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第十九章 滅びゆく風の音
第82話 ツガシエ再興の鍵(1)
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パウリーネは朗報を手に、大喜びで主の城へ戻った。
「おかえり」
「ただいま戻りましたわ、リア様」
吊るし終えたカーテンを開けていたルリアージェに手を振られ、反射的にその前に降りてしまった。優しく迎えるルリアージェの声に、にっこり笑って答える。
「良い情報を得ましたわ。ツガシエの王族の遠縁が公爵家として残っておりますの。彼らを次の王族として、国を継続できます」
「ツガシエの王族の遠縁?」
「ツガシエの王族は毒を盛ったでしょう? それで責任を取って退位したのよ」
駆け寄ったライラが慌てて軌道修正を図る。ルリアージェ自身は毒を中和した直後にジルに意識を奪われたため、その後のツガシエ王グリゴリーの見苦しい足掻きや王宮ごと消した話を知らなかった。
きょとんとした顔のルリアージェに、パウリーネは失言を補うため微笑みながら話を逸らす。
「ええ、そうですの。ツガシエほどの大国、まさか王族なしで放置するわけにいきませんから、親族を探して継がせることに……」
「王太子殿下はどうした? 他のお子様方が継ぐのではないのか?」
王が退位しただけならば、確かにそうだ。王家の血を引く直系の王子や王女がいれば、彼らが跡を取るのが一般的だった。焦って次の言葉が出てこない彼女達に、助けの手が伸ばされる。
「リア、ジェンの水晶を少し加工したぞ」
龍炎のラヴィアから引きはがされた炎の龍は、ルリアージェに新たな名前ジェンを与えられて水晶の中にいる。元は属性通りの赤い龍だったが、ジルの魔力を追加したことで青と黄が混じった美しい水龍のような外見になっていた。
ジルの手に絡みついたジェンが、ふわふわと空中を漂ってルリアージェの腕に絡みつく。美しい青系の龍体に、黄色と青のグラデーションの鬣を揺らした小さな龍は、主の銀髪に頬ずりした。
「ジェンは甘え上手だ」
「羨ましい限りだね。リアにそこまで甘やかしてもらえるなら、オレも龍になるかな」
とんでもない発言をして絶世の美貌で微笑むジルの後ろを、ライラとパウリーネが抜き足差し足逃げていく。天然だが意外なところで突っ込み鋭いルリアージェに、隠していた事実が危うくバレるところだった。
「危なかったわ」
「ごめんなさい、リア様が知らないこと忘れてたの」
隣の大広間で、ほっと胸を撫でおろす。
「お茶を用意しますので、少ししたらリア様とジル様をお呼びしますよ。先に報告をお願いします」
リオネルの声に、2人は慌ててテーブルにつく。読書をしていたリシュアが本を閉じ、その音が会議の始まりを告げた。
「おかえり」
「ただいま戻りましたわ、リア様」
吊るし終えたカーテンを開けていたルリアージェに手を振られ、反射的にその前に降りてしまった。優しく迎えるルリアージェの声に、にっこり笑って答える。
「良い情報を得ましたわ。ツガシエの王族の遠縁が公爵家として残っておりますの。彼らを次の王族として、国を継続できます」
「ツガシエの王族の遠縁?」
「ツガシエの王族は毒を盛ったでしょう? それで責任を取って退位したのよ」
駆け寄ったライラが慌てて軌道修正を図る。ルリアージェ自身は毒を中和した直後にジルに意識を奪われたため、その後のツガシエ王グリゴリーの見苦しい足掻きや王宮ごと消した話を知らなかった。
きょとんとした顔のルリアージェに、パウリーネは失言を補うため微笑みながら話を逸らす。
「ええ、そうですの。ツガシエほどの大国、まさか王族なしで放置するわけにいきませんから、親族を探して継がせることに……」
「王太子殿下はどうした? 他のお子様方が継ぐのではないのか?」
王が退位しただけならば、確かにそうだ。王家の血を引く直系の王子や王女がいれば、彼らが跡を取るのが一般的だった。焦って次の言葉が出てこない彼女達に、助けの手が伸ばされる。
「リア、ジェンの水晶を少し加工したぞ」
龍炎のラヴィアから引きはがされた炎の龍は、ルリアージェに新たな名前ジェンを与えられて水晶の中にいる。元は属性通りの赤い龍だったが、ジルの魔力を追加したことで青と黄が混じった美しい水龍のような外見になっていた。
ジルの手に絡みついたジェンが、ふわふわと空中を漂ってルリアージェの腕に絡みつく。美しい青系の龍体に、黄色と青のグラデーションの鬣を揺らした小さな龍は、主の銀髪に頬ずりした。
「ジェンは甘え上手だ」
「羨ましい限りだね。リアにそこまで甘やかしてもらえるなら、オレも龍になるかな」
とんでもない発言をして絶世の美貌で微笑むジルの後ろを、ライラとパウリーネが抜き足差し足逃げていく。天然だが意外なところで突っ込み鋭いルリアージェに、隠していた事実が危うくバレるところだった。
「危なかったわ」
「ごめんなさい、リア様が知らないこと忘れてたの」
隣の大広間で、ほっと胸を撫でおろす。
「お茶を用意しますので、少ししたらリア様とジル様をお呼びしますよ。先に報告をお願いします」
リオネルの声に、2人は慌ててテーブルにつく。読書をしていたリシュアが本を閉じ、その音が会議の始まりを告げた。
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