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101.天使って嫌な人なんだね
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パパは僕を助けてくれた。怖い人に殴られそうになったところを、守ってくれる。アガレスも来て、一緒に戦ってくれたんだって。後からアモン達も来たけど、パパとアガレスが強過ぎたって唇を尖らせてた。
がりがりと絵を描く。今日はクレヨンを使って、太い線で描くんだ。白い紙に翼のある悪い人が床に倒れてて、パパが勝った絵にした。パパとアガレスの近くに、捕まってた僕も描くんだよ。鎖が出てて……。
「カリス、鎖は描かなくていいぞ」
「そうなの?」
パパが止めるから、鎖は描かない。あの鎖は重くて、ピリピリした。手で触ると痛くて、大嫌い。翼のあるあの人達は「天使」という種族だと教えてもらった。悪魔を嫌いで、すぐに虐めてくるみたい。あの鎖は僕が悪魔であるパパの子だから、意地悪で付けたのかな。嫌な人達だね。
パパの息子になったから、僕も悪魔なの。白い翼をいっぱいつけた人がいたら、逃げてパパを呼ぶ約束が増えた。新しい約束だよ。僕の胸にあったパパと繋がる印を、天使は壊そうとした。でもパパと僕は仲良しだから、僕の声が聞こえたの。壊されそうになった契約の印は、また元通りにパパが直してくれたよ。
熱が下がってから聞いた内容を、忘れないように絵にしていく。パパと僕の間に線を引いて、繋がってる絵だった。でも気に入らなくてもう一枚描く。なんか違う気がする。また描こうとした僕を、パパが抱き上げた。
「これは立派な絵だな。凄いぞ、カリス。ちゃんと俺とカリスが繋がってると分かる。天使に負けなかった証だ」
「うん!」
パパが褒めた絵をもう一度見たら、すごくいい絵な気がした。なんでさっきは気に入らなかったんだろう? 綺麗なパパと繋がってる線を指でなぞり、僕は笑う。そうするとパパも笑ってくれた。
抱っこされて一緒に過ごす。同じ部屋で、くっついて。僕が帰ってきてから何日も経つけど、ずっと一緒なんだ。ご飯も寝る時も、お風呂だって。仕事の時も手が届く場所にいるんだよ。パパは僕が邪魔じゃないのかな。
「カリスが邪魔? 絶対にないぞ。こうやって腕の中に閉じ込めておきたいくらいだ」
「体が弱ってしまいますので、適度に運動してくださいね」
「わかってる」
アガレスが注意して、パパがむっとして答える。おかしくなって笑った。お茶を飲んでお菓子を食べる。その間も僕はパパのお膝にいた。そういえば、いつも仕事してるマルバスはお休み? アモンも来ないね。
「カリスが寝てる時に顔を見てたぞ」
「いつ?」
「さっき、昼寝をしただろう。その時だ」
今日のお昼ご飯をセーレが持って来て、並んで食べた。その後少し寝たけど、あの時に来たの?
「そうだ」
「今度は来たら起こしてね」
「またすぐ来る。カリスはもっとたくさん寝て、もっといっぱい食べて大きくなることを考えろ」
大きく? パパくらいになれるといいな。そうしたら、僕もパパをお膝に乗せられるかも知れない。わくわくする僕の横で、パパは「それはない」と呟いたけど何のお話だろう。
がりがりと絵を描く。今日はクレヨンを使って、太い線で描くんだ。白い紙に翼のある悪い人が床に倒れてて、パパが勝った絵にした。パパとアガレスの近くに、捕まってた僕も描くんだよ。鎖が出てて……。
「カリス、鎖は描かなくていいぞ」
「そうなの?」
パパが止めるから、鎖は描かない。あの鎖は重くて、ピリピリした。手で触ると痛くて、大嫌い。翼のあるあの人達は「天使」という種族だと教えてもらった。悪魔を嫌いで、すぐに虐めてくるみたい。あの鎖は僕が悪魔であるパパの子だから、意地悪で付けたのかな。嫌な人達だね。
パパの息子になったから、僕も悪魔なの。白い翼をいっぱいつけた人がいたら、逃げてパパを呼ぶ約束が増えた。新しい約束だよ。僕の胸にあったパパと繋がる印を、天使は壊そうとした。でもパパと僕は仲良しだから、僕の声が聞こえたの。壊されそうになった契約の印は、また元通りにパパが直してくれたよ。
熱が下がってから聞いた内容を、忘れないように絵にしていく。パパと僕の間に線を引いて、繋がってる絵だった。でも気に入らなくてもう一枚描く。なんか違う気がする。また描こうとした僕を、パパが抱き上げた。
「これは立派な絵だな。凄いぞ、カリス。ちゃんと俺とカリスが繋がってると分かる。天使に負けなかった証だ」
「うん!」
パパが褒めた絵をもう一度見たら、すごくいい絵な気がした。なんでさっきは気に入らなかったんだろう? 綺麗なパパと繋がってる線を指でなぞり、僕は笑う。そうするとパパも笑ってくれた。
抱っこされて一緒に過ごす。同じ部屋で、くっついて。僕が帰ってきてから何日も経つけど、ずっと一緒なんだ。ご飯も寝る時も、お風呂だって。仕事の時も手が届く場所にいるんだよ。パパは僕が邪魔じゃないのかな。
「カリスが邪魔? 絶対にないぞ。こうやって腕の中に閉じ込めておきたいくらいだ」
「体が弱ってしまいますので、適度に運動してくださいね」
「わかってる」
アガレスが注意して、パパがむっとして答える。おかしくなって笑った。お茶を飲んでお菓子を食べる。その間も僕はパパのお膝にいた。そういえば、いつも仕事してるマルバスはお休み? アモンも来ないね。
「カリスが寝てる時に顔を見てたぞ」
「いつ?」
「さっき、昼寝をしただろう。その時だ」
今日のお昼ご飯をセーレが持って来て、並んで食べた。その後少し寝たけど、あの時に来たの?
「そうだ」
「今度は来たら起こしてね」
「またすぐ来る。カリスはもっとたくさん寝て、もっといっぱい食べて大きくなることを考えろ」
大きく? パパくらいになれるといいな。そうしたら、僕もパパをお膝に乗せられるかも知れない。わくわくする僕の横で、パパは「それはない」と呟いたけど何のお話だろう。
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