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9章 祝福
自由気ままな教師はいた
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「ええと…………魔法実技もですか? 魔法座学だけでなく?」
「うん、実は…………古参のロビンス先生が急に旅がしたいって言い出してね…………教師を辞めることになったんだ」
旅に出たいから教師を辞めるらしいロビンス先生。なんというか……………自由奔放過ぎる。そういうのにも、憧れないわけではない。レクスとて、訪れていないところは多々ある。暇があれば行ってみたいとさえ思っていた。候補もいくつか絞ってあるのは…………秘密だ。
「ロビンス先生、自由奔放なところがありましたからねー。いつか辞めるんじゃないかと思ってましたが、本当に辞めるとは…………」
ナタリアもはぁー…………と溜め息をつきながらそんなことを言う。
「もしかしたら、旅に途中で飽きて戻ってくるかもしれませんね。っていうか、絶対に戻ってきますよ、ロビンス先生」
「いや、そんなことはないんじゃないかな? 『もう教師職に未練は残ってないヨ!』みたいなこと言ってたし」
「全然似てませんよ……………?」
レクスにとっては知らない話題なので、二人の話を聞くだけで精一杯だ。だが、聞いていて面白いので、もうちょっと聞いてみたい気もする。
「ああっと、ごめんごめん。話がそれちゃったね。まあ、そんなわけで、魔法実技もレクス君に担当してもらうことになるから、宜しくね」
ラノットはそう言いながら、自分の後ろに置いてある段ボールから二冊の本を取り出した。
「はいこれ。魔法座学と魔法実技の教科書。一応渡しとくね。あと、アプローチは教科書と違くてもいいけど、テストもあるから教科書に書いてあることもきっちり教えといてね。後々、生徒からクレームの嵐が飛んでくるかもしれないからね」
冗談っぽくそう言いながら笑った。教科書通りに教えるのもしっかりしないといけないということは………………それすなわち、レクス自身が勉強し直す必要があるということだ。これは大変だ。なんせ、教科書が分厚い。
「中々大変になりそうだなぁ……………」
レクスは苦笑しつつ、そんなことを呟くのだった。
◇◆◇◆◇
「レクス。改めて、今日は来てくれてありがとう」
「いやいや。下見ができて良かったよ」
軽く自分の学生生活を思い出したりもした。やはり、学園はいつ来てもいいものだ。レクスが感慨に耽っていると、不意にナタリアが慌て出した。
「あっ、私、この後授業あるから急いで行かないと。レクス、また五日後にね」
「うん、またね」
ナタリアはレクスの言葉に軽く頷くと、すぐさま学園の方へと戻っていく。門の前まで歩いて来る時に聞いたのだが、ナタリアの担当は『薬学』らしい。
「さてと………………」
レクスがどうしようかな、なんて考えながら門に背を向けて歩き出した途端──────
「────────」
レクスは後ろを振り向く。しかし─────特に何も異変はなかった。一応、その近くまで行って確認してもみたが─────やはり、何もなかった。考えすぎなのかもしれない。だが、最近奇妙な事件が立て続けに起こっているので、警戒するに越したことはないだろう。
「何もないといいけど……………」
ふぅ…………という溜め息と共にそう呟いた。
◇◆◇◆◇
とある場所にて──────
「世界の再構を叶えたまえ……………」
「望むは平等……………」
「解放を我が手に……………」
一心に祈る信者達の姿があった。祈りを捧げるのは一体の像。
「──────失礼する」
そんな神聖な場所に声が響く。声の主は黒のフードを身に纏っていた。
「…………なんの用です? ここは神聖な場所。貴方のような者が立ち入っていい場所ではありません」
信者の代表らしい女性が前に進み出て、そう言った。剣呑な眼差しを黒のフードを身に纏った人物に向ける。だが、黒フードはそんな視線など意に介さず、少し考える素振りを見せた後、口を開く。
「──────我々と共に戦う気はないか?」
「うん、実は…………古参のロビンス先生が急に旅がしたいって言い出してね…………教師を辞めることになったんだ」
旅に出たいから教師を辞めるらしいロビンス先生。なんというか……………自由奔放過ぎる。そういうのにも、憧れないわけではない。レクスとて、訪れていないところは多々ある。暇があれば行ってみたいとさえ思っていた。候補もいくつか絞ってあるのは…………秘密だ。
「ロビンス先生、自由奔放なところがありましたからねー。いつか辞めるんじゃないかと思ってましたが、本当に辞めるとは…………」
ナタリアもはぁー…………と溜め息をつきながらそんなことを言う。
「もしかしたら、旅に途中で飽きて戻ってくるかもしれませんね。っていうか、絶対に戻ってきますよ、ロビンス先生」
「いや、そんなことはないんじゃないかな? 『もう教師職に未練は残ってないヨ!』みたいなこと言ってたし」
「全然似てませんよ……………?」
レクスにとっては知らない話題なので、二人の話を聞くだけで精一杯だ。だが、聞いていて面白いので、もうちょっと聞いてみたい気もする。
「ああっと、ごめんごめん。話がそれちゃったね。まあ、そんなわけで、魔法実技もレクス君に担当してもらうことになるから、宜しくね」
ラノットはそう言いながら、自分の後ろに置いてある段ボールから二冊の本を取り出した。
「はいこれ。魔法座学と魔法実技の教科書。一応渡しとくね。あと、アプローチは教科書と違くてもいいけど、テストもあるから教科書に書いてあることもきっちり教えといてね。後々、生徒からクレームの嵐が飛んでくるかもしれないからね」
冗談っぽくそう言いながら笑った。教科書通りに教えるのもしっかりしないといけないということは………………それすなわち、レクス自身が勉強し直す必要があるということだ。これは大変だ。なんせ、教科書が分厚い。
「中々大変になりそうだなぁ……………」
レクスは苦笑しつつ、そんなことを呟くのだった。
◇◆◇◆◇
「レクス。改めて、今日は来てくれてありがとう」
「いやいや。下見ができて良かったよ」
軽く自分の学生生活を思い出したりもした。やはり、学園はいつ来てもいいものだ。レクスが感慨に耽っていると、不意にナタリアが慌て出した。
「あっ、私、この後授業あるから急いで行かないと。レクス、また五日後にね」
「うん、またね」
ナタリアはレクスの言葉に軽く頷くと、すぐさま学園の方へと戻っていく。門の前まで歩いて来る時に聞いたのだが、ナタリアの担当は『薬学』らしい。
「さてと………………」
レクスがどうしようかな、なんて考えながら門に背を向けて歩き出した途端──────
「────────」
レクスは後ろを振り向く。しかし─────特に何も異変はなかった。一応、その近くまで行って確認してもみたが─────やはり、何もなかった。考えすぎなのかもしれない。だが、最近奇妙な事件が立て続けに起こっているので、警戒するに越したことはないだろう。
「何もないといいけど……………」
ふぅ…………という溜め息と共にそう呟いた。
◇◆◇◆◇
とある場所にて──────
「世界の再構を叶えたまえ……………」
「望むは平等……………」
「解放を我が手に……………」
一心に祈る信者達の姿があった。祈りを捧げるのは一体の像。
「──────失礼する」
そんな神聖な場所に声が響く。声の主は黒のフードを身に纏っていた。
「…………なんの用です? ここは神聖な場所。貴方のような者が立ち入っていい場所ではありません」
信者の代表らしい女性が前に進み出て、そう言った。剣呑な眼差しを黒のフードを身に纏った人物に向ける。だが、黒フードはそんな視線など意に介さず、少し考える素振りを見せた後、口を開く。
「──────我々と共に戦う気はないか?」
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