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85.盛り上がりすぎて夕方まで
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「見えるようになられたのですね」
ハンカチで目元や頬を押さえるシルビア様に頷く。それから感激のあまり泣き崩れたナタリア様に近づき、肩を抱いた。
「驚かせてごめんなさいね。私の大切なお友達に、早く知らせたかったの。今朝なのよ」
今朝見えるようになったばかりと話しながら、皆で別の客間へ移動した。お待ちいただいた控室は、南に大きな窓があり眩しいの。北に窓がある柔らかな日差しの客間で、いつもよりお行儀悪くお茶会は始まった。
エルやシルビア様の息子は柵の中で休ませ、ナタリア様の娘はリリアナとクッションの上で遊ぶ。どちらも楽しそうで、自然と頬が緩んだ。
皇族の乳母として働いたバーサは、若い数人の侍女とともに子ども達の相手をしてくれる。安心して会話に花を咲かせた。焼き菓子を口に入れ、紅茶の水色を楽しむ。見えるだけで、こんなに情報量が増えるなんて。
「見えなくなる前より、世界が美しく見えるわ」
「そうなのですね、見えないと音が中心になるのですか?」
「匂いや振動にも敏感になったわね」
質問されて答えて、お互いに遠慮なく会話を進める。もし私が見えていなかったら、彼女達は会話の糸口を見つけられたかしら。そう思うほど、見えなかった間のことを尋ねられた。
もう一つのお祝い事、いつ披露しよう。ちらりと視線を向けた先で、リリアナと目が合った。ぱちくりと大きな目が瞬いて、琥珀色がとろりと甘く溶けた。立ち上がったリリアナは、嬉しそうに両手を広げて駆けてくる。
「お義母様」
「え?」
「それって……」
いつもなら「子どもの言葉ですから」と流す彼女達も、「どうしたの?」と微笑み返す私の様子に固まった。
「もしかして?」
「大公様と?」
ナタリア様もシルビア様も、驚きすぎて動きがおかしいわ。くすくす笑いながら肯定した。
「ええ。リリアナは私の娘になります」
遠回しの表現で伝えた。この場にオスカル様もいらっしゃれば、夫や家族ができると表現したかも。今この部屋にいるのは、幼子を除けば女性ばかり。事情をすでに知る侍女達は口を揃えた。
「おめでとうございます」
「ありがとう」
先ほども聞いた祝いの言葉が胸に沁みる。抱き付いたリリアナが嬉しそうに顔を上げた。可愛いこの子が私の娘になってくれるの。自慢したくなってそう口にしたら、一斉に甲高い悲鳴が響いた。
「きゃぁあ! 素敵。おめでとうございます。とてもお似合いだわ」
「うそぉ! すごくおめでたいわ。お祝いは何がいいかしら。リリアナ様とお揃いのドレスなんてどうかしら」
「ナタリア様がドレスを用意するなら、私は靴と帽子を贈るわ」
盛り上がる友人達から、馴れ初めや求婚の状況を根掘り葉掘り尋ねられ、照れながらも半分ほど答えた。お茶会はとても盛り上がり、解散したのは予定から2時間も遅れ、日暮れが近づく頃だった。
フォルテア侯爵家とパレデス伯爵家には、宮殿から帰宅が遅れる連絡を入れてもらった。名残惜しく思いながら解散し、リリアナと手のひらを合わせた。
「うまく行ったわ!」
「楽しかった!」
仲良く手を繋ぎ、薄暗くなった廊下を進む。まだエルを抱いての移動は無理だけど、もうすぐ視力も生活も元に戻るのね。いえ、新しい家族が増えるから変化するんだわ。考えるだけで、わくわくした。
ハンカチで目元や頬を押さえるシルビア様に頷く。それから感激のあまり泣き崩れたナタリア様に近づき、肩を抱いた。
「驚かせてごめんなさいね。私の大切なお友達に、早く知らせたかったの。今朝なのよ」
今朝見えるようになったばかりと話しながら、皆で別の客間へ移動した。お待ちいただいた控室は、南に大きな窓があり眩しいの。北に窓がある柔らかな日差しの客間で、いつもよりお行儀悪くお茶会は始まった。
エルやシルビア様の息子は柵の中で休ませ、ナタリア様の娘はリリアナとクッションの上で遊ぶ。どちらも楽しそうで、自然と頬が緩んだ。
皇族の乳母として働いたバーサは、若い数人の侍女とともに子ども達の相手をしてくれる。安心して会話に花を咲かせた。焼き菓子を口に入れ、紅茶の水色を楽しむ。見えるだけで、こんなに情報量が増えるなんて。
「見えなくなる前より、世界が美しく見えるわ」
「そうなのですね、見えないと音が中心になるのですか?」
「匂いや振動にも敏感になったわね」
質問されて答えて、お互いに遠慮なく会話を進める。もし私が見えていなかったら、彼女達は会話の糸口を見つけられたかしら。そう思うほど、見えなかった間のことを尋ねられた。
もう一つのお祝い事、いつ披露しよう。ちらりと視線を向けた先で、リリアナと目が合った。ぱちくりと大きな目が瞬いて、琥珀色がとろりと甘く溶けた。立ち上がったリリアナは、嬉しそうに両手を広げて駆けてくる。
「お義母様」
「え?」
「それって……」
いつもなら「子どもの言葉ですから」と流す彼女達も、「どうしたの?」と微笑み返す私の様子に固まった。
「もしかして?」
「大公様と?」
ナタリア様もシルビア様も、驚きすぎて動きがおかしいわ。くすくす笑いながら肯定した。
「ええ。リリアナは私の娘になります」
遠回しの表現で伝えた。この場にオスカル様もいらっしゃれば、夫や家族ができると表現したかも。今この部屋にいるのは、幼子を除けば女性ばかり。事情をすでに知る侍女達は口を揃えた。
「おめでとうございます」
「ありがとう」
先ほども聞いた祝いの言葉が胸に沁みる。抱き付いたリリアナが嬉しそうに顔を上げた。可愛いこの子が私の娘になってくれるの。自慢したくなってそう口にしたら、一斉に甲高い悲鳴が響いた。
「きゃぁあ! 素敵。おめでとうございます。とてもお似合いだわ」
「うそぉ! すごくおめでたいわ。お祝いは何がいいかしら。リリアナ様とお揃いのドレスなんてどうかしら」
「ナタリア様がドレスを用意するなら、私は靴と帽子を贈るわ」
盛り上がる友人達から、馴れ初めや求婚の状況を根掘り葉掘り尋ねられ、照れながらも半分ほど答えた。お茶会はとても盛り上がり、解散したのは予定から2時間も遅れ、日暮れが近づく頃だった。
フォルテア侯爵家とパレデス伯爵家には、宮殿から帰宅が遅れる連絡を入れてもらった。名残惜しく思いながら解散し、リリアナと手のひらを合わせた。
「うまく行ったわ!」
「楽しかった!」
仲良く手を繋ぎ、薄暗くなった廊下を進む。まだエルを抱いての移動は無理だけど、もうすぐ視力も生活も元に戻るのね。いえ、新しい家族が増えるから変化するんだわ。考えるだけで、わくわくした。
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