
「そっか~」
「リミル、所で例のやつ、完成しそうか?」
「うん、順調だよ~。あと一週間もあれば、ばっちりって感じだよ~」
リミルはそう言った。リミルがそう言うのであれば、特に問題はないだろう。
「所で──────その、祭りの日なんだが……………仕掛けるのか?」
オルクリムはそう聞く。祭りの日を狙えば、人も集まりやすいし、色々と利用しやすい。リミル達にとっては好都合。だが………………
「う~ん…………どうだろ? 今の所はまだ決めかねてるって感じかな~?」
リミルはそう言った。これが罠だという可能性もゼロではない。もう少し様子を見てからでも遅くはないだろう。
「………………そうか」
オルクリムもリミルに考えがあるのだろうと感じ取り、特に突っ込まなかった。
「それよりも、オルク~。飯にしようよ~、お腹も空いてきたし。あ、あと、皇女様の分も用意してあげないとね~。今頃お腹空かせてるだろうし~?」
「そうだな」
幸い、小屋にも簡単な調理セットぐらいは揃えてある。簡単なものなら作れるはずだ。
「はぁ…………………」
オルクリムは小さくため息をつくのだった。
◇◆◇◆◇
「フィアさん、準備の方はどう?」
「結構順調に進んでるよ。レクスも書類整理お疲れ。ジュース入れてこよっか?」
フィアはレクスを気遣うようにそう言った。しかし、レクスは大丈夫、と首を横に振った。
「………………レクス、頑張るのもいいけど、ちゃんと休みなよ? 大事な時に力が発揮できなくなったら、元も子もないんだから」
フィアは心配そうな声音でそう言った。レクスの目の下には隈が出来ており、疲れているのは目に見えていた。本人はそれを表に出していなかったつもりだが、フィアには見破られてしまった。やっぱり、フィアにはかなわない。
「……………うん、そうだね。最近ちょっと根を詰めすぎてたかもしれない」
レクスは苦笑しながら、そう言うのだった。
ミドクの表情は芳しくない。事が大きくならないうちにリミル達を捕らえられればよかったのだが……………それは叶わなかった。恐らく、何かしらの対策を講じて再びここに来るだろう。あの最後に立ち去る時の目。あれは、諦めている奴のものではなかった。言うなればあれは──────しつこく執着してくる者の目だった。
「………………ヴァンナさんも結局連れていかれたままだしね…………」
何一つ目的を果たせなかった。その悔しさは大きい。
「次来た時はとっちめてやるのだ!!」
ティーナは場の雰囲気にそぐわないような声でそう言った。そのおかげかは分からないが、とがっていた場の雰囲気が少し柔らかくなった。しかし、こちらもただ待つだけでは駄目だ。策を立てる必要がある。───────と。
「ねえ、ちょっといい? 今、いい策を思い付いたんだけど」
レクスがみんなにそう言った。この後に続くレクスの言葉にみんなはここぞとばかりに食い入るように聞くのだった──────
◇◆◇◆◇
それから、数日後───────
「祭りが開催される? 二週間後にか?」
「うん、そうだよ~まあ風の噂程度に過ぎないんだけどね~」
リミルはそう言った。リミル達は現在、小さい小屋を拠点にしていた。リミルが速攻で作り上げた小屋なので作りは質素そのものだ。
「そういえばさ、オルクー。領地の経営の方は大丈夫なの? 長らく領地の方空けてるよね?」
「それなら大丈夫だ。長期出張ってことにして、代理も立ててあるからな。長期出張の内容を捻り出すのに苦労したくらいだよ」
オルクリムはそう言って苦笑した。
「そっか~」
「リミル、所で例のやつ、完成しそうか?」
「うん、順調だよ~。あと一週間もあれば、ばっちりって感じだよ~」
リミルはそう言った。リミルがそう言うのであれば、特に問題はないだろう。
「所で──────その、祭りの日なんだが……………仕掛けるのか?」
オルクリムはそう聞く。祭りの日を狙えば、人も集まりやすいし、色々と利用しやすい。リミル達にとっては好都合。だが………………
「う~ん…………どうだろ? 今の所はまだ決めかねてるって感じかな~?」
リミルはそう言った。これが罠だという可能性もゼロではない。もう少し様子を見てからでも遅くはないだろう。
「………………そうか」
オルクリムもリミルに考えがあるのだろうと感じ取り、特に突っ込まなかった。
「それよりも、オルク~。飯にしようよ~、お腹も空いてきたし。あ、あと、皇女様の分も用意してあげないとね~。今頃お腹空かせてるだろうし~?」
「そうだな」
幸い、小屋にも簡単な調理セットぐらいは揃えてある。簡単なものなら作れるはずだ。
「はぁ…………………」
オルクリムは小さくため息をつくのだった。
◇◆◇◆◇
「フィアさん、準備の方はどう?」
「結構順調に進んでるよ。レクスも書類整理お疲れ。ジュース入れてこよっか?」
フィアはレクスを気遣うようにそう言った。しかし、レクスは大丈夫、と首を横に振った。
「………………レクス、頑張るのもいいけど、ちゃんと休みなよ? 大事な時に力が発揮できなくなったら、元も子もないんだから」
フィアは心配そうな声音でそう言った。レクスの目の下には隈が出来ており、疲れているのは目に見えていた。本人はそれを表に出していなかったつもりだが、フィアには見破られてしまった。やっぱり、フィアにはかなわない。
「……………うん、そうだね。最近ちょっと根を詰めすぎてたかもしれない」
レクスは苦笑しながら、そう言うのだった。
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